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c..★実況禁止★ 実況を目的としたスレは市況実況板でお願いします。
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石破茂首相は1日付で2025年の年頭所感を発表。自民、公明両党の連立政権を基盤に「他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう、真摯に謙虚に、国民の安心と安全を守るべく取り組んでいく」とした。
<国内>
○年始で休場
<海外>
○09:00 ◎ 10-12月期シンガポール国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比▲0.4%)
○10:45 ◎ 12月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:51.7)
○16:00 ◇ 12月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○16:00 ◇ 12月トルコ製造業PMI
○17:30 ◇ 12月スイス製造業PMI(予想:48.3)
○17:50 ◎ 12月仏製造業PMI改定値(予想:41.9)
○17:55 ◎ 12月独製造業PMI改定値(予想:42.5)
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:45.2)
○18:30 ◎ 12月英製造業PMI改定値(予想:47.3)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数(2週分)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.2万件/189.0万人)
○23:45 ◎ 12月米製造業PMI改定値(予想:48.3)
○24:00 ◇ 11月米建設支出(予想:前月比0.3%)
○24:00 ◇ 12月メキシコ製造業PMI
○3日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
○ニュージーランド、ロシア(新年休暇)、スイス(聖ベルヒトルトの日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.58%台まで上昇したことで、欧州市場序盤の安値156.02円から157.55円まで上昇した。ユーロドルは米長期金利の上昇やロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いなどで1.0344ドルまで下落した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、日米金融政策への思惑から底堅い展開が予想されるものの、2019年のお正月のフラッシュクラッシュの再現には警戒しておきたい。
警戒すべき材料としては、1月1日に適用停止が期限切れとなった米国の債務上限に関する悲観的な報道、トランプ次期米大統領による新年の突発的な発言(ドル高円安牽制?)、日銀の追加利上げに関する報道などが挙げられる。
2019年1月3日のお正月、ドル円は108.88円付近で始まった後、高値108.92円から安値104.87円まで4.05円急落した。流動性が低下していた環境下で、ストップロスへの強引な売り仕掛けが背景にあった模様だが、2020年から昨年のお正月には観測されなかったことで、異例の事態だった。
【高値】 【安値】
・2020年1月2-3日:108.87円 107.84円
・2021年1月4日: 103.32円 102.71円
・2022年1月3日: 115.37円 114.95円
・2023年1月2-3日:131.40円 129.52円
・2024年1月2-3日:143.73円 140.82円
また、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に関しては、流動性が枯渇しているため円安抑制効果は大きいと思われるが、昨年12月の本邦通貨当局の牽制発言が「注視」「適切対応」「憂慮」という段階に留まっていたことで、可能性は低いと思われる。
神田前財務官は、ボラティリティー抑制を介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では159円台後半にある。
昨年は植田日銀総裁が追加利上げの条件として、第2次トランプ米政権の経済政策や春闘での賃上げの状況などでの「ワンノッチ(1段階)」という新たな用語を挙げたことで、追加利上げ観測の後退により、ドル円は158円台まで上昇した。
しかし、12月の日銀金融政策決定会合での主な意見では、植田日銀総裁の見解に同調している委員は、内田日銀副総裁らしき執行部の人物が確認されるだけだったことで、1月23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は昨年末の段階では40%台まで上昇している。
今月は、1月14日に氷見野日銀副総裁が神奈川県金融経済懇談会で講演や記者会見を予定しており、日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えるのではないかとの憶測が台頭している。
10時45分に発表される12月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.7と予想されている。昨年末に発表された12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1で、好不況の分かれ目である50を3カ月連続で上回っており、予想通りならば、リスク選好要因となる。
大晦日のドル円は、アジア時間から米長期金利の低下を受けて戻り売りが先行。12月23日の安値156.14円を下抜けて一時156.02円まで値を下げる場面もみられましたが、その後は米長期金利が一転上昇。米10年債利回りが4.58%台まで上昇幅をひろげるなか、NY時間に入ってからはLDN16時(日本時間翌1時)のフィキシングに向けて月末、年末絡みのドル買いがまとめて持ち込まれると一時157.55円まで買戻されました。引けにかけては157.30円を挟んだもみ合いとなって2024年の取引を終えています。
12月31日の取引といえば、引け際の動きがそのまま新年最初の1月2日の取引につながっていくことが多く、そういった意味では、下押しのレベルを確認した後、一転して大幅に買戻しとなっている動きに意味があるわけで、一目転換線や12月20日の安値155.96円付近を下値の目処として意識しつつ、買戻しの方向性を見極めていくことになりそうです。
いずれにしても、ドル円は引き続き本邦勢不在のなか、米長期金利の動向に敏感に反応しながらの動きが続いています。
「今後の利下げについては段階的なアプローチが依然として正しいと考えている。経済の先行き不透明感が高まっているため、今後1年間の利下げの時期と規模の約束はできない」(ベイリーBOE総裁)
1.イングランド銀行金融政策委員会(MPC)
MPCの9名の委員の棲み分けは、タカ派3名、中立派3名、ハト派3名に分類できる。
【MPC】 【8月1日】【9月18日】【11月7日】【12月19日】
■ハト派
・ベイリーBOE総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.75%
・ラムスデンBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.50%
・ディングラMPC委員: 5.00% 4.75% 4.75% 4.50%
■中立派
・ロンバルデリBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.75%
・ブリーデンBOE副総裁: 5.00% 5.00% 4.75% 4.75%
・テイラーMPC委員: 5.00% 4.75% 4.50%
■タカ派
・マンMPC委員: 5.25% 5.00% 5.00% 4.75%
・ピルMPC委員: 5.25% 5.00% 4.75% 4.75%
・グリーンMPC委員: 5.25% 5.00% 4.75% 4.75%
2.2024年8月1日MPC(5対4)
イングランド銀行は、政策金利を5.25%から5.00%に引き下げた。
利下げに賛成した5人は「インフレが持続するリスクの緩和に一定の進展があった」との考えだった。ただ、このうちの一部委員にとってインフレの根強さは「まだ決定的には解消されていない」ため、今回の決定は「微妙なバランス」に基づくものだったという。
利下げに反対した4人は、基調的なインフレが予想より根強く、成長率も予想以上であることを理由に挙げた。
3. 2024年9月18日MPC(8対1)
政策金利を5.00%に据え置いた。ディングラMPC委員が4.75%への追加利下げを主張した。
4. 2024年11月7日MPC(8対1)
政策金利を4.75%に引き下げた。マンMPC委員が5.00%での据え置きを主張した。
声明では、金融緩和の加速を示唆することは控え、政府の予算案(700億ポンド規模の歳出を計画)がインフレ率を最大で0.5ポイント押し上げて、25年7-9月にインフレ率が2.8%に達すると推計した。ベイリーBOE総裁は、予算はBOEの利下げパスに大きな影響を与えないだろう、と述べた。また、「インフレ率はBOEが利下げした際の予想より低い。サービスインフレは依然として目標と一致していない」などとも述べている。
5. 2024年12月19日MPC(6対3)
政策金利を4.75%に据え置いた。議事要旨では、弱い成長シグナルと根強い国内物価上昇圧力を挙げ、両方向のインフレリスクを指摘した。
第4四半期の成長率予測は11月時点の+0.3%成長からゼロ成長に引き下げられ、スタグフレーションへの警戒感が示された。短期金融市場が織り込む2025年の3回目の0.25ポイント利下げの確率は上昇した。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、12月の仏・独・ユーロ圏の製造業PMI改定値、ポンドドルも同月の英製造業PMI改定値に注目する展開となる。
12月の仏・独・ユーロ圏・英の製造業PMI改定値は、速報値の景況感の分岐点50を下回る水準が予想されており、景況感のさらなる悪化が警戒されている現状では、下方修正というネガティブサプライズに警戒しておきたい。
また、昨日付けで、ロシアの国営ガス会社ガスプロムがウクライナを経由したロシア産天然ガスの欧州向け供給を停止したことで、欧州のエネルギー安全保障の懸念が強まっている。
今後の欧州の景況感悪化やエネルギー価格の上昇要因となることが警戒されるため、ユーロの上値を抑える要因となる。
ラガルドECB総裁は、昨日、「欧州中央銀行(ECB)は2025年に2%のインフレ目標を達成に期待」とハト派的な見解を述べていたが、本日も、ECB高官の突発的な発言には警戒しておきたい。
地政学リスクに関しては、1月20日のトランプ次期米大統領の就任に向けて、ウクライナ戦争、中東(イスラエル、シリア、イラン)の紛争の新たな展開を見極めて行くことになるため、突発的なヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0401ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:163.68円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2644ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:198.96円(2024/12/30高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0240ドル(2022/11/22安値)
・ユーロ円:161.87円(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンドドル:1.2476ドル(2024/12/20安値)
・ポンド円:195.31円(200日移動平均線)
中国の習近平国家主席は31日に開かれた全国政治協商会議(政協)の新年茶話会で、2024年の国内総生産(GDP)成長率が5%前後となり、24年の経済・社会発展の主要な目標任務を順調に達成するとの見通しを明らかにした。『明報』が31日、中国本土メディアを引用して伝えた。
習主席は、25年は改革の全面深化や対外開放の拡大を進めるほか、より積極的にマクロ政策を実施し、経済成長を目指すとした。また、国民の生活水準を向上させ、社会の調和と安定を維持するとしている。
本日17時30分に予定されていた12月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表は、明日3日に延期されました。
年明けのニューヨーク為替市場では、米長期金利の方向性や株価動向を睨みながらの取引か。米経済指標は、前週分の失業保険データや改定値ではあるが12月製造業購買担当者景気指数(PMI)などが発表される。また、米国の債務上限の適用停止が1日で期限切れとなっており、関連報道にも注意しておきたい。
米10年債利回りは昨年末、4.57%をやや下回った水準で大引けした。昨年は4月後半に4.73%台まで上昇したところから、金利先安観が強まると一転して低下基調に。夏の終わり頃には3.60%割れまで低下した。しかしながらその後、堅調な米景気やインフレの下げ渋りを背景に年末にかけて4.60%超えまで切り返している。
今後もインフレデータを見極めながら、米金利は上下するのだろう。ただ、米連邦準備理事会(FRB)は利下げを急がない姿勢を示しており、金利上昇バイアスは維持されたままと見る。くわえて米財務省が、今月半ばにも債務は上限に達するとの見方を示していることも、米債売り圧力の高まりに繋がりそうだ。
年明け、時間外の米株先物は買い戻しが先行。米株式相場のアノマリーで、年内最終5営業日と新年の2営業日は上昇確率が高い(サンタクロース・ラリー)というものがある。もっとも昨年末にかけては、主要3指数はマイナスに沈んだ。今日と明日は、年末からの反動買いがどの程度まで続くか見定める展開か。
なお、前週分の米新規失業保険申請件数は前回からやや悪化が見込まれている。12月米製造業PMI改定値は速報値から横ばいの48.3予想だが、速報値自体が予想より1ポイント以上悪い内容だった。
想定レンジ上限
・ドル円、本日高値157.78円。超えると、近くはあるが昨年12月26日高値158.08円が次のポイント。
想定レンジ下限
・ドル円、12月20日安値155.96円。割り込むと節目155.00円が目標値。
(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.56円(2日15時時点比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.74円(▲1.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0265ドル(▲0.0098ドル)
FTSE100種総合株価指数:8260.09(前営業日比△87.07)
ドイツ株式指数(DAX):20024.66(△115.52)
10年物英国債利回り:4.595%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.379%(△0.012%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月英ネーションワイド住宅価格
前月比 0.7% 1.2%
12月仏製造業PMI改定値
41.9 41.9
12月独製造業PMI改定値
42.5 42.5
12月ユーロ圏製造業PMI改定値
45.1 45.2
12月英製造業PMI改定値
47.0 47.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは安い。年明け初日の取引で市場参加者が少ない中、ポンドドルの下落につれたユーロ売り・ドル買いが先行。重要なサポートとして意識されていた昨年11月22日の安値1.0335ドルを下抜けると目先のストップロスを断続的に巻き込んで下げ足を速めた。
NYの取引時間帯に入ると、米長期金利が上昇に転じたことに伴うユーロ売り・ドル買いが進行。市場では「年始で取引参加者が減り、流動性が低下する中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された」との声も聞かれ、一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
・ポンドドルは軟調だった。12月英製造業PMI改定値が予想を下回ったことが伝わるとポンド売り・ドル買いが先行。全般ドル買いが進んだ影響も受けて、1時過ぎには一時1.2353ドルと昨年4月以来の安値を更新した。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時109.53と22年11月以来の高値を付けた。
・ドル円は底堅い動き。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.51%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。日本時間夕刻に一時156.44円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、底堅く推移した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことを受けて、米10年債利回りが4.59%台まで上昇すると全般ドル買いが活発化。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも相場を押し上げ、一時157.85円と日通し高値を更新した。
・ユーロ円は下落。ユーロドルの下落につれた売りが出ると一時160.91円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は続伸。外国為替市場でポンド安が進むと、ポンド安の恩恵を受けやすい銘柄などに買いが集まった。BPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、リオ・ティントやグレンコアなど素材株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は反発。本日の中国株相場が下落した影響を受けて売りが出たものの、終盤持ち直した。エアバス(3.72%高)やRWE(2.53%高)、ハノーバー再保険(2.40%高)などが買われ、相場を下支えした。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.50円(前営業日比△0.30円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.71円(▲1.07円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0265ドル(▲0.0089ドル)
ダウ工業株30種平均:42392.27ドル(▲151.95ドル)
ナスダック総合株価指数:19280.79(▲30.00)
10年物米国債利回り:4.56%(▲0.01%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.13ドル(△1.41ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2669.0ドル(△28.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲12.6% ▲10.7%
前週分の米新規失業保険申請件数
21.1万件 22.0万件・改
12月米製造業PMI改定値
49.4 48.3
11月米建設支出
(前月比) 0.0% 0.5%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは3日続落。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると全般ドル買いが先行。市場では「年始で取引参加者が減り、流動性が低下する中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが観測された」との声も聞かれ、一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
欧州時間に重要なサポートとして意識されていた昨年11月22日の安値1.0335ドルを下抜けたことで、テクニカル的にも売りが出やすい地合いとなった。
・ドル円は続伸。米経済指標が米景気の底堅さを示したとの受け止めから、全般ドル買いが先行。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも相場の押し上げ要因となり、一時157.85円と日通し高値を更新した。その後の下押しも157.47円付近にとどまった。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時109.53と22年11月以来の高値を付けた。
・ユーロ円は4日続落。ユーロドルの下落につれた売りが出ると、1時過ぎに一時160.91円と日通し安値を更新した。ただ、ドル円の上昇につれた買いが入ると161.96円付近まで下げ渋る場面があった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことを受けて買い先行で始まったものの、買いが一巡すると次第に弱含んだ。「中国での新型スマートフォンを値下げする」と明らかにしたアップルが軟調に推移したことなどが投資家心理を冷やした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら5日続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは小反発。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると売りが先行したものの、終盤買い戻しが優勢になると持ち直した。市場では「年末年始で市場参加者が少なく、方向感に乏しかった」との声が聞かれた。
・原油先物相場は4日続伸。中国経済に対する先行き不安が和らいだことを背景に買いが入った。
・金先物相場は続伸。地政学的リスクを背景に買いが入った。トランプ次期米大統領の就任式を20日に控え、同政権が打ち出す政策への警戒感もまた、上昇を後押しした。
3日03:43 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「欧州中銀(ECB)の政策金利は秋までに2%に達する公算」
※時間は日本時間
<国内>
○年始で休場
<海外>
○16:00 ◎ 12月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月1.60%/前年比45.20%)
○17:30 ◇ 12月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:48.3)
○17:55 ◎ 12月独雇用統計(予想:失業率6.2%/失業者数変化1.50万人)
○18:30 ◇ 11月英消費者信用残高(予想:12億ポンド)
○18:30 ◇ 11月英マネーサプライM4
○21:00 ◇ 11月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.70%)
○24:00 ☆ 12月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:48.4)
○4日01:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、あいさつ
○4日01:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○ロシア(新年休暇)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日のドル円は、日本時間夕刻に一時156.44円と日通し安値を更新したが、米10年債利回りが4.59%台まで上昇すると全般ドル買いが活発化。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも相場を押し上げ、157.85円まで強含んだ。ユーロドルもロンドン・フィキシングでのドル買いにより、一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
本日のアジア時間でドル円は、引き続き東京市場が休場となることでトレンドを作るほどの値動きを期待するのは難しいが、欧州通貨に対してのドル買いが対円のサポート要因になりそうだ。
年初は東京が不在ということもあるが、欧州通貨(ユーロ、ポンド)が市場を先導するかたちになっている。ドル円は昨年12月の日米金融政策決定会合で、日銀の利上げが市場予想より遅くなる可能性が高まったことや、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースの鈍化もしくは利下げ終了の思惑があり、下落局面ではドル買い・円売りを仕掛けたい市場参加者が依然として多い。一方で、昨年7月に行われた円買い介入の水準に接近していることや、1月20日から就任する第2次トランプ政権では、トランプ氏がドル高・円安に対して兼ねてから懸念を表明していることで、上値も積極的に買い上げるような地合いにもなりにくく、円売り・円買い両要因が絡まり一方的な動きにはなりにくくなってきている。
円相場は本邦勢参入後に発表されるインフレ指標や、植田日銀総裁が前回の政策決定会合後の質疑応答で応えていた輸入物価指数の結果を見極めるだけでなく、今後の春闘に向けた賃上げ率などを確かめながらの取引になりそうだ。
欧州通貨が主導権を握っているだけでなく、本日はオセアニアやアジア圏からは主だった経済指標の発表が予定されていないことも値動きを抑制するだろう。ただ、その中でも目を向けておかなければならないのは中国市場の動き。本日は同国からも経済指標の発表予定はないが、年末年始は人民元相場の動きが他通貨へ影響を大きく与えている。昨日ドル円が156円半ば割れまで下落したときも先導をしたのがドルCNH(人民元)だったが、買い戻しも同様だった。中国人民銀行の人民元取引・基準値が市場予想よりもドル安・元高に設定されたことで元が買われたものの、年末年始に発表された市場予想より弱い経済指標(製造業PMI)の影響で株や元が売り戻された。本日も人民元の基準値や中国株の動向には目を向けておきたい。
ドイツ経済研究所(IW)の調査によると、ドイツの産業団体の多くが2025年の経済見通しに悲観的だという。49団体中31団体が現状を昨年より悪いと評価し、20団体が来年の生産減少を予想。高いエネルギー・労働・原材料コストや過剰な官僚主義が企業の国際競争力を低下させていいるほか、不確実な世界情勢が輸出を妨げ、国内の政治的混乱が投資を抑制している。半数の団体が来年の雇用削減を予想しており、特に鉄鋼、機械工学、建設業での雇用減少が懸念されている。IWのミヒャエル・ヒューター所長は「2025年もドイツ経済は回復しない」と述べている。
一部通信社が報じたところによると、米国防総省が日本に対し推定36億4000万ドル相当の先進中距離空対空ミサイルおよび関連機器の潜在的な売却を承認したという。国防総省の声明によれば、この売却の主契約者はRTX社。なお、この売却は外国軍事販売(FMS)プログラムの一環であり、最終的な契約締結までにはさらなる手続きが必要となる。
韓国では弾劾された尹錫悦大統領の逮捕に向けて約2700人の警察官が動員されている。昨年12月3日の戒厳令宣言を受けての逮捕命令だが、大統領警護室が逮捕状執行を許可するかは不透明。一方、崔代行大統領は市場安定化措置の迅速かつ大胆な実施を指示しており、政治的混乱による経済への影響を最小限に抑える姿勢を示している。
英タイムズ紙が報じたところによると、リーブス英財務相は公共部門労働者にインフレ率を上回る賃上げを行う場合、最前線のサービスの削減を検討する必要があると閣僚に警告したという。財務省は厳しい姿勢を取っており、閣僚らに追加資金は提供せず、独立した給与審査機関がより大きな賃上げを勧告した場合は、既存の予算内で賄わなければならないと伝えたとのこと。
イスラエルの交渉団がカタールに向かい、ハマスとの停戦協議を行う予定であり、トランプ次期米大統領の就任前に合意を目指していると一部通信社が伝えた。ただ、仲介努力は難航しており、双方が新たな条件を持ち出していると非難し合い、交渉を複雑化させているとのこと。両者の立場の隔たりは大きく、停戦実現の見通しは不透明な状況が続いている。
「辰巳天井」と言われる2025年最初の取引は、ドル全面高となったわけですが、欧州時間に12月英製造業PMI改定値が予想を下回る弱い数字となったことをきっかけにポンドドルが急落。
年末の取引で1.0344ドルまで下落して、目先の重要なサポートレベルとして意識されていた11月22日の安値1.0335ドル手前で下げ止まっていたユーロドルも一気に下値を試す展開に。NY時間に入ってLDN16時(日本時間翌1時)のフィキシングでは年末に続いてまとまったドル買いが持ち込まれると一時1.0226ドルまで売り込まれることになりました。ポンドドルは一時1.2353ドルまで200ポイントの急落を演じています。
ユーロドルは約2年間続いたレンジ相場をしっかりと下抜けてきたわけで、方向性としてはパリティを目指す動きとなっていくのかもしれません。
いずれにしても、ドル円は、昨年18-19日のFOMC、BOJを受けて急騰した後、翌日の安値155.96円から12月26日の高値158.08円のレンジ内でのもみ合いが続いている状況。年末年始休暇中となっている本邦勢不在の中にあっては、相場の主役とはなり得ず、基本的には値固めをしているといったところです。目先は一目転換線が位置する157.05円やNY時間安値の156.64円付近を意識しつつ、米長期金利の動向を見極めながらの動きが続いていきそうです。
植田日銀総裁は、かつて、1993年から2022年までの間に低金利のために家計や企業が手にできなかった「逸失金利収入」は総額600兆円に上ると述べた。
また、1989年に導入された消費税の合計(1989年~2024年)は、約530兆円規模になるらしい。
すなわち、「失われた30年」とは、低金利政策により国民の得べかりし利息(約600兆円)と国民からの消費税(約530兆円)という約1100兆円の喪失なのかもしれない。
江戸時代の身分階級「士農工商」の2番目の農民は、「五公五民」で、半分を年貢として領主に、残り半分が自分達の取り分だったらしい。
令和の時代もほぼ「五公五民」らしいが、市民革命を起こせなかった民族的な性分なのからか従順と納め続けている。
重税に喘いでいたアメリカ国民は、英国を打倒し、独立を勝ち取った。
重税に喘いでいたフランス国民は、王制を打倒し、共和制を確立した。
1.アメリカ独立戦争(1775年)
1775年、アメリカ国民は、課税を強化する英国本国に対して「代表無くして課税なし」との旗印の下で叛旗を翻して独立を勝ち取った。
しかし、1791年、独立戦争で多大な軍費を要した米国政府は、財源確保にウィスキーに目を付けたため、「ウィスキー税反乱」が勃発した。
農民達は、ケンタッキーやテネシー州に逃れ、そこでトウモロコシを原料とするウィスキー「バーボン」(由来:フランスのブルボン家)を造り出した。
2.フランス革命(1789年)
18世紀後半のフランスは、度重なる戦争への出費や宮廷の浪費により、国家財政は危機的な状況に陥っていた。当時のフランス社会は、厳しい身分制度によって3段階に分断されていた。
第一身分(聖職者)と第二身分(貴族)は特権を享受し、税金の免除などの恩恵を受けていた。一方、人口の大部分を占めていた第三身分(平民:農民や都市労働者)は、重税を課せられ、過酷な労働条件と低賃金により、経済的負担に苦しんでいた。
3.ガソリン暫定課税
「ガソリン税」(揮発油税と地方揮発油税の総称)は、1リットルあたり計53.8円(本則税率=28.7円+暫定税率=25.1円)となっている。暫定税率は、50年前の1974年度から暫定措置として適用されているが、2028年頃に漸く撤廃されることになった。
「暫定」とは、正式に決まるまで仮の措置としてひとまず決めることを意味する言葉である。「暫」は「しばらく」という意味であり、「定」は「物事を決めて変えない」という意味である。なので、50年間というのは、「暫定」という言葉に相応しくない期間といえる。
仮にガソリン1リットルの価格を100円として計算すると以下の通りとなる。
・ガソリン本体:100円
・ガソリン税:53.8円
・石油石炭税:2.8円
【小計】:156.6円
・消費税(10%):15.6円(二重課税)
【合計】:172.2円
すなわち、ガソリンスタンドで1リットル172円で給油した場合、72円が税金となる。
ワシントン・ポスト紙の報道によると、バイデン米大統領が日本製鉄によるUSスチールの買収提案を阻止する方針であることが明らかになった。この決定は、米国の重要産業を保護し、国家安全保障上の懸念に対応するためのものと見られている。
本日のユーロ圏からは、経済指標はドイツから12月の雇用統計が発表される。また、要人の予定ではレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストの講演が控えている。
ドイツの雇用統計は市場予想(予想:失業率6.2%/失業者数変化1.50万人)よりよほど大きくかい離しない場合以外は市場の反応は限られるだろう。また、センチメントとしてはユーロ売りに反応がしやすいことで、ポジティブサプライズよりもネガティブサプライズの方が敏感に反応すると思われる。
レーンECB専務理事は米サンフランシスコで「地政学の分断」についての講演が行われる予定。ただ、これまでレーン氏は「米通商政策などを巡る不確実性が高い中、政策は会合ごとに決定」と発言をしていることもあり、市場に今後の金融政策についてのヒントとなる発言を期待するのは難しそうだ。
欧州からは市場を動意づけるにはインパクトに欠けるものしかないが、昨日は昨年12月に複数回トライをしたが跳ね返された11月22日の安値1.0335ドルを割り込み、2年2カ月ぶりの水準となる1.0226ドルまで下げ幅を広げた。よって、ユーロ売りのトレンドは継続される可能性が高く、昨日は辛うじて割り込めなかった2022年11月21日安値1.0223ドル、同月11日安値1.0163ドルなどを割り込んだ場合には、パリティ(1ユーロ=1ドル)まで支持水準がなくなることでダウンサイドリスクには要警戒となりそうだ。
なお、NY入り後には12月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数や、連日大きく振幅しているロンドンフィキシングが注目される。
・想定レンジ上限
ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0342ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドル: 2022年11月11日安値1.0163ドル。
中国当局は企業投資と消費拡大を促進するため、2025年に超長期国債による資金調達を大幅に増やす方針だ。
国家発展改革委員会(発改委)当局者は本日の会見で、消費者が中古車や家電製品を下取りに出して新しい製品を割引価格で購入できる耐久財向け補助金プログラムや、企業の大規模な設備更新を補助するプログラムなど、新たな取り組みに特別国債発行による調達資金を充てると明らかにした。また、世帯を対象に、携帯電話、タブレットPC、スマートウオッチ・ブレスレットの3種類のデジタル製品購入にも補助金を提供する。
発改委は先月、25年の超長期特別国債発行による1兆元の資金を全て割り当てたと発表した。また、中国当局が25年に3兆元相当の特別国債を発行することで合意したとも報じられた。
本日これまでのドル円は157.57円を頭に伸び悩むも下押しは157.04円にとどめ157円前半で底堅い動き。昨年12月26日に158.08円、同30日に158.07円と158円超え水準では日本当局の介入警戒感もくすぶり上値が抑えられ、年明けは157円後半で伸び悩んでいるが、ドル高の地合いは変わらずドル円の下値は堅い。
1月20日にトランプ氏の米大統領就任式を控え、トランプ大統領の経済政策と連邦準備制度理事会(FRB)による利下げペースが今後鈍化するとの見方が引き続きドルの支えとなり、ドル円は上方向への警戒感が続く。市場では最近のドルの動きが第一次トランプ政権時と酷似しているとの声が聞かれている。トランプ氏が昨年11月に大統領選で勝利して以来、ドルは他の通貨に対して3%以上値上がりしており、前回勝利した2016年と同様の軌道をたどっている。
本日のNY市場では12月米ISM製造業景況指数の発表が予定されている。予想では11月と同水準の48.4が見込まれており、結果次第では米長期金利とともにドルが動意づく可能性がある。今のところ、米国がほかの国と比べて経済状況が好調であることもドルの支えとなっている。また、年末年始で連日ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んで値動きが大きくなっており、同時間帯の動きにも注意したい。
・想定レンジ上限
ドル円、昨年12月26日高値158.08円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、昨日の安値156.44円が下値めど。
モルガン・スタンレーは最新リポートで、2024年12月の中国主要都市の中古住宅価格について、予想通りに政策効果の弱まりで3カ月ぶりに前月に比べ下落したと指摘した。物件の投入ペースや季節要因を考慮すると、25年1-3月期の住宅販売に下押し圧力がかかる可能性があるとした。『AAストックス』が3日伝えた。
モルスタは、中古物件が価格面で競争力があるほか、新築物件の発売規模が土地譲渡の減少にともない持続的に縮小していることから、中古物件の販売は新築物件を上回ると予想。住宅販売の先行きについては、すでに打ち出された一連の政策の実行状況などに左右されるとの見方を示した。個別銘柄に関しては、ディフェンシブ性が高いことを理由に華潤置地(01109)、華潤万象生活(01209)、中国海外発展(00688)、越秀地産(00123)などの国有企業を選好した。
(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.16円(3日15時時点比▲0.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.85円(△0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0298ドル(△0.0027ドル)
FTSE100種総合株価指数:8223.98(前営業日比▲36.11)
ドイツ株式指数(DAX):19906.08(▲118.58)
10年物英国債利回り:4.593%(▲0.002%)
10年物独国債利回り:2.425%(△0.046%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイス製造業購買担当者景気指数(PMI)
48.4 48.5
12月独雇用統計
失業率 6.1% 6.1%
失業者数変化 1.00万人 0.60万人・改
11月英消費者信用残高
9億ポンド 10億ポンド・改
11月英マネーサプライM4
(前月比) 0.0% ▲0.2%・改
(前年比) 2.9% 3.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは買い戻しが目立った。前日に一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新したあとだけに、持ち高調整目的のユーロ買い・ドル売りが入った。年始で取引参加者が減り、流動性が低下する中、週末を控えたポジション調整目的の買いも入り、2時30分過ぎには一時1.0306ドルと日通し高値を更新した。
本日発表の12月米ISM製造業景況指数が49.3と予想の48.4を上回ったことを受けて一時1.0273ドル付近まで下押しする場面もあったが、反応は一時的だった。
・ドル円は頭が重かった。米経済指標が米景気の底堅さを示したとの受け止めから、米長期金利が上昇すると円売り・ドル買いが先行し一時157.49円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値157.57円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは2日に一時109.53と22年11月以来の高値を更新するなど、足もとではドル高が進行。週末を控えたポジション調整目的の売りも出やすく、2時30分前には一時156.88円と日通し安値を更新した。
バーキン米リッチモンド連銀総裁はこの日、「2025年の米経済見通しはポジティブ、成長には上振れリスク」「抑制的な金利の長期化が望ましい」などと述べたと伝わったが、相場の反応は限られた。なお、バーキン氏は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。
・ユーロ円は小幅高。24時過ぎには一時162.08円と本日高値を付けた。ユーロドルの上昇につれた買いが入った半面、ドル円の下落につれた売りが出たため、じり高の展開となった。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。しばらくはもみ合いの展開が続いていたものの、終盤売りが優勢となった。市場では「中国の景気不安が根強い中、売りが出やすかった」との声が聞かれた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は反落。中国の景気懸念を背景に欧州株全般に売りが出た。個別ではBASF(2.51%安)やBMW(2.15%安)、バイエル(2.05%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.26円(前営業日比▲0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.08円(△0.37円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0308ドル(△0.0043ドル)
ダウ工業株30種平均:42732.13ドル(△339.86ドル)
ナスダック総合株価指数:19621.68(△340.89)
10年物米国債利回り:4.60%(△0.04%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.96ドル(△0.83ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2654.7ドル(▲14.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米ISM製造業景況指数
49.3 48.4
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは4日ぶりに反発。12月米ISM製造業景況指数が49.3と予想の48.4を上回ったことが分かるとユーロ売り・ドル買いが先行。0時30分過ぎに一時1.0273ドル付近まで値を下げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.0256ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。前日に1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新したあとだけに、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入った。6時過ぎには一時1.0310ドルと日通し高値を付けた。
・ドル円は3日ぶりに反落。米経済指標が米景気の底堅さを示したとの受け止めから、米長期金利が上昇すると円売り・ドル買いが先行し一時157.49円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値157.57円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは2日に一時109.53と22年11月以来の高値を更新するなど、足もとではドル高が進行。週末を控えたポジション調整目的の売りも出やすく、2時30分前には一時156.88円と日通し安値を更新した。
ただ、ドル売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。引けにかけては157.38円付近まで下げ渋っている。
・ユーロ円は5日ぶりに反発。年始で取引参加者が少なく商いが低調だったため、しばらくは大きな方向感が出なかった。ただ、引けにかけては強含み、6時過ぎには一時162.21円と日通し高値を更新した。ユーロドルの上昇や米国株高が相場を下支えした。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに自律反発狙いの買いが入った。12月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことも投資家心理の改善につながり、買い戻しを誘った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。12月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことで債券を売る動きが広がった。
・原油先物相場は5日続伸。米東部を中心に冷え込みが予想されているほか、中国政府による追加の景気刺激策への期待もあり、強含む展開。一時、昨年10月以来となる74.35ドルまで上昇した。
・金先物相場は3日ぶりに反落。前日まで上昇したことを背景に利益確定の売りが優勢となった。米長期金利が上昇したことで、金利のつかない金の投資魅力が薄れたことも重しとなった。
日経新聞が報じたところによると、「日本製鉄は米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り、米政府を相手取り訴訟を提起する方針を固めた」ようだ。バイデン米大統領が買収計画に対する中止命令を決めた手続きの適正さなどを争う構えだという。
トランプ次期米大統領が支持を表明した米共和党のマイク・ジョンソン氏の米下院議長続投が決まった。
3日08:19 ジョンソン米下院議長
「明日までには議長が決まると思う」
「議長選挙で1票の反対票があるかもしれないが、1回の投票で議長職を獲得できると考えている」
3日09:24 中国人民銀行(PBOC)
「2025年の適切な時期に金利を引き下げる可能性が高い」
「金利調整の役割を重視し、融資成長の量的目標から離れる」
3日14:42 トランプ次期米大統領
「関税はアメリカを再び豊かにするだろう」
「我が国は世界中の笑いものになっている」
「これが開かれた国境と弱く、無能で、事実上存在しない指導力の結果だ」
「司法省、FBIそして民主党の州・地方検察官は無能」
4日01:00 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「かつて行っていたほどの金融引き締めは必要ない」
「インフレ率は2%の目標に近づいているが、まだやるべきことは多い」
「インフレ面ではリスクが高まっているが、成長には上振れ余地がある」
「基本的に経済見通しはポジティブ」
「抑制的な金利の長期化が望ましい」
「労働市場は健全で正常な水準」
「コアインフレの見通しについては引き続き楽観的」
※時間は日本時間
6日
○東京証券取引所などが大発会
7日
○08:50 ◇ 12月マネタリーベース
8日
○14:00 ◇ 12月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
9日
○08:30 ◇ 11月毎月勤労統計(現金給与総額)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース、2週分)
○14:00 ◇ 日銀地域経済報告(さくらレポート)
10日
○08:30 ◇ 11月家計調査(消費支出)
○08:50 ◇ 12月外貨準備高
○14:00 ◇ 11月景気動向指数速報値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
6日
○10:45 ◎ 12月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
○16:30 ◇ 11月スイス小売売上高
○17:50 ◎ 12月仏サービス部門PMI改定値
○17:55 ◎ 12月独サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○18:30 ◎ 12月英サービス部門PMI改定値
○22:00 ◎ 12月独消費者物価指数(CPI)速報値
○23:30 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
○23:45 ◎ 12月米サービス部門PMI改定値
○23:45 ◎ 12月米総?⑰MI改定値
○24:00 ◎ 11月米製造業新規受注
○7日03:00 ◎ 12月ブラジル貿易収支
○ロシア(新年休暇)、ポーランド(三博士の日)、スウェーデン(公現祭)、休場
7日
○09:01 ◇ 12月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○09:30 ◎ 11月豪住宅建設許可件数
○16:30 ◎ 12月スイスCPI
○16:45 ◇ 12月仏CPI速報値
○18:30 ◎ 12月英建設業PMI
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏HICPコア速報値
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏失業率
○22:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30 ◇ 11月カナダ貿易収支
○22:30 ◎ 11月米貿易収支
○24:00 ◇ 12月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00 ☆ 12月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数
○24:00 ◎ 11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
○8日03:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○ロシア(新年休暇)、休場
○09:30 ◎ 11月豪CPI
○16:00 ◎ 11月独小売売上高
○16:00 ◎ 11月独製造業新規受注
○16:00 ◎ 12月スウェーデンCPI
○16:45 ◇ 12月仏消費者信頼感指数
○16:45 ◇ 11月仏貿易収支
○16:45 ◇ 11月仏経常収支
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏経済信頼感指数
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 12月ADP全米雇用報告
○9日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○9日02:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○9日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○9日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17日-18日分)
○9日05:00 ◇ 11月米消費者信用残高
○ロシア(新年休暇)、休場
9日
○09:30 ◇ 11月豪貿易収支
○09:30 ◎ 11月豪小売売上高
○10:30 ◎ 12月中国CPI
○10:30 ◎ 12月中国PPI
○16:00 ◎ 11月独鉱工業生産
○16:00 ◇ 11月独貿易収支
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏小売売上高
○21:00 ◎ 11月ブラジル小売売上高
○21:00 ◎ 12月メキシコCPI
○21:30 ◇ 12月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○23:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○24:00 ◇ 11月米卸売売上高
○10日01:00 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○10日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○10日03:30 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○米株式市場は国民追悼の日で休場、債券市場は短縮取引
10日
○15:45 ◇ 12月スイス失業率(季節調整前)
○16:00 ◇ 11月トルコ失業率
○16:00 ◇ 11月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◎ 12月ノルウェーCPI
○16:45 ◇ 11月仏鉱工業生産
○16:45 ◇ 11月仏消費支出
○19:30 ◎ 11月インド鉱工業生産
○21:00 ◎ 12月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA)
○21:00 ◇ 11月メキシコ鉱工業生産
○22:30 ☆ 12月カナダ雇用統計
○22:30 ◇ 11月カナダ住宅建設許可件数
○22:30 ☆ 12月米雇用統計
○24:00 ◎ 1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
<国内>
○東京証券取引所などが大発会
<海外>
○10:45 ◎ 12月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:51.4)
○15:30 ◇ 11月スイス小売売上高
○17:50 ◎ 12月仏サービス部門PMI改定値(予想:48.2)
○17:55 ◎ 12月独サービス部門PMI改定値(予想:51.0)
○18:00 ◎ 12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○18:30 ◎ 12月英サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○22:00 ◎ 12月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比2.4%)
○23:15 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○23:45 ◎ 12月米サービス部門PMI改定値(予想:58.5)
○23:45 ◎ 12月米総?⑰MI改定値
○24:00 ◎ 11月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.3%)
○7日03:00 ◎ 12月ブラジル貿易収支(予想:42.00億ドルの黒字)
○ロシア(新年休暇)、ポーランド(三博士の日)、スウェーデン(公現祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を上回った12月米ISM製造業景況指数を受けた米長期金利の上昇に連れて157.49円付近まで上昇。しかしその後、週末を控えたポジション調整の売りで156.88円まで反落した。ユーロドルは12月米ISM製造業景況指数を受けて1.0273ドル付近まで下落後、1.0310ドルまで反発した。ユーロ円は162.21円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日米金融政策への思惑から底堅い展開が予想されるものの、本邦通貨当局による円安抑制措置には引き続き警戒しておきたい。
2025年のドル円相場は、米連邦準備理事会(FRB)のターミナルレート(利下げの最終到達点)と日銀のターミナルレート(利上げの最終到達点)という日米金融政策を軸に、第2次トランプ米政権の財政、通商、外交政策が絡んでいく展開となる。
参考までに、第1次トランプ米政権(2017年~2020年)のドル円相場(高値118.60円・安値102.88円)は、2016年12月のトランプ・ラリーの高値(118.66円)を超えることはなかった。
本日は大発会での日経平均株価の動向を眺めながら、本邦通貨当局による円安牽制発言、日銀の金融政策に関する報道や発言、そして、トランプ次期米大統領による債務上限やドル高・人民元安、円安への突発的な発言などに警戒していくことになる。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入に関しては、昨年12月の本邦通貨当局の円安牽制発言が「注視」「適切対応」「憂慮」という段階に留まっており、「断固たる措置」といった円買い介入を示唆するタイミング、為替水準を見極めることになる。なお神田前財務官は、ボラティリティー抑制を円買い介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では160.20円台にある。
日銀の追加利上げの時期は、植田日銀総裁が追加利上げを見送った理由として、第2次トランプ米政権の経済政策や春闘での賃上げのモメンタムを確認するため、もうワンノッチ(1段階)の情報を待ちたい、と述べたことで、3月以降に先送りされた感がある。しかし、12月の日銀金融政策決定会合での主な意見では、植田日銀総裁の見解に同調している委員は、内田日銀副総裁らしき執行部の見解が確認されるだけだったことで、23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は40%台まで上昇している。
今月は、14日に予定されている氷見野日銀副総裁の神奈川県金融経済懇談会での講演や記者会見で、日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えるのではないかとの憶測が高まっており、昨年12月同様に事前の報道に注目していくことになる。
28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策は、20日のトランプ次期米大統領の就任前後に予想されている大統領令などを見極める意味で、政策金利の据え置きが見込まれており、ドル買い要因となっている。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39610 -380 (-0.95%)
TOPIX先物 2768.5 -18.0 (-0.64%)
シカゴ日経平均先物 39595 -395
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。NYダウは5営業日ぶり、S&P500、ナスダックは6営業日ぶりに反発した。短期的に売られ過ぎとの見方から、自律反発を期待した買いが優勢だった。2024年12月の米ISM製造業景況感指数(PMI)が49.3に上昇し、市場予想を上回ったほか、リッチモンド連銀のバーキン総裁が、米経済について楽観的な見解を示したことが材料視された。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比395円安の3万9595円だった。12月30日の取引終了後の日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比60円安の3万9930円で始まり、その後は3万9990円と日中比変わらず水準まで戻す場面もみられた。だが、買い一巡後は下へのバイアスが強まり、3万9300円を下回った。終盤にかけて3万9680円まで下げ幅を縮めたが、祝日取引では3万9300円を挟んだ狭いレンジでの推移を継続し、一時3万9220円まで下げ幅を広げる場面もみられた。米国市場の取引開始後に持ち直し3万9500円を回復すると、その後も下げ幅を縮め、3万9610円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや売り先行で始まることが見込まれる。3日の米国市場では主要な株価指数が上昇したものの、自律反発の域は脱しておらず、市場の反応は限られそうで、大発会での好スタートは期待しづらいところである。
日経225先物は一時3万9220円まで売られたが、25日移動平均線(3万9200円)水準まで下げており、調整一巡感が意識されやすい水準まで調整している。12月27日に4万0460円まで上昇し、ボリンジャーバンドの+3σ(4万0580円)水準に接近したことで過熱感が警戒されていたこともあり、中心値(25日)までの調整を経て、仕切り直しが意識されそうだ。
+1σが3万9700円辺りに位置しており、まずはオプション権利行使価格の3万9250円から3万9750円のレンジを想定する。なお、節目の3万9500円および+1σ水準での底堅さが意識される局面では、3万9500円から4万円のレンジに移行することになりそうだ。
3日の米VIX指数は16.13だった。年末の米株安の中で緩やかに上昇する形だったが、75日線(17.21)を割り込み、200日線(16.11)にタッチする場面もみられた。米連邦公開市場(FOMC)後の急伸以降は低下をみせ、ボトム圏での推移を継続していることもあり、リスク回避の姿勢は強まっていないだろう。
12月30日のNT倍率は先物中心限月で14.35倍に上昇した。75日線(14.35倍)に上値を抑えられる形から、一時14.29倍に低下する場面もみられた。ただ、その後は25日線(14.25倍)が支持線として機能しており、75日線水準で終えている。米国市場ではエヌビディアが4%超える上昇だったことから、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の底堅さが期待されやすく、75日線を突破する局面ではNTロングに振れそうだ。
週明けのオセアニア市場では、ドル円は先週末の安値156.88円を下抜けて一時156.83円まで値を下げる場面もみられましたが、年末年始休暇を終え、実質的な今年最初の取引となる東京勢が参入するやいなや、予想通り実需勢の買いが断続的に持ち込まれることになりました。仲値にかけては、先週末高値の157.57円を上抜けて一時157.83円まで値を上げています。
その後は2日の年初来高値157.85円が目先の目処として意識されたほか、豊洲市場の初セリで一番マグロがキロ75万円と昨年の48万円を大幅に上回る高値となったことに調子付いたのか、休場中に一時39225円まで急落していた日経平均先物が一時40000円台を回復したものの、再び元の鞘に戻る動きとなると157.49円まで下押し。ただ、米10年債利回りが4.63%台まで大幅な上昇となっていることもあり、下押しも限定的といったところです。
いずれにしても、ユーロドルの急落から始まった2025年の為替市場は、本邦勢の本格復帰を受けて、再びドル円に焦点が集められているわけですが、「一番マグロの値付けが、キロ当たり10万円を上回った場合は日経平均が上昇する」といったアノマリーもあるなか、出遅れ感の強い日経平均とともに、戻り高値を試す方向性を確認する巳年が始まっています。
一部報道が伝えたところによると、カナダのトルドー首相は今週中にも自由党党首を辞任する見込みだという。
「歴史は同じようには繰り返さないが、韻を踏む」(マーク・トウェイン)
1.ドル円高値8年サイクル
ドル・円相場は、8年サイクルで高値をつけている。
2025年は、2024年7月の高値161.95円から2032年の高値175円に向けた調整局面を予想する。
・1974年:306.90円
・1982年:278.50円
・1990年:160.35円 (※消費税3.0% 1989年)
・1998年:147.64円 (※消費税5.0% 1997年)
・2007年:124.14円 (2006年から1年ずれ)
・2015年:125.86円 (※消費税8.0% 2014年)
・2024年:161.95円 (※消費税10.0% 2019年)
2.エリオット波動
第4波動の「三角保ち合い」を形成すると予想する。
・第1波動:75.32円-125.86円(+50.54円)
・第2波動:125.86円-101.19円(▲24.67円)※第1次トランプ米政権(2017年~20年)
・第3波動:101.19円~161.95円(+60.76円)
・第4波動:161.95円~126円 ※第2次トランプ米政権(2025年~28年):
・第5波動:126円~175.50円
3.太陽黒点とドル円相場
太陽黒点は、約11年周期で極大期・極小期を繰り返しているが、ドル円の8年サイクルに対応している。
第25太陽活動周期の極大期が2024年10月だったことで、7月の高値161.95円が当面の高値だったことが想定できる。
【太陽活動周期】 【極大期】⇒ピークアウト 【極小期】⇒ボトムアウト
・20期(1964-76)1968年+3年=1971年 360.00円 1976年+2年=78年 175.50円
・21期(1976-86)1979年+3年=1982年 278.50円 1986年+2年=88年 120.25円
・22期(1986-96)1989年+1年=1990年 160.35円 1996年-1年=95年 79.75円
・23期(1996-08)2000年-2年=1998年 147.64円 2008年+3年=11年 75.32円
・24期(2008-19)2014年+1年=2015年 125.86円 2019年+1年=20年 101.19円
※第1次トランプ米政権(2017年~20年)
・25期(2020-31)2024年10月=2024年 161.95円
※第2次トランプ米政権(2025年~28年)
4. 第2次トランプ米政権(2025年~2028年)
第1次トランプ米政権(2017年~20年)のドル円相場(高値118.00円~安値102.88円)は、2016年12月のトランプ・ラリーの高値(118.66円)を超えることはなかった。
第2次トランプ米政権(2025年~28年)のドル円相場は、2024年12月のトランプ
日経225先物は11時30分時点、前日比620円安の3万9370円(-1.55%)前後で推移。寄り付きは3万9660円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9595円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。日経平均株価が小幅ながら反発して始まるなか、日経225先物は現物の寄り付き直後には一時4万0010円まで買われ、プラス圏を回復する場面もみられた。ただし、買い一巡後は急速に軟化し、終盤にかけては3万9360円まで下げ幅を広げた。
ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が目立った。一方で、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]やTDK <6762.T> [東証P]、KDDI <9433.T> [東証P]などの下げが重荷となった。東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が6割超を占めており、手掛けづらくさせた。
日経225先物は4万0010円まで買われ、ボリンジャーバンドの+2σ(4万0190円)が意識されたが、早い段階で+1σ(3万9690円)を割り込んだことで、ロング解消の動きに向かわせたようだ。ロングの整理は一巡したとみられるが、25日移動平均線(3万9190円)辺りが意識されやすく、まずは底堅さを見極める必要があるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。一時14.25倍まで下げる場面もみられ、200日線(14.25倍)水準まで低下。足もとでは同線が支持線として意識されていたこともあり、後場はNTショートを巻き戻す形でのリバランスの動きを意識しておきたい。
本日のロンドン為替市場では、欧州のエネルギー価格動向や改定値ではあるが独仏ユーロ圏の12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)の結果を見定めながらの取引か。ニューヨーク勢の参入後の欧州午後には、独インフレ指標も発表される。
ロシア国営企業ガスプロムは1日、ウクライナ経由で欧州への天然ガス輸出の停止を発表。これを受けて、2日に取引が再開された「オランダTTF天然ガス先物(欧州の天然ガス価格の指標)」2月限は、1メガワット時あたり50.2ユーロを超えて終えた。下落していた先月半ばから比べると、20%以上も上昇した水準だ。
もっとも、既に欧州連合(EU)はロシア産天然ガスへの依存度を引き下げているためか、先週末3日にTTF天然ガス先物は49.62ユーロ付近まで下落して終えた。ウクライナがガスプロムとの契約を更新しない方針を以前から決めていたこと、今後ロシアは別ルートで欧州に天然ガス輸出を続ける見込みということも、警戒感を過度に高めていない要因だろう。
とはいえ、これから冬が本格化する中でエネルギー需給の逼迫懸念は残る。原油先物も年末年始にかけて堅調に推移しており、エネルギー価格が高止まりするようだと欧州インフレの上昇圧力に繋がるだろう。そうなった場合、ユーロ圏金利の先安観の後退から通貨ユーロが支えられる局面があるかもしれない。しかし景況感の悪化も避けられないため、持ち高調整以外では積極的な上値追いも難しそうだ。
12月サービス部門PMIは、速報値では仏独ユーロ圏とも総じて予想以上の結果だった。特に、ドイツとユーロ圏が景況判断の境目50もしっかり超えてきている。12月の好調さを改定値で確認できれば、ユーロ相場にとって目先の支持要因とされるか。ただし改定値のため、速報値から大きく離れた場合のみユーロ相場の動意を高めることになるだろう。
なお、日本時間22時に発表される12月独消費者物価指数(CPI)速報値は、前年比2.4%上昇が市場予想の中心値。見込み通りであれば、3カ月連続の加速となる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0342ドル。超えると同・基準線1.0428ドルが意識される。
想定レンジ下限
・ユーロドル、2日につけた2022年11月以来の安値1.0226ドル。
(6日15時時点)
ドル円:1ドル=157.78円(前営業日NY終値比△0.52円)
ユーロ円:1ユーロ=162.65円(△0.57円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0309ドル(△0.0001ドル)
日経平均株価:39307.05円(前営業日比▲587.49円)
東証株価指数(TOPIX):2756.38(▲28.54)
債券先物3月物:141.59円(▲0.31円)
新発10年物国債利回り:1.125%(△0.035)
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。東京早朝から買いが先行すると、時間外の米長期金利の上昇もあり157.83円まで上昇。大発会後の日経平均が下げに転じると157.50円前後まで下押すも、売り一巡後は157.80円前後までじりじりと値を上げた。ただ、新発10年物国債の利回りが2011年7月以来の1.12%台まで上昇したこともあり、本日高値を前に伸び悩んだ。なお、植田日銀総裁からは「今年は賃金物価バランスよく成長するよう期待」などの発言が伝わっている。
・ユーロ円は伸び悩み。ドル円の上昇に連れてじり高で推移する中で162.81円まで値を上げるも、日足一目均衡表の転換線162.91円が目先の抵抗として意識されると伸び悩んだ。
・ユーロドルは小動き。手掛かり材料に乏しい中、主に1.03ドル台前半での狭いもみ合いが続いた。
・カナダドルは上昇。一部報道が「トルドー加首相が今週中にも与党・自由党の党首を辞任する見込み」と伝えた。昨年から辞任は時間の問題とされていた中、市場はカナダドル買いで反応。カナダドル円は109.66円まで上昇した
・日経平均株価は続落。小高く始まるも早々にマイナスに転じると、下げ幅を拡大。ファーストリテイリングやトヨタなどが下げを先導したほか、米政府が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画に対する中止命令を出したことも重しとなり、下げ幅は一時600円超に達した。
・債券先物相場は反落。前週末の米国債券相場が下落した流れを引き継いだほか、週内に入札を控えて需給の緩みを警戒した売りも出た。なお、新発10年物国債利回りは日銀の早期利上げ観測がくすぶる中で2011年7月以来となる1.12%台まで上昇した。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
オーストリアで極右排除の連立協議が決裂 極右政権誕生に近づく
昨年9月の総選挙で極右政党・自由党が第一党となったオーストリアでは、極右を除く3党による連立協議が行われてきたが、年明け直後に決裂。連立協議を率いてきたネーハーマー首相が首相並びに中道右派の国民党党首の辞任を発表。国民党の後継党首は自由党が主導する連立協議に応じる姿勢を示しており、オーストリアでも極右政権が誕生する可能性が高まった。新たな連立協議が不調に終わった場合も、選挙後の世論調査で自由党が4割近くまで支持を伸ばしている。再選挙となった場合、自由党が更に議席を上積みし、同党抜きの連立は益々困難になりつつある。
大阪3月限
日経225先物 39340 -650 (-1.62%)
TOPIX先物 2760.0 -26.5 (-0.95%)
日経225先物(3月限)は前日比650円安の3万9340円で取引を終了。寄り付きは3万9660円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9595円)にサヤ寄せする形で売り先行で始まった。日経平均株価が小幅ながら反発して始まるなか、日経225先物は現物の寄り付き直後には一時4万0010円まで買われ、プラス圏を回復する場面もみられた。
だが、買い一巡後は急速に軟化し、前場終盤にかけて3万9360円まで下げ幅を広げ、後場中盤には3万9230円まで売られた。売り一巡後は終盤にかけて3万9230円~3万9380円辺りでのレンジ推移が続いた。
日経225先物は4万0010円まで買われ、ボリンジャーバンドの+2σ(4万0190円)が意識されたが、早い段階で+1σ(3万9690円)を割り込んだことで、ロング解消の動きに向かわせたようだ。後場に入り3万9230円まで売られたが、祝日取引でつけた安値(3万9220円)は割り込まず、25日移動平均線(3万9190円)辺りが支持線として意識され、終盤にかけて若干ながらショートカバーを誘う形だったのだろう。
3日の米国市場がエヌビディア
東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が7割超を占めたが、セクターでは海運や鉱業、石油・石炭製品、銀行が上昇した。少額投資非課税制度(NISA)に伴う資金が高配当の銘柄に向かったことが窺える。
NT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。一時14.24倍まで下げる場面もみられ、200日線(14.25倍)を下回る場面もあった。足もとでは同線が支持線として意識されていたこともあり、その後はNTショートが強まる流れは一服したが、200日線を割れからNTショートに振れやすくなる可能性がありそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、ABNクリアリン証券が3万3412枚、ソシエテジェネラル証券が2万4939枚、JPモルガン証券が6986枚、日産証券が6699枚、サスケハナ・ホンコンが5426枚、SBI証券が4329枚、モルガンMUFG証券が2502枚、バークレイズ証券が2466枚、ビーオブエー証券が1928枚、ゴールドマン証券が1656枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が3万4701枚、ソシエテジェネラル証券が2万8670枚、日産証券が9589枚、ゴールドマン証券が8210枚、JPモルガン証券が8093枚、バークレイズ証券が7220枚、モルガンMUFG証券が4735枚、みずほ証券が2550枚、ビーオブエー証券が2365枚、BNPパリバ証券が1693枚だった。
今週のNY市場は12月雇用統計などの経済指標に注目。先週は週末金曜日に主要3指数がそろって上昇したものの、週間ではダウ平均が0.60%安、S&P500が0.48%安、ナスダック総合が0.51%安とそろって反落した。例年株価上昇確率が高いサンタクロース・ラリー(年末最終の5営業日と新年の2営業日)は、ダウ平均が0.41%安、S&P500が0.53%安、ナスダック総合が0.72%安となり、今回は失敗に終わった。ただ、2024年年間ではダウ平均が12.88%高、S&P500が23.31%高、ナスダック総合が28.64%高とそろって大幅に2年続伸となった。
今週は9日木曜日がジミー・カーター元大統領の追悼行事で株式市場が休場で、4日間の短縮取引となる。年末年始のサンタクロース・ラリーは下落となったが、新年の2営業日ではダウ平均が0.44%高、S&P500が1.03%高、ナスダック総合が1.61%高とそろって上昇スタートとなった。1月や2025年のパフォーマンスを占う意味で今週の株価の行方が注目されるが、米連邦準備理事会(FRB)による今年の利下げ見通しを巡り12月雇用統計などの労働統計が焦点となりそうだ、金曜日に発表される12月雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が16万人増と11月分の22.7万人増から鈍化が見込まれており、失業率は11月の4.2%から横ばいが見込まれている。市場では2025年に2回(0.50%)の利下げが予想されているが、NFPが予想を上回る増加となれば利下げ期待の後退が相場の重しとなることが懸念材料となる。このほかの経済指標は、11月耐久財受注改定値、11月製造業新規受注、12月ISM非製造業PMI、11月JOLTS求人件数、12月ADP民間部門雇用者数など。
今晩の米経済指標・イベントは12月サービス業PMI確定値、11月製造業新規受注など。企業決算は引け後にメトラートーレドが発表予定。
米ワシントンポスト紙が「トランプ次期大統領が、重要な輸入品に一律の関税導入を検討している」と報じている。
カナダのトルドー首相が自由党党首を辞任する意向を表明すると一部メディアが伝えた。ただし、新党首選出まで留任するという。
カナダのトルドー首相は3月24日まで議会の閉会を要請したと一部メディアが伝えた。これにより、政府は不信任案を避けることができ、自由党が新しい党首を選出するための時間に充てるという。
日経平均株価は大幅続落。大納会からの売りが継続する格好となり、25日移動平均線(39169円 1/6)付近まで下げ幅を拡大する場面があった。終値ベースでは10日移動平均線(39297円 同)まで戻したが、直近2日間で大きな揺り戻しが生じる格好となった。
RSI(9日)は前日の59.2%→53.4%(1/6)に低下。50%超を維持する状態であり、あすは上昇しやすいタイミングとなる。このまま、25日移動平均線や基準線(39099円 同)などを下回ると、11/28安値(37801円)と12/19安値(38355円)をつないで延長した支持線まで下落余地が拡大する公算が大きい。
まずは、あすの転換線(39376円 同)の上昇を追い風に、5日移動平均線(39636円 同)上を回復できるかが、12/27までの上昇モメンタム回復のカギとなる。
上値メドは、5日移動平均線や心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円などが考えられる。下値メドは、25日移動平均線や心理的節目の39000円、75日移動平均線(38738円 同)、100日移動平均線(38350円 同)、心理的節目の38000円、10/2安値(37651円)などがある。
米財務省によると、3年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.332%、応札倍率(カバー)が2.62倍となった。
(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.50円(6日15時時点比▲0.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.61円(△0.96円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0387ドル(△0.0078ドル)
FTSE100種総合株価指数:8249.66(前営業日比△25.68)
ドイツ株式指数(DAX):20216.19(△310.11)
10年物英国債利回り:4.610%(△0.017%)
10年物独国債利回り:2.447%(△0.022%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月スイス小売売上高 (前年同月比)
0.8% 1.5%・改
12月仏サービス部門PMI改定値
49.3 48.2
12月独サービス部門PMI改定値
51.2 51.0
12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
51.6 51.4
12月英サービス部門PMI改定値
51.1 51.4
12月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.4% ▲0.2%
(前年比) 2.6% 2.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。円安・ドル高が進んだ東京市場の流れを引き継ぐと、欧州勢参入後も円売り・ドル買いが進行。20時過ぎに一時157.96円と日通し高値を付けた。ただ、昨年12月30日の高値158.07円や12月26日の高値158.08円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。
米ワシントン・ポスト紙が「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」と報じると、米金利上昇圧力が従来予想よりも限定的にとどまるとの見方が浮上。全般ドル売りが優勢となり、22時30分前に一時156.24円と日通し安値を付けた。
もっとも、トランプ氏が「ワシントン・ポストの記事は正確ではない」「自分の関税政策を後退させることはしない」と発言すると一転ドルを買い戻す動きが優勢に。3時過ぎには157.67円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは伸び悩み。12月仏・独・ユーロ圏サービス部門PMI改定値が予想を上回るとユーロ買い・ドル売りが先行。ワシントン・ポストの報道をきっかけに全般ドル売りが活発化すると一時1.0437ドルと日通し高値を付けた。ただ、トランプ氏が当該記事を否定すると一転ドル買いが優勢となり、23時30分前には1.0355ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は強含み。ユーロドルの上昇をきっかけに円売り・ユーロ買いが優勢になると、20時30分過ぎに一時164.02円と日通し高値を付けた。23時30分前には162.61円付近まで下押しする場面もあったが、2時前には163.84円付近まで再び強含んだ。
・ロンドン株式相場は反発。続落して始まったものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。米国株相場の上昇などが相場を下支えした。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが買われたほか、アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は反発。米ワシントン・ポスト紙が「トランプ次期大統領は重要な輸入品のみに一律の関税導入を検討」と報じたことが好感されて、独株にも買いが入った。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(7.34%高)やザルトリウス(5.93%高)、ダイムラー・トラック・ホールディング(5.79%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落した。米債安につれた。
大発会1月6日の日経平均は大幅続落。終値は587円安の39307円。東京市場が休場の間の米国株は軟調となったが、これを受けても寄り付きは小幅なプラス。しかし、すぐに下げに転じると、場中は下値模索が続いた。指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>が弱かったほか、トヨタ<7203.T>など昨年末の動きが良かった銘柄に大きく下げるものが散見された。前場のうちに下げ幅を500円超に広げ、後場には600円超下げる場面もあった。終盤にかけては売り一巡感から下げ渋ったものの、安値圏で2025年初日の取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4800億円。業種別では海運、鉱業、石油・石炭などが上昇した一方、輸送用機器、小売、サービスなどが下落した。500株以上保有の株主に対する優待を手厚くすることを発表した東海染工<3577.T>が後場急騰。ストップ高まで買われる場面もあった。半面、3Q累計は増収増益もポジティブサプライズに乏しいと受け止められたハイデイ日高<7611.T>が後場マイナス転換から下げ幅を広げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり357/値下がり1243。3日の米国でエヌビディアが強く買われたことから、アドバンテストやディスコなど半導体株が上昇。野村マイクロがストップ高まで買われたほか、オルガノが3%超上昇するなど、超純水関連に強い動きが見られた。自動車株は濃淡あったが、スズキやホンダは大幅高。決算が好感されたあみやき亭が急伸した。
一方、トヨタが4.3%安となったほか、三菱自動車や日野自動車など自動車株の一角が嫌われた。IHIや川崎重工など防衛関連が大幅安。今週決算発表を控えているファーストリテイリングが4.2%安と派手に下げた。昨年末に急騰したDeNAが一転急落。リクルートHD、ソニーG、キーエンスなどグロース系の銘柄が強めに売られた。
2025年の大発会は大幅安。昨年の大納会同様、外部環境がアゲインストの割には高く始まり、寄った後に改めての売りに押された。下に値幅は出たが売買代金上位銘柄を見るとプラスの銘柄も結構多く、リスクオフに傾斜したような雰囲気はない。終値は39307円。4万円は遠のいたが、安値(39232円)でも25日線(39169円、6日時点、以下同じ)は割り込んでおらず、テクニカルの節目は意識された。39000円を割り込んだとしてもその下には75日線(38738円)が控えており、悲観に傾く局面ではない。きょう弱かった銘柄は直近では強く買われていたものも多かっただけに、あすは反転攻勢の展開に期待したい。
一部通信社が報じたところによると、「バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)は同職を退任する」もよう。
6日11:26 植田日銀総裁
「昨年の日本経済、賃金・物価の好循環続いた」
「今年も金融緩和度合い調整するタイミングは今後の経済金融物価情勢次第、様々なリスクに留意必要」
「データその他の情報を精緻に分析、経済物価見通し作成している」
「経済物価見通し、月末の展望リポートで政策判断基本材料にする」
「今年は賃金物価バランスよく成長するよう期待」
6日23:00 トランプ次期米大統領
「中国の習近平主席とはおそらく非常に上手くやっていけるだろう」
「バイデン大統領の石油掘削禁止令を即座に解除する」
「ワシントン・ポスト紙の記事は正確ではない」
「関税政策は縮小しない」
6日23:15 クック米連邦準備理事会(FRB)理事
「時間をかけて中立的な水準まで利下げすることが適切になるだろう」
「インフレと雇用に関するリスクはほぼバランスが取れている」
「FRBはより慎重に利下げを進めることができる」
「労働市場はより均衡が取れており、インフレの要因ではない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 12月マネタリーベース
<海外>
○09:01 ◇ 12月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年同月比▲0.2%)
○09:30 ◎ 11月豪住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.0%)
○16:30 ◎ 12月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%)
○16:45 ◇ 12月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比1.4%)
○18:30 ◎ 12月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:54.4)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.4%)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.7%)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏失業率(予想:6.3%)
○22:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○22:30 ◇ 11月カナダ貿易収支(予想:9.0億カナダドルの赤字)
○22:30 ◎ 11月米貿易収支(予想:780億ドルの赤字)
○24:00 ◇ 12月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00 ◎ 11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:770.0万件)
○24:00 ☆ 12月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:53.3)
○8日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○ロシア(新年休暇)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.62円(前営業日比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.77円(△1.69円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0390ドル(△0.0082ドル)
ダウ工業株30種平均:42706.56ドル(▲25.57ドル)
ナスダック総合株価指数:19864.98(△243.30)
10年物米国債利回り:4.63%(△0.03%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.56ドル(▲0.40ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2647.4ドル(▲7.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米サービス部門PMI改定値
56.8 58.5
12月米総?⑰MI改定値
55.4 56.6
11月米製造業新規受注
(前月比) ▲0.4% 0.5%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。米ワシントン・ポスト紙が「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」と報じると、米物価上昇圧力が想定よりも限定的にとどまるとの見方が浮上。米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢になると、22時30分前に一時156.24円と日通し安値を付けた。
ただ、トランプ氏が「ワシントン・ポストの記事は正確ではない」「自分の関税政策を後退させることはしない」と発言すると一転ドルを買い戻す動きが優勢に。米長期金利が上昇に転じたことも相場の支援材料となり、3時過ぎに157.67円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは続伸。欧州時間発表の12月仏・独・ユーロ圏サービス部門PMI改定値が予想を上回ったことを受けてユーロ買い・ドル売りが進行。ワシントン・ポストの報道をきっかけに全般ドル売りが活発化すると一時1.0437ドルと日通し高値を付けた。
ただ、トランプ氏が当該記事を否定するとドル買い戻しが優勢となり、23時30分前に1.0355ドル付近まで下押しした。そのあとは1.03ドル台後半で値動きが細った。
・ユーロ円も続伸。ユーロドルの上昇をきっかけに円売り・ユーロ買いが優勢になると、20時30分過ぎに一時164.02円と日通し高値を更新。23時30分前には162.61円付近まで下押しする場面もあったが、2時前には163.84円付近まで再び強含んだ。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は小反落。一時380ドル超上昇する場面もあったが、「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道をトランプ氏が否定すると、米長期金利が上昇。株式の相対的な割高感が意識されて、売りが優勢となった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。半導体株やメタ・プラットフォームズが買われ、相場の押し上げ要因となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道をトランプ氏が否定すると一転売りが優勢となった。3年債入札が「やや低調」と受け止められたことも相場の重し。
・原油先物相場は6日ぶりに反落。欧米での寒波を受けて暖房需要への期待から天然ガス先物が急伸したことにつれて75ドル手前まで上昇した。ただ、トランプ米次期大統領の発言でドル買い戻しが進むと、ドル建て商品の割安感が薄れ一転下落した。
・金先物相場は続落。「トランプ次期大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道をトランプ氏自身が否定したことでドルの買い戻しが進むと、ドル建てで取引される金の割高感が意識された。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39670 +330 (+0.83%)
TOPIX先物 2774.5 +14.5 (+0.52%)
シカゴ日経平均先物 39675 +335
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
6日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。台湾の鴻海精密工業が発表した2024年10-12月期の売上高(速報値)は、人工知能(AI)向けのサーバーが寄与し過去最高となった。これが材料視され、エヌビディア
ただし、「トランプ次期米大統領は重要な品目だけに絞って関税を課すことを検討」との報道を、トランプ氏が否定すると米長期金利が上昇。これが相場の重荷となり、一時380ドルほど上昇していたNYダウは軟化し、その後は一進一退の展開が続いた。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、アップル
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比335円高の3万9675円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比20円高の3万9360円で始まり、直後につけた3万9340円を安値にロング優勢となり、3万9670円まで買われた。買い一巡後は3万9460円まで軟化したが、米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まり、中盤にかけて3万9850円まで上げ幅を広げた。終盤にかけてロング解消の動きがみられたものの、3万9600円辺りでの底堅さが意識され、3万9670円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることが見込まれる。鴻海精密工業については前日の時点で織り込まれているが、米半導体株への物色に波及したことで、改めて材料視されやすいだろう。そのため、指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857.T> [東証P]など、値がさハイテク株が日経平均型を牽引する展開が期待される。
昨日の日経225先物は朝方に4万円を回復した後は下へのバイアスが強まり、一時3万9230円まで下げる場面もみられた。ただし、上向きで推移する25日移動平均線が支持線として意識されており、同線割れを狙ったショートは手控えられそうである。ナイトセッションではボリンジャーバンドの+1σ(3万9700円)を捉えており、レンジとしてはオプション権利行使価格の3万9375円から3万9875円での推移だった。
+1σ水準では強弱感が対立する可能性はあるものの、同線を挟んだ推移のなかで+2σ(4万0160円)が次第に意識されてきそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万9625円から4万0125円のレンジを想定し、押し目狙いのロング対応となろう。
6日の米VIX指数は16.04(3日は16.13)に低下した。一時15.71まで下げており、25日線(15.87)を下回っている。トランプ氏の関税政策に注目が集まるなか楽観は禁物だろうが、米半導体株主導の上昇により、リスク選好に向かわせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。一時14.24倍まで下げ、200日線(14.25倍)を下回る場面もあった。足もとでは同線が支持線として意識されていたこともあり、その後はNTショートの動きは一服した。200日線を明確に割り込んでくるとNTショートに振れやすくなる可能性はあるが、米半導体株が買われるなかで、本日のところは同線を支持線にNTショートを巻き戻す動きが優勢になろう。
6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ワシントン・ポスト紙報道「関税適用対象を重要輸入品に絞る計画」で156.24円まで下落後、トランプ氏による否定発言で157.67円付近まで反発した。ユーロドルは12月仏・独・ユーロ圏サービス部門PMI改定値が予想を上回ったことやワシントン・ポスト紙報道を受けて一時1.0437ドルまで上昇した。ユーロ円も164.02円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今月末の日米金融政策決定会合での現状維持観測から底堅い展開が予想されるものの、トランプ次期米大統領のドル高牽制や本邦通貨当局による円安牽制発言には引き続き警戒しておきたい。
昨日のドル円は、ワシントン・ポスト紙の報道「トランプ次期大統領の側近らが、関税の対象を重要な輸入品のみに絞ることを検討」を受けて156.24円まで下落する局面があった。
トランプ関税の範囲が狭まれば物価上昇圧力も弱まるとの思惑から、米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げを進めやすくなるとの見方が広がった。
しかし、トランプ氏が「ワシントン・ポストの記事は間違いだ」と、自身のソーシャルメディアプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に投稿したことで、157円台半ばまで戻して推移している。
日本製鉄がバイデン米大統領によるUSスチール買収禁止に対して提訴したが、買収計画に反対してきたトランプ氏の日本企業による対米投資や買収などに関する見解、そして現状のドル高・円安水準に対する牽制発言が出る可能性などには引き続き警戒しておきたい。
昨日のドル円は157.96円まで上昇したものの、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感や日銀の追加利上げ観測を受けた日本の中長期債利回りの上昇などから上値が抑えられた。
植田日銀総裁は、昨日、賀詞交歓会で挨拶し、経済・物価情勢の改善が続けば政策金利を引き上げる金融調節を行う方針を示した上で、調整のタイミングは「今後の経済・金融・物価情勢次第で、さまざまなリスク要因を注視する必要がある」との認識を示した。
すなわち、12月の日銀金融政策決定会合の後の会見と同様に、第2次トランプ米政権の関税政策や春闘での賃上げのモメンタムという「ワンノッチの情報」を見極めるスタンスが示された。
しかし、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ確率は46%へ上昇しており、新発10年物国債の利回りも2011年7月以来となる1.125%台まで上昇していることで、ドル円の158円台乗せを阻んでいる。
日銀関連では、9日の日銀支店長会議・地域経済報告での賃上げ動向や14日の氷見野日銀副総裁の神奈川県金融経済懇談会での講演を注目することになる。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入に関しては、昨年12月の本邦通貨当局の円安牽制発言が「注視」「適切対応」「憂慮」という段階に留まっており、今後は「断固たる措置」といった円買い介入を示唆するタイミング、為替水準を見極めることになる。
神田前財務官は、ボラティリティー抑制を円買い介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では160円台前半に控えている。
日経225先物は11時30分時点、前日比940円高の4万0280円(+2.38%)前後で推移。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9675円)を上回る形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万9630円まで軟化した後はロングの勢いが強まり、中盤にかけて4万円の大台を回復。ショートカバーを交えた強い基調のなか、終盤にかけて一時4万0300円まで上げ幅を広げた。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9770円)水準から始まり、いったんは同水準に抑えられる形となった。ただし、早い段階で+1σを明確に上放れてきたことでロングの勢いが強まったほか、ショートカバーを誘う形になったようだ。4万円回復後は+2σ(4万0250円)を意識したトレンドとなり、同水準を上回っている。
一気に+2σ水準まで上昇したことで、短期的には過熱感が警戒されやすいところではある。ただし、同水準での底堅さがみられるようだと、ショートカバーを交えた一段の上昇となる可能性もあるため、過熱感からのショートは避けておきたい。
米国市場の流れを引き継ぐ形から、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、アドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が目立っており、2社で日経平均株価を約420円押し上げている。
日経平均型優位のなか、NT倍率は先物中心限月で14.40倍に上昇した。14.30倍で始まり、ほどなくして25日移動平均線(14.32倍)および75日線(14.36倍)を突破。NTショートを巻き戻す形でのリバランスの動きが強まっている。
昨日の海外市場では、ワシントンポスト(WP)紙の記事を巡って上下に振らされる展開となったわけですが、ドル円は年末年始から続くレンジ内での取引を繰返したに過ぎず、結果としては「いい買い場を与えたに過ぎない」相場となったといったところ。156.24円まで売り込まれた後は、トランプ次期米大統領がWP紙の関税政策を巡る報道を自身のSNSで否定すると一気に買戻される展開に。米10年債利回りの4.6422%への上抜けとともに157.67円まで買戻されてNY市場を終えることになりました。
行って来いに終わったNY市場後のアジアでは、朝方から本邦実需の買いが断続的に観測されると上値を試す展開。昨日高値の157.96円や目先の戻り目処として意識されていた12月26日の高値158.08円を上抜けると一時158.42円まで値を上げました。加藤財務相がお決まりの円安牽制発言を行ったものの、しっかりとした実需の買いが出ているなかにあっては、下押しの買い場を提供するだけの動きとなっています。
いずれにしても、本日は「本邦勢の買いがかなり出ている」わけで、「証券筋の買いなどが目立つことから、新NISA絡みの買いが出ている」模様。日経平均の4桁近い急騰もまたしかり。新年を迎えて、新NISAへの資金流入は「増えることはあっても減ることはない」状況が続くなか、しっかりとした実需の買い需要に裏付けられたドル円の買いであり、かつ、日経平均の買いであるわけで、円安が進むことが何が何でも「投機的な動き」と決めつけている当局の認識とは、全く違う質の相場が展開されています。
米国防総省は6日、中国インターネットサービス大手のテンセント(00700)など5社を中国人民解放軍と協力関係にあるとみなす「中国軍事企業」リストに追加すると明らかにした。7日付の官報によると、テンセントのほかに車載電池大手の寧徳時代新能源科技(300750)、半導体メモリー大手の長キン儲存科技(CXMT)、上海移遠通信技術(603236)、ドローンメーカーのオーテル・ロボティクスが新たに指定され、リスト収載企業は計134社となった。
「中国軍事企業」リストは、2020年6月に華為科技(ファーウェイ)など20社が指定されて以降、米国防総省が国防権限法に基づいて毎年更新している。
香港英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』によると、「中国軍事企業」指定は輸出規制や制裁措置とは異なり、法的な影響はないが、指定された企業の評判が傷つき、収載企業に制裁を科すよう米財務省に求める圧力が高まる可能性があるという。
6日の米店頭市場でテンセントのADR(米預託証券)は前日比7.82%下落した。
「経済・物価情勢の改善が続くならば、日銀としてはそれに応じて政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整する方針」(植田日銀総裁:2025年1月6日賀詞交歓会)
1.「ワンノッチ」(2024年12月19日)※ハト派
2024年12月19日、日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、植田日銀総裁は、追加利上げの見送りを決めた理由として、「日本経済に大きな影響を与える可能性がある米国のトランプ次期政権の追加関税策の中身に関する情報、来年の春闘に向けた賃上げのモメンタムを確認するために、『もうワンノッチ(1段階)』情報を待ちたい」と述べた。
「ノッチ(notch)」とは、金融市場では、国債の格付けで「AAからAA+に、1ノッチ引き上げた」などと表現する。
2.「時間的余裕は不要」(2024年10月31日)※タカ派
2024年7月31日、日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、植田日銀総裁は、「政策判断に時間的余裕がある」との表現が「不要になるのではないかと考え、今日も使っていない」と述べ、金融政策の見極めに必要な時間や利上げのタイミングには予断を持っていない、と発言した。
ドル円は、10月28日に153.88円まで上昇して、7月31日の植田ショックの時の高値に面合わせしていたが、11月1日には151.79円まで下落した。
植田日銀総裁は、10月のG20会議の後の記者会見、9月の日銀金融政策決定会合の後の記者会見、そして、石破首相との初会談の後に、「不確実性が大きい場合には、政策変更を慎重に段階的に進めたい。追加利上げを判断するのに、時間的な余裕はある」と述べ、追加利上げの時期を先送りしていた。
3.「0.5%は壁ではない」(2024年7月31日)※タカ派
2024年7月31日、日銀金融政策決定会合の後の記者会見で、植田日銀総裁は「0.25%への利上げでも実体経済への影響は出ない。経済のショック、景気循環で日本経済に下振れが生じた場合、0.25%では対応しづらい。2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べた。
そして、「経済・物価情勢が見通しに沿って推移すれば、引き続き金利を上げていく」とタカ派宣言をした。
ドル円は、7月31日の高値153.88円から8月5日の安値141.70円まで下落した。
日経平均株価は、8月5日に、31156.12円まで下落(▲4451円)し、過去最大の下落幅を記録した。
4.「チャレンジング」(2023年12月7日)※タカ派
2023年12月7日の参議院財政金融委員会で、今後の金融政策の運営について抱負を問われた植田日銀総裁は「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになると思っているので、情報管理の問題もきちんと徹底しつつ、丁寧な説明、適切な政策運営に努めていきたい」と答えた。市場は、「チャレンジング」という言葉が、金融引締めを示唆するものだと解釈し、ドル円は141円台へ下落、8日の日経平均株価は前日比550円45銭安の3万2307円86銭で引けた。
しかし、植田日銀総裁は、チャレンジング発言は、「仕事の取り組み姿勢一般についての議員の質問への回答であり、2年目も一段と気を引き締めて職務に取り組む意思を示したもの」と説明した。
本日のロンドン為替市場でユーロやスイスフランは、インフレ動向に注目しながらの取引となりそうだ。また、昨年7月以来の高値を更新したドル円の方向性も目を向けておきたい。なお昨日は、仏・独・ユーロ圏の12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値の上方修正をきっかけにユーロ買いが強まった。
本日はまず、12月スイス消費者物価指数(CPI)が発表される。前月比予想が-0.1%と低調なまま、前年比も+1%を割り込んだ水準で鈍化が見込まれている。今年最初のスイス中銀(SNB)金融政策決定会合は3月であり、それまでに次の一手を考える時間はまだある。とはいえディスインフレ基調の強まりを確認となれば、スイス利下げペースの速まりが意識され、スイスフランは買いづらいだろう。
ユーロ圏からはまず、フランスの12月CPIが発表予定。こちらは前月比が前回マイナスからプラス回復が見込まれ、前年比は+1%台ではあるが加速予想。その後にユーロ圏の同月消費者物価指数(HICP)が明らかになるため、仏インフレへの反応は限定的か。12月HICPは前年比が+2.4%と前回から0.2ポイント上回るというのが市場の見立てだ。
ユーロ圏インフレが予想通りであれば3カ月連続の加速となり、水準としても7月以来の高い値だ。米国で保護主義色が強いトランプ政権が誕生すると、欧州インフレも先行き不透明感が強まると当局者は懸念している。欧州金利先安観の後退との思惑がインフレ指数確認後に広まってくるかもしれない。
ところで、欧州の天然ガス価格の指標とされる「オランダTTF天然ガス先物」の期先限月は昨日、前日比5%弱低下して終えた。ロシア国営企業ガスプロムがウクライナ経由での天然ガス輸出を停止したが、足もとでは需給ひっ迫への懸念は後退しつつあるもよう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、昨年12月30日高値1.0458ドル
・ドルスイスフラン、昨年5月24日高値0.9158フラン
想定レンジ下限
・ユーロドル、昨日安値1.0295ドル
・ドルスイスフラン、昨年12月24日安値0.8983フラン
(7日15時時点)
ドル円:1ドル=157.86円(前営業日NY終値比△0.24円)
ユーロ円:1ユーロ=164.12円(△0.35円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0396ドル(△0.0006ドル)
日経平均株価:40083.30円(前営業日比△776.25円)
東証株価指数(TOPIX):2786.57(△30.19)
債券先物3月物:141.60円(△0.01円)
新発10年物国債利回り:1.125%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月マネタリーベース
前年同月比 ▲1.0% ▲0.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は行って来いの展開。日経平均の大幅反発を支えにリスク志向が高まると、前日高値157.96円を上抜き昨年7月以来となる158.42円まで上値を伸ばした。ただ、その後は本邦長期金利の上昇や加藤財務相の円安けん制発言などを受けて売りが優勢となると、15時過ぎに157.60円台まで下押す場面も見られた。
・ユーロ円は伸び悩み。本邦株高を受けて円安の流れとなる中で164.40円まで上昇するも、その後は加藤財務相の円安けん制発言などを受けて円が買い戻されると164.00円台まで押し戻された。
・ユーロドルは小高い。1.0380ドル割れの水準での底堅さを確認すると、その後は時間外の米10年債利回りの低下をながめて1.0404ドルまで小幅高となった。
・日経平均株価は大幅反発。米ハイテク株高を好感して高く始まり、その後も上げ幅を拡大。東京エレクトロンやアドバンテストが相場をけん引する形となり、4万円の大台を回復。上げ幅は一時900円を超える場面が見られた。午後に入るとやや伸び悩むも、4万円の大台は維持して取引を終えた。
・債券先物相場は反発。朝方は前日の米国債券相場が下落した影響を受けて売りが先行。新発10年物国債利回りは1.135%と約13年半ぶりの高水準をつけた。しかし、午後に行われた新発10年債入札が強い結果となり、債券需要の引き締まり観測を背景に買いが集まると上昇に転じた。時間外の米長期金利の上昇が一服していることも支えとなった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国景気は当局の内需喚起策に「おんぶに抱っこ」の様相を強める
内需喚起策は一時的に家計消費を押し上げる一方、雇用回復の遅れは持続力の足かせとなろう
足下の中国経済は当局への政策支援への依存を強めている。当局は内需喚起を目的とする買い替え促進のほか、金融緩和や財政出動を通じた取り組みを強化する姿勢をみせている。他方、米トランプ次期政権の発足など外需を取り巻く環境は厳しさを増すなか、内需喚起策を受けて企業マインドは改善するも雇用なき生産拡大の動きが確認されるなど不透明感はくすぶる。また、金融緩和観測が人民元安を招くなど副作用も顕在化しており、金融政策は先行きも当局の動きに対して疑心暗鬼を強める展開が続くであろう。
当局の政策支援を追い風に製造業の企業マインドは底入れしてきたものの、12月は政府統計(50.1)も民間統計(50.5)もともに下落するなど、早くも底入れの一服感が確認されている。外需への懸念に加え、雇用回復も遅れるなかで内需にも不透明感がくすぶるなど、先行きの持続力に疑問がくすぶる。他方、非製造業PMI(52.2)と大きく底入れしており、建設業、サービス業ともに改善している。ただし、内需の回復は道半ばである上、外需に懸念がくすぶるほか、雇用の回復も遅れるなど、内需の持続力には不透明感が大きい。金融市場は先行きも当局の政策対応に期待を寄せる一方、人口規模の大きさはその対応の難しさを引き起こすなかで対応のハードルは極めて高く、その動きに一喜一憂させられる展開が続くことに要注意である。
大阪3月限
日経225先物 40000 +660 (+1.67%)
TOPIX先物 2781.0 +21.0 (+0.76%)
日経225先物(3月限)は前日比660円高の4万円で取引を終了。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9675円)を上回る形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万9630円を安値にロングの勢いが強まり、前場中盤にかけて4万円の大台を回復。ショートカバーを交えた強い基調のなか、前場終盤にかけて一時4万0300円まで上げ幅を広げた。
ランチタイムで4万0320円まで上昇し、その後は利益確定に伴うロング解消により、4万0100円まで上げ幅を縮めた。後場中盤に再びロングが強まり4万0310円をつけたが、日中高値を更新できなかったことで、終盤にかけては4万0050円から4万0150円辺りでの推移が目立った。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9730円)水準を明確に上放れてきたことでロングの勢いが強まったほか、ショートカバーを誘う形となった。4万円回復後は+2σ(4万0200円)を意識したトレンドとなり、同水準を上回った。
一気に+2σ水準まで上昇したことで、短期的には過熱感が警戒されやすいところであった。後場中盤以降は同水準を下回っての推移となったが、昨年10月以降は+2σ到達でいったんは達成感が意識されていた。
積極的な上値追いのロングは限られるとみられ、目先的には4万円固めを見極めつつ、オプション権利行使価格の3万9750円から4万0250円辺りのレンジを想定しておきたい。4万円水準で強弱感が対立する可能性はあるが、底堅さがみられるようだとショートカバーを交えた一段の上昇も考えられるため、過熱感からのショートは避けておきたい。
米国市場の流れを引き継ぐ形から、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]やアドバンテスト <6857.T> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が目立っており、日経平均型優位となった。これによりNT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。14.30倍で始まり、ほどなくして25日移動平均線(14.32倍)および75日線(14.36倍)を突破。NTショートを巻き戻す形でリバランスの動きが強まり、一時14.42倍まで上昇した。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万6247枚、ソシエテジェネラル証券が2万1777枚、JPモルガン証券が6318枚、サスケハナ・ホンコンが3926枚、日産証券が3843枚、バークレイズ証券が2768枚、SBI証券が2294枚、野村証券が1950枚、ゴールドマン証券が1825枚、ビーオブエー証券が1708枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3866枚、ソシエテジェネラル証券が2万0954枚、バークレイズ証券が5974枚、日産証券が4185枚、JPモルガン証券が3611枚、モルガンMUFG証券が3157枚、ゴールドマン証券が2706枚、BNPパリバ証券が1835枚、野村証券が1827枚、ビーオブエー証券が1534枚だった。
本日、米国で複数の指標発表が予定されている。ドル円はそれらを確認しつつ、米国景気の先行きのほか、10日の12月米雇用統計への期待値に影響を及ぼすかを見てゆくことになるか。
まずは12月米ISM非製造業景況指数に市場の関心が集まりそうだ。市場予想は53.3と、前月(52.1)のほか、好不況の分岐点とされる50を上回る見通し。ISMについては雇用指標にも注目であり、前月(51.5)や分岐点の50を上回るかが焦点となろう。また、ISMと同時刻には11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数も発表予定。市場予想は770.0万件と前回(774.4万件)をわずかに下回る見通し。直後の市場はこれらを総合的に捉えて上下することが予想される。その後は雇用指標を通じ、12月米雇用統計に対する期待と懸念のどちらが意識されるか注目したい。
また、NY序盤にはバーキン米リッチモンド連銀総裁の発言機会が予定されている。同氏は市場ではややタカ派とみられている。なお、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権はないためインパクトは薄いかもしれないものの、金利や経済への見通しへの言及があるか確認しておきたい。
他方、ユーロドルは2日に2022年11月以来の安値となる1.0226ドルの安値をつけた後は持ち直す動きが続いている。昨日高値1.0437ドルや昨年12月30日高値1.0458ドルを上抜くようだと、1.05ドルの大台を意識した動きも想定される。12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は市場予想通り前月から伸びが加速したものの、直後の市場の反応は限定的であった。こちらも、米指標を受けたドルの動きがカギとなりそうだ。
そのほか、昨日の欧州からNY市場を動かしたトランプ次期米大統領に関する発言には引き続き注意したい。また、本日東京市場で本邦金融当局者から円安けん制発言が相次いでおり、こちらへの警戒も怠らないようにしたい。
想定レンジ上限
・ドル円は、昨年7月17日高値158.61円
・ユーロドルは、心理的節目の1.0500ドル
想定レンジ下限
・ドル円は6日安値156.24円
・ユーロドルは、日足・一目均衡表の転換線1.0342ド
今晩はもみ合いか。昨日は台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)の好決算を受けてエヌビディアなどの半導体株が軒並み高となったことや、トランプ次期政権が導入する関税が予想より小さいものになるとの報道が支援となった一方、米10年債利回りが一時4.644%まで上昇したことが上値の重しとなった。ダウ平均は383ドル高まで上昇後、25.57ドル安(-0.06%)と小幅に反落して終了した一方、S&P500が0.55%高、ナスダック総合が1.24%高とともに2日続伸した。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の16.13ポイントから16.04ポイントに低下と、センチメントはやや改善した。
今晩は半導体株を中心に好業績が期待されるAI関連株の堅調持続が期待されるものの、年内の利下げ見通しを巡る不透明感や足もとでの米10年債利回りの上昇が引き続き上値の圧迫要因となることが予想されるほか、9日木曜日がジミー・カーター元大統領の追悼行事で株式市場が休場となることや、週末金曜日に米12月雇用統計の発表を控えていることで、様子見姿勢も強まりそうだ。寄り後に発表される12月ISM非製造業PMIや11月JOLTS求人件数などの経済指標をにらんで狭いレンジでもみ合う展開となりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月ISM非製造業PMI、11月JOLTS求人件数のほか、11月貿易収支、米10年債入札など。企業決算は引け後にメトラートーレドが発表予定。
日経平均株価は大幅反発。上昇に転じた転換線(39550円 1/7)を意識したスタートとなり、上値を伸ばす展開となった。直近高値を前にやや伸び悩んだが、4万円台を回復して取引を終えた。
RSI(9日)は前日の53.4%→67.2%(1/7)に上昇。50%超を維持する状態であり、あすも上昇しやすいタイミングとなる。5日移動平均線(39826円 同)上を回復しており、12/27までの上昇モメンタムは継続。5日移動平均線の上昇が続く中、12/27高値(40398円)を超える連続陽線を形成できるかがあすの焦点となる。
上値メドは、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円、7/11安値(42102円)、7/11高値(42426円)などが考えられる。下値メドは、5日移動平均線や心理的節目の39500円、25日移動平均線(39247円 同)、心理的節目の39000円、75日移動平均線(38781円 同)、100日移動平均線(38400円 同)などがある。
トランプ米次期大統領は新たなデータセンター建設に200億ドルの投資を発表すると関係者筋の話として米メディアが報じた。この発表は、最近の大手テクノロジー企業によるデータセンター投資の流れに沿ったものだという。
米財務省によると、10年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.680%、応札倍率(カバー)が2.53倍となった。
(7日終値:8日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.69円(7日15時時点比▲0.17円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.48円(▲0.64円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0367ドル(▲0.0029ドル)
FTSE100種総合株価指数:8245.28(前営業日比▲4.38)
ドイツ株式指数(DAX):20340.57(△124.38)
10年物英国債利回り:4.683%(△0.073%)
10年物独国債利回り:2.483%(△0.036%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比 ▲0.1% ▲0.1%
12月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) 0.2% ▲0.1%
(前年比) 1.3% 1.3%
12月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
53.3 55.2
12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.4% 2.2%
12月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.7% 2.7%
11月ユーロ圏失業率
6.3% 6.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは上値が重かった。欧州債利回りの上昇などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。18時過ぎに一時1.0434ドルと日通し高値を更新した。ただ、12月仏消費者物価指数(CPI)速報値が前月比0.2%上昇と予想の0.3%上昇を下回ったことが分かると伸び悩んだ。
NYの取引時間帯に入り、12月米ISM非製造業景況指数が54.1と予想の53.3を上回ったほか、11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が809.8万件と予想の770.0万件よりも強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化。2時30分前には一時1.0354ドルと日通し安値を更新した。
なお、この日発表の12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比2.4%上昇と市場予想通りの結果となった。11月ユーロ圏失業率も6.3%と市場予想に一致した。
・ドル円は戻りが鈍い。対ユーロなどでドル売りが先行すると、円に対してもドル売りが進行。18時過ぎに一時157.38円と本日安値を更新した。ただ、この日発表の米経済指標が良好だったことが伝わると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6972%前後と昨年4月26日以来の高水準を記録。全般ドル買いが優勢となり、24時過ぎに一時158.42円とアジア時間に付けた昨年7月以来の高値に面合わせした。
もっとも、同水準の上抜けに失敗すると一転下落した。トランプ次期米大統領が「金利は高すぎる」と発言したことも嫌気されて、1時30分過ぎには157.63円付近まで下押しした。
・ユーロ円は頭が重かった。20時前に一時164.55円と日通し高値を付けたものの、昨年12月30日の高値164.90円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。ドル円の失速やユーロドルの下落につれた売りが出ると一時163.39円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は小反落。12月英建設業PMIが予想を下回ったことなどが相場の重しとなったものの、引けにかけては下げ渋った。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。半面、BPやシェルなどエネルギー株が買われた。
・フランクフルト株式相場は続伸。米次期政権による関税強化への過度な警戒感が後退する中、ダイムラー・トラック・ホールディング(4.45%高)やザルトリウス(3.99%高)、バイヤスドルフ(3.25%高)などが買われ、相場を下支えした。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
7日の日経平均は3日ぶりに大幅反発。終値は776円高の40083円。前日の米国市場において、エヌビディアが大幅高となるなどハイテク株が買われた。これを受けて日経平均も上昇して始まり、前場は上げ幅を拡大。半導体株の上昇が指数をけん引し、一時1000円高に迫る場面があった。後場に入ると利益確定売りにより上げ幅を縮小したものの、4万円の大台は維持し、前日の下落分(587円安)を取り戻して終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆9000億円。騰落銘柄数は値上がり815/値下がり761となった。業種別では、電気機器、サービス業、銀行などが上昇した一方、海運、鉄鋼、電気・ガスなどが下落した。
売買代金上位では、東京エレクやディスコ、アドバンテストなど主力の半導体関連が総じて大幅高となったほか、メガバンクや自動車など時価総額が大きい主力大型株も相場上昇をけん引した。一方、海運3社が軟調、IHIは大幅に続落した。
プライム市場の値上がり率上位では、給湯器大手パロマの持ち株会社が公開買い付け(TOB)を実施すると発表した富士通ゼネラルが20%を超える上昇率となったほか、通期営業損益の上方修正と増配を発表したアステリアが急騰。DICとの経営統合検討が伝わった太陽HDが昨年来高値を更新した。採算悪化の事業売却検討と報じられた京セラが上値を伸ばした。
一方、値下がり率上位では、GMOインターネットに売りが続いたほか、株式の売り出しを発表したアズワンが急落。直近上昇したレノバやイーレックスなど再エネ関連が売りに押された。
あすの東京市場も堅調か。米国の主要指数や物色の動向などに依存する相場展開が予想される。きょうはSOX指数(米半導体株指数)が大幅高となったことや、半導体大手エヌビディアに対する期待再開が値がさ半導体関連への買いの刺激材料となった。しかし、SOX指数は上ヒゲで終えており目先の反落が予想され、あすの半導体関連への対応は選別物色が必要だろう。
為替や米長期金利が落ち着いていれば、銀行や自動車株などへ継続した資金流入が予想され、きょうの日経平均型優位とは逆にTOPIX型優位のイメージが描けそうだ。足元で相対的に戻りが鈍いダウ平均が出直りをみせれば、素材や商社といった景気敏感セクターなども幅広に注目されそうだ。
一方、7日の業種別騰落をみると、電気機器やサービス、銀行、精密機器、証券、機械、輸送用機器など指数ウェイトが高いセクターが上昇率上位に並んだ。海外年金など大口投資家による年初の資金が入っている可能性も考えられる。
いずれにしても、日経平均は昨年9月につけた戻り高値(38829円)以降でもみ合い基調にあるが、その上限付近での滞留時間が相対的に長くなりつつあり、昨年7月につけた史上最高値に向けていつ騰勢を強めても不思議ではないといえよう。
7日11:07 加藤財務相
「足元では一方的、急激な動きみられると認識」
「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移すること重要」
「投機的な動向含め為替市場の動向を憂慮、行き過ぎた動きに対しては適切に対応」
7日12:11 赤沢再生相
「為替市場の動向はじめ金融市場の動きに注視している」
7日15:40 経団連会長
「2025年は日本がデフレマインドから完全に脱却できるかの分水嶺の年」
7日23:52 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「消費者債務は2000年代の警戒すべきレベルには全く近づいていない」
「さらなる価格圧力がある場合、金利をより厳しくする必要がある」
「FRBは2%のインフレ目標に強くコミットしている」
8日01:32 トランプ次期米大統領
「金利は高すぎる」
※時間は日本時間
<国内>
○14:00 ◇ 12月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:36.6)
<海外>
○09:30 ◎ 11月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.2%)
○16:00 ◎ 11月独小売売上高(予想:前月比0.5%/前年比2.5%)
○16:00 ◎ 11月独製造業新規受注(予想:前月比横ばい/前年同月比3.0%)
○16:00 ◎ 12月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比1.0%)
◎ コア指数(予想:前月比0.4%/前年比1.7%)
○16:45 ◇ 12月仏消費者信頼感指数(予想:89)
○16:45 ◇ 11月仏貿易収支
○16:45 ◇ 11月仏経常収支
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:95.6)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲14.5)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.5%/前年比▲1.3%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○22:15 ☆ 12月ADP全米雇用報告(予想:14.0万人)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.8万件/186.7万人)
○24:00 ◇ 11月米卸売売上高(予想:前月比横ばい)
○9日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○9日02:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○9日03:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○9日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17日-18日分)
○9日05:00 ◇ 11月米消費者信用残高(予想:105.0億ドル)
○ロシア(新年休暇)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=158.05円(前営業日比△0.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.42円(▲0.35円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0340ドル(▲0.0050ドル)
ダウ工業株30種平均:42528.36ドル(▲178.20ドル)
ナスダック総合株価指数:19489.68(▲375.30)
10年物米国債利回り:4.68%(△0.05%)
WTI原油先物2月限:1バレル=74.25ドル(△0.69ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2665.4ドル(△18.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月米貿易収支
782億ドルの赤字 736億ドルの赤字・改
11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
809.8万件 783.9万件・改
12月米ISM非製造業指数
54.1 52.1
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは3日ぶりに反落。12月米ISM非製造業景況指数が54.1と予想の53.3を上回ったほか、11月米JOLTS求人件数が809.8万件と予想の770.0万件よりも強い内容だったことが分かると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.6972%前後と昨年4月26日以来の高水準を記録。米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化し、取引終了間際に一時1.0340ドルと日通し安値を更新した。
・ドル円は続伸。日本時間夕刻に一時157.38円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。この日発表の米経済指標が良好だったことが伝わると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが優勢となり、24時過ぎに一時158.42円とアジア時間に付けた昨年7月以来の高値に面合わせした。
ただ、同水準の上抜けに失敗すると失速。トランプ次期米大統領が「金利は高すぎる」と発言したことも嫌気されて、3時30分前には一時157.59円付近まで伸び悩む場面があった。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。20時前に一時164.55円と日通し高値を付けたものの、昨年12月30日の高値164.90円がレジスタンスとして意識されると一転下落した。ドル円の伸び悩みやユーロドルの下落につれた売りが出ると一時163.21円と日通し安値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。買い先行で始まったものの、米半導体大手エヌビディアの失速で投資家心理が悪化すると下げに転じた。米長期金利が約8カ月ぶりの高水準を更新すると、株式の相対的な割高感が意識されて売りが加速した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落。米金利上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが集まった。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。12月米ISM非製造業景況指数や11月米JOLTS求人件数が予想を上回ると売りが優勢となった。利回りは一時4.6972%前後と昨年4月26日以来の高水準を付けた。10年債入札が「低調」と受け止められたことも相場の重し。
・原油先物相場は反発。「バイデン米政権がロシアへの制裁強化措置として、ロシア産原油を輸送するタンカーへの制裁発動を検討している」との報道が伝わると、需給悪化懸念から原油買いが優勢となった。
・金先物相場は3日ぶりに反発。中国人民銀行(PBOC)が発表した金保有量が2カ月連続で増加したことを受けて買いが強まり、一時2680ドル手前まで上昇した。もっとも、良好な米経済指標を受けて米長期金利が上昇したため、金利を生まない金の重しとなった。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39730 -270 (-0.67%)
TOPIX先物 2770.5 -10.5 (-0.37%)
シカゴ日経平均先物 39735 -265
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。2024年12月の米ISM非製造業総合景況指数が54.1と市場予想を上回ったほか、11月の米雇用動態調査(JOLTS)は非農業部門の求人件数が809万8000件と予想以上だった。インフレ懸念が高まるなかで米長期金利は昨年5月以来の水準に上昇。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの観測が重荷となった。
NYダウ構成銘柄ではエヌビディア
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比265円安の3万9735円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの4万円で始まり、同水準での底堅さがみられるなか、米国市場の取引開始後に4万0210円まで買われた。ただし、米国市場が下落した影響で軟化し、中盤には下落に転じた。さらに終盤にかけてショート優勢となり、一時3万9650円まで下げ幅を広げ、3万9730円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや売り先行で始まることが見込まれる。前日にセンチメントを明るくさせたエヌビディアが高値更新後に売られ、下落率は6%を超えた。指数インパクトの大きいアドバンテスト <6857.T> [東証P]など、日経平均株価を牽引していた値がさハイテク株は売りが先行する形となり、日経平均型の重荷になりそうだ。
ただし、日経225先物は前日の上昇で一時ボリンジャーバンドの+2σ(4万0210円)を上回ったこともあり、短期的には過熱感が警戒されるところである。ナイトセッションでも同水準に上値を抑えられた形であり、過熱を冷ましたいところだろう。+1σ(3万9760円)水準まで調整していることから、節目の3万9500円から+1σ水準での底堅さを見極めつつ、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から4万0250円のレンジを想定する。+1σ水準での底堅さが意識されてくると、再び+2σを窺う展開がありそうだが、その場面ではいったんポジションをニュートラルに近づけておきたい。
7日の米VIX指数は17.82(6日は16.04)に上昇した。一時15.79まで下げており、200日移動平均線(16.15)、25日線(16.04)を下回る場面もあった。ただし、その後の切り返しで両線を突破したほか、75日線(17.23)を上回って終えている。ボトム圏での推移ではあるが、米半導体株の下落の影響もあり、市場心理をやや神経質にさせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.38倍に上昇した。14.30倍で始まり、ほどなくして25日線(14.32倍)と75日線(14.36倍)を突破。NTショートを巻き戻す形でリバランスが強まり、一時14.42倍まで上昇した。本日はNTロングのリバランスが意識されやすく、75日線、25日線辺りで落ち着くかを見極めたい。
7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、良好な米経済指標を受けて米10年債利回りが上昇したことで158.42円とアジア時間の高値に面合わせした。トランプ次期米大統領の発言「金利は高すぎる」で一時157.59円付近まで伸び悩む場面もあったが、一巡後は158円台を回復した。ユーロドルは米長期金利の上昇で1.0340ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期債利回りの上昇を背景に堅調推移が予想される。ただし、トランプ次期米大統領のドル高牽制発言や本邦通貨当局による円安抑制発言、円買い介入の可能性には引き続き警戒しておきたい。
トランプ次期米大統領は昨日「金利は高すぎる」と発言したが、今後はドル高・円安を牽制する発言に警戒しておきたい。トランプ氏は、昨年4月にドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べていた。
また、トランプ氏は日本製鉄によるUSスチールの買収に反対してきており、「関税の引き上げによってはるかに儲かり、価値のある会社になるというのに、誰がUSスチールを売りたいと思うだろうか」と述べ、製造業保護のための関税引き上げを強調していた。
昨日のドル円は、新NISA絡みの円売りで158円台に乗せた模様だが、加藤財務相が「投機的な動向含め為替市場の動向を憂慮、行き過ぎた動きに対しては適切に対応」と牽制したことなどで上値は抑えられた。しかし、円買い介入を予告する「断固たる措置」という牽制発言ではなかったため158円付近で高止まりしている。
植田日銀総裁が、第2次トランプ米政権の関税政策や春闘での賃上げのモメンタムという「ワンノッチの情報」を見極めるスタンスを示したことで、今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げはない、との見立てから円売りが進んでいる。しかし、OIS市場が示す追加利上げ確率は47%へ上昇し、新発10年物国債の利回りも一時1.135%まで上昇したことで、債券市場が発している追加利上げへの警戒シグナルには注目しておきたい。
投機筋のポジションを示唆するIMM通貨先物の投機部門取組の昨年12月31日時点(※NY市場終値157.20円)の円の持ち高は、8443枚のネット円売り持ちに過ぎず、現状のドル高・円安が投機筋ではなく実需主導であることが示されている。
ちなみに、昨年4月23日時点では179919枚、7月2日時点では184223枚となっており、それぞれ、4月29日と5月1日、7月11日と12日に、本邦通貨当局による投機的な円売りを抑えるという名目でのドル売り・円買い介入(※覆面介入)が断行されている。
2024年4月、5月、7月の円買い介入は以下の通りとなっており、介入の警戒ゾーンに入りつつある。
■4月29日:5兆9185億円(介入時間帯:日本時間14時頃 東京市場は昭和の日で休場)
・IMMネット円売り持ち高:179919枚(※4/23)
・ドル円:高値160.17円から安値154.54円まで5.63円下落
■5月1日:3兆8700億円(介入時間帯:日本時間午前5時頃)
・IMMネット円売り持ち高:179919枚(※4/23)
・ドル円:高値157.99円から安値153.04円まで4.95円下落
■7月11日:3兆1678億円(介入時間帯:日本時間午後21時半頃)
・IMMネット円売り持ち高:7/2=184223枚、7/9=182033枚
・ドル円:高値161.76円から安値157.44円まで4.32円下落
■7月12日:2兆3670億円(介入時間帯:日本時間午後22時頃)
・IMMネット円売り持ち高:7/2=184223枚、7/9=182033枚
・ドル円:高値159.45円から安値157.38円まで2.07円下落
9時30分に発表される11月豪消費者物価指数(CPI)は前年比+2.2%と予想されており、10月の同比+2.1%からの上昇が見込まれている。10月のコアCPIは同比+2.4%で9月の同比+2.7%から伸び率が鈍化していたものの、豪準備銀行(RBA)が注視するコアインフレ率(トリム平均値)は同比+3.5%で、9月の+3.2%から上昇していた。RBAのインフレ目標2~3%からの乖離が拡大したことで、利下げのハードルが上がっていた。
今年5月に豪連邦議会選挙が予定されており、それまではRBAは利下げに踏み切らないとの見方もあるため、ブロックRBA総裁の発言などを注視していきたい。
昨日のドル円は、アジア時間に新NISA絡みの買いや実需勢の買いが断続的に観測されたことから一時158.42円まで値を上げたものの、その後は利食い売りなどに押されて上値を切り下げる展開。ユーロドルの上昇などにつれて一時157.38円まで値を下げました。その後は米長期金利の上昇につれて次第に下値を切り上げる動きとなるなか、NY時間に入って12月米ISM非製造業指数や11月米JOLTS求人件数が予想を大幅に上回る強い数字となると、米10年債利回りが4.6972%まで急伸。ドル円も再び158.42円とアジア時間の高値に面合わせしました。
その後は、トランプ次期米大統領が「金利が高すぎる」と発言すると一転して157.59円まで売り込まれたものの、米10年債入札が不調に終わり米金利が上昇幅を維持したことから引けにかけては158.10円まで買戻されてNY市場を終えています。
アジア時間に入ってからは、見えているものといえば、唯一、本邦実需の買い。早朝と仲値時にまとまった買いが観測された以外は、米国が明日、カーター元大統領追悼で休場となることもあってか、海外勢の動きもかなり限定的。158.00円を挟んだ様子見の動きが続いています。
いずれにしても、米長期金利が再び上値をトライする動きとなっているなか、Fedwatchでは既に「年内1回の利下げが出来るかどうか」の状況となっているわけで、昨年最後のFOMCでパウエルFRB議長が利下げ第1フレーズの終了宣言をした意味が市場に浸透してきているといえます。年始の取引で下抜けして急落したユーロドルはポジション調整を終え、再び下値を試す動きとなってきていますが、ドル円もまた、確固たる実需の買いに支えられながら、同じ方向性に向かっているところです。
日経225先物は11時30分時点、前日比50円安の3万9950円(-0.12%)前後で推移。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9735円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。中盤にかけて3万9710円まで下げ、その後は3万9710円~3万9840円辺りでの保ち合いを継続。終盤にかけてレンジを上放れると、一時3万9970円まで下落幅を縮めた。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)水準から始まり、いったんは上値を抑えられる形となった。ただし、中盤以降は同水準での底堅さがみられるなか、終盤にかけて短期筋のショートカバーを誘う形になったようだ。後場も+1σを上回っての推移が継続するようだと、ショートカバーを交えたリバウンドが意識されそうである。
米国市場の流れを受けて、指数インパクトの大きい値がさハイテク株は売りが先行したものの、下げは限定的であり、アドバンテスト <6857.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]、ディスコ <6146.T> [東証P]などの切り返しにより、日経平均株価を下支えする格好となった。これにより、NT倍率は先物中心限月で14.41倍に上昇した。14.34倍に低下して始まったが、寄り付きを安値にNTロングの動きに向かわせた。
2025年1月6日、国際政治学者のイアン・ブレマー氏が率いる米調査会社ユーラシア・グループが、2025年の世界の「10大リスク」を発表した。
1位に、国際秩序を主導する国家がない「Gゼロ」の進行で、世界の分裂は深まり、危機に陥りやすくなると指摘した。2位に米国のトランプ次期政権が挙げられ、トランプ氏が反対意見を威嚇などで封じ込め、自分に近い企業家らを優遇すれば法の支配が弱体化すると警告した。3位に米中の対立激化で、米国が中国製品に高関税を課すなどした場合、経済の混乱と危機のリスクが世界に広がる可能性に言及した。
■1位:Gゼロの勝利(The G-Zero wins)
・国際秩序を主導する国家がなく、世界は一層不安定化
・1930年代や冷戦初期の状況
■2位:トランプ支配(Rule of Don)
・トランプ米大統領の支配力強化で権力へのチェック機能が低下し、法の支配が弱体化
■3位:米中決裂(US-China breakdown)
・最重要地政学関係の米中のデカップリングにより経済の混乱と危機のリスクが高まる
■4位:トランプノミクス2(Trumponomics)
・トランプノミクス2は成長促進を目論むが、インフレ率が上昇し、成長は減速する懸念
■5位:ならず者国家のロシア(Russi still ROGUE)
・米国主導の世界秩序を弱体化し、欧州連合(EU)諸国を威嚇
■6位:追い詰められたイラン(Iran on the ropes)
・イスラエルとの対立が激化する可能性、弱体化するイラン
■7位:世界経済への負の押し付け(Beggar thy world)
・米中の貿易戦争や米金融政策の影響が世界に悪影響
■8位:制御不能のAI(AI unbound)
・AIの能力向上と規制緩和が進み、事故や暴走の恐れを高める
■9位:統治なき領域の拡大(ungoverned spaces)
・ならず者国家や非国家主体の影響拡大
■10位:米国とメキシコの対立(Mexican standoff)
・メキシコの成長とインフレに悪影響
本日のロンドン為替市場では複数の経済指標がユーロ圏内から発表されるものの、結局は欧州午後に発表される米労働指標がユーロドルの方向性を決めることになりそうだ。他、スウェーデンからは序盤に12月インフレ指数が発表予定。
ユーロ圏内の経済指標を確認しておくと、ドイツから11月の小売売上高と製造業新規受注、フランスからは12月消費者信頼感指数や11月貿易や経常収支。このなかでは、前回を下回る見込みのドイツ指標の前年比が、どの程度まで下振れるかがポイントとなりそうだ。
その後にユーロ圏の12月経済・消費者信頼感指数と11月卸売物価指数(PPI)が発表予定。こちらは、11月PPIの前回から持ち直し度合いは気にかけておくべきか。なお昨日発表された12月HICP速報値は前年比総合で加速したものの予想通りであり、発表前まで上昇していたユーロドルは結果確認後に失速した。
欧州午後(NY序盤)には、12月米雇用統計の前哨戦とされる同月ADP全米雇用報告が明らかに。またその後、週間の失業保険データも発表される。結果を受けた米金利動向に注視したい。
12月スウェーデン消費者物価指数(CPI)については、前年比で前回まで3カ月連続1.6%だったところから1.0%まで減速予想。見込み通りであれば、4年ぶりの低水準を記録することになる。
スウェーデン中銀は昨年5月に金融緩和に転じ、5回の利下げで政策金利を4%から2.50%に引き下げている。前回12月会合の声明や中銀総裁の会見では、早急な追加利下げには慎重な姿勢が示された。ただし、ディスインフレ基調が強まる様相となれば、昨年の利下げ効果を見守る余裕もなくなってくるだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、6日高値1.0437ドル
・スウェーデン・クローナ円、昨年12月30日高値14.39円
想定レンジ下限
・ユーロドル、6日安値1.0295ドル
・クローナ円、日足一目均衡表・雲の上限13.99円
ドル円:1ドル=158.17円(前営業日NY終値比△0.12円)
ユーロ円:1ユーロ=163.78円(△0.36円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0355ドル(△0.0015ドル)
日経平均株価:39981.06円(前営業日比▲102.24円)
東証株価指数(TOPIX):2770.00(▲16.57)
債券先物3月物:141.23円(▲0.37円)
新発10年物国債利回り:1.175%(△0.035%)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
<国内>
12月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
36.2 36.4
(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。8時過ぎに158.24円まで上昇するも、根強い本邦の円買い介入警戒感のほか、本邦新発10年物国債利回りが約13年半ぶりとなる水準に上昇したことなどから157.91円まで失速。ただ、売り一巡後は日経平均が下げ幅を縮小して一時プラス圏を回復したことが追い風となり、15時前に158.27円まで上昇して日通し高値を更新したが一時的。その後は158.00円台までやや売られた。
・ユーロ円も伸び悩み。ユーロドルがじり高となる中、日経平均の下げ幅縮小をながめて163.81円まで上昇。ただ、その後はドル円の下げが重しとなり15時過ぎに163.60円台まで押し戻された。
・ユーロドルは小高い。時間外の米10年債利回りの低下をながめてじり高で推移すると、15時過ぎに1.0358ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は反落。前日の米株安の流れを引き継いで安く始まるも、売り一巡後は下値の堅さが意識されて徐々に買い戻しが優勢となり、後場で一時プラス圏を回復する場面も見られた。もっとも買いの勢いは続かず、その後はマイナス圏で取引を終えた。
・債券先物相場は反落。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継ぐと、一時141円17銭まで下値を広げた。なお、新発10年物国債利回りは1.175%と2011年7月以来の高水準をつけたほか、新発5年物国債利回りも0.815%と2009年6月以来の水準まで上昇する場面があった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
足下の物価はRBAの2月利下げ判断の「決定打」となるか
インフレ加速もコアインフレ鈍化、経済指標は好悪混在が続き、豪ドル相場はこう着状態が続くと予想
足下のオーストラリア経済は頭打ちの動きが確認されるなか、RBA(準備銀行)は先月の定例会合で金利据え置きを決定する一方、政策スタンスをハト派方向に傾斜させる動きをみせた。結果、足下の豪ドル相場は国際金融市場における米ドル高の再燃も相まって上値が抑えられる一方、日本円に対しては米ドル/円相場に引っ張られる動きが続く。その後に公表された経済指標は好悪双方の材料が混在するなか、11月のインフレ率は前年比+2.3%とわずかに加速する一方、コアインフレ率は同+3.2%と鈍化するなど対照的な動きをみせる。また、RBAが重視する物価変動の大きい財と観光を除いたベースも前年比+2.8%と加速している。RBAは来月18日に次回会合を予定しているが、現時点で確定的な利下げを示唆する材料は乏しいと判断できるなか、当面の豪ドル相場はこう着した動きをみせる可能性が高まっていると見込まれる。
大阪3月限
日経225先物 39960 -40 (-0.10%)
TOPIX先物 2765.5 -15.5 (-0.55%)
日経225先物(3月限)は前日比40円安の3万9960円で取引を終了。寄り付きは3万9790円とシカゴ日経平均先物清算値(3万9735円)にサヤ寄せする形で売り先行で始まった。前場中盤にかけて3万9710円まで下げ、その後は3万9710円~3万9840円辺りで保ち合いを継続。前場終盤にかけてレンジを上放れると、ランチタイムで4万円の大台を回復。後場の取引中盤にかけて一時4万0130円まで買われ、プラスに転じる場面もみられた。終盤にかけては3万9960円~4万0070円辺りでの推移となった。
日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)水準から始まり、いったんは上値を抑えられる形となった。ただし、前場中盤以降は同水準での底堅さがみられるなか、短期筋のショートカバーを誘う形になったようだ。一時4万0130円まで上昇した後は4万円を挟んで膠着が続いたが、+1σを上回る推移によってショートを仕掛けづらくさせていた。
エヌビディア
日経225先物は結局のところ+1σと+2σによるレンジ推移だった。バンドは収斂してきており、一段と膠着感が強まりやすいだろう。ただし、中心値(25日)は上向きで推移し、-1σ、-2σなども切り上がる形で収斂していることから、下値を切り上げるトレンドのなかで煮詰まり感も意識されやすいだろう。
米国では9日はカーター元大統領の服喪で休場になる。10日には12月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられやすいだろ。そのため、オプション権利行使価格では4万円を中心とした上下の権利行使価格となる3万9750円から4万0250円でのレンジが続きそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.44倍に上昇した。14.34倍に低下して始まったが、寄り付きを安値にNTロングの動きに向かわせた。前場中盤には75日移動平均線(14.36倍)を明確に上抜け、後場には一時14.45倍を付けており、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回る場面もみられた。8日の米国市場で半導体株がリバウンドをみせてくると、本日の流れが継続する形でNTロングによるスプレッド狙いの動きが強まろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4357枚、ソシエテジェネラル証券が1万2461枚、サスケハナ・ホンコンが3714枚、日産証券が2520枚、JPモルガン証券が2101枚、バークレイズ証券が2013枚、ゴールドマン証券が1370枚、シティグループ証券が1281枚、モルガンMUFG証券が1163枚、SBI証券が1029枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万5553枚、ソシエテジェネラル証券が1万4474枚、バークレイズ証券が4622枚、JPモルガン証券が3588枚、ゴールドマン証券が3233枚、モルガンMUFG証券が3131枚、日産証券が2909枚、ビーオブエー証券が1558枚、SMBC証券が799枚、ドイツ証券が680枚だった。
本日、米国で複数の指標発表が予定されている。10日の12月米雇用統計が近づく中、ドル円は雇用関連の指標を中心に結果を確認する展開となるか。
経済指標について、まずは22時15分の12月ADP雇用統計に市場の関心が集まりそうだ。市場予想は14.0万人と前月(14.6万人)を小幅に下回る見通し。また、ADPの15分後には新規失業保険申請件数も控えており、市場予想は21.8万件(前週:21.1万件)となっている。ドル円は直後は予想比での強弱に呼応した上下が見込まれるが、その後は雇用指標を通じて12月米雇用統計に対する期待と懸念のどちらが意識されるか注目したい。
また、NY序盤にはウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の発言機会が予定されている。同氏はややタカ派と見られている。直近では昨年12月2日に「12月の利下げ支持に傾いている」「金融政策は十分に制限的であり、12月の利下げでも、必要に応じて後に利下げペースを緩める余地は十分にある」などと発言していた。金利や経済への見通しへの言及があるか、政策スタンスに変更はないか確認しておきたい。
NY午後には、昨年12月17-18日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表予定。この時、政策金利は0.25%引き下げられたが、同時に公表されたFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)では、2025年末時点の中央値が上方修正され、利下げ回数が2回と前回9月の見通しから半減したほか、パウエル米FRB議長が会見で「今回の利下げ決定はぎりぎりの判断だった」などと発言したことから、市場では「タカ派的な利下げ」と解されドル買いで反応した。経済や金利の見通しについてどのような内容が示されるか気になるところだ。
そのほか引き続き、トランプ次期米大統領に関する発言や、本邦金融当局者からの円安けん制発言に対する警戒も怠らないようにしたい。
想定レンジ上限
・ドル円は、昨年7月17日高値158.61円。超えると心理的節目の159.00円
・ユーロドルは、日足・一目均衡表の基準線1.0428ドル
想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の転換線157.22円。割れると6日安値156.24円
・ユーロドルは、2日安値1.0226ドル。
今晩は様子見か。昨日は2月ISM非製造業PMIなどの経済指標が予想を上回る強い結果となり米10年債利回りが一時4.699%と昨年4月26日以来の水準まで上昇したことが重しとなったほか、エヌビディアが上場来高値を更新後に大きく反落し、メタ・プラットフォームズなどその他のメガ・キャップにも売りが波及した。ハイテク株主体のナスダック総合は1.89%安と3日ぶりに大幅反落し、S&P500も1.11%安と3日ぶりに反落。ダウ平均は朝方に224ドル高まで上昇したものの、178.2ドル安(-0.42%)と2日続落して終了した。
今晩は前日にハイテク株を中心に大きく下落したことで押し目買いが期待されるものの、翌日がジミー・カーター元大統領の追悼行事で株式市場が休場となることや、週末金曜日に米12月雇用統計の発表を控えていることで、様子見姿勢も強まりそうだ。経済指標では雇用統計の前哨戦となるADP民間部門雇用者数が注目される。12月ADP民間部門雇用者数の市場予想は13万人増と11月分の14.6万人増から減少が見込まれているが、予想以上に増加すれば、年内の利下げ期待の後退が相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月ADP民間部門雇用者数のほか、新規失業保険申請件数、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、米30年債入札など。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反落。上昇基調にある転換線(39622円 1/8)付近まで下げ幅を拡大する場面があったが、終値ベースでは5日移動平均線(39909円 同)上を維持する動きとなった。
RSI(9日)は前日の67.2%→67.3%(1/8)へ横ばい。50%超を維持する状況の中、あすは上昇のハードルが高くなる。一方、5日移動平均線上を保っており、12/27までの上昇モメンタムは継続。引き続き、12/27高値(40398円)を超える連続陽線を形成できるかが焦点となる。
上値メドは、心理的節目の40500円、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円、7/11安値(42102円)、7/11高値(42426円)などが考えられる。
下値メドは、心理的節目の39500円、25日移動平均線(39312円 同)、心理的節目の39000円、75日移動平均線(38827円 同)、100日移動平均線(38451円 同)などがある。
米財務省によると、30年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.913%、応札倍率(カバー)が2.52倍となった。
(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=158.39円(8日15時時点比△0.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.23円(▲0.55円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0305ドル(▲0.0050ドル)
FTSE100種総合株価指数:8251.03(前営業日比△5.75)
ドイツ株式指数(DAX):20329.94(▲10.63)
10年物英国債利回り:4.796%(△0.113%)
10年物独国債利回り:2.549%(△0.066%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月独小売売上高
(前月比) ▲0.6% ▲0.3%・改
(前年比) 2.3% 5.1%・改
11月独製造業新規受注
(前月比) ▲5.4% ▲1.5%
(前年比) ▲1.7% 5.7%
12月仏消費者信頼感指数
89 90
11月仏貿易収支
70.85億ユーロの赤字 75.20億ユーロの赤字・改
11月仏経常収支
17億ユーロの赤字 19億ユーロの赤字・改
12月ユーロ圏消費者信頼感指数
(確定値) ▲14.1 ▲14.5
12月ユーロ圏経済信頼感指数
93.7 95.6・改
11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比) 1.6% 0.4%
(前年比) ▲1.2% ▲3.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。11月独小売売上高や11月独製造業新規受注が予想より弱い内容だったことが分かると、欧州経済への懸念が強まりユーロ売り・ドル買いが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.7280%前後と昨年4月25日以来の高水準を記録したこともドル買いを促し、20時30分過ぎに一時1.0273ドルと日通し安値を更新した。
ただ、2日に付けた約2年2カ月ぶりの安値1.0226ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「見通しが予想通りであれば、さらなる利下げが適切だ」との見解を示したほか、12月ADP全米雇用報告が予想より弱い内容となったこともユーロ買い・ドル売りにつながった。
・ドル円は強含み。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが先行すると、20時30分過ぎに一時158.55円と昨年7月17日以来の高値を付けた。ただ、ウォラーFRB理事が追加利下げは適切との考えを示すと、全般ドル買いが一服した。予想を下回るADP全米雇用報告も相場の重しとなり、一時158.15円付近まで伸び悩んだ。
もっとも、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったこともあり、下押しも限定的だった。
・ユーロ円は頭が重かった。アジア時間に一時163.81円と本日高値を付けたものの、そのあとは徐々に弱含む展開。22時過ぎに一時162.84円と本日安値を更新した。売りが一巡すると163.31円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限られた。ユーロドルにつれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は小反発。欧米の長期金利の上昇が投資家心理の重しとなったものの、下げた場面では押し目買いなどが入ったため上げに転じた。もっとも、週末の12月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、大きな方向感は出なかった。BAEシステムズやレレックスなど資本財サービス株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反落。欧米の長期金利の上昇が投資家心理の重しとなったものの、週末の12月米雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売買は手控えられた。個別ではシーメンス・エナジー(5.96%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(3.68%安)、ブレンターク(3.10%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
8日の日経平均は反落。終値は102円安の39981円。米国で長期金利が上昇してナスダックが弱かったことを嫌気して、200円超下げて始まった。ただ、エヌビディアの大幅安を受けても半導体株の動きが良く、序盤に300円超下げたところで売りは一巡。前引けにかけて値を戻し、13時近辺ではプラス圏に浮上した。値下がり銘柄が多くプラスは定着しなかったものの、以降は小安い水準で底堅く推移。クロージング・オークションに入った時点では4万円を上回っていたが、大引けにかけての動きがやや弱く、終値では4万円を下回った。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4600億円。業種別では海運、精密機器、非鉄金属などが上昇した一方、保険、その他金融、証券・商品先物などが下落した。半導体株の多くが買われる中、アドバンテスト<6857.T>が3%を超える上昇。節目の1万円を上回り、上場来高値を更新した。半面、直近で騰勢を強めていた野村マイクロ・サイエンス<6254.T>は、序盤では強く買われる場面もあったが終盤にかけて値を崩し、5%を超える下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり389/値下がり1217。半導体株が軒並み強く、ディスコ、レーザーテック、TOWAが大幅上昇。キオクシアHDが12.3%高と値を飛ばした。半導体以外の主力どころでは、楽天Gや日本郵船などの動きが良かった。月次が好感されたジンズHDが急伸。証券会社が投資判断を引き上げためぶきFGが買いを集めており、地銀株全般に資金が向かった。
一方、防衛関連が弱く、IHIが3%を超える下落。地銀株が買われた一方で、東京海上、MS&AD、SOMPOの損保大手3社がそろって大きく売られた。売り出しを発表した丹青社が6%安。月次が失望材料となったアダストリアやインターメスティックが急落した。
日経平均は反落。ただ、米国動向から逆風が予想された半導体株は、きのうに続いて強い動きを見せた。見切り売りは昨年のうちにある程度出尽くし、年が変わったことで需給に変化が出てきた可能性がある。東京エレクトロンは安値圏のもみ合いを脱したように見えるし、アドバンテストに至っては上場来高値を更新してきた。米長期金利の上昇には注意を払う必要があるが、半導体株が下がりづらくなるのであれば、日本株の下値不安は大きく後退する。指数は大崩れを回避し、4万円付近で取引を終えた。昨年12月27日以降、5営業日中4営業日で場中には4万円を上回っているだけに、あすは4万円より上で値を固める展開に期待したい。
8日16:31 赤沢経済再生相
「いよいよ物価目標を達成しつつある」
「物価が2%に収束しつつあり、これに負けない賃上げ可能」
8日22:03 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「さらなる利下げが適切になるだろう」
「利下げのペースはインフレの進展と雇用市場の状況に依存する」
「雇用市場が近い将来劇的に弱まるという兆候はない」
「見通しが予想通りであれば、2025年の利下げを支持する」
「米財政赤字も長期金利を押し上げている可能性」
「関税がどうなるかについては大きな不確実性がある」
「短期的には、関税がインフレに大きな影響を与えるとは思わない」
「現在の金利は制限的だが、景気後退を引き起こすほどには厳しくない」
9日02:45 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「インフレに対する勝利は崩れていない」
「12月のインフレ上昇は予想されていた」
9日04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17日-18日分)
「多くの当局者は今後数四半期で慎重なアプローチが必要だと認識」
「一部当局者は12月に金利を据え置くことがメリットと認識」
「決定は微妙に均衡と過半数が認識」
「当局者は時間の経過とともに中立金利に向かうと予想」
「労働市場の冷え込みに対する懸念は和らいだ」
「スタッフはトランプ氏の貿易政策により2025年にインフレが高止まりすると見ている」
「貿易政策によりインフレデータが読みにくくなる可能性」
「当局者はトランプ氏の貿易・移民計画によりインフレの進展が鈍化すると予想」
「ほぼすべての当局者がインフレの上振れリスクが高まったと認識」
「当局者は労働市場の緩やかな緩和をみており、急激な悪化の兆候はないと認識」
「多くの当局者は利下げのペースを緩めたいと認識」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 11月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比2.7%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース、2週分)
○14:00 ◇ 日銀地域経済報告(さくらレポート)
<海外>
○09:30 ◎ 11月豪小売売上高(予想:前月比1.0%)
○09:30 ◇ 11月豪貿易収支(予想:57.50億豪ドルの黒字)
○10:30 ◎ 12月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比0.1%)
○10:30 ◎ 12月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲2.4%)
○16:00 ◎ 11月独鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年同月比▲4.5%)
○16:00 ◇ 11月独貿易収支(予想:148億ユーロの黒字)
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.4%/前年比1.7%)
○21:00 ◎ 11月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比4.3%)
○21:00 ◎ 12月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.28%)
○21:30 ◇ 12月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○23:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○23:05 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○10日01:00 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○10日02:45 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○10日03:30 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、講演
○10日03:35 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○米株式市場は国民追悼の日で休場、債券市場は短縮取引
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=158.35円(前営業日比△0.30円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.40円(▲0.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0318ドル(▲0.0022ドル)
ダウ工業株30種平均:42635.20ドル(△106.84ドル)
ナスダック総合株価指数:19478.88(▲10.80)
10年物米国債利回り:4.69%(△0.01%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.32ドル(▲0.93ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2672.4ドル(△7.0ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲3.7% ▲12.6%
12月ADP全米雇用報告
12.2万人 14.6万人
前週分の米新規失業保険申請件数
20.1万件 21.1万件
11月米卸売売上高
(前月比) 0.6% ▲0.3%・改
11月米消費者信用残高
▲74.9億ドル 173.2億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは続落。欧州時間発表の独経済指標が予想より弱い内容だったことでユーロ圏経済への懸念が高まる中、ユーロ売り・ドル買いが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.7280%前後と昨年4月25日以来の高水準を記録したこともドル買いを促し、20時30分過ぎに一時1.0273ドルと日通し安値を更新した。
ただ、2日に付けた約2年2カ月ぶりの安値1.0226ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「見通しが予想通りであれば、さらなる利下げが適切だ」との見解を示したほか、12月ADP全米雇用報告が予想より弱い内容となったこともユーロ買い・ドル売りにつながり、4時30分前には1.0324ドル付近まで下値を切り上げた。
・ドル円は3日続伸。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが先行すると、20時30分過ぎに一時158.55円と昨年7月17日以来の高値を付けた。ただ、ウォラーFRB理事が追加利下げは適切との考えを示すと伸び悩んだ。予想を下回るADP全米雇用報告も相場の重しとなり、一時158.15円付近まで上げ幅を縮める場面があった。
もっとも、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったこともあり、下押しは限定的だった。4時過ぎには158.52円付近まで持ち直している。
なお、FRBが公表した12月17日-18日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「多くの当局者は今後数四半期で慎重なアプローチが必要だと認識」「ほぼすべての当局者がインフレの上振れリスクが高まったと認識」との見解が示された。
・ユーロ円は小幅ながら続落。22時過ぎに一時162.84円と本日安値を更新したものの、4時30分前には163.51円付近まで下げ渋った。ユーロドルにつれた動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。ただ、この日発表された米雇用指標が強弱入り混じる内容だったこともあり、大きな方向感は出なかった。「週末の12月米雇用統計を前に様子見ムードが広がっている」との声も聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日続落。トランプ次期米政権による関税強化でインフレが再燃するとの懸念から売りが先行。利回りは一時4.7280%前後と昨年4月25日以来の高水準を付けた。ただ、30年債入札が「好調」と受け止められると買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。
・原油先物相場は反落。EIA週間在庫統計でガソリン在庫が大幅に増加したことが嫌気され、売りが優勢となった。
・金先物相場は続伸。12月ADP全米雇用報告が予想より弱い内容となったことで上昇していた米長期金利が一転低下。金利を生まない資産である金の買い需要が高まった。
8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが一時4.7280%まで上昇したことで158.55円まで上昇した。ユーロドルは米長期金利の上昇を受けて1.0273ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期債利回りの上昇を背景に堅調推移が予想される中、11月の実質賃金や日銀支店長会議での賃上げ動向などを見極めて行く展開が予想される。
昨日は、トランプ次期米大統領が導入を目指す関税に法的根拠を与えるため、国家経済緊急事態の宣言を検討しているという報道を受けて、米長期債利回りが上昇したことで、ドルは全面高の展開となっている。
12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、トランプ次期政権下で政策が変わる可能性を考慮して、仮定としての予測が盛り込まれたことが明らかになり、ドット・プロット(金利予測分布図)での今年の利下げ見通しが2回に減った背景が説明されている。
植田日銀総裁は、12月の日銀金融政策決定会合の後の会見で、第2次トランプ米政権の関税政策や春闘での賃上げのモメンタムという「ワンノッチの情報」を見極めるスタンスを示していた。
今年の日米金融政策は、第2次トランプ米政権での経済政策を見極めるスタンスとなっており、現状のドル高トレンドが続く公算が高いことになる。
ドル高に歯止めをかける要因として、トランプ次期米大統領のドル高牽制発言や本邦通貨当局による円買い介入の可能性には引き続き警戒しておきたい。
本日は、8時30分の11月毎月勤労統計で実質賃金を確認し、日銀支店長会議で賃上げの動向を見極めることになる。10月の実質賃金は前年比-0.4%、9月は同比-0.4%、8月は同比-0.8%だった。
9時30分に発表される11月豪小売売上高は前月比+1.0%と予想されており、10月の同比+0.6%に続き、4カ月連続の増加が見込まれている。昨日発表された豪11月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.3%と予想の+2.2%を上回ったものの、豪準備銀行(RBA)が注視しているコアインフレ率(トリム平均値)は同比+3.2%となり、10月の+3.5%から低下していた。しかし、今年5月に豪連邦議会選挙が予定されており、それまではRBAは利下げに踏み切らないとの見方があり、堅調な小売売上高が利下げ時期の先送り要因となるのかもしれない。
10時30分に発表される12月中国CPIは前年比+0.1%と予想されており、11月の同比+0.2%から鈍化が見込まれ、12月中国生産者物価指数(PPI)は同比-2.4%と予想されており、11月の同比-2.5%からの上昇が見込まれている。第2次トランプ米政権による対中関税引き上げが見込まれる中、中国経済のディスインフレ化が強まる可能性に警戒しておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39950 -10 (-0.02%)
TOPIX先物 2768.5 +3.0 (+0.10%)
シカゴ日経平均先物 39935 -25
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
8日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。トランプ次期大統領が新たな関税プログラムを導入するため、国家非常事態宣言を検討していると米CNNが報じた。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨ではトランプ次期政権の政策が物価上昇につながる可能性を踏まえ、インフレリスクが増したとの見方が明らかになった。これを受けて米長期金利が一時、昨年4月以来の水準に上昇したことが重荷となった。その後、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が講演で、さらなる利下げが適切になるとの考えを示したことが伝わると、過度な警戒感が後退する形となり、相場を下支えした。
NYダウ構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比25円安の3万9935円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万9960円で始まり、その後4万0060円まで買われた。買い一巡後は軟化すると、米国市場の取引開始直後には一時3万9720円まで売られる場面もみられた。ただし、終盤にかけて下落幅を縮め、3万9950円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることが見込まれる。米国で9日はカーター元大統領の服喪で休場になるため、海外勢のフローは限られるとみられる。休場明けの10日には12月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられやすいだろう。
大きなトレンドは出にくく、引き続きボリンジャーバンドの+1σ(3万9800円)と+2σ(4万0210円)辺りのレンジが意識されやすいところである。昨日はエヌビディアの急落の影響は限定的で、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が昨年来高値を更新した。利食いは入りやすいとみられるが、他の半導体株についてもリバウンド基調を継続するなか、日経平均型を下支えすることが期待される。
日経225先物は4万円での攻防になりそうだが、+1σ水準では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格では3万9750円から4万0250円のレンジを想定する。ただし、4万円での底堅さがみられる局面では+2σ水準が意識されるだろうが、参加者が限られるなか、その場面ではいったんポジションをニュートラルに近づけておきたい。
8日の米VIX指数は17.70(7日は17.82)に低下した。一時19.50まで上昇したが、その後は75日移動平均線(17.25)に接近する形だった。トランプ次期政権の関税リスクが警戒されるものの、ボトム圏での推移を継続しており、ややリスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.44倍に上昇した。14.34倍に低下して始まり、寄り付きを安値にNTロングの動きが強まった。一時14.45倍を付けており、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回る場面もみられた。いったんは達成感によりNTロングを巻き戻す動きもありそうだが、底堅さが意識されてくると、方向性としては昨年10月半ばの14.70倍辺りを意識したNTロングの動きが強まる可能性がありそうだ。
昨日のドル円は、欧州時間に一時157.93円まで値を下げる場面もみられましたが、米10年債利回りが4.7280%まで上昇幅を広げるなか7日の高値158.42円を上抜けて一時158.55円まで値を上げました。その後はウォラーFRB理事の利下げ発言や12月ADP全米雇用報告が予想を下回る弱い数字となると158.15円まで下押ししたものの、米新規失業保険申請件数が予想よりもかなり強い結果だったこともあり、158.52円まで再び買い戻されるといった動き。全般158.40円を挟んだもみ合いに終始してNY市場を終えています。
カーター元大統領追悼の日で米国が臨時休場となっている9日のアジア市場では、仲値に向けた本邦実需の買いが一巡した後は157.99円まで下押し。目先のポジション調整の域を出ない動きとなっているといったところです。
いずれにしても、今夜は米株式市場は休場ですが、米債券市場は短縮取引。ただ、参加者はかなり減少することが予想されているわけで、明日の米雇用統計を控えての調整が続いていくことになりそうです。
米10年債利回りは昨年4月25日の高値4.7351%がポイント。ドル円は昨年7月の介入後の戻り高値である7月16日の高値158.86円が意識されています。下値は欧州時間安値の157.93円や昨日安値の157.91円、更には7日の安値157.38円や一目転換線の位置する157.29円を目先の目処としつつ、市場のセンチメントとしては、158円台で取引されていることに対するレベル的な違和感が次第に払拭されつつあります。
日経225先物は11時30分時点、前日比260円安の3万9700円(-0.65%)前後で推移。寄り付きは3万9840円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9935円)を下回る形から、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万9930円まで戻したがプラス圏は回復できず、戻りの鈍さから中盤にかけて下へのバイアスが強まり、一時3万9600円まで売られる場面もみられた。終盤にかけて下げ渋る動きから、3万9650円~3万9700円辺りでの推移を継続。
アドバンテスト <6857.T> [東証P]が高値更新後に下落に転じており、センチメントを冷ます形になった。また、9日の米国市場が休場になるため海外勢のフローは限られていると考えられ、持ち高調整とみられるロング解消の動きが優勢となったようである。日経225先物はボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)を割り込んできたが、節目の3万9500円接近ではショートカバーも入りやすいと考えられ、ここからは押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.44倍と横ばいで推移している。小動きではあるが一時14.46倍を付けており、方向性としてはNTロングでのスプレッド狙いになろう。
トランプ第47代米大統領が率いる共和党は、ホワイトハウスと上下両院を支配する「トリプルレッド」となっているものの、下院では219議席対215議席という僅差での多数派となっているため、薄紅色になりかけている。
2024年12月のつなぎ予算案では、トランプ次期米大統領が提案した債務上限の撤廃、停止に対して、約30名の共和党議員が反対を表明した。
2025年1月の下院議長選挙では、2名の共和党議員が説得されて賛成した。
第2次トランプ米政権が目論む関税、減税、国境管理強化などの政策を推進する上で、一部の共和党の保守強硬派が抵抗する姿勢を見せており、トランプ氏の議会への影響力が懸念されている。
1.つなぎ予算(2024年12月20日)
2024年12月17日、議会下院の共和党と民主党の指導部は1500ページ以上に及ぶ「つなぎ予算案」を取りまとめ、予算の期限となっている12月20日までの成立を目指すことで合意していた。
しかし、トランプ次期政権で政府支出の削減を図る組織を率いることになった実業家のマスク氏と起業家のラマスワミ氏が反対し、トランプ次期大統領も連邦政府の借り入れを制限する債務上限の撤廃や停止措置を主張したことで共和党と民主党の合意は破棄され、21日未明に、大きく簡素化された予算案が可決された。
12月19日、下院は、つなぎ予算法案の修正案を、賛成174票、反対235票、棄権1票で否決した。財政緊縮派の共和党議員30名が反対した。
12月20日、下院は、債務上限条項を削除したつなぎ予算法案の再修正案を、賛成366票、反対34票の賛成多数で可決した。
12月21日、上院も賛成85票、反対11票で可決し、議会可決後に、バイデン米大統領が署名して成立したことで、政府閉鎖は回避された。
2. 米連邦議会下院議長選挙(2025年1月3日)
米連邦議会下院は新議会初日の1月3日に議長選を実施し、共和党のジョンソン議長が再選された。ジョンソン氏は必要最小限の218票(435議席の過半数)で続投が決定した。
ジョンソン氏は当初、共和党議員の間での分裂により、続投に必要な票数(218票)を確保できない見通しだったが、交渉の末に2人の共和党議員が支持に転じた。
ジョンソン米下院議長は、第1次トランプ政権下の2017年に導入された減税措置の延長や、規制緩和の実施などを確約した。
3.債務上限
2025年1月1日に債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示している。
米国政府が新たな借り入れができずにデフォルト(債務不履行)に陥ることを防ぐには、昨年12月のつなぎ予算案に、トランプ次期米大統領が盛り込もうとした上限の引き上げか効力停止が必要となる。
トランプ次期米大統領は「デフォルトが起これば、世界恐慌が始まった1929年のようになるかもしれない」と警告しているが、共和党の保守強硬派が大幅な歳出削減を求めており、早期解決は困難な情勢となっている。
本日のロンドン為替市場では、英長期債の動向次第でポンドの不安定さが続くことになりそうだ。昨日は英長期債に売り圧力が強まり、同10年債利回りは一時2008年の金融危機以来の4.80%超えまで上昇した。30年債利回りに至っては、1998年以来となる5.38%台まで上昇する場面があった。英債券売りが嫌気されてポンドも下落し、対ドルでは昨年4月以来の1.23ドル前半まで下げ幅を広げている。
昨年10月末にスターマー英首相率いる労働党政権が予算案を発表し、大型増税とともに過去最高に近い借入れ計画が明らかにされた。英政府の財政拡大方針を受けた需給の緩みが懸念され、英長期債市場は地合いの弱さ(金利は上昇)が続いている。
それに加えて昨日は、トランプ米次期大統領が「全世界一律の輸入関税の導入」を検討しているとの一部報道から、世界的にインフレ警戒感が高まった。これは結果的に、ドルに資金を向かわせることになったようだ。
英長期債の重しとなった政府予算案だが、通常3月に公表される春季財政報告まで新たな発表は予定されていない。そういったなか昨日はリーブス英財務相が財政規律の順守を訴えたが、このまま借入コストが上昇してしまうと更なる増税や支出計画の削減につながるとの懸念も出始めた。いずれにせよ、今のところポンドにとってポジティブな材料は少ないようだ。
経済指標では、欧州序盤に11月独鉱工業生産(予想:前月比0.5%/前年比-4.5%)が発表予定。昨日は同月製造業新規受注が予想以上に悪い結果となり、ユーロの上値を抑えた。本日も下振れの可能性は念頭に入れておきたい。
想定レンジ上限
・ポンドドル、昨日高値1.2494ドル
・ユーロドル、21日移動平均線1.0392ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、昨年4月22日安値1.2300ドルを割り込むと2023年11月17日週安値1.2211ポンド
・ユーロドル、2日安値1.0226ドル
日銀は1月の地域経済報告(さくらレポート)を公表。各地域の景気の総括判断は、一部に弱めの動きもみられるが、すべての地域で、景気は「緩やかに回復」、「持ち直し」、「緩やかに持ち直し」としている、との見解を示した。
また、全国9地域のうち、北陸と東北の2地域の景気判断を引き上げ。残りは据え置いた。
(9日15時時点)
ドル円:1ドル=158.05円(前営業日NY終値比▲0.30円)
ユーロ円:1ユーロ=162.91円(▲0.49円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0306ドル(▲0.0012ドル)
日経平均株価:39605.09円(前営業日比▲375.97円)
東証株価指数(TOPIX):2735.92(▲34.08)
債券先物3月物:141.31円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:1.170%(▲0.005)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 3.0% 2.2%・改
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
3318億円の処分超 2286億円の処分超
対内株式
740億円の処分超 5627億円の取得超
対外対内証券売買契約等の状況(前々週)
対外中長期債
2286億円の処分超 9180億円の処分超・改
対内株式
5627億円の取得超 1兆235億円億円の処分超・改
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。日経平均の軟調推移が重しとなってじり安で推移すると、13時過ぎに157.76円まで下落。しかし、日銀の1月地域経済報告(さくらレポート)で2025年の賃金設定に関して慎重な姿勢などが報告されたことが伝わると、158.20円前後まで買い戻された。
・ユーロ円は下げ渋り。本邦株安をながめて軟調推移となる中、162.63円まで下押し。その後はドル円の切り返しにつれて163円台までやや値を戻した。
・ユーロドルは弱含み。円主体の動きとなる中で12時過ぎに1.0321ドルまで値を上げるも、ドル円の買い戻しの影響もあって上値は限定的だった。15時過ぎに1.0297ドルまで下押した。
・日経平均株価は続落。前日の米国株は主要3指数がまちまちとなるも、ナスダック安を嫌気して売りが先行。後場に入ると下げ幅が600円近くに拡大した。ただ、その後は日銀の1月地域経済報告(さくらレポート)の内容を受け、利上げに慎重な姿勢が継続するとの見方から、やや下げ幅を縮小した。
・債券先物相場は反発。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが先行。ただ、新発10年物国債利回りが2011年5月以来の高水準となる1.185%まで上昇したこともあり、売り一巡後は利回り水準の高さに着目した買い戻しが優勢となった。この日行われた30年債入札が「好調」な結果となると、141円35銭まで上昇する場面も見られた。
米通商代表部(USTR)は現地時間8日、知的財産権侵害・偽造品の温床である「悪名高い市場」の2024年改訂版リストを公表した。前年まで収載されていたテンセント(00700)のSNSアプリ「微信(ウィーチャット)」は除外された。
24年改定版には、重大な商標偽造や著作権侵害が通報された世界37のオンライン市場を掲載。うち中国のオンライン市場では、百度(09888)傘下の「百度網盤(バイドゥ・ワンパン)」、敦煌網集団の「敦煌網(DHゲート)」、抖音集団の「抖音商城(ドウインモール)」、ピン多多(PDD)の「ピン多多(ピンドゥオドゥオ)」、アリババ集団(09988)傘下の「淘宝網(タオバオ)」が収載されている。
USTRは中国について、引き続き世界最大の偽造品の供給源となっており、中国からの偽造品・海賊版は、香港に積み替えられた商品と合わせて、23年に米税関・国境警備局(CBP)が押収した偽造品・海賊版の価値(メーカー希望小売価格で測定)の84%、総量の90%を占めたと指摘。中国国内ではコロナ禍による行動制限が撤廃された後、実店舗で客足と偽造品の販売が復活したとしている。
テンセントの前場終値は前日比1.63%高の375.20HKドル。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国経済にとっても「デフレ脱却」の道のりは長いものになりそうだ
金融市場では緩和観測で人民元安に拍車、当局は人民元を「どこまで容認できるか」の問いに直面
足下の中国経済は、当局による内需喚起に向けた政策支援や米トランプ次期政権を見据えた輸出駆け込みの動きに下支えされている。政策支援の動きを追い風に企業マインドは底入れしているが、製造業で早くも息切れしているほか、サービス業は好調を維持するも雇用調整圧力を強める動きをみせる。よって、内需喚起策により足下の家計消費は押し上げられているが、不動産不況や雇用不安がくすぶるなかで持続力に不透明感は残り、需要の先食いに留まるとともに、先行きはその反動が出る可能性が懸念される。
内需喚起策を受けて足下の家計消費は押し上げられているが、12月の消費者物価は前年比+0.1%と一段と鈍化している。他方、コアインフレ率は前年比+0.4%とわずかに加速しているが、幅広く財、サービスの両面で物価に下押し圧力が掛かるなどディスインフレ圧力の根強さがうかがえる。川上の生産者物価も調達価格(前年比▲2.3%)、出荷価格(同▲2.3%)とともにマイナス基調が続き、前月比も下落するなどディスインフレ圧力は根強い。先行きも川上段階から川下段階にかけてディスインフレ圧力が掛かる展開が続くと見込まれ、当面は物価上昇圧力が高まる状況は想定しにくく、デフレ脱却の道のりは長いと捉えられる。
国際金融市場では米トランプ次期政権の政策運営を警戒して米長期金利は高止まりする一方、中国の長期金利は一段の金融緩和期待を反映して下振れしている。両国の金利差拡大を受けて人民元安が進むなか、先行きは資金逃避やキャリー取引などが人民元安に拍車が掛かることも考えられる。当局にとっては、今後は人民元安を「どこまで容認できるか」という難しい問いに答える必要性が高まっていると判断できる。
SMBC日興証券では、日本銀行が試算した需給ギャップが2024年7-9月期時点で-0.5%となったことを受けてリポートしている。4-6月期の-0.6%から0.1%pt改善したが、18四半期連続のマイナスとなった。SMBC日興では、7-9月期の需給ギャップはマイナス圏に位置し、かつ前期からの改善が鈍いと指摘。このことは政府と日銀の共同声明に掲げられている「デフレ脱却」を考える上で望ましくないと捉えており、政府はデフレ脱却宣言を当面行わないと予想している。
大阪3月限
日経225先物 39560 -400 (-1.00%)
TOPIX先物 2737.0 -28.5 (-1.03%)
日経225先物(3月限)は前日比400円安の3万9560円で取引を終了。寄り付きは3万9840円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9935円)を下回り、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万9930円まで戻したがプラス圏は回復できず、戻りの鈍さから前場中盤にかけて下へのバイアスが強まり、3万9600円まで売られた。前場終盤にかけては下げ渋り、3万9650円~3万9700円辺りでの推移を継続。
ただし、ランチタイムでこのレンジを下抜けると、後場に入りショートが強まり、一時3万9380円まで下げ幅を広げた。支持線として意識されていた25日移動平均線(3万9380円)まで下げたことで、終盤にかけては下げ渋る動きとなり、節目の3万9500円は上回って終えた。
アドバンテスト <6857.T> [東証P]が朝方に高値を更新した後に下落に転じており、センチメントを冷ます形になった。一方で、直近で大きく売られたファーストリテイリング <9983.T> [東証P]や中外製薬 <4519.T> [東証P]がしっかりだった。また、強い動きが目立っていたメガバンクなども利益確定の売りに押されており、持ち高調整に伴うリバランスが中心だったとみられる。
9日の米国市場は休場のため、引き続き積極的な売買が限られるほか、休場明けの10日は12月の米雇用統計の発表を控えていることから、ポジションは傾けにくいだろう。そのため、ショートも仕掛けづらく、引けにかけては日中の動きに対するリバランスが強まりやすいとみておきたい。
日経225先物は25日線までの調整を経て、同線を支持線とした押し目狙いのロング対応に向かわせよう。一方で、上値はボリンジャーバンドの+1σ(3万9770円)を早期に回復できるかを見極めたい。バンドが収斂しするなか、+1σを回復できずに25日線を下回ってくるようだと、-1σ(3万9080円)、-2σ(3万8730円)辺りへのバイアスが強まる可能性が警戒されてくる。
なお、NT倍率は先物中心限月で14.45倍に上昇した。小動きではあるが一時14.48倍を付けており、昨年12月17日に付けた戻り高値14.44倍を上回っての推移が目立った。全体の方向性はつかみづらく、ヘッジ対応を考慮した形としてNTロングに振れやすくなりそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9573枚、ソシエテジェネラル証券が1万4789枚、サスケハナ・ホンコンが3905枚、JPモルガン証券が2962枚、バークレイズ証券が2397枚、SBI証券が2318枚、ゴールドマン証券が2004枚、ビーオブエー証券が1234枚、モルガンMUFG証券が1230枚、日産証券が1114枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1298枚、ソシエテジェネラル証券が1万7309枚、バークレイズ証券が6127枚、モルガンMUFG証券が3785枚、JPモルガン証券が3009枚、ゴールドマン証券が2620枚、ビーオブエー証券が1649枚、野村証券が1630枚、みずほ証券が1168枚、シティグループ証券が773枚だった。
本日、米国はカーター元大統領死去に伴い、株式市場が休場となるほか、債券市場は短縮取引となっているなど、市場参加者の減少が見込まれる。そうした中、NY市場では経済指標の発表や要人発言が予定されており、これらに注意を払う必要がありそうだ。
経済指標について、12月米チャレンジャー人員削減数が発表予定。前回は前年比+26.8%であった。直近で発表された主な雇用関連の指標を振り返ると、11月雇用動態調査(JOLTS)求人件数は予想より強い結果となったが、12月ADP雇用統計は予想より弱い結果となるなど、強弱まちまちとなっている。直後の市場は前回比での強弱に呼応した上下が見込まれるが、本日は市場参加者が少ない分、振幅が大きくなる恐れがある点には注意したい。
また、本日は複数の要人発言が予定されている。いずれもタカ派的ではあるが、その中でも今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での投票権を有するコリンズ米ボストン連銀総裁やシュミッド米カンザスシティー連銀総裁の講演は気になるところ。そのほか、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事の講演も予定されている。金融当局者の発言を通して、経済や金利見通しについて言及があれば材料視されるだろう。
他方、英国ではブリーデン英中銀(BOE)副総裁の講演も予定されている。昨日の英10年債利回りは2008年以来、30年債は1998年以来となる水準まで上昇(価格は下落)したほか、本日も英国債売りが継続するのではないかとの不安感からポンド売りが強まる場面が見られた。背景には、トランプ米大統領就任後にインフレ加速と財政赤字拡大が見込まれる中で米長期金利が上昇し、これに反応して英国債利回りも上昇していることが挙げられる。また、英国内の事情では、2024年秋に示された予算案を踏まえて国債の増発懸念がくすぶっていることなども債券相場の重しとなっている。こうした中、金融政策や金利見通しについて言及があるか、気になるところである。
そのほか引き続き、トランプ次期米大統領に関する発言や、本邦金融当局者からの円安けん制発言に対する警戒も怠らないようにしたい。
想定レンジ上限
・ドル円は、昨年7月17日高値158.61円
・ポンド円は、21日移動平均線196.15円
想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の転換線157.29円
・ポンド円は、昨年12月13日安値192.86円
今晩はジミー・カーター元大統領の国民追悼の日でNY株式市場が休場となります。今晩の米経済指標は12月チャレンジャー企業人員削減数。主要な企業の決算発表はなし。
日経平均株価は反落。上昇基調にある25日移動平均線(39368円 1/9)付近まで下げ幅を拡大する場面があったが、終値ベースでは10日移動平均線(39604円 同)を意識して下ヒゲ陰線を形成した。
RSI(9日)は前日の67.3%→56.1%(1/9)へ低下。50%超を維持する状況の中、あすは上昇しやすいタイミングとなる。5日移動平均線(39774円 同)の下向きが気になるところだが、短期的な見方に大きな変化はない。1/7のパターンのように前日の25日移動平均線までの調整から反転上昇となるかが注目ポイントとなる。
上値メドは、心理的節目の40000円や12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円、7/11安値(42102円)などが考えられる。
下値メドは、25日移動平均線、心理的節目の39000円、75日移動平均線(38872円 同)、100日移動平均線(38497円 同)などがある。
(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=158.10円(9日15時時点比△0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.80円(▲0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0297ドル(▲0.0009ドル)
FTSE100種総合株価指数:8319.69(前営業日比△68.66)
ドイツ株式指数(DAX):20317.10(▲12.84)
10年物英国債利回り:4.811%(△0.015%)
10年物独国債利回り:2.567%(△0.018%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月独鉱工業生産
(前月比) 1.5% ▲0.4%・改
(前年比) ▲2.8% ▲4.2%・改
11月独貿易収支
197億ユーロの黒字 134億ユーロの黒字
11月ユーロ圏小売売上高
(前月比) 0.1% ▲0.3%・改
(前年比) 1.2% 2.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ポンドは軟調だった。英財政や景気に対する投資家の懸念が高まる中、英国債相場が大幅に下落(利回りは上昇)。英10年債利回りは一時4.921%前後と2008年以来約17年ぶりの高水準を記録した。ポンドにも売りが出やすい地合いとなり、ポンドドルは一時1.2239ドルと2023年11月以来の安値を付けた。また、ユーロポンドは昨年11月以来となる0.8407ポンド、ポンド円は昨年12月13日以来となる193.49円までポンド売りが進んだ。
ただ、そのあとは英長期金利の上昇にひとまず一服感が出たこともあって、ポンド売りの勢いは後退した。
・ドル円は下値が堅かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.64%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。23時前に一時157.58円と日通し安値を付けた。
ただ、7日の安値157.38円や一目均衡表転換線が位置する157.29円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。3時過ぎには158.15円付近まで持ち直した。
なお、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は「米連邦準備理事会(FRB)はデータ依存であり、軽率に行動すべきではない」「現時点での小休止は適切だ」などと述べたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するコリンズ米ボストン連銀総裁は「現在の見通しでは、利下げには段階的かつ忍耐強いアプローチが必要」との見解を示した。
・ユーロドルはもみ合い。ポンドドルの下落につれた売りが出ると一時1.0284ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0273ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが進んだ。22時30分過ぎには一時1.0319ドル付近まで値を上げた。ただ、アジア時間に付けた日通し高値1.0321ドルが目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。
本日はカーター元米大統領の国葬で米株式市場が休場、米債券市場が短縮取引となるため、市場参加者が減少。積極的な売買が手控えられた面もあったようだ。
・ユーロ円は下げ渋り。21時30分過ぎに一時162.38円と本日安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は続伸。英財政悪化への懸念から英国債相場が大幅に下落(金利は上昇)すると英株にも売りが出たものの、すぐに持ち直した。外国為替市場でポンド安が進むと、時価総額が大きい多国籍企業を中心に買いが入った。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、アストラゼネカなど医薬品株が値上がりした。BPやシェルなどエネルギー株も堅調だった。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら続落。欧米長期金利の上昇に警戒感が出ているものの、金利上昇にひとまず一服感が出たこともあって、相場は大きな方向感が出なかった。米株式市場がカーター元米大統領の国葬で休場となる中、積極的な売買が手控えられた面もあったようだ。
・欧州債券相場は下落。英国の中長期的な財政悪化への懸念や米金利の上昇傾向などを背景に英国債に売りが出た。
9日の日経平均は大幅続落。終値は375円安の39605円。8日の米国株はまちまちかつ小動きとなったが、ナスダック安が嫌気されて下落スタート。開始早々に下げ幅を3桁に広げると、しばらく下値模索が続いた。ここ数日の動きが良かった半導体株も含めて、幅広い銘柄が売りに押された。600円近く下げて39300円台に入ったところで売りは一巡し、13時以降は値を戻した。安値(39385円)からは200円以上水準を切り上げたものの、300円を超える下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆3200億円。業種別ではプラスはその他製品、医薬品、不動産の3業種のみ。一方、海運、卸売、保険などの下げが大きかった。伊藤忠<8001.T>との業務提携を発表したくふうカンパニーホールディングス<4376.T>が急騰。半面、12月の米国の既存店総売上が前年割れとなったラウンドワン<4680.T>が後場に入って大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり332/値下がり1277。主力どころでは任天堂、楽天G、サンリオなどが逆行高。決算発表を前にファーストリテイリングがプラスで終えた。証券会社が目標株価を引き上げたアシックスが大幅高。決算が好感されたワールド、ハニーズHD、ウエルシアHDが買いを集めた。
一方、売買代金上位の常連銘柄の多くが弱く、中でもレーザーテックやフジクラが大幅安。日本郵船など海運大手3社がそろって大きな下げとなったほか、業種ではマツダや日産自動車など自動車株も軒並み安となった。業績関連では1Q決算が失望を誘ったマニーやサイゼリヤが急落した。
日経平均は大幅続落。大型株が下げを主導するさえない1日となった。ただ、安値は39385円で、地合いが悪い中でも25日線(39368円、9日時点)付近では押し目買いが入った。本日の米国はジミー・カーター元大統領の国民追悼の日により株式市場が休場で、債券市場は短縮取引となる。海外からの材料は乏しくなるが、SQ日、米12月雇用統計の発表前、三連休前で、様々な思惑が入り交じりやすい1日となる。ファーストリテイリング<9983.T>の決算も消化する。きょうの大幅安で過熱感が削がれてあすは買いが入るのではないかとみているが、ドル円の値動きが荒くなった場合などは、米雇用統計を前にリスク回避姿勢が強まる可能性もある。下に振れた場合には25日線がサポートとして機能するかどうかに注意を払っておきたい。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
「トランプ2.0」を前に厳しい状況に直面する新興国経済
資金流出に直面するなかで通貨防衛を迫られる動き、今後は「体力勝負」の様相を呈する可能性も
足下の国際金融市場では米トランプ次期政権の政策運営を警戒して米ドル高圧力が強まる動きがみられる。ここ数年の米ドル高に際して、多くの新興国は資金流出を抑えるべく金融引き締めを迫られたが、米FRBの利下げで米ドル高は一服するなど状況は大きく変化した。アジア新興国では利下げに動く流れのほか、新興国景気に対する見方が変化する動きもみられた。しかし、米大統領選でのトランプ氏勝利を受けて米ドル高が再燃しており、政策運営の懸念も相俟って新興国からの資金流出が加速している。異常気象による食料インフレ懸念に加え、新興国のなかには自国通貨安に伴う輸入インフレを警戒して金融緩和を躊躇うほか、為替介入など通貨防衛を迫られる動きもみられる。新興国には通貨防衛の原資である外貨準備高が潤沢でない国も少なくなく、事態が長期化するなかで「体力勝負」に追い込まれる懸念も高まっている。
9日13:38 チポローネECB専務理事
「欧州中央銀行(ECB)はインフレリスクにのみ焦点を当てるのではなく、ユーロ圏経済が潜在成長を達成できるよう支援すべき」
9日15:47 日銀大阪支店長
「新卒採用への影響を踏まえて、早い時期から賃上げ方針を打ち出す大企業の動きがはっきりしてきた」
「中小企業も賃上げの必要性の認識それなりに浸透してきている」
「今年の賃上げ、昨年上回るかどうかは別として、しっかりとした数字になるのではないか」
「為替はどんどん円安に進んでいるわけではないことを好感する企業もある」
「全体として為替の安定を要望する声が引き続き多い」
「為替は将来の金融政策を織り込むので我々の行動で動く、適切な対応が必要」
「輸入物価は落ち着いている、物価加速懸念が高まっているわけではない」
9日16:40 堂野日銀名古屋支店長
「為替の過度な変動は良くない」
「一部企業で昨年並み、あるいはそれ以上の賃上げを今年実施するとの声聞かれる」
9日23:46 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「FRBの金利目標の長期的な道筋は不明確」
「不確実性の中で、FRBが少し立ち止まるのは適切」
「FRBはデータ依存であり、軽率に行動すべきではない」
「インフレをピークから低下させることに成功している」
「全体的な消費者支出の多くは高い所得に依存している」
「高い不確実性の中で、FRBはデータ依存であるべき」
「2%インフレ目標への回帰には予想以上に時間がかかっている」
10日00:09 コリンズ米ボストン連銀総裁
「現在の見通しでは、利下げには段階的かつ忍耐強いアプローチが必要」
「12月FOMCで利下げを支持したが、ぎりぎりの判断だった」
「現在の見通しは12月の予測と一致」
「経済は全体的に良好な状態にあるが、不確実性は顕著」
「2%のインフレ率に向けて段階的かつ不均一な軌道をたどっている」
10日03:37 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「さらなる利下げは段階的かつデータに基づいて行うべき」
「金利政策は長期的に必要な水準に近い可能性がある」
「FRBは二つの責務の達成にかなり近い」
「インフレは目標に向かっており、成長は勢いを増している」
「雇用市場は弱まっているが依然として健全」
「成長と雇用の見通しに楽観的」
「インフレ圧力は引き続き緩和すると楽観的」
10日03:40 ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事
「選挙後の抑制された需要がインフレリスクをもたらす可能性がある」
「インフレへの懸念が10年物米国債利回りの上昇を部分的に説明している可能性がある」
「インフレは高止まりしており、上振れリスクがある」
「政策調整には慎重かつ段階的なアプローチを好む」
「次期政権の将来の政策を予断すべきではない」
「現在の政策スタンスは、他者が考えるほど制限的ではないかもしれない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 11月家計調査(消費支出、予想:前年比▲0.9%)
○08:50 ◇ 12月外貨準備高
○14:00 ◇ 11月景気動向指数速報値(予想:先行107.2/一致115.3)
<海外>
○15:45 ◇ 12月スイス失業率(季節調整前、予想:2.8%)
○16:00 ◇ 11月トルコ失業率
○16:00 ◇ 11月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◎ 12月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比2.5%)
○16:45 ◇ 11月仏鉱工業生産(予想:前月比横ばい)
○16:45 ◇ 11月仏消費支出(予想:前月比0.2%)
○19:30 ◎ 11月インド鉱工業生産(予想:前年同月比4.1%)
○21:00 ◎ 12月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前年同月比4.88%)
○21:00 ◇ 11月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比横ばい)
○22:30 ◇ 11月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比1.4%)
○22:30 ☆ 12月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2.50万人/失業率6.9%)
○22:30 ☆ 12月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化16.0万人/失業率4.2%/平均時給、前月比0.3%/前年比4.0%)
○24:00 ◎ 1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:73.8)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39550 -10 (-0.02%)
TOPIX先物 2738.0 +1.0 (+0.03%)
シカゴ日経平均先物 39550 -10
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
9日の米国市場は、カーター元米大統領の服喪の日のため休場。米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事は、根強いインフレリスクにより追加利下げに慎重な見解を示した。また、米ボストン連銀のコリンズ総裁は利下げペースが想定よりも遅くなると述べたほか、米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は利下げを継続するものの、利下げペースについてはデータ次第になるとの考えを示した。
トランプ次期米政権による関税政策などによる不確実性のほか、10日には12月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、様子見姿勢に向かわせよう。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比10円安の3万9550円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比80円安の3万9480円で始まり、直後に3万9610円とプラスに転じる場面もみられたが買いは続かず、中盤にかけて3万9420円まで売られた。終盤にかけては3万9460円~3万9560円辺りと、日中の終値近辺での膠着が続き、3万9550円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることが見込まれる。海外勢のフローが限られるとみられるほか、12月の米雇用統計の結果を見極めたいことから、スキャルピング中心のトレードになりそうだ。また、米当局者による発言によって追加利下げペースの鈍化観測が高まっていることも手掛けづらくさせよう。
前日の日経225先物は一時3万9380円まで売られたが、同水準に位置する25日移動平均線(3万9380円)が支持線として機能する形となった。ナイトセッションにおいても薄商いながら同線(3万9420円)がサポートとして意識されていた。足もとでは昨年12月27日につけた4万0460円をピークに上値を切り下げる一方で、下値は上向きで推移する25日線が支持線として機能している。
ボリンジャーバンドでは前日の下げで+1σ(3万9770円)を割り込んだ。バンドが収れんするなかで中心値(25日)を割り込んでくるようだと、-1σ(3万9080円)が射程に入ってくる可能性はある。まずは25日線水準での底堅さを見極めつつ、+1σ水準を早期に回復できるかが注目される。そのため、オプション権利行使価格3万9000円から3万9800円辺りでのレンジを想定する。
9日の米VIX指数は18.07(8日は17.70)に上昇した。小動きではあるが75日線(17.29)を上回っての推移だった。ボトム圏での推移ではあるものの、米雇用統計の結果待ちのなかでは、やや神経質にさせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.45倍に上昇した。一時14.48倍を付けており、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回っての推移が目立った。全体の方向性がつかみづらいなかではあるものの、ヘッジ対応を考慮した形としては、NTロングに振れやすくなりそうである。
9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4.64%台まで低下した局面で157.58円まで下落した後、同利回りが4.69%台まで戻したことで158.16円付近まで下げ渋った。ユーロドルは1.0319ドル付近から1.0291ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米12月雇用統計を控えて動きづらい展開が予想される。
昨日発表された日本の11月の実質賃金は4カ月連続のマイナスだったものの、基本給に相当する所定内給与は32年ぶりの高い伸びとなった。また、日銀支店長会議での賃上げに関する報告では、全体としては継続的な賃上げが必要との認識が幅広い業種・規模の企業に浸透してきているものの、2025年の賃金設定に関して慎重な姿勢が示された。
植田日銀総裁は、春闘に向けた賃上げのモメンタムを確認するために、「もうワンノッチ(1段階)情報を待ちたい」と述べていたが、「ワンノッチ」は満たされなかった。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ確率は47%となっている。
米12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比+16.0万人と予想されており、11月の同比+22.7万人からの増加幅の減少が見込まれており、失業率は4.2%で11月と変わらずと予想されている。12月の米国の雇用関連市場は、ISM製造業、非製造業雇用指数、ADP全米雇用報告などは、11月に比べて悪化していたことで、市場予想は整合的だと思われる。
12月の米雇用統計の数字が予想から大幅に外れていない限り、20日のトランプ次期米大統領の就任式に向けて、現在の米金利上昇やドル高基調には変化はないと思われる。しかし、米国の雇用統計に関する懸念材料としては、2月7日に公表予定の年次ベンチマーク改定の確定値が、昨夏の速報値(81万8000人の下方修正)からさらなる下方修正が警戒されていることが挙げられる。
また、今後はパウエルFRB議長やウォラーFRB理事が言及している「市場ベースインフレ(Market-Based Gauge)」にも注視せざるを得ない状況となっている。このインフレ指標は昨年の5月からずっと前年同月比2.4%の上昇率付近でほぼ変わらないらしく、今年の追加利下げ継続を支持している。
日米の金融政策に関する今月の日程は以下の通りとなる。
14日:氷見野日銀副総裁講演
20日:トランプ次期米大統領就任
23-24日:日銀金融政策決定会合(利上げ確率 47%)
28-29日:米連邦公開市場委員会(FOMC)(据え置き確率 93%)
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に関しては、過去の介入実施時間帯から、本日の金曜日のニューヨーク市場や来週月曜日の東京市場休場に警戒しておきたい。
昨日は米株式市場が休場となった一方、コモディティと米債券市場は短縮取引といったイレギュラーなスケジュールのなか、ドル円は米長期金利の動向に左右される方向感のない動きに終始しました。ギルトの急落を受けたポンドドルの下落が主役。ただ、それも欧州時間のみで、結局、NY時間に入ってからは買戻しの動きとなったといったところ。
ドル円は米金利の低下につれて157.58円まで下押しした後、米10年債利回りが高値まで値を上げるなかで158.16円までショートカバーが入りNY市場を終えています。3連休前の週末のゴトー日でもあるアジア市場では、158.00円を挟んだ極めて狭いレンジでの取引。見えているものと言えば、今週連日観測されている本邦実需の買いのみ。今夜の米雇用統計を控えて様子見の動きが続いています。
いずれにしても、ドル買いの方向性を模索しているなか、ドル円は下値をしっかりと固めているところ。引き続き一目転換線を意識しつつ戻り高値を探っていくことになりそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比180円安の3万9380円(-0.45%)前後で推移。寄り付きは3万9390円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9550円)を下回る形から、売り先行で始まった。その後は3万9250円~3万9400円辺りでの推移が続くなか、中盤にかけてレンジを下回り、一時3万9160円まで下げ幅を広げる場面もみられた。売り一巡後はショートカバーとみられる動きから下落幅を縮めており、終盤にかけては寄り付き水準での推移となった。
1月限の株価指数先物オプションSQ(特別清算指数)値は3万9343.19円だった。日経平均株価は寄り付き直後にSQ値を下回ったことで、短期的なショートを誘う形になったようである。ただし、市場参加者が限られるなか、中盤以降はショートカバーが優勢となった。日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ(3万9070円)と25日移動平均線(3万9420円)辺りでの推移だが、前場の段階でカバーは一巡したと考えられ、後場はSQ値辺りで強弱感が対立しそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.43倍に低下した。14.43倍で始まり一時14.37倍まで下げる場面もみられたが、75日線(14.36倍)が支持線として機能する形から、寄り付き水準まで戻している。方向性としてはNTロングでのスプレッド狙いのスタンスを継続しておきたい。
「デフレ脱却を最優先に実現する」(石破首相:所信表明演説)
1.日本とカリフォルニアの国内総生産(GDP)
日本の面積は37.6万平方キロ、人口は約1.2億人、カリフォルニアは40.3万平方キロ、人口は約4000万人となっている。
1989年末、日経平均株価が38957円まで上昇して当時の史上最高値を記録していたバブル期には、皇居の傍の敷地は、米国のカリフォルニア州全体より高い価格で取引されていた。
そして山手線内の不動産価格は、米国全体の不動産価格を上回っていた。
2024年、日経平均株価が42426円まで上昇して史上最高値を更新した年、日本の名目国内総生産(GDP)607兆円がカリフォルニアのGDP635兆円を下回った。
2.幕末の通貨問題
幕末の日米和親条約では、日本の貨幣と海外の貨幣の交換比率(金銀交換比率)に誤解があったため、日本から大量の金(※50万両?)が流出した。
幕末の日本の金銀比価は1対4.65程度だったが、海外では1対15.3程度だった。
外国為替市場でのドル円相場に例えると、東京(江戸)市場では1ドル(金)=46円(銀)だと仮定すれば、香港市場では1ドル=153円となる。
そこで、東京市場で、ドルを46円で買い、香港市場で153円で売れば、約3倍の儲けとなる。
米国の初代駐日公使のハリスや英国の初代総領事のオールコックは、暴利を貪りながら、マルコ・ポーロが紹介していた「黄金の国ジパング」を実感した。
3.令和の円安問題
日本銀行は、円高・デフレ(物価が趨勢的に下落する現象)からの脱却するため、政府とのアコードを締結して、量的金融緩和政策により、紙幣を大量に印刷して、円の価値を2011年の70円台から2024年には160円台まで暴落させた。
円の価値が下がるということは、物の価値が上がるということになり、政府・日銀の目論見通りに、円安・インフレ(物価が趨勢的に上昇する現象)となっている。
ミクロ的には、円安により日本の対外資産が増大することで、プラスに見えるが、マクロ的には、円安により日本国民が保有する円資産価値はマイナスとなる。
対内的には、1キロ150円程度で買えていた卵の値段が300円程度まで上昇し、キャベツが一玉100円台から600-700円付近まで上昇し、対外的には、1リットル100円前半で買えていたガソリンの値段が100円台後半まで上昇することになる。
江戸幕府の通貨担当者は、金銀の交換レートに無頓着だったが、令和の政権中枢の通貨担当者も、外国為替レートに無頓着のままのようである。
レーニンは、「資本主義を破壊する最善の方法は、通貨を堕落させることだ」と述べていた。
本日のロンドン為替市場でも、英長期債の動向を眺めながらポンド中心の取引となりそうだ。昨日も英債相場は売りが先行し、10年債利回りは2008年以来の4.90%超え、30年債利回りが1998年以来の5.4%台で上昇力を強めた。英長期債の投げ売りを嫌気し、ポンドドルも2023年11月以来の安値となる1.2239ドルまで下げ足を速めた。
もっともパニック的な英債売りが一巡すると、長期債利回りの上げ幅を縮小とともにポンドドルも下値を切り上げてはいる。とはいえ、スターマー英政権が昨年示した財政拡大方針に変わりなく、英債需給の緩みへの懸念は燻ったまま。そこに加え、トランプ次期米大統領が実施しようとしている関税強化などの政策は世界的にインフレ圧力を強め、もともと軟調だった英債券が打撃を受けやすい状況だ。
昨日は英財務省高官が議会で、債券市場は引き続き秩序ある形で機能していると言及。英債への需要はなお強いと相場の火消しに努めていた。本日も英政府関係者から市場を落ち着かせようとする発言が出てくるだろう。もし、その内容が薄く弱いものだと、英長期債売りからのポンド下落が再燃してしまうかもしれない。
ユーロドルはポンドドルに追随する形だろう。ただし欧州市場で取引が活発なユーロポンドの動向にも左右されることも予想され、意外と難しい値動きとなるかもしれない。ユーロ圏の指標は11月フランスの鉱工業生産と消費支出と相場インパクトは強くない。下値バイアスは残りながらも、結局は12月米雇用統計待ちとされてしまうか。
ところでドイツでは、2月23日に連邦議会の総選挙が行われる。そういったなか昨日、米実業家イーロン・マスク氏が、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のワイデル共同党首と対談を行った。その場で同党支持を表明したマスク氏の影響がどの程度なのか、今後の支持率調査が注目される。
想定レンジ上限
・ポンドドル、日足一目均衡表・転換線1.2408ドル
・ユーロドル、21日移動平均線1.0383ドル
・ユーロポンド、200日移動平均線0.8429ポンド
想定レンジ下限
・ポンドドル、昨日安値1.2239ドルを割り込むと2023年10月27日週安値1.2070ドルが徐々に意識される
・ユーロドル、2日安値1.0226ドル
・ユーロポンド、日足一目均衡表・基準線0.8315ポンド
ドル円:1ドル=158.41円(前営業日NY終値比△0.27円)
ユーロ円:1ユーロ=162.94円(△0.07円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0285ドル(▲0.0015ドル)
日経平均株価:39190.4円(前営業日比▲414.69円)
東証株価指数(TOPIX):2714.12(▲21.8)
債券先物3月物:141.06円(▲0.25円)
新発10年物国債利回り:1.195%(△0.025)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月家計調査(消費支出)
前年同月比 ▲0.4% ▲1.3%
12月外貨準備高
1兆2307億ドル 1兆2390億ドル
11月景気動向指数速報値
先行指数 107.0 109.1
一致指数 115.3 116.8
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。日経平均が大幅安で始まったほか、時間外の米10年債利回りが低下したことも重しとなり、157.94円まで下押し。もっとも今晩の12月米雇用統計待ちムードも強く、158円割れの水準での底堅さを確認すると、日経平均の下げ一服や米長期金利が上昇に転じたこともあり、158.43円まで切り返した。
・ユーロ円は伸び悩み。本邦株安をながめて162.62円まで下押し後、ドル円の上昇に連れて163.12円まで買い戻し。もっとも、その後はユーロドルが弱含んだことで伸び悩んだ。
・ユーロドルは弱含み。1.03ドルを挟んだもみ合いが続いていたが、米長期金利が上昇に転じたことをながめ、1.0282ドルまで下押した。
・日経平均株価は3日続落。小幅安で始まった後、決算を発表したファーストリテイリングが下げた影響を受け、下げ幅が一時440円近くに達する場面が見られた。12月米雇用統計を前に手仕舞い売りが出たことも重しとなったもよう。
・債券先物相場は反落。米金利の根強い先高観が意識される中、国債債市場に下落圧力が掛かると、141円05銭まで下げ足を速めた。背景には、円安進行による輸入物価上昇が日銀の追加利上げを後押しするとの見方があるようだ。新発10年物国債の利回りは一時1.195%と2011年5月以来の高水準を付けた。
大阪3月限
日経225先物 39250 -310 (-0.78%)
TOPIX先物 2720.0 -17.0 (-0.62%)
日経225先物(3月限)は前日比310円安の3万9250円で取引を終了。寄り付きは3万9390円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9550円)を下回り、売り先行で始まった。その後は3万9250円~3万9400円辺りでの推移が続くなか、前場中盤にかけてレンジを下回り、一時3万9160円まで下げ幅を広げる場面もみられた。
ただ、売り一巡後はショートカバーとみられる買いが入り、前場終盤にかけて寄り付き水準での推移となった。ランチタイムで再び弱含み、後場に入ると3万9180円まで売られ、終盤にかけては3万9200円~3万9300円辺りのボトム圏での推移が続いた。
1月限の株価指数先物オプションSQ(特別清算指数)値は3万9343.19円だった。日経平均株価が寄り付き直後にSQ値を下回ったことで、短期的なショートを誘う形になったようである。また、前日の取引終了後に2025年8月期第1四半期決算を発表したファーストリテイリング <9983.T> [東証P]が急落し、日経平均株価を1社で300円超押し下げる形となったことで、売り一巡後のリバウンドが限られた。
日経225先物は25日移動平均線(3万9410円)を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ(3万9070円)に接近する場面もみられた。市場参加者が限られるなかで、リバウンド狙いのロングも入れにくい需給状況だった。まずは早期に25日線を回復することができるかを見極めたいところだろう。
25日線が抵抗として意識されてくるようだと、-1σに接近するとともに、節目の3万9000円割れが射程に入ってくることで、下へのバイアスが強まる展開が警戒されそうだ。もっとも、13週線(3万8960円)が支持線として機能する展開も想定されるため、節目の3万9000円に接近する局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.43倍に低下した。14.43倍で始まり一時14.37倍まで下げる場面もみられたが、75日線(14.36倍)が支持線として機能する形から、寄り付き水準まで戻している。アドバンテスト <6857.T> [東証P]の強さが目立つなか、方向性としてはNTロングでのスプレッド狙いのスタンスを継続しておきたい。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万9927枚、ソシエテジェネラル証券が1万5970枚、サスケハナ・ホンコンが3325枚、JPモルガン証券が2428枚、日産証券が2322枚、バークレイズ証券が2248枚、モルガンMUFG証券が2179枚、野村証券が1613枚、SBI証券が1073枚、楽天証券が965枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万9688枚、ソシエテジェネラル証券が1万4119枚、バークレイズ証券が5310枚、モルガンMUFG証券が3576枚、JPモルガン証券が3228枚、日産証券が3055枚、ゴールドマン証券が2134枚、みずほ証券が1942枚、ビーオブエー証券が1271枚、野村証券が826枚だった。
本日、市場の関心はNY序盤に発表される12月米雇用統計に集まっている。市場予想は失業率が4.2%と前月並みだが、非農業部門雇用者数は前月比16.0万人増と前月の(ハリケーン襲来の反動やストライキの終了で上振れた)22.7万人増を下回るなど、労働市場の緩やかな減速が続く見通しである。平均時給は前月比+0.3%/前年比+4.0%(11月:+0.4%/+4.0%)となっている。
市場ではトランプ次期米大統領就任でインフレが加速するとの見方が強まる中、昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)のドットチャートでは2025年末時点の中央値が上方修正され、利下げ回数が2回と前回9月の見通しから半減した。こうした中、雇用が減少しても小幅にとどまる場合は利下げ観測を高めるには至らず、直後はドル売りで反応しても一時的となることも考えられる。他方、平均時給の上昇はインフレ加速が想起されやすいため、こちらの数値も忘れずに確認したい。
もっとも、今回に限ると、市場の関心がトランプ米次期大統領の政策を見極めたいとのムードが強いほか、2月7日公表予定の年次ベンチマーク改定の確定値が、夏の速報値(81万8000人の下方修正)からさらなる下方修正が警戒されていることもあり、事前予想から大きく乖離しないと、発表直後の動きが一服すると落ち着いた展開となることもあり得る。
なお、雇用統計後の24時には、1月ミシガン大学消費者態度指数・速報値が発表予定。ヘッドラインは73.8と前月から小幅低下の見通し。また、期待インフレは、前回は1年先が2.8%、5-10年先は3.0%だった。ヘッドラインと共に期待インフレに変化があるか気になるところだ。
他方、カナダでも12月雇用統計が発表される。市場予想は失業率が6.9%、新規雇用者数も2.50万人増と前月(6.8%、5.05万人増)と比べて弱めとなっている。米雇用統計と同時刻の発表のため、直後はドルの影響を受けつつ、指標結果に反応した動きとなるか。
想定レンジ上限
・ドル円は、本日高値158.45円。超えると昨年7月16日高値158.86円
・カナダドル円は、7日高値110.47円
想定レンジ下限
・ドル円は日足・一目均衡表の転換線157.29円。割り込むと6日安値の156.24円
・カナダドル円は、一目均衡表の雲上限108.36円
今晩は様子見か。昨日はジミー・カーター元大統領の国民追悼の日でNY株式市場が休場だったが、週初からの3日間ではダウ平均が0.23%安、S&P500が0.41%安、ナスダック総合が0.73%安とそろって2週続落ペースとなった。トランプ次期政権の輸入関税引き上げ策などによるインフレ持続見通しを背景に米10年債利回りが4月以来となる4.7%台まで上昇したことが重しとなった。
今晩は週末の取引となるが、先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される12月雇用統計が焦点となりそうだ。月末28-29日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)は、CMEのフェドウォッチ・ツールによる0.25%の利下げ確率が7%と、政策金利の据え置きが確実視されているものの、年内2回(0.50%)の利下げ確率は53%となっている。12月雇用統計の市場予想は非農業部門雇用者数(NFP)が16.0万人増と11月分の22.7万人増から減少が見込まれ、失業率は4.2%と11月から横ばいが予想されている。NFPなどが予想を上回る強い結果となれば、利下げ期待の後退や、米10年債利回りの上昇が株式相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月雇用統計のほか、1月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値など。企業決算は寄り前にコンステレーション・ブランズ、ウォルグリーン、デルタ航空が発表予定。
■各社予想 12月米非農業部門雇用者数
JPモルガン +15.0万人
第一生命経済研究所 +18.2万人
ドイツ証券 +15.0万人
バークレイズ・キャピタル +15.0万人
BNPパリバ +16.5万人
HSBC +15.5万人
モルガン・スタンレー +15.0万人
市場コンセンサス +16.0万人
前回 +22.7万人
■各社予想 12月米失業率
JPモルガン 4.2%
第一生命経済研究所 4.3%
ドイツ証券 4.3%
バークレイズ・キャピタル 4.2%
BNPパリバ 4.2%
HSBC 4.2%
モルガン・スタンレー 4.3%
市場コンセンサス 4.2%
前回 4.2%
■各社予想 12月米平均時給(前月比)
JPモルガン +0.3%
第一生命経済研究所 +0.3%
ドイツ証券 +0.3%
バークレイズ・キャピタル +0.3%
BNPパリバ +0.3%
HSBC +0.3%
モルガン・スタンレー +0.3%
市場コンセンサス +0.3%
前回 +0.4%
■各社予想 12月米平均時給(前年比)
JPモルガン +4.0%
第一生命経済研究所 +4.0%
バークレイズ・キャピタル +4.0%
BNPパリバ +4.0%
HSBC +4.0%
モルガン・スタンレー +4.0%
市場コンセンサス +4.0%
前回 +4.0%
日経平均株価は続落。上昇基調にある25日移動平均線(39395円 1/10)を下回り、一目均衡表の基準線(39178円 同)まで下げる陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の56.1%→51.9%(1/10)へ低下。50%超を維持する状況の中、短期的な見方に大きな変化はない。ただ、終値ベースで1/6安値(39307円)を下回ったことで、12/27高値からの二段下げのパターンとなった。39000円割れを推移している75日移動平均線(38909円 同)までの下落余地は想定しておきたい。25日移動平均線を下回ったが、来週初の基準線の上昇にポジティブに反応できるかが目先の焦点となる。
上値メドは、10日移動平均線(39607円 同)、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、3/22高値(41087円)、心理的節目の41500円などが考えられる。下値メドは、心理的節目の39000円、75日移動平均線、100日移動平均線(38527円 同)、12/19安値(38355円)、心理的節目の38000円などがある。
(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.67円(10日15時時点比▲0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.52円(▲1.42円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0244ドル(▲0.0041ドル)
FTSE100種総合株価指数:8248.49(前営業日比▲71.20)
ドイツ株式指数(DAX):20214.79(▲102.31)
10年物英国債利回り:4.838%(△0.027%)
10年物独国債利回り:2.595%(△0.028%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイス失業率
2.8% 2.6%
11月仏鉱工業生産
(前月比) 0.2% ▲0.3%・改
11月仏消費支出
(前月比) 0.3% ▲0.3%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。12月米雇用統計の発表を控えてしばらくは1.03ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、指標結果が伝わると下落した。米労働省が発表した12月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比25.6万人増と予想の16.0万人増を大幅に上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%より強い結果に。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ休止の論拠を裏付ける内容」との受け止めから、米長期金利が急伸し、全般ドル買いが活発化した。2日に付けた直近安値の1.0226ドルを下抜けると一時1.0215ドルと2022年11月以来の安値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.7860%前後と23年11月以来の高水準を記録した。
・ドル円は乱高下。「日銀は23-24日に開く金融政策決定会合で、変動が大きい生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価(コアコアCPI)の見通しを上方修正する公算」との一部報道をきっかけに円買い・ドル売りが先行。18時過ぎに一時157.63円まで下落した。ただ、良好な米雇用統計をきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが優勢となり、一時158.87円と昨年7月12日以来約半年ぶりの高値を付けた。
もっとも、米長期金利の上昇が一服するとドル円の上値は重くなった。米国株相場の大幅下落を背景にリスク・オフの円買いが優勢になると、0時30分前に一時157.23円と日通し安値を更新した。ユーロ円などクロス円の下落につれた売りも出た。
・ユーロ円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時163.19円と日通し高値を付けたものの、前日の高値163.43円が目先レジスタンスとして意識されると失速。NY市場に入り、ダウ平均が一時750ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが加速した。24時過ぎには一時161.21円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は3日ぶりに反落。週末を控えたポジション調整目的の売りが出たほか、米国株相場の下落につれた売りが出た。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が売られたほか、ユニリーバやディアジオなど生活必需品株が値下がりした。半面、BPやシェルなどエネルギー株は買われた。
・フランクフルト株式相場は3日続落。12月米雇用統計の発表を前にしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、終盤弱含んだ。米国株相場の大幅下落を受けて独株にも売りが波及した。個別ではザランド(5.39%安)やシーメンス・エナジー(4.62%安)、エーオン(4.52%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.73円(前営業日比▲0.41円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.59円(▲1.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0244ドル(▲0.0056ドル)
ダウ工業株30種平均:41938.45ドル(▲696.75ドル)
ナスダック総合株価指数:19161.63(▲317.25)
10年物米国債利回り:4.76%(△0.07%)
WTI原油先物2月限:1バレル=76.57ドル(△2.65ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2715.0ドル(△24.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米雇用統計
失業率 4.1% 4.2%
非農業部門雇用者数変化
25.6万人 21.2万人・改
平均時給
(前月比) 0.3% 0.4%
(前年比) 3.9% 4.0%
1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
73.2 74.0
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは4日続落。米労働省が発表した12月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比25.6万人増と予想の16.0万人増を大幅に上回り、失業率が4.1%と予想の4.2%より強い結果となった。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ休止の論拠を裏付ける内容」との受け止めから、米長期金利が急伸し、全般ドル買いが活発化した。2日に付けた直近安値の1.0226ドルを下抜けると一時1.0215ドルと2022年11月以来の安値を更新した。売りが一巡すると1.0278ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは限定的だった。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.7860%前後と23年11月以来の高水準を記録した。
・ドル円は続落。良好な米雇用統計をきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが優勢となり、一時158.87円と昨年7月12日以来約半年ぶりの高値を付けた。
ただ、米国株相場の大幅下落を背景にリスク・オフの円買いが優勢になると、0時30分前には一時157.23円と日通し安値を更新した。ユーロ円などクロス円の下落につれた売りも出た。
・ユーロ円は4日続落。ダウ平均が一時750ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となった。1時30分過ぎには一時161.21円と日通し安値を更新した。
・カナダドル円は上値が重かった。カナダ統計局が発表した12月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が9.09万人増と予想の2.50万人増を上回り、失業率が6.7%と予想の6.9%より強い内容だったことが分かると買いが先行。22時30分過ぎに一時110.19円と日通し高値を付けた。ただ、米国株安に伴うリスク回避の円買いが優勢になると、1時30分過ぎに一時本日安値となる109.15円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。12月米雇用統計が予想を上回るとFRBによる利下げペースが鈍化するとの観測が改めて強まり、米長期金利が急上昇。株式の相対的な割高感が意識されて売りが膨らんだ。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落。米金利上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが集まった。
・米国債券相場で長期ゾーンは下落。12月米雇用統計が予想を上回ったことが分かると、FRBによる利下げペースが鈍化するとの観測が改めて強まり売りが優勢となった。利回りは一時4.7860%前後と2023年11月以来の高水準を付けた。米ミシガン大学が公表した1月米消費者調査で期待インフレ率が予想を上回ったことも債券売りを誘った。
・原油先物相場は続伸。米政府がロシア石油大手のガスプロムネフチとスルグトネフテガスを新たに経済制裁の対象としたと発表したことを受けてエネルギー供給混乱への警戒感から買いが優勢に。昨年10月上旬以来、約3カ月ぶりの高値を付けた。
・金先物相場は4日続伸。米国株が大きく下落したことで安全資産とされる金需要の高まりが意識された。
10日09:56 赤沢再生相
「日銀とも密接連携、機動的な政策運営姿勢は変わっていない」
10日16:50 廖中国財務副大臣
「2025年には、強さ、効率性、タイミングの面でより積極的な財政政策が期待できる」
「財政支出を加速する」
「中国の財政政策には豊富な政策余地と手段がある」
「中国は債務と財政赤字を増やす余地が比較的大きい」
10日19:53 ムサレム米セントルイス連銀総裁
「追加利下げに一層の注意が必要」
11日00:21 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「関税が一時的な物価ショックか持続的なものかを判断することが重要」
「現在の予想通りなら、12-18カ月後には金利はかなり低下する可能性」
「条件が安定し、インフレの上昇がなく、完全雇用が維持されれば、金利は下がるべき」
「雇用市場は完全雇用で安定しており、過熱の兆候はない」
※時間は日本時間
13日
○成人の日の祝日で休場
14日
○08:50 ◎ 11月国際収支速報
○10:30 ◎ 氷見野良三日銀副総裁、あいさつ
○14:00 ◇ 12月景気ウオッチャー調査
15日
○08:50 ◇ 12月マネーストックM2
16日
○08:50 ◇ 12月企業物価指数
17日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
13日
○06:45 ◎ 11月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○未定 ◎ 12月中国貿易収支
○12:15 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:00 ◇ 11月トルコ経常収支
○17:00 ◇ 12月スイスSECO消費者信頼感指数
○19:30 ◎ 12月インド消費者物価指数(CPI)
○14日04:00 ◎ 12月米月次財政収支
14日
○08:30 ◇ 1月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○17:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:30 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:30 ◎ 12月米卸売物価指数(PPI)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数
○24:00 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、あいさつ
○15日01:00 ◎ 12月ロシアCPI
○15日05:05 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
15日
○16:00 ◎ 12月英CPI
○16:00 ◎ CPIコア指数
◇ 小売物価指数(RPI)
○16:45 ◇ 12月仏CPI改定値
○17:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○17:35 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏鉱工業生産
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◇ 11月カナダ製造業出荷
○22:30 ◇ 11月カナダ卸売売上高
○22:30 ◎ 1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
○22:30 ☆ 12月米CPI
☆ エネルギーと食品を除くコア指数
○23:20 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○24:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
○16日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○16日02:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○16日04:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○09:01 ◇ 12月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
○09:30 ◎ 12月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表
○16:00 ◎ 12月独CPI改定値
○16:00 ☆ 11月英国内総生産(GDP)
○16:00 ◎ 11月英鉱工業生産/製造業生産高
○16:00 ◇ 11月英商品貿易収支/英貿易収支
○19:00 ◇ 11月ユーロ圏貿易収支
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表
○21:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)
○22:15 ◇ 12月カナダ住宅着工件数
○22:30 ☆ 12月米小売売上高
○22:30 ◇ 12月米輸入物価指数
○22:30 ◎ 1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◇ 11月米企業在庫
○24:00 ◎ 1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
17日
○11:00 ☆ 10-12月期中国GDP
○11:00 ◎ 12月中国鉱工業生産
○11:00 ◎ 12月中国小売売上高
○16:00 ◎ 12月英小売売上高
○18:00 ◇ 11月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏HICPコア改定値
○22:30 ◇ 11月対カナダ証券投資
○22:30 ◎ 12月米住宅着工件数
◎ 建設許可件数
○23:15 ◎ 12月米鉱工業生産指数
◇ 設備稼働率
○18日06:00 ◎ 11月対米証券投資動向
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、雇用統計で労働環境のひっ迫に改善の兆しが見られるか見極め
◆豪ドル、物価は月末の10-12月期CPIの結果待ち
◆ZAR、SARBの利下げ余地が拡大したとの思惑広がる
予想レンジ
豪ドル円 94.00-99.00円
南ア・ランド円 8.00-8.50円
1月13日週の展望
豪ドルは神経質な動きとなりそうだ。今週に公表された11月消費者物価指数(CPI)は前年比で市場予想をわずかに上回ったものの、変動の激しい項目を除外したトリム平均は前回から鈍化。市場では豪準備銀行(RBA)理事会が次回会合(2月17-18日)で利下げに動くとの思惑も広がりつつあるが、次回の理事会までにはまだ物価統計の公表が控えているため、豪利下げ期待を手掛かりにした売りの流れが強まるかは不透明だろう。ブロックRBA総裁が「RBAは月次データよりも四半期データをより注意深く監視している」と述べていることもあり、29日公表の10-12月期CPI(同日には12月CPIも発表予定)の結果を待ちたいところだ。
来週は豪州から14日に1月ウエストパック消費者信頼感指数、16日に12月雇用統計が発表予定。特に注目となるのが雇用統計であり、RBAは以前から労働市場がひっ迫している影響から賃金上昇によるインフレ圧力が高まることを強く警戒している。11月雇用統計では新規雇用者数および失業率がいずれも市場予想より強い結果となったことで豪ドル買いの反応が見られたが、今回の雇用統計で労働環境のひっ迫に改善の兆しが見られるか確認しておきたい。
また、来週は米国でも12月CPIの発表が控えている。米国ではトランプ次期政権の関税政策によるインフレ再燃リスクが高まっており、それに伴って米10年債利回りが昨年4月以来の水準まで上昇している。CPIの結果次第では米金利およびドル相場が振らされる可能性もありそうだ。豪ドルも対ドルを中心に影響を受けることが予想されるため注意が必要となるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値の重い展開が予想される。来週も南アフリカからは特段のイベント・経済指標の発表などは予定されておらず、ドル相場などの外部要因に振らされることになるだろう。南アでは燃料価格の下落に加えて、警戒されていた食料品価格の上昇が想定よりも穏やかであったことから、市場では南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)の利下げ余地が拡大したとの思惑が広がっている。米国の利下げ観測が後退していることで米・南ア間の金利差縮小が一段と進むとの見方から、対ドルを中心にZAR売り圧力が強まることもありそうだ。また、高止まりしているドル円に関しても徐々にではあるが高値警戒感や介入警戒感が意識されつつあり、来週以降のZAR円などクロス円全般の重しとなる可能性にも注意しておきたい。
1月6日週の回顧
豪ドルは伸び悩み。週初の6日はトランプ次期米大統領の関税政策を巡って対ドルを中心に上下する場面があったものの、その後は米長期金利の上昇に伴って次第に上値が重くなった。対ドルでの売りが波及する格好となり、豪ドル円も99円台前半から97円台後半まで押し戻された。
ZARも週初こそ買いが入る場面があったものの、米金利の上昇とともに対ドルで売りに押され、昨年6月以来の安値を更新。ZAR円も8.4円台を中心とするレンジ内の推移ではあったが、上値の重さが目立った。
◆ポンド、英長期債の動向次第で不安定に
◆ポンド、CPIや鉱工業生産など重要指標に注目
◆加ドル、トルドー首相の後継争いで動意付くことも
予想レンジ
ポンド円 191.50-197.50円
加ドル円 108.00-112.00円
1月13日週の展望
英国からは週半ば以降に消費者物価指数(CPI)や国内総生産(GDP)、鉱工業生産や小売売上高など重要な経済指標が発表される。それまでは、今週ポンド売りのきっかけとされた英長期債の動向を見極めながらの取引となりそうだ。今週、英10年債利回りは2008年の金融危機以来の水準、30年債利回りは1998年以来の水準まで大幅に上昇した。
英長期債の急落(金利は上昇)は、スターマー英首相率いる労働党政権が昨年10月末に発表した予算案がきっかけだ。大型増税とともに過去最高に近い借入れ計画が明らかになり、英政府の財政拡大の方針を受けた債券需給の緩みが懸念され続けている。リーブス財務相は財政規律の順守を訴えたが、借入コストの上昇は更なる増税や支出計画の削減に繋がると危惧する声も高まってきた。経済成長のブレーキになり兼ねない悪い金利上昇の流れを、今のところ英政府には止める術が無いと市場では認識されている。ポンドの戻りも限られた幅となりそうだ。
経済指標では、15日に12月英インフレ指標が発表予定。今年最初の英中銀金融政策委員会(MPC)の結果発表は2月6日であり、今回のCPIはMPCの重要な判断材料になるだろう。前回のCPIは前年比2.6%と2カ月連続の加速、約8カ月ぶりの高水準だった。足もとで、市場は今年8回開催されるMPCで「0.25%の利下げは2回のみ実施」を見込んでいる。英長期金利が大幅に上昇しているなか、インフレの内容次第では利下げペースの更なる減速が取り沙汰されるかもしれない。
その他、16日発表の11月GDPは3カ月ぶりにプラス成長となるか、同月鉱工業生産も低空飛行から浮上できるかがポイント。12月小売売上高ではクリスマス商戦の結果が明らかとなる。
カナダからは12月住宅着工などの経済指標が複数発表されるが、インパクトはどれも強くない。そのため週前半は最新の労働データを受けた動きが持ち越されそうだ。前回11月分が新型コロナ禍を除き8年弱ぶりの高水準だった失業率への市場の反応が長引いてもおかしくない。
また、今後カナダの新首相誕生に向けた動きも加ドル相場の動意に繋がる可能性はある。トルドー加首相は6日、首相と与党・自由党の党首辞任を発表した。カナダ議会が3月下旬まで休会され、その間に自由党は次の首相に就く新党首の選出を進める。有力候補が掲げる経済・財政政策は金融市場にとってもちろん注視すべきことであるが、今回はまもなく就任するトランプ米大統領と渡り合える力量があるかも見据えるべき重要なポイントだろう。
1月6日週の回顧
ポンドは対円で週前半に円安の流れに沿って198円前半まで大幅に上昇も、週半ば以降は上値が重く193円半ばまで下落した。対ドルでは1.25ドル後半を頭に1.2230ドル台まで反落。英長期債の下落圧力が強まり、ポンド売りにも繋がった。
加ドルは対円で108円後半から一時110円半ばまで買われた。対ドルでも1.44加ドル半ばから1.4290加ドル台まで加ドル高に振れる場面があった。トルドー首相の辞任で新たなリーダー選出への期待感が支えとなった。
◆ドル円、トランプ米政権の関税政策巡る報道に引き続き警戒
◆CPIや小売売上高など米重要指標が目白押し
◆ユーロドル、欧州景気悪化懸念から軟調な動き
予想レンジ
ドル円 156.00-162.00円
ユーロドル 1.0000-1.0450ドル
1月13日週の展望
ドル円は、トランプ次期米大統領による関税政策に対する思惑や米重要指標の発表を受けた長期金利の動向に大きく左右されそうだ。
トランプ米政権発足が20日に迫るなか、今週も関税政策に関する報道がドルや米金利相場を動意づかせた。6日には米ワシントン・ポスト紙が「次期政権は、インフレを再燃させる懸念もあるため、関税引き上げの対象を、国家安全保障などに影響する重要分野に限定する計画を検討」と報じたためドルが下落したが、トランプ氏がすぐにこの報道を否定。8日には「同盟国にも敵対する国にも一律に関税を課すために、国際緊急経済権限法=IEEPAを使うことを検討」と伝わったため、米10年債利回りは一時4.72%台と昨年4月以来の高水準を付けた。ただ、IEEPAに関しては政権移行チームの間でもさまざまな手段が模索されており、最終決定ではないとされている。引き続きトランプ関税を巡る思惑がドル相場を左右するだろう。
また、来週は14日に12月卸売物価指数(PPI)、15日に12月消費者物価指数(CPI)、16日に12月小売売上高、17日に12月鉱工業生産など重要指標が目白押しとなっている。トランプ政権による関税政策によりインフレが続くとの警戒感は根強いほか、米連邦準備理事会(FRB)高官からも利下げに慎重な発言が相次ぐなか、強い指標結果に対する反応が大きくなりそうだ。現時点で、今年の米利下げ回数は1-2回に留まるとの見方だが、引き締め政策へ転換する可能性も考慮しておきたい。
ユーロドルは、ドイツを中心に欧州の景気悪化懸念が高まるなかで軟調な動きが続きそうだ。今週発表された11月独小売売上高は年末商戦の効果なく低調な結果となったほか、11月独製造業新規受注も民間航空機および部品の大幅減を受けて悪化。欧州経済の先行きに対する警戒感が一段と広がっている。また、英財政悪化懸念からポンドが大きく売られており、ユーロもつれ安となる可能性がある。チャート上でも、ユーロドルは約2年間続いたレンジを下抜け、目立った下値目処はパリティ(1ユーロ=1ドル)までないような状況。仕掛け的な売りも出やすいだろう。
1月6日週の回顧
ドル円は下値が堅い。第2次トランプ米政権の関税政策を巡る報道を受けて週明けには一時156.24円まで急落したが、トランプ氏が報道否定すると反発。米長期金利の上昇も支えに8日には一時158.55円と昨年7月17日以来の高値を付けた。
ユーロドルは上値が重い。週前半はドル安が進んだことで一時1.0437ドルまで買戻されたものの、欧州の景気悪化懸念から買いは続かなかった。米金利上昇も嫌気され一時1.0273ドルまで下押しした。
10日の日経平均は大幅に3日続落。終値は414円安の39190円。米株市場が休場で寄り付きは小幅な下落にとどまったが、すぐに下げ幅を3桁に拡大。決算を発表したファーストリテイリング<9983.T>が派手に売られたことから、その影響を大きく受けた。10時近辺では下げ幅を400円超に拡大。前引けにかけていったん値を戻したものの、後場に入ると売り直され、安値圏で取引を終えた。TOPIXは安値引け。一方、グロース250指数は売りが先行したものの早々にプラス圏に浮上しており、終値でもプラスを確保した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆2800億円。業種別ではその他製品、金属製品、精密機器などが上昇した一方、海運、輸送用機器、医薬品などが下落した。MBOに関して、米アポロ社の出資検討観測が報じられたセブン&アイ・ホールディングス<3382.T>が後場急伸。半面、決算を材料に売られたファーストリテイリングは6.5%安で終え、1銘柄で日経平均株価を約301円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり438/値下がり1132。主力どころではアドバンテストが5%を超える上昇と、動きの良さが目立った。野村マイクロやカバーが商いを伴って急伸。決算が好感されたイートアンドHDや明光ネットワークが大幅高となり、上方修正を発表した久光製薬が15.1%高と値を飛ばした。
一方、トヨタ、三井住友、日立などが軟調。前日大幅安となった日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社が連日で売りに押された。インフルエンザ治療薬「タミフル」の供給調整を始めたとの観測が報じられた中外製薬が3%を超える下落。イオンモールやイオンFSなどイオン系の銘柄が決算を材料に大きく売られた。
日経平均は大幅に3日続落。ファーストリテイリングの大幅安で説明のつく下げではあるが、プライムでは値下がり銘柄が多く、他の銘柄をアグレッシブに買いに行く動きは限られた。
来週は米国で決算発表が出始める。先陣を切るのはシティグループ、JPモルガン、ゴールドマン・サックスなど金融株。2024年の米国株は、通年でダウ平均がプラス12.9%、S&P500がプラス23.3%、ナスダックがプラス28.6%と、3指数がいずれも良好なパフォーマンスとなった。2025年も米国株がさらに上を試せるかを探る意味でも、決算に対する反応は注目される。反応が良ければ、米国株の上昇基調継続に対する期待が高まる。一方、好決算でも株価の反応が案外であったり、失望決算が相次ぐようだと、高値警戒感が意識される。来週はこれらの決算を消化しながら、日本でも銀行株や保険株など金融株の注目度が高まるだろう。
【来週の見通し】
上値の重い展開か。月曜が休場で立ち合いは4日。翌週20日に米国でトランプ氏の大統領就任式が予定されており、就任式が近づくにつれて身構える動きになっていくと思われる。国内はやや材料難。米国では決算発表がスタートするほか、12月の消費者物価指数(CPI)や小売売上高など注目の経済指標がいくつか出てくる。そのため、米国要因に振らされる場面が多くなるだろう。米指標がインフレへの警戒を和らげる内容となれば、米国株には追い風となる。ただし、その場合には米長期金利が低下して為替は円高(ドル安)に振れる可能性が高い。逆にインフレへの警戒が高まって円安(ドル高)が進むケースでは、介入に対する警戒が浮上してくる。色々と気を揉む要素が多く、日本株は買い手控えムードの強い地合いが続くと予想する。
<国内>
○成人の日の祝日で休場
<海外>
○06:45 ◎ 11月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○未定 ◎ 12月中国貿易収支(予想:998億ドルの黒字)
○12:15 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:00 ◇ 11月トルコ経常収支(予想:31.0億ドルの赤字)
○17:00 ◇ 12月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲37.8)
○19:30 ◎ 12月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比5.30%)
○14日04:00 ◎ 12月米月次財政収支
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
先週末のドル円は、良好な米雇用統計をきっかけに米長期金利が急伸すると全般ドル買いが優勢となり、一時158.87円と昨年7月12日以来約半年ぶりの高値を付けた。ただ、米国株相場の大幅下落を背景にリスク・オフの円買いが優勢になると、日通し安値となる157.23円まで売り込まれた。ユーロドルは雇用統計後に、1.0215ドルと2022年11月以来の安値を更新した。
本日のアジア市場でドル円は、東京市場が成人の日で休場のため流動性の悪化が想定される。そのため振幅が激しくなるだろうが、上値は限られるか。
先週の12月米雇用統計後は、ドル円の上値の重さを確認した形となった。雇用統計の結果を受けて、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ停止観測が燻り、米金利の上昇による株安がドル円の重しに。また、英国を中心に欧州圏も財政不安が懸念されていることで、欧州通貨も買いにくい状況だ。消去法的に、ドル以外の通貨では円が買われやすくなっている。
本邦国内要因でも、日銀が利上げの地ならし記事を流しているとの憶測も円買いに傾きやすいだろう。一部通信社が先週、日銀関係者筋の話として「コメ価格上昇と円安を踏まえ物価見通しの引き上げを検討」「日銀がコアコアCPIの見通しを上方修正する公算」などと報じた。また、本日付の日経新聞電子版でも日銀が「長引くコメの価格高騰に神経をとがらせている」などと報じている。
ただし、今週は日銀から2つの注目イベントがあるため、それを確かめるまでは一方向に動きにくいか。1つ目は、明日14日には氷見野良三日銀副総裁が横浜市で金融経済懇談会に出席し、同日午後に記者会見を行うこと。2つ目は、16日に日銀が12月の企業物価指数が発表し、注目の輸入物価指数も公表されることだ。これらで、今月末の金融政策決定会合の方向性を探ることになり、それまでは手控えムードになるかもしれない。
ドル円以外では、市場を先導している欧州通貨が引き続き今週も大きな値動きとなりそうだ。もっとも、アジア時間ではトレンドを作るほどの値動きを期待するのは難しく、欧州入りを待つ展開になるだろう。
なお、アジア時間では中国の貿易収支が発表される。指標結果や中国人民銀行の人民元取引・基準値などにも目を向けたい。今年の年初はCNH(人民元)の対ドルの動きが市場を先導していた。東京休場で円相場の動きが鈍る可能性は高く、本日は人民元の動向が再び注目されるかもしれない。
先週末の海外市場では、極めて強い米雇用統計を受けて全般ドル買いで反応したわけですが、ドル円はかなり不安定な上下を繰り返すことになりました。
欧州時間には一部で「日銀がコアコアCPIの見通しを上方修正する可能性がある」と報じられたことから157.63円まで下落。9日の安値157.58円が目先の目処として意識されるとその後は再び下値を切り上げる展開に。
NY時間に入って12月米雇用統計が予想を大幅に上回る強い数字となると米10年債利回りが一気に4.7860%まで急騰。つれるかたちで158.87円まで買い上げられました。ただ、その後は「強すぎた」米雇用指標を受けてダウ平均が750ドルを超える急落となったほか、日経平均先物も一時38600円台まで大幅な下落となるなか、リスクオフから157.23円まで下落。引けにかけては157.99円まで買戻されて慌ただしい値動きとなった週末の取引を終えています。
いずれにしても、ドル円は、昨年7月11日、12日の介入後の戻り高値として意識されていた7月16日の高値158.86円付近が目先の目処として意識されていたからこそ、「利食い売り」が出やすかったともいえ、短期的な達成感もあったのも事実。ただ、あくまでも利食いであって、ドル高に対する方向性に変化はなく、引き続き値固めをしながらの動きといったところです。目先は一目転換線が位置する157.56円や先週末安値の157.23円が意識されています。
週明けのロンドン為替市場では、先週末のニューヨーク市場で強まった米金利上昇を背景としたリスク回避の動きが継続するか見極めながらの取引。週明けアジアの株式市場も総じて弱く始まり、時間外のCME日経平均先物も先週末安値を割り込んで下げ幅を広げた。アジア朝に強含む場面もあったクロス円は再び水準を切り下げている。
まずは、時間外の米10年債利回りがどのように始まるかがポイント。10日に発表された12月米雇用統計が想定以上に強かったことを受け、米・中長期金利は上昇力を強めた。そういったなか、今週半ばには同月消費者物価指数(CPI)が発表予定。市場が警戒しているのは、先週末に急速に広まった「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ休止観測」を後押しする結果がでること。インフレ動向を確認するまでは米金利の上昇基調は継続され、ドルの欧州通貨に対する強含みに繋がりそうだ。
米債券が売られると(利回りは上昇)、より影響を受けやすいのが英長期債。先週は、英政府の財政拡張方針を受けた需給の緩みが懸念され、英長期債売りが一気に進んだ。英債価格の下落が重しとなったポンドは、週明けも地合い弱いまま対円や対ドルで先週末安値を割り込んでいる。「労働党政権は財政をコントロールできず」との思惑が広がれば、ポンドの下値余地が更に広まってもおかしくはない。
またエネルギー価格の動向にも注意しておきたい。10日の原油先物相場は急騰し、週明け時間外でも買い優勢。バイデン米政権は先週末、ロシアの石油業界に対して新たな制裁を発表した。制裁対象となる石油タンカーの数が倍に増える見通しとなり、供給混乱への警戒感が高まっている。エネルギー価格上昇から想定外のインフレ上昇は、欧州景気にとって好ましいものではないだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0326ドル
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、2022年11月11日安値1.0163ドル
・ポンドドル、2023年10月26日安値1.2070ドル
2024年12月の米国の失業率は4.085%(※四捨五入4.1%)となり、11月の4.231%(※四捨五入4.2%)から低下した。就労者数は47.8万人増となり、11月の35.5万人減から増加した。
非農業部門雇用者数は、前月比+25.6万人の増加となり、11月は速報値の+22.7万人から+21.2万人へ下方修正(▲1.5万人)され、10月は改定値の+3.6万人から+4.3万人へ上方修正(+0.7万人)されたことから、合計で8000人の下方修正となった。
12月の雇用統計は、バイデン米大統領に失業率とインフレ率の低下という有終の美を飾らせたが、第2次トランプ米政権での関税や減税などの不確実性が企業の採用活動を抑制する可能性には要警戒となる。
また、2月7日に公表予定の年次ベンチマーク改定の確定値が、昨夏の速報値(81万8000人の下方修正)からさらなる下方修正が警戒されている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、1月28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのFF金利誘導目標4.25-50%の据え置きはほぼ確実視され、2025年全体の利下げ見通しも1回(4.00-25%)に減っている。
2021年の非農業部門雇用者数は724.5万人の増加となり、年間ベースで過去最大の伸びを記録し、月平均は60.4万人の増加だった。2022年の月平均は37.7万人の増加、2023年平均は25.1万人の増加、2024年平均は20.3万人の増加となった。
1.家計調査(Household survey):失業率を算出(※6万世帯)
12月の失業率は4.085%(※四捨五入4.1%)となり、11月の4.231%(※四捨五入4.2%)から低下した。労働参加率(就業者および求職者の合計である労働力人口の生産年齢人口に占める割合)は62.5%となり、恒久的な失業者が減少(▲23.5万人)し、就業者数が47.8万人増加したことも示された。
失業者数は688.6万人となり、11月の712.1万人から23.5万人減少したものの、2020年2月の570万人を依然として上回ったままとなっている。労働力人口(1億6854万人)は、パンデミック(世界的大流行)前の水準(1億6458万人)を約392万人上回っている。
・不完全雇用率(U6):7.5%(11月7.7%、10月7.7%、9月7.7%:2020年5月21.1%)
(フルタイム雇用を望みながらパートタイム職に就いている労働者を含む広義の失業率)
・労働参加率:62.5%(11月62.5%、10月62.5%、9月62.7%:2020年2月:63.4%)
・長期失業者(27週以上):155.1万人(11月165.4万人:2020年2月112.1万人)
・黒人の失業率:6.1%(11月6.4%、10月5.7%、9月5.7%:2020年2月6.0%)
(※黒人の失業率は景気後退(リセッション)が近づく前に先行して上昇する傾向)
2.事業所調査(Establishment survey):非農業部門雇用者数(Non-Farm Payroll)(※12.2万の会社・政府機関)
12月の非農業部門雇用者数は、前月比+25.6万人の増加となり、48カ月連続での雇用拡大となった。平均時給は前月比+0.3%の35.69ドルとなり、11月の+0.4%を下回り、前年同月比は+3.9%となり、11月の+4.0%を下回った。
民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は前月比+0.4%で、11月の+0.5%を下回り、前年比は+5.0%となり4カ月ぶりの低い伸びとなった。
3. サーム・ルール( Sahm Rule)=0.40%
FRBの元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱したもので、失業率の「3ヵ月移動平均」と「過去1年間の最低水準」の差が0.5%以上上昇した場合、1年以内にリセッション(景気後退)入りするとの説であり、過去50年間のリセッションで有効だった。12月は0.40%となり、11月と10月の0.43%、9月の0.50%、8月の0.57%、7月の0.53%から低下傾向にあり、リセッションへの警戒感が後退した。
本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク債券・株式市場の動向を注視しながら、米12月財政赤字を見極める展開が予想される。
先週末のダウ平均は696ドル下落し、米10年債利回りは4.78%台まで上昇し、ドル円はリスク回避の円買いで157円台まで反落した。本日も、同様な株安、債券安、ドル安・円高の流れが続くのか否かに注目しておきたい。
また、今年1月1日に米国の債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示している。
米国政府が新たな借り入れができずにデフォルト(債務不履行)に陥ることを防ぐには、昨年12月のつなぎ予算案に、トランプ次期米大統領が盛り込もうとした上限の引き上げか効力停止が必要となる。
しかし、共和党の保守強硬派の反対で上限引き上げや効力停止の案は退けられており、20日のトランプ次期米大統領の就任式の後で、債務上限問題が復活することになる。
トランプ次期米大統領は「デフォルトが起これば、世界恐慌が始まった1929年のようになるかもしれない」と警告しているが、共和党の保守強硬派が大幅な歳出削減を求めており、早期解決は困難な情勢となっている。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の赤字(10月・11月)は6242.13億ドルとなり、コロナ禍の時期を上回り、同期間としては過去最高を記録した。
本日発表される12月の財政赤字次第では、同期間としては過去最高を記録する可能性があることで、トランプ関税や減税による財政赤字の拡大懸念が高まることになる。
また、米国債の利回り上昇により、2024年度の連邦政府の公的債務利子が1.2兆ドルとなっていた。発行されている国債の50%が今後3年で満期になるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、158.87円(1/10高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、156.24円(1/6安値)
今週のNY市場は物価指標と決算発表に注目。先週はダウ平均が1.86%安、S&P500が1.94%安、ナスダック総合が2.34%安と3指数がそろって2週続落した。12月ISM非製造業PMIなどの経済指標が予想を上回る強い結果となったことや、トランプ次期政権の輸入関税引き上げ方針を背景としたインフレ高進見通しを背景に米10年債利回りが上昇したことが重しとなる中、週末金曜日に発表された12月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を大きく上回ったことや失業率が予想に反して改善したことで、年内の利下げ期待が後退したことや、米10年債利回りが一段と上昇し、2023年11月以来となる4.763%に上昇したことが相場の重しとなった。金利上昇の影響をより大きく受ける小型株指数のラッセル2000は3.49%安と3週ぶりの大幅反落となった。利下げ見通しを巡ってはCMEのフェドウォッチ・ツールの1月米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き確率は97%となり、3月FOMCでの金利据え置き確率も1週間前の52%から78%に上昇した。
今週は利下げ見通しを巡り12月生産者物価指数(PPI)や12月消費者物価指数(CPI)などの物価指標に注目が集まるほか、JPモルガン・チェースなどの大手金融機関を皮切りに発表がスタートする第4四半期決算に注目が集まる。水曜日に発表される12月CPIは前月比+0.3%と11月から横ばいが見込まれ、前年比では+2.8%と11月の+2.7%から上昇が予想されている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.2%と11月の+0.3%から減速が見込まれているが、前年比では+3.3%と11月から横ばいが見込まれている。火曜日発表の12月PPIは前年比+3.4%と11月の+3.0%から伸びの加速が見込まれ、前月比では+0.3%と11月の+0.4%から鈍化が予想されている。CPIなどが予想を上回る伸びとなれば利下げ期待の一段の後退が相場の重しとなりそうだ。このほかの経済指標は新規失業保険申請件数、12月小売売上高(以上、木曜日)、12月建設許可件数、12月住宅着工件数、12月鉱工業生産(以上、金曜日)など。決算発表は水曜日にJPモルガン・チェース、ブラックロック、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、木曜日にユナイテッドヘルス、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、金曜日にSLB, ステート・ストリート、リージョンズ・ファイナンシャルが発表予定。
今晩の米経済指標・イベントは12月雇用傾向指数、12月財政収支など。主要な企業の決算発表はなし。
HSBCグローバルリサーチでアジア担当チーフエコノミストを務めるフレデリック・ニューマン氏はこのほど、日本を除いたアジア地域の経済成長率が2025年は4.4%となり、24年の4.6%から鈍化するとの見方を示した。成長の中心は東アジアから東南アジアや南アジアにシフトするとした。うち、中国の経済成長率は4.5%になると予想。米国の関税引き上げや世界的な需要低下を背景に輸出が低迷するとみており、中国政府がさらに多くの景気対策を打ち出したとしても、成長は鈍化すると予想した。『明報』が13日伝えた。
ニューマン氏は、アジア地域では向こう1年にわたって米ドル高や関税リスクが経済成長を下押しすると予想した。ただ、タイやシンガポール、フィリピン、マレーシア、インドネシア、日本など、国内消費支出に支えられている経済体は粘り強さが期待できるとした。
今週の日経225先物は、米国市場の動向を睨みながらショート優勢の展開が警戒されやすくなりそうだ。10日の米国市場では主要な株価指数が下落し、NYダウは昨年11月以来の水準まで下げた。注目された12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が25万6000人増と市場予想(16万5000人増程度)を上回り、失業率は4.1%(前月は4.2%)に低下したことで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が強まった。
また、1月の米ミシガン大学消費者信頼感指数で、1年先のインフレ期待が3.3%、5-10年先のインフレ期待も3.3%と予想を上回る伸びとなり、インフレ高止まりの懸念が強まった。1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が後退したほか、次回3月の会合についても政策金利の据え置き観測が高まっている。
NYダウは昨年11月の米大統領選前の水準まで下げており、トランプ次期政権の政策期待により上昇した分を帳消しにした。仕切り直しが意識される一方で、来週20日の大統領就任式を控えて、就任直後に発表されるトランプ関税に市場の関心が集まりやすい。東京市場でも積極的なロングは手控えられ、戻りの鈍さが意識される局面ではショートに振れやすくなりそうだ。
先週の日経225先物は7日に一時4万0320円まで買われたものの、その後は3日続落し週末には3万9160円まで売られ、3万9250円で日中取引を終了。10日の取引終了後のナイトセッションでは3万8770円で終えており、一時3万8630円まで下げ幅を広げる場面もみられている。
これにより75日移動平均線(3万8940円)を明確に割り込み、200日線(3万8530円)が射程に入ってきた。週明けの日経225先物は200日線を捉える形で、ギャップダウンで始まることが警戒される。週間形状では13週線(3万8940円)を割り込んでおり、足もとで支持線として機能している52週線(3万8370円)を試す展開がありそうだ。
また、ボリンジャーバンドでは‐2σ(3万8670円)を下回ったことで、‐3σ(3万8300円)が射程に入ってきている。売られ過ぎが意識されるものの、収斂していたバンドが拡大に転じることで、瞬間的に下へのバイアスが強まる可能性がある。-2σ水準では押し目狙いのタイミングになるが、イレギュラー的な下落には警戒が必要だろう。パラボリックのSAR値は200日線水準に位置しているため、陰転シグナルが発生する可能性もある。
そのほか、一目均衡表ではナイトセッションで雲上限まで下げてきた。週半ばには3万8800円辺りに位置する雲がねじれを起こす。先行スパンがクロスするタイミングでは雲が薄くなるためトレンドが出やすく、同水準を明確に下放れる局面ではショートの勢いが強まる可能性があるだろう。
そのほか、7日に米国ロサンゼルスで発生した山火事は鎮火のめどがたたず、1万棟以上が消失し、被害総額は日本円で20兆円を超えるとの見方が伝えられている。経済への影響が警戒されることも、積極的な売買を手控えさせよう。
そのため、200日線や-3σの水準では、いったん押し目狙いのロングを意識しつつも、ポジションを積み増す動きは限られそうであり、ヘッジを考慮しての対応に向かわせそうである。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.43倍と週間では上昇した。全体としては不安定な相場展開ながら、アドバンテスト <6857.T> [東証P]が最高値を更新するなど、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が日経平均型を支えた。
週明けは下へのバイアスが強まる影響を受けることになろうが、前週には9日に一時14.48倍まで切り上がり、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回ってきている。方向性としては上向きのトレンドであり、弱含む局面ではNTロングでのスプレッドを狙ったポジションを組成するタイミングになりそうだ。
10日の米VIX指数は19.54に上昇した。前週は25日、200日線水準を支持線とした上昇により75日線を突破。同線から上放れる形状となった。一時20.31と20.00を上回る場面もみられており、市場心理をやや神経質にさせそうである。
12月第5週(12月30日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりの売り越しであり、売り越し額は2185億円(12月第4週は9381億円の買い越し)だった。なお、現物は657億円の売り越し(同4956億円の買い越し)と2週ぶりの売り越しであり、先物は1528億円の売り越し(同4425億円の買い越し)。個人は現物と先物の合算で1315億円の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で313億円となり、2週連続の売り越しだった。
主要スケジュールでは、13日に中国12月貿易収支、14日に11月国際収支、12月景気ウォッチャー調査、米国12月生産者物価指数、15日に米国12月消費者物価指数、米国1月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、16日に12月国内企業物価、米国12月小売売上高、米国12月輸出入物価指数、17日に中国12月小売売上高、中国10-12月期GDP、中国12月鉱工業生産指数、中国1-12月固定資産投資、米国12月住宅着工件数、米国12月鉱工業生産指数などが予定されている。
(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.32円(13日15時時点比▲0.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.75円(▲0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0218ドル(▲0.0001ドル)
FTSE100種総合株価指数:8224.19(前営業日比▲24.30)
ドイツ株式指数(DAX):20132.85(▲81.94)
10年物英国債利回り:4.885%(△0.047%)
10年物独国債利回り:2.613%(△0.018%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月スイスSECO消費者信頼感指数
▲30.3 ▲37.2
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。欧州株相場の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行。22時30分前に一時156.92円と日通し安値を付けた。時間外のダウ先物やシカゴ日経平均先物の下落も相場の重しとなった。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、157.79円付近まで下げ幅を縮めた。前週末に発表された12月米雇用統計が予想を上回ったことで、週明けのNY市場でも米利下げ観測の後退を背景に円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.8026%前後と2023年11月以来の高水準を付けたことも相場を下支えした。
市場では「ドル高に対する方向性に変化はなく、値固めをしながらの動きとなっている」との声が聞かれた。
・ユーロドルは下げ渋り。米国経済の強さを踏まえて、米連邦準備理事会(FRB)による年内の追加利下げ観測が後退する中、ユーロ売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。市場では「米国とユーロ圏の経済の強さや金融政策の差を意識したユーロ売り・ドル買いが出た」との声も聞かれ、18時30分前には一時1.0178ドルと22年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
ただ、売り一巡後はショートカバーがやや優勢となり、22時30分過ぎに一時1.0221ドル付近まで持ち直した。もっとも、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。
・ユーロ円は下げ渋り。ユーロドルの下落につれた売りが出ると一時160.04円と昨年12月19日以来の安値を付けたものの、同日安値159.86円や12月18日の安値159.82円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ドル円の持ち直しにつれた買いも入り、1時30分過ぎには160.98円付近まで下げ渋った。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。米利下げ観測の後退を背景に前週末の米国株が大幅に下落すると英株にも売りが波及した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は4日続落。本日のアジア市場では上海や香港など主要な株式相場が下落。米株価指数先物も下げ、投資家がリスク回避の姿勢を強めると株売りが広がった。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(2.15%安)やアディダス(2.05%安)、ボノビア(1.70%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
日本時間4:00に発表される予定だった12月米財政収支は日本時間15日04:00に変更された。
中国の税関総署が13日に発表した2024年12月の米ドル建て貿易統計は、輸出が前年同月比10.7%増となった。市場予想(7.3%増)から上振れし、前月の6.7%増から加速した。一方、輸入は1.0%増で、市場予想(1.5%減)を上回り、前月の3.9%減からプラス成長に転じた。貿易黒字は1048億4000万米ドルで市場予想の998億米ドルを上回った。
人民元建てでは、輸出が10.9%増、輸入が1.3%増。前月実績はそれぞれ5.8%増、4.7%減だった。貿易黒字は7529億1000万元。
中国汽車工業協会(CAAM)はこのほど、2024年の自動車生産台数が前年比3.7%増の3128万2000台、販売台数が同4.5%増の3143万6000台だったと発表した。生産台数、販売台数ともに前年に続いて3000万の大台を超え、過去最高を記録した。『経済通』が13日伝えた。
新エネルギー車(純電気車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)の新車販売台数は35.5%増の1286万6000台。自動車販売台数全体の40.9%を占め、比率は前年から9.3ポイント拡大した。
12月の新車販売台数は前年同月比10.5%増の348万9000台だった。前月比では5.2%増えた。新エネルギー車の新車販売台数は前年同月比34%増の159万6000台に上り、自動車販売台数全体の45.8%を占めた。
ニューヨーク連銀の最新調査によると、1年後のインフレ期待は12月に3.0%と前回と同じとなった。また、3年後のインフレ期待は3.0%と前回の2.6%から上昇した一方、5年後のインフレ期待は2.7%と前回の2.9%から低下した。
13日10:17 中国人民銀行
「クロスボーダー融資のマクロプルーデンシャル調整パラメータを1.5から1.75に引き上げる」
「人民元レートは合理的でバランスの取れた水準を維持」
13日11:14 潘功勝・中国人民銀行(PBOC)総裁
「十分な流動性を維持するために、金利と 預金準備率(RRR)ツールを活用する」
「中国は財政赤字を拡大する計画を再確認した」
「中国は今後も世界経済の原動力であり続けるだろう」
「政策の焦点は投資と消費に移るべき」
「中国の経済発展には課題が残っている」
「国民の消費需要の喚起に重点が置かれる」
「香港金融当局が外貨基金を使ってオフショア人民元市場を補充することを支持する」
13日16:21 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁
「インフレ率は想定通りに低下している」
「政策金利の方向性は明らか」
「ディスインフレは明白」
「利下げ幅やペースはデータ次第」
「ECBの利下げは、FRBの金融政策とは無関係に行うべき」
「利下げを継続することは理にかなっている」
13日17:47 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「市場の欧州中央銀行(ECB)の利下げ見通しは正しい」
「ECBは利下げを加速させることはない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 11月国際収支速報
◇ 経常収支(予想:季節調整前2兆6911億円の黒字/季節調整済2兆5781億円の黒字)
◎ 貿易収支(予想:346億円の赤字)
○10:30 ◎ 氷見野良三日銀副総裁、あいさつ
○14:00 ◇ 12月景気ウオッチャー調査(予想:現状判断指数49.5/先行き判断指数49.9)
<海外>
○08:30 ◇ 1月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○10:35 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○16:35 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○17:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:30 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○22:30 ◎ 12月米PPI(予想:前月比0.3%/前年比3.4%)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比3.8%)
○24:00 ◎ シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、あいさつ
○15日04:00 ◎ 12月米月次財政収支(予想:800億ドルの赤字)
○15日05:05 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.48円(前営業日比▲0.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.32円(▲0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0245ドル(△0.0001ドル)
ダウ工業株30種平均:42297.12ドル(△358.67ドル)
ナスダック総合株価指数:19088.10(▲73.53)
10年物米国債利回り:4.78%(△0.02%)
WTI原油先物2月限:1バレル=78.82ドル(△2.25ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2678.6ドル(▲36.4ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら3日続落。時間外のダウ先物やシカゴ日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行。22時30分前に一時156.92円と日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、5時前には157.82円付近まで持ち直した。前週末に発表された12月米雇用統計が予想を上回ったことで、週明けのNY市場でも米利下げ観測の後退を背景に円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.8026%前後と2023年11月以来の高水準を付けたことも相場の支援材料。
市場では「ドル高に対する方向性に変化はなく、値固めをしながらの動きとなっている」との声が聞かれた。
・ユーロドルはほぼ横ばい。前週末の米雇用統計を受けて米利下げ観測が一段と後退する中、ユーロ売り・ドル買いが出た。欧州市場序盤には一時1.0178ドルと22年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。市場では「米国とユーロ圏の経済の強さや金融政策の差を意識したユーロ売り・ドル買いが出やすい」との声も聞かれた。
ただ、売り一巡後はショートカバーが優勢となり、取引終了間際には1.0247ドル付近まで持ち直した。
・ユーロ円は5日続落。日本時間夕刻に一時160.04円と昨年12月19日以来の安値を付けたものの、同日安値159.86円や12月18日の安値159.82円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ドル円の下げ渋りやユーロドルの持ち直しにつれた買いが入り、取引終了間際には161.37円付近まで下値を切り上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。前週末に昨年11月上旬以来の安値を更新したあとだけに、短期的な戻りを期待した買いが入った。キャタピラーやアムジェンなどが上げたほか、ユナイテッドヘルス・グループが堅調に推移し1銘柄でダウ平均を131ドル程度押し上げた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落。米長期金利の上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。前週末の米雇用統計を受けて米利下げ観測が一段と後退する中、この日も売りが続いた。利回りは一時4.8026%前後と2023年11月以来の高水準を付けた。
・原油先物相場は3日続伸。米国がロシアに対して追加制裁を発表し、原油の供給混乱への懸念が高まったことが買いを後押した。米政府はロシア石油大手のガスプロムネフチとスルグトネフテガスを新たに経済制裁の対象にし、関連の取引業者や保険会社、タンカーも対象に含めた。
・金先物相場は5日ぶりに反落。米10年債利回りが2023年11月以来の高水準となる4.80%台まで上昇し、金利を生まない金は売りに押された。
昨日のドル円は、時間外のダウ先物やシカゴ日経平均先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが先行し、一時156.92円と日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、米10年債利回りが一時4.8026%前後と2023年11月以来の高水準を付けたことも相場の支援材料になり157.82円付近まで持ち直した。ユーロドルは、欧州市場序盤には一時1.0178ドルと22年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。
本日の東京時間では、東京仲値までにかけては、前日の米金利上昇や値ごろ感からのドル買いが優勢になりそうだ。しかし、先週の米雇用統計後から米長期金利が上昇過程を辿っているが、対円でのドル買いは限定的になっている。英国を中心に欧州圏も財政不安が懸念されていることで欧州通貨も買いにくい状況であり、消去法的にドル以外の通貨では円が買われやすくなっていることや、日銀の利上げ観測が燻っていることは引き続きドル円の上値を抑えそうだ。
本日の東京市場で最も注目されるのは、氷見野良三日銀副総裁の講演になる。氷見野副総裁は横浜市で金融経済懇談会に出席し、午後に記者会見を行う予定になっている。
昨年末の12月25日に日本経済団体連合会審議員会(経団連)で植田日銀総裁が講演を行って以後は、日銀関係者からは市場を動意づけるような発言はほぼ無かった。この間に、本邦から日銀の利上げを促す発言や報道は複数伝わっている。先週末9日の日銀支店長会議では「相応の数の企業が賃上げに前向き」などと春闘を前にして、賃上げを確認できているとの認識を示した。
また、翌10日に日銀の事情に詳しい複数の関係者からの話として、コメを中心とした食料品価格の上振れが主因で「今月開く金融政策決定会合では、コアコアCPIについて、2024年度と25年度の見通しが上方修正となる公算が大きい」と報じられている。市場ではインフレ圧力の警戒を示唆し、賃上げが確認できているとの認識を市場に示し、利上げへの地ならしを行っているとの声もある。
欧米長期金利の上昇の影響もあるとはいえ、先週は新発10年物国債の利回りは2011年5月以来の水準まで上昇した。この状況下で氷見野副総裁がどのような発言をするかが円相場の最大の注目になるだろう。なお、氷見野副総裁は昨年7月の利上げ後の8月の会見では、「経済・物価の見通しが実現する確度が高まっていく、ということであれば、金融緩和の度合いを調整していく、というのが基本的な姿勢」と発言。また、10月には「明らかに実質金利はかなり低い水準にある」「来年の賃金動向に関する情報などが重要」などと発言している。
一方で、利上げに対して否定的なのは、先週9日には11月毎月勤労統計で発表された実質賃金は4カ月連続でマイナス(10月は横ばいから-0.4%に下方修正)になった。過去最大の26カ月連続のマイナスから抜け出せたのが、昨年の6、7月の僅か2カ月であったことで、賃上げにも関わらず実質賃金が減少しているという現状は変わらないことだ。
円以外では、昨日ユーロドルが2022年11月以来、ポンドドルは2023年11月以来の水準まで弱含んだ。ロサンゼルスの火災が欧州の保険大手に約10億ユーロの損失をもたらす可能性があると報じられるなど、欧州圏のネガティブな報道が多いこともあり、ユーロドルはパリティを目指すという声が依然として強い。アジア時間での動意は限られるだろうが、欧州入り後の動きには引き続き警戒したい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38770 -480 (-1.22%)
TOPIX先物 2697.5 -22.5 (-0.82%)
シカゴ日経平均先物 38705 -545
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
13日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。米長期金利の上昇が重荷となる場面もみられた。ただし、NYダウは前週末に700ドル近く下落し、昨年11月の米大統領選前の水準まで下げた。トランプ次期米大統領の政策期待により上昇した分を帳消にした後で、自律反発狙いの買いが優勢となった。
NYダウ構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比545円安の3万8705円だった。10日の取引終了後の日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円高の3万9280円で始まり、直後につけた3万9330円を高値に軟化し、3万9000円~3万9290円辺りのレンジでの推移を継続。10日の米国市場の開始直後にレンジを下抜け、一時3万8630円まで売られた。終盤にかけて下げ幅を縮め、3万8770円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになろう。注目された12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が25万6000人増と、市場予想(16万5000人増程度)を上回り、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が強まった。14日に12月の卸売物価指数(PPI)、15日には12月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、手掛けづらくさせよう。
13日のNYダウは自律反発をみせたものの、シカゴ先物は一時3万8135円まで売られる場面もみられた。売り一巡後の戻りの鈍さが意識されてくると、下へのバイアスが強まる可能性がありそうだ。
日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-1σ(3万9030円)と75日移動平均線(3万8940円)を割り込んだことで節目の3万9000円が抵抗線になるだろう。一方で下値は-2σ(3万8670円)、200日線(3万8530円)が射程に入ってきたが、シカゴ先物の安値にサヤ寄せする動きをみせてくると、いずれも割り込んでくるほか、-3σ(3万8300円)を下回ってくる可能性もある。積極的なロングは手控えられやすく、まずは売り一巡後の底堅さを見極めたいところだろう。
また、来週20日に米大統領就任式を控えて、就任直後に発表されるトランプ関税に関心が集まりやすい。東京市場でも慎重姿勢が強まりやすいため、短期的なショート対応に向かわせそうである。ただし、昨年8月の急落以降は-2σ水準が支持線として機能しており、同水準を割り込んで200日線に接近する局面では、イレギュラー的な動きとして、いったんはリバウンドを想定した押し目狙いのロングでの対応に向かわせよう。
13日の米VIX指数は19.19(10日は19.54)に低下した。前週は25日、200日線水準を支持線とした上昇により75日線を突破。同線から上放れる形状となった。終値では20.00を下回ったものの、一時22.04まで上昇する場面もみられており、市場心理はやや神経質に傾きそうである。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.43倍(前日は14.45倍)に低下した。本日は下へのバイアスが強まる影響を受けることになろうが、前週には9日に一時14.48倍まで切り上がり、昨年12月17日につけた戻り高値14.44倍を上回ってきている。75日線(14.36倍)、25日線(14.34倍)辺りで底堅さがみられると、NTロングでのスプレッド狙いを組成するタイミングになりそうだ。
日経225先物は11時30分時点、前日比750円安の3万8500円(-1.91%)前後で推移。寄り付きは3万8800円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8705円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。その後、3万9070円まで下げ幅を縮め、75日移動平均線(3万8930円)を回復する場面もみられた。ただし、自律反発を狙ったロングは続かず、再び75日線を割り込んでくると下へのバイアスが強まった。終盤にかけて200日線(3万8520円)を割り込み、一時3万8330円まで下落幅を広げた。
日経225先物はボリンジャーバンドの-2σ(3万8600円)および200日線を割り込んだことで、売られ過ぎが意識され、自律反発をみせてくる可能性はあるだろう。ただし、-2σ水準を早期に回復できないとショートカバーの動きは期待しづらく、戻り待ち狙いのショート優勢の需給が続きそうである。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。14.39倍で始まり一時14.41倍をつける場面もみられたが、その後は75日線(14.37倍)、25日線(14.35倍)を下回ってきた。25日線辺りで下げ渋るようだと、リバランスの流れからNTロングのポジションを組成する動きが意識されてきそうだ。
本邦勢不在となった週明けのドル円は、株価の下落につれて戻り売り。日経平均先物が一時38135円まで急落となるなか156.92円まで値を下げる場面もみられましたが、NY時間に入って米10年債利回りが4.8026%まで上昇すると157.82円まで買戻されて取引を終えています。アジア時間に入ってからは、一部でトランプ関税について報じられたことから157.12円まで下押したものの、3連休明けの本邦実需勢の買いが断続的に観測されると157.58円まで買戻されました。
仲値後には、注目の氷見野日銀副総裁による神奈川県金融経済懇談会での挨拶の原稿が公表されるや否や、157.19円まで急落。そしてその直後に158.02円まで急伸といった乱高下。157.42円まで下押しした後、157.75円まで再び買戻しと、米系短期勢に「遊ばれている」ような値動きを繰返しています。
いずれにしても、日経平均は昨日安値付近まで深い下押し。目先の下値の目処を確認しているといったところですが、米長期金利が上方向をトライしている以上、ドル円も引き続き下値を固めていくことになりそうです。目先では、昨日安値の156.92円付近、終値ベースでは一目転換線の位置する157.56円付近が意識されています。
本日のロンドン為替市場で欧州通貨は、対ドルでの調整幅を見定める展開となりそうだ。欧州発の重要指標の発表はないものの、複数の金融当局者講演にも目を向けておきたい。
昨日のユーロドルは先週の地合いの弱さを素直に引き継ぎ、欧州前半には2022年11月以来の安値圏となる1.0170ドル台まで売り込まれた。ポンドドルも1.2100ドルと2023年11月1日安値に迫った。もっとも、先週から下げが続いていたこともあり、ニューヨーク時間にはショートカバーが優勢となっている。
ただしユーロドルやポンドドルの反発は、あくまでも調整の域をでないのではないか。米金利先安観が急速に後退していることが要因の1つ。本日の12月米卸売物価指数(PPI)や明日の消費者物価指数(CPI)でインフレ加速が確認されるとの見方が高まりつつあり、ドルは売りづらくなるのではないか。
一方ユーロ圏では、足もとでインフレは下げ渋っているものの欧州中央銀行(ECB)の利下げペースに大きな変化はないとの見方が今のところ優勢。ECBチーフエコノミストでもあるレーン専務理事が昨日、「ディスインフレは明白」と述べ、「利下げを継続することは理にかなっている」との考えを示した。同理事は本日も講演が予定されている。
ポンドについては、英債券への売り圧力が依然として重しとなるか。英10年債利回りは昨日、上昇幅を縮めたとはいえ、引け水準は4.88%台と終値としては2008年以来の高い水準だ。明日発表される12月英インフレ指標を控え、債券相場が不安定な動きとなれば、ポンドの上値は追いづらいだろう。
なお先週末のニュースになるが、リーブス英財務相が訪中し、英中貿易や投資の拡大などに合意したことが報じられている。保護主義色を強めるトランプ米次期政権への対応とも言えるが、政権誕生後にトランプ氏が難癖をつけてくる可能性は十分あるだろう。
他、欧州当局者の講演は、ホルツマン・オーストリア中銀総裁とブリーデン英中銀(BOE)副総裁が欧州前半に予定されている。
想定レンジ上限
・ユーロドル、9日高値1.0321ドル
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、2022年11月11日安値1.0163ドル
・ポンドドル、昨日安値1.2100ドル
ドル円:1ドル=157.57円(前営業日NY終値比△0.09円)
ユーロ円:1ユーロ=161.44円(△0.12円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0245ドル(横ばい)
日経平均株価:38474.30円(前営業日比▲716.10円)
東証株価指数(TOPIX):2682.58(▲31.54)
債券先物3月物:140.66円(▲0.40円)
新発10年物国債利回り:1.240%(△0.045%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
3兆3525億円の黒字 2兆4569億円の黒字
経常収支(季節調整済)
3兆334億円の黒字 2兆4088億円の黒字
貿易収支
979億円の黒字 1557億円の赤字
12月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 49.9 49.4
先行き判断指数 48.8 49.4
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は乱高下。「トランプ関税についてはまだ検討も承認もされていない」との一部報道が朝方に伝わると一時157.12円まで値を下げた。その後は3連休明けの本邦勢が買いで参入すると下げ渋り、157円台半ばまで持ち直した。氷見野日銀副総裁の神奈川県金融経済懇談会での挨拶の原稿が公表が公表されると瞬間的に157.19円付近まで下げた後に158.02円まで急反発。ただ、158円台での滞空時間も短く、その後は157円台半ばを中心とした動きとなった。
なお、氷見野日銀副総裁は「来週の会合で利上げを行うかどうか政策委員の間で議論し、判断したい」「政策変更のタイミングの判断は難しく、かつ重要だ」と述べた。
・ユーロ円も一進一退。日銀副総裁の原稿公表直後に161.11-161.87円の間で上下に激しく動き、その後は161円台半ばで落ち着きを見せている。
・ユーロドルは伸び悩み。トランプ関税への警戒感後退から朝方に買いが強まり、一時1.0277ドルまで上昇した。ただ、一段と買い上げるだけの材料には乏しく、一巡すると1.02ドル台半ばまで上値を切り下げている。
・日経平均株価は4日続落。米政権がAI向け先端半導体を巡る輸出規制見直し案を発表したことを受けて東京エレクトロンなど半導体関連株が軒並み下落した。日銀の利上げ観測も重しとなり、下げ幅は900円に迫る場面があった。
・債券先物相場は続落。日銀の早期利上げ観測が意識されると債券売りが優勢となった。市場では「氷見野日銀副総裁の講演内容は1月利上げの可能性を残すものだった」との指摘があった。
「2024年のインフレは住宅サービスや非市場サービスといった、帰属価格の上昇が主な要因だった。これらは直接測定されるのではなく推計値であり、すべての財とサービスにおける需給バランスを判断する指標としては信頼性が低いと考えている」(ウォラーFRB理事)
1.米連邦準備理事会(FRB)の「長期目標及び政策方針」:PCE価格指数
2012年1月25日のFOMCの終了後に発表された声明文「長期目標及び政策方針(Longer-run Goals and Policy Strategy)」において、「個人消費支出(PCE)価格指数」に基づく年間2%のインフレ率が、長期的に見て連邦準備理事会(FRB)の責務に最も一致した水準だと判断している、と発表した。
FRBが、価格変動が激しいエネルギーと食品を除いた「コア指数」ではなく「総合指数」としたのは、短期的な物価動向を見るにはコア指数が良いが、長期的には総合指数が適切と判断したものと思われる。また、「消費者物価指数(CPI)」を採用しなかった理由は、上方バイアスが生じる傾向にあるからだとされる。
2. 市場ベースPCE価格指数(Market-Based Gauge)
ハト派のウォラーFRB理事は、1月8日の講演で、代替指標である「市場ベースのインフレ」を注視する意義を説明した。ウォラーFRB理事は、インフレの沈静化が継続すると考えており、今年の追加利下げを支持している。
このインフレ指標は、データ収集のプロセスで直接的に価格を測定できず、代わりに推定値を採用せざるを得ないさまざまなサービスが除外されている。
2024年10月と11月の個人消費支出(PCE)コア価格指数は、前年同月比で2.8%上昇していた。一方、市場ベースの指標は5月から11月まで、前年同月比2.4%の上昇率付近でほぼ変わらない。
さらに、ウォラーFRB理事はトランプ関税による物価上昇圧力に関して、「関税がインフレに顕著な、または持続的な影響を与えることはないと私はみており、その予想通りであれば、適切な金融政策に関する私の見解に影響する可能性は低いだろう」と述べている。
■市場ベースPCEから除外される主なカテゴリー
・ギャンブル
・支払いを伴わない金融サービス
・ポートフォリオ管理および投資助言サービス
・生命保険
・医療ケアおよび入院
・自動車その他輸送保険のネット額
・海外旅行保険
大阪3月限
日経225先物 38500 -750 (-1.91%)
TOPIX先物 2683.0 -37.0 (-1.36%)
日経225先物(3月限)は前日比750円安の3万8500円で取引を終了。寄り付きは3万8800円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8705円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。その後、3万9070円まで下げ幅を縮め、75日移動平均線(3万8930円)を回復する場面もみられた。ただし、自律反発を狙ったロングは続かず、再び75日線を割り込むと下へのバイアスが強まった。
前場終盤にかけて200日線(3万8520円)を割り込み、3万8330円まで下落。ランチタイムで3万8560円と同線を回復する場面もみられたがカバーの動きは限られ、後場の取引開始後ほどなくして一時3万8310円まで下げ幅を広げた。終盤にかけて下げ渋る動きをみせたものの、200日線を下回って終えた。
日経225先物はボリンジャーバンドの-2σ(3万8600円)および200日線を割り込んだことで、売られ過ぎが意識されやすいところであり、自律反発をみせてくる可能性はある。ただし、-2σ水準を早期に回復できないと、戻り待ち狙いのショート優勢の需給が続きそうである。
また、パラボリックが200日線近辺で推移していたSAR値にタッチしたことで、陰転シグナルを発生させた。一目均衡表では雲上限を割り込み、遅行スパンは実線を下回り、下方シグナルを発生させてきた。週後半には雲が3万8800円処でねじれを起こすため、雲を割り込んでくる可能性がある。テクニカルシグナルが軒並み悪化傾向をみせてきており、ショートに振れやすいだろう。
一方で、200日線水準での底堅さから75日線や-1σ水準で推移する3万9000円を回復してくるようだと、調整一巡から短期的にはショートカバーを交えてのリバウンドが意識されてきそうだ。
14日の米国市場では12月の卸売物価指数(PPI)の発表が予定されている。足もとで予想を上回る経済指標の発表が相次いでおり、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースは鈍化するとの見方が根強い。PPIの結果次第では15日発表の12月の消費者物価指数(CPI)待ちのセンチメントになりそうだが、結果判明を前にカバーの動きも入りやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。一時14.41倍をつける場面もみられたが、その後は75日線(14.37倍)、25日線(14.35倍)を下回ってきた。25日線辺りで下げ渋る動きをみせてくるようだと、リバランスからNTロングのポジションを組成する動きも入りそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万9646枚、ソシエテジェネラル証券が2万2614枚、サスケハナ・ホンコンが5070枚、JPモルガン証券が3663枚、バークレイズ証券が3363枚、モルガンMUFG証券が3101枚、SBI証券が2772枚、日産証券が1977枚、野村証券が1718枚、ビーオブエー証券が1613枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万8585枚、ソシエテジェネラル証券が2万3194枚、JPモルガン証券が6743枚、バークレイズ証券が6071枚、モルガンMUFG証券が4499枚、ゴールドマン証券が3154枚、ビーオブエー証券が2238枚、日産証券が1600枚、野村証券が1371枚、みずほ証券が1234枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク債券・株式市場の動向を注視しながら、米12月卸売物価指数(PPI)と財政赤字を見極める展開が予想される。
12月米PPIの予想は前月比+0.3%で11月の同比+0.4%から低下、前年比は+3.4%で、11月の同比+3.0%からの上昇が見込まれている。食品とエネルギーを除くコア指数の予想は前月比+0.3%で11月の同比+0.2%からの上昇、前年比は+3.8%で11月の同比+3.4%からの上昇が見込まれている。
明日発表される米12月の消費者物価指数(CPI)と合わせて、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策を見極めて行くことになる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、今月末のFOMCでは据え置きが確実視されており、今年の利下げは1回(※FF金利誘導目標4.00-25%)と予想されている。
本日は、シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の発言機会があることで、年内1回の利下げを見込んでいる市場予想への見解にも注目しておきたい。
参考までに、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す今月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ確率は61%まで上昇しており、新発10年物国債の利回りも1.25%まで上昇していることで、ドル円の上値を抑える要因となっている。
また、今年1月1日に米国の債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示している。
米国政府が新たな借り入れができずにデフォルト(債務不履行)に陥ることを防ぐには、昨年12月のつなぎ予算案に、トランプ次期米大統領が盛り込もうとした上限の引き上げか効力停止が必要となる。
しかし、共和党の保守強硬派の反対で上限引き上げや効力停止の案は退けられており、20日のトランプ次期米大統領の就任式の後で、債務上限問題が復活することになる。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の赤字(10月・11月)は6242.13億ドルとなり、コロナ禍の時期を上回り、同期間としては過去最高を記録した。
本日発表される12月の財政赤字(予想は800億ドルの赤字)次第では、同期間としては過去最高を記録する可能性があることで、トランプ関税や減税による財政赤字の拡大懸念が高まることになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、158.87円(1/10高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、156.24円(1/6安値)
カタール外務省のアル・アンサリ報道官はガザ停戦交渉について「特別な種類の楽観」を表明した。最大の課題は乗り越えたものの、交渉は未だ終わっていないと強調。細部の問題で全体のプロセスが崩れる可能性があるため、合意に至るまでは慎重な姿勢を維持しているという。
今晩は物価指標に注目。昨日は昨年に大きく上昇したハイテク株から景気敏感株などへの資金シフトが強まり、ダウ平均が358.67ドル高(+0.86%)、S&P500が0.16%高と、ともに反発した一方、ハイテク株主体のナスダック総合は0.38%安と4日続落とした。先週末の強い雇用統計を受けて利下げ期待の後退が続き、米10年債利回りが2023年11月以来の高水準となる4.80%台まで上昇したことも重しとなった。
今晩の取引では先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される12月生産者物価指数(PPI)に注目が集まる。先週末の12月雇用統計を受けて年内の利下げ期待が大きく後退し、CMEのフェドウォッチ・ツールの12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での年内2回(0.50%)の利下げ確率は1週間前の33%から10%に大きく低下した。今晩発表される12月PPIも予想を上回る強い上昇となれば、利下げ期待の一段の後退や米10年債利回りの上昇が引き続き株式相場の重しとなりそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月PPIのほか、12月NFIB中小企業楽観度指数など。主要な企業の決算発表はなし。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
メキシコが「トランプ2.0」を念頭にした新たな経済計画を公表
USMCAの維持を念頭に中国輸入の抑制を目指す方針も、米トランプ次期政権の動きに左右される
メキシコは、米トランプ次期大統領が同国からのすべての輸入品に25%の追加関税を課す方針を示したことを機に「トリプル安」に直面している。トランプ氏の姿勢は同国が中国製品の対米輸出の「裏口」になっているとの認識が影響している。こうしたなか、メキシコ政府は今月から中国の大手電子商取引(EC)企業を念頭にした関税措置に動くとともに、シェインバウム大統領は13日に新たな経済計画を公表した。一連の計画ではUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の維持を念頭にした中国からの輸入抑制に加え、経済安全保障の強化のほか、2030年を念頭に世界トップ10入りを目指すとしている。他方、中銀は先月の定例会合で4会合連続の利下げに動き、景気下支えに向けて一段の利下げを志向する考えをみせる一方、米ドル高圧力がくすぶるなかでペソ安の加速を招く可能性もくすぶる。当面のメキシコ経済は米トランプ次期政権の一挙一動に揺さぶられる展開が続くであろう。
日経平均株価は大幅に4日続落。マドを開ける弱気スタートとなり、下値模索の展開となった。上昇基調にある75日移動平均線(38927円 1/14)や、200日移動平均線(38696円 同)なども下回り、一時は一目均衡表の雲下限(38192円 同)に迫る場面があった。
RSI(9日)は前日の51.9%→42.7%(1/14)へ低下。50%水準を下回り、あすも低下が続きやすいタイミングとなる。12/27高値からの二段下げの下値模索が続いているが、昨年11月後半で下げ渋った心理的節目の38000円前後を意識して下げ止まるかが焦点となる。
上値メドは、75日移動平均線、10日移動平均線(39551円 同)、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などが考えられる。下値メドは、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=158.13円(14日15時時点比△0.56円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.68円(△1.24円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0288ドル(△0.0043ドル)
FTSE100種総合株価指数:8201.54(前営業日比▲22.65)
ドイツ株式指数(DAX):20271.33(△138.48)
10年物英国債利回り:4.889%(△0.004%)
10年物独国債利回り:2.652%(△0.039%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。21時過ぎに一時158.13円まで上げたものの、米労働省が発表した12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともにドル売りが進行。一時157.44円付近まで値を下げた。
ただ、米長期金利が上昇に転じると再び強含む展開に。市場では「トランプ次期米大統領の就任を20日に控える中、同氏が掲げる関税政策などがインフレ再燃を招くとの警戒感は根強い」との声も聞かれた。3時前には一時158.20円と日通し高値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.8069%前後と2023年11月以来の高水準を記録した。
・ユーロドルはじり高。21時過ぎに一時1.0240ドル付近まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.0239ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米PPIの下振れを受けてユーロ買い・ドル売りが強まると、一時1.0304ドルと日通し高値を更新した。もっとも、一目均衡表転換線が位置する1.0308ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
・ユーロ円は堅調。ドル円の底堅い動きやユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると一時162.73円と本日高値を付けた。
・ロンドン株式相場は3日続落。米長期金利の高止まりを受けて投資家心理が悪化する中、指数は小幅に下落した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、ユニリーバやディアジオなど生活必需品株が値下がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われ、相場を下支えした。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反発。「トランプ次期政権は輸入品に対する一律関税の段階的導入を検討」との一部報道が好感されて、欧州株全般に買いが入った。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いも入った。個別ではドイツ銀行(3.35%高)やシーメンス・エナジー(3.27%高)、コメルツ銀行(2.15%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
14日の日経平均は大幅に4日続落。終値は716円安の38474円。東京市場が休場の間、米国では12月雇用統計が強い内容となったことで、長期金利が上昇。10日の米国株は大幅安となった。週明け13日はダウ平均とS&P500は上昇したが、米国の利下げに対する期待が後退する中、3桁下落スタート。米金利の上昇を嫌気して半導体株が軒並み大幅安となった。
39000円近辺でいったん下げ渋ったものの、握力がなくなったかのように崩れ始め、9時台半ば辺りからは売りが売りを呼ぶ展開。序盤では半導体株以外には買いも入り、TOPIXは一時プラス圏に浮上したが、地合いが悪化する中で値下がりに転じる銘柄が増加した。800円超下げて38300円台に入ったところで売り圧力が和らぎ、13時辺りからは値動きが落ち着いたが、戻りは鈍く安値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5500億円。業種別では鉱業、保険、石油・石炭などが上昇した一方、電気機器、機械、ガラス・土石などが下落した。1Qが大幅な増収増益となったエヌ・ピー・シー<6255.T>が買いを集めてストップ高。半面、弱い半導体株の中でも下げが大きかったアドバンテスト<6857.T>が9.2%安となり、1銘柄で日経平均株価を約251円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり262/値下がり1343。IHI、任天堂、東京海上などが逆行高。上方修正と増配を発表した良品計画が4%超上昇した。上期が大幅な増益となったコスモス薬品が急伸。3Q決算が好感されたPRTIMESが2割近い上昇となり、プライムの値上がり率トップとなった。
一方、アドバンテスト以外にも、東京エレクトロン、ディスコ、レーザーテックなど半導体株の多くが大幅安。ソフトバンクGやファーストリテイリングなど指数寄与度の大きい銘柄も弱かった。米長期金利が上昇しても三菱UFJや三井住友など銀行株が軟調。フジクラ、古河電工、サンリオなど、昨年市場からの評価が高まった銘柄に値幅を伴った下げとなるものが多かった。
日経平均は大幅安。半導体株が下げを主導した。2025年に入ってからきょう14日までの6営業日では、決算や月次などの材料があったものを除いては半導体株くらいしか強い動きが見られていない。それだけに、半導体株が簡単に崩れてしまうと資金の振り向け先がなくなってくる。米国の長期金利上昇は国内金融株の買い材料にはならなかったし、リスク回避ムードが強まる中では新興銘柄も手がけづらい。20日の米大統領就任式を通過するまでは、指数の不安定な動きが続きそうだ。
米国では本日、12月の生産者物価指数(PPI)が発表される。あす15日には消費者物価指数(CPI)が発表となるだけに、PPIが強かった場合、CPIに対する警戒も高まる。PPIが弱く米国の長期金利が低下したとしても、それだけではCPIに対する警戒は拭えないであろうから、あすの日本株には腰の入った買いは期待できない。上昇した場合でも、高くなれば戻り売りが出てくるだろう。日経平均のきょうの終値は38474円。安値は38305円で26週線(38351円、14日時点)近辺では切り返しているだけに、38500円近辺で下値が固くなってくるかに注目しておきたい。
14日10:34 氷見野日銀副総裁
「政策運営にあたっては、タイミングの判断が難しくかつ重要」
「経済をマイナスのショックが襲っているような状態や、デフレ的な様々な諸要因が強固に残っている状態では、実質金利がマイナスになるということは必要でもあり、決して不正常でもないが、ショックやデフレ的な諸要因が解消された状態であれば、実質金利がはっきりとマイナスの状態がずっと続く、というのは、普通の姿とはいえないのではないかと思う」
「消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比は、輸入物価急上昇の影響から4%にまで至ったが、その後は徐々に落ち着いてきている」
「来年度・再来年度については2%程度に着地するというのをメインシナリオ」
「今後も政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている」
「国内での注目点の一つは、2025 年度の賃上げの見通し」
「海外での注目点の一つは、米国の新政権の政策と、それが米国経済・世界経済・日本経済に与える影響」
「多くの中央銀行のコミュニケーションでは、『それぞれの決定会合の時点までに手に入ったデータの全体像をよく見て、会合ごとに判断していく』という姿勢が基本線」
「金融政策の今後について考え、予測するうえで役に立つように、基本的な考え方や、経済の現状についての見方について発信することは極めて大切」
「毎回の金融政策決定会合の結論について、事前に市場に完全に織り込んでもらえるようにコミュニケーションをとるべきだ、ということにはならない」
「経済の動向よりも日銀の言いぶりの変化ばかりに市場の注目が集まることになりかねず、それも決して望ましいことではない」
14日14:14
「輸入物価は前月比ではかなり高い伸び、影響をよく見ていく」
「(1月会合の利上げ判断で)特定の項目でチェックリストのようには考えていない」
「(米大統領就任式と利上げ判断で)一対一で結論結びつける考えはない」
「賃上げは注目点だが、経済・物価の全体を評価した上で利上げの判断をしてゆく」
「春闘の動向をどこまで見て判断するかは来週の決定会合で議論」
「見通しに進んでいく確度は徐々に高まっている」
「トランプ演説や消費者物価などをみて議論し、判断する」
「適切なタイミングが来たら遅れずにやることが大切」
「円安による輸入物価の上昇、影響をよく見ていく必要がある」
「賃上げは去年に比べて前向きなものが多い」
「実質賃金のマイナスが続いているのは残念」
14日12:14 赤沢再生相
「政府と日銀は良く連携が取れている」
「金融政策の具体的手法は日銀に任せている」
「景気循環対応型の政策調整を強化する」
「金利と預金準備率(RRR)を活用し、流動性を十分に保つ」
「人民元を合理的な均衡水準で基本的に安定させる」
「経済と市場に基づいて政策調整を最適化する」
14日16:37 中国人民銀行(PBOC)貨幣政策局の鄒瀾局長
「9月以降、経済に対する市場の期待は改善した」
「長期国債の変動性は大きくなる可能性がある」
「国債投資は完全にリスクフリーではない」
「需給不均衡の悪化を避けるため債券購入を停止した」
14日17:29 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁
「2025年半ばまでには金融政策が景気抑制的な領域を脱するだろう」
「ユーロ圏ではディスインフレが順調に侵攻している」
「今後の金融政策の方向性は明確」
14日18:30 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「コアインフレ率の高止まりなどの問題を踏まえると、ECBが過度に急激な利下げを実施することは不可能」
「次回の金利決定はその時点で入手可能なデータに左右される」
15日02:16 シュミッド米カンザスシティー連銀総裁
「金利政策は長期的に必要な水準に近い可能性」
「FRBは二つの責務の達成にかなり近い」
「雇用市場は弱まっているが、依然として健全」
「成長と雇用の見通しについては楽観的」
「インフレ圧力は引き続き緩和すると楽観的」
「新政権の政策の影響には、かなりのタイムラグがあるだろう」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 12月マネーストックM2
<海外>
○12:15 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○16:00 ◇ 12月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ◎ 12月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%/前年比2.6%)
○16:00 ◎ 12月英CPIコア指数(予想:前年比3.4%)
○16:00 ◇ 12月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.7%/前年比3.8%)
○16:45 ◇ 12月仏CPI改定値(予想:前月比0.2%/前年比1.3%)
○17:00 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○17:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○17:35 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○19:00 ◎ 11月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.3%/前年比▲1.9%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◇ 11月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.5%)
○22:30 ◇ 11月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲0.7%)
○22:30 ◎ 1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:3.0)
○22:30 ☆ 12月米CPI(予想:前月比0.3%/前年比2.9%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比3.3%)
○23:20 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○24:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
○16日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○16日01:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○16日01:00 ◎ 12月ロシアCPI(予想:前月比1.6%)
○16日02:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○16日04:00 ◎ 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=157.96円(前営業日比△0.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.83円(△1.51円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0308ドル(△0.0063ドル)
ダウ工業株30種平均:42518.28ドル(△221.16ドル)
ナスダック総合株価指数:19044.39(▲43.71)
10年物米国債利回り:4.79%(△0.01%)
WTI原油先物2月限:1バレル=77.50ドル(▲1.32ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2682.3ドル(△3.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.2% 0.4%
(前年比) 3.3% 3.0%
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比) 0.0% 0.2%
(前年比) 3.5% 3.5%・改
12月米財政収支
867億ドルの赤字 3668億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反発。米労働省が発表した12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行。一時157.44円付近まで値を下げた。
ただ、米長期金利が上昇に転じるとじりじりと下値を切り上げた。市場では「トランプ次期米大統領の就任を20日に控える中、同氏が掲げる関税政策などがインフレ再燃を招くとの警戒感は根強い」との声も聞かれ、3時前には一時158.20円と日通し高値を更新した。
なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.8069%前後と2023年11月以来の高水準を記録した。
・ユーロドルは上昇。21時過ぎに一時1.0240ドル付近まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.0239ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米PPIの下振れを受けてユーロ買い・ドル売りが強まると、一時1.0309ドルと日通し高値を更新した。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するシュミッド米カンザスシティー連銀総裁は「FRBは二つの責務の達成にかなり近い」「成長と雇用の見通しについては楽観的」「インフレ圧力は引き続き緩和すると楽観的」などと述べたが、相場の反応は限られた。
・ユーロ円は6日ぶりに反発。ドル円の底堅い動きやユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると一時162.86円と本日高値を付けた。ダウ平均や日経平均先物の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いも出た。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。12月米PPIが予想を下回り、インフレに対する過度な懸念が和らぐと買いが優勢となった。ただ、米長期金利が上昇したうえ、明日の12月米CPIの発表を前に上値は限られた。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続落。米長期金利の上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。12月米PPIが予想を下回ると買いが先行したものの、明日15日に発表される12月米CPIの内容を確認したいとの雰囲気も強く、買い一巡後は再び売りが優勢となった。利回りは一時4.8069%前後と2023年11月以来の高水準を付ける場面があった。
・原油先物相場は4日ぶりに反落。前日に約5カ月ぶりの高値水準まで上昇したこともあり、利食い売りが優勢となった。15日に12月米CPIの発表を控えていることも相場の重しとなった。
・金先物相場は小反発。ドルが対ユーロで下落し、ドル建ての金は割安感から買いが優勢となった。ただ、米長期金利の上昇傾向が続いており、金利を生まない金に売り圧力も強く上値は限られた。
昨日の海外市場でドル円は、12月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行。一時157.44円付近まで値を下げた。ただ、米長期金利が上昇に転じると158.20円まで強含んだ。ユーロドルは、米PPIの下振れを受けてユーロ買い・ドル売りが強まると、一時1.0309ドルと日通し高値を更新した。
本日の東京時間では、5・10日(ゴトー日)ということもあり、東京仲値の値決めにかけてはドル買いが予想されるものの、本日の米英インフレ指標発表や20日のトランプ氏の大統領就任を控え、値幅を伴う動きを期待するのは難しいか。また、依然として今月末の日銀金融政策決定会合での利上げや、タカ派姿勢を示す可能性があることも円買い圧力になりそうだ。
昨日の氷見野日銀副総裁の発言内容が伝わると、ドル円は荒い値動きをしたが、内容は大きくは円買い・円売りのどちらを促すようなものではなかった。ただ、賃上げに関しては春闘の結果が出るのは、まだ2カ月先になるにも関わらず「去年に比べて前向きなものが多い」と発言するなど、3月まで待たずに利上げに舵を切る可能性があることを匂わせていた。
また、明日発表される12月企業物価指数の中で注目される輸入物価指数について、11月速報値は1.5%の上昇と10月の改定値2.9%より低下していたにも関わらず、「かなり高い伸び」「円安による輸入物価の上昇、影響をよく見ていく必要」と述べていた。輸入物価に関してのこの発言は、すでに副総裁が12月の結果を知っていることを受けて発言したものか、それとも10・11月がプラスだったことで高い伸びとしたのかが気になるところだが、輸入物価上昇や円安の流れを阻止するためにも、早期の利上げの可能性もあり、ドル円の上値を抑える要因にもなるだろう。
昨日発表された米国の12月卸売物価指数(PPI)はヘッドライン、コア指数ともに市場予想よりも下振れた。米長期金利は一時的に低下したものの、その後は上昇に転じ4.8069%前後と2023年11月以来の高水準を記録した。米金利の上昇がドル円の一定の支えにはなるだろうが、本邦長期金利も昨日は13年9カ月ぶりの水準まで上がったことを考えると、金利面では綱引き状態となっていることで、ドル円の上げ幅は限られるだろう。
更に、欧州各国や一部新興国が利下げに動こうとしていることもあり、欧州通貨や新興国通貨に対してのドル買いの流れの方が強い。また、欧州債も売られてはいる(利回りは上昇している)が、米国のようなインフレ低下に歯止めがかかったのではなく、財政不安による債券売りの様相が強いことで、逆に通貨安に動きやすい。その中で、本日はPPIよりも注目度が高い消費者物価指数(CPI)が英国と米国から発表されることで、この結果を見るまでは市場参加者が大きくリスクを持つのが難しく、アジア時間での値動きを抑制することになりそうだ。
くわえて、20日に予定されているトランプ氏の大統領就任を控え、徐々に市場が様々なリスクを持ちにくくなっている。昨日もトランプ氏はSNS(TruthSocial)で就任日に海外歳入庁(External Revenue Service)を創設し、「関税、および海外からもたらされるすべての歳入を徴収する」方針を示した。現状では米債市場ではインフレ再燃による金利が上昇し、その影響で為替市場ではドル買いになっている。しかし、本日の日経新聞で山崎達雄元財務官が、トランプ氏がドル高を懸念していることを改めて述べているように、通商政策に一番力を入れているトランプ氏が就任直後にドル高についてけん制するリスクもあり、債券市場と為替市場の動きが今後は変わる可能性なども念頭に入れておく必要もありそうだ。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38710 +210 (+0.54%)
TOPIX先物 2696.0 +13.0 (+0.48%)
シカゴ日経平均先物 38725 +225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
14日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。2024年12月の米卸売物価指数(PPI)が前月比0.2%上昇と、市場予想(0.4%上昇)を下回り、インフレに対する過度な懸念が和らいだ。米長期金利が低下する場面では、主力株の一角に買い戻しの動きがみられた。ただし、15日には12月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの懸念は根強く、ナスダック指数は5日続落した。
NYダウ構成銘柄ではキャタピラー
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比225円高の3万8725円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比40円高の3万8540円で始まり、直後に3万8710円まで買われた後は軟化し、米国市場の開始直前には3万8470円と下落に転じる場面もみられた。ただし、下値の堅さが意識され、その後は3万8500円~3万8700円辺りでのレンジ推移を継続。終盤にかけて一時3万8820円まで買われる場面もあり、3万8710円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになろう。米PPIが予想を下回ったことで、前日の大幅な下げに対するリバランスの動きが入りそうである。日経225先物はナイトセッションで200日移動平均線(3万8520円)辺りでの底堅さがみられるなか、ショートカバーを誘う形になりそうである。
ボリンジャーバンドの-2σ(3万8550円)も200日線水準に位置しており、3万8500円処では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。一方で、上値は75日線(3万8950円)、-1σ(3万8960円)が抵抗線として意識され、節目の3万9000円接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいと考えられる。ただし、前日の大幅な下落でショートが積み上がっているとみられ、米CPIの結果を控えてポジションをニュートラルに近づける形でのカバーが意識されやすい。
そのため、スキャルピング中心のトレードになるが、下値の堅さがみられる局面では、ロング対応になろう。オプション権利行使価格では若干のイレギュラーを考慮して3万8375円から3万9125円のレンジを想定する。
14日の米VIX指数は18.71(13日は19.19)に低下した。75日線(17.41)を上回っているが、終日20.00を下回っての推移だったこともあり、ややリスク選好に向かわせショートカバーを誘う形になりやすいだろう。
前日のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。一時14.41倍をつける場面もみられたが、その後は75日線(14.37倍)、25日線(14.35倍)を下回ってきた。エヌビディアなど米ハイテク株の弱い値動きから本日も低下しやすいだろうが、25日線辺りで下げ渋る動きをみせてくると、リバランスの流れからNTロングのポジションを組成する動きも入りそうだ。
聯合ニュースによると「韓国捜査当局が尹大統領を拘束した」と報じている。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円高の3万8620円(+0.31%)前後で推移。寄り付きは3万8760円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8725円)を上回る形から、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万8810円を高値に軟化し、中盤にかけて一時3万8410円と下落に転じる場面もみられた。ただし、売り一巡後は終盤にかけて持ち直し、プラス圏を回復。200日移動平均線(3万8520円)、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8530円)を上回って推移している。
日経225先物は買い一巡後にショートの動きが強まり、一時3万8410円まで売られ、ナイトセッションでつけた安値(3万8470円)を割り込んだものの、その後はプラス圏を回復した。指数インパクトの大きいところではアドバンテスト <6857.T> [東証P]が弱い値動きだが、一方で、ファナック <6954.T> [東証P]、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が買われ、日経平均型を牽引する形となった。
NT倍率は先物中心限月で14.30倍に低下した。14.36倍で始まり、一時14.27倍をつける場面もみられた。東証プライムの騰落銘柄は値上がり数が6割を占めているほか、セクターでは医薬品、建設、石油石炭、ガラス土石を除く29業種が上昇しており、相対的にTOPIX型優位の状況である。
昨日のドル円は、狭いレンジ内での取引となりました。東京時間に氷見野日銀副総裁の挨拶原稿を巡って乱高下した後、欧州時間に入ってからはもみ合いが続くなか157.30円まで下押す場面もみられましたが、米長期金利が上昇するにつれて158.13円まで買い戻されました。NY時間に入ってからは、12月米PPIが予想を下回る弱い数字となると米金利の低下とともに157.44円まで下押ししたものの、米10年債利回りが一転して4.8069%まで再び上昇すると158.20円まで戻り高値を更新。引けにかけては157.87円まで下押ししてNY市場を終えています。
そして、本日のアジア時間は、今夜の米CPIを控えて「ほとんど何もやっていない」相場となっているわけで、見えているものと言えば「本邦実需の買いが出ている程度」となっているといったところです。
いずれにしても、ドル円は一目転換線の位置する157.56円やNY時間安値の157.44円付近を意識した動き。米長期金利や日経平均の動向を睨みつつポジション調整中心の展開となっていますが、来週正式に誕生するトランプ米政権の方向性を確認しないことには、「なかなか手が出せない」状況となりつつあるともいえ、神経質な動きが続いていくのかもしれません。
本日のロンドン為替市場は、序盤に発表される12月英インフレ指標にまず注目。消費者物価指数(CPI)は前年比総合が前回から横ばいの2.6%予想、コアが3.4%と前回から0.1ポイントの減速が見込まれている。また、英中銀が金融政策を決定するうえで重要視しているサービス価格のインフレ率は前回の前年比5.0%上昇から下振れ予想だ。
次回の英中銀金融政策委員会(MPC)の結果公表は2月6日であり、今回のCPIは政策決定に向けた重要なデータだ。英長期金利の急騰も影響され、足もとの短期金融市場では英MPCの利下げペース鈍化を見込み始めた。今のところ、年前半の4会合で0.25%利下げ1回を織り込でいるものの、夏から年末までの4会合については利下げ見通しがそれほど高まっていない。
英長期債への売り圧力は昨日も強まったままであり、同10年債利回りは4.89%近くと再び2008年以来の高い水準で終えた。長期債市場が不安定なままでは、英中銀が金融政策で取り得る選択肢も狭まってしまうだろう。ここ最近の動きを見ると、英金利の上昇はポンド買いに繋がるどころか、英債価格の更なる下落を連想させてポンドの重しとなっている。もし12月英CPIの上振れとなった場合でもポンドの上昇は限定的かもしれない。
ユーロは対ポンドの動きに対ドルもしばらくつれる形か。ユーロポンドは昨日、0.8420ポンド台に位置していた200日移動平均線を上抜けて、約4カ月ぶりの高値0.8451ポンドまで上げ幅を広げた。買い一巡後も同線の上では推移している。本日0.8427ポンド付近に位置する200日線で下値固めができるか注目したい。
なおユーロ圏からは本日、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁などが講演予定。基本的にはディスインフレや現状の利下げスタンスの確認に留まりそうだ。
想定レンジ上限
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0359ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、13日安値1.2100ドル
・ユーロドル、昨日安値1.0239ドル
ドル円:1ドル=157.31円(前営業日NY終値比▲0.65円)
ユーロ円:1ユーロ=161.92円(▲0.91円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0293ドル(▲0.0015ドル)
日経平均株価:38444.58円(前営業日比▲29.72円)
東証株価指数(TOPIX):2690.81(△8.23)
債券先物3月物:140.59円(▲0.07円)
新発10年物国債利回り:1.250%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月マネーストックM2
前年同月比 1.3% 1.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。しばらくは158円を挟んだもみ合いが続いていたが、午後に入って植田日銀総裁が「来週の会合で利上げなど行うか判断する」と発言すると早期利上げ観測から本邦長期金利の上昇とともに円買いが活発化。一時157.20円まで売り込まれた。
・ユーロ円は軟調。上昇して始まった日経平均株価が下落に転じたことで162円台後半から半ばへじり安の展開となっていたところに日銀総裁の発言が伝わると売りが優勢に。一時161.89円まで下げ足を速めた。
・ユーロドルは小安い。昨日の海外市場で上昇した反動が出たほか、ユーロ円の下げにつれた面もあり1.0292ドルまで下押しした。
・日経平均株価は5日続落。前日までの下落に対する自律反発的な買いが先行し、指数は300円超上昇した。ただ、日銀の早期利上げ観測が高まったほか、米国による対中半導体規制強化に対する警戒感から一転して売りが強まった。
・債券先物相場は3日続落。夜間取引で小幅高となった流れを引き継ぎ買いが先行すると一時140.79円まで上昇した。ただ、植田日銀総裁の発言を受けて来週会合での利上げ観測が高まり、一転して債券売りが活発化した。
「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである」(アラン『幸福論』)
1.バーナンキ第14代FRB議長の楽観と悲観
2008年1月、バーナンキ第14代FRB議長は、「FRBは、現在、米国経済がリセッションに陥るとは想定していない」との楽観的な見解を示した。
しかし、米国経済は2007年12月にリセッションに陥っており、2008年9月にはリーマンショック(グローバル金融危機GFC:Global Financial Crisis)に襲われた。
2008年12月、バーナンキFRB議長は、「我々は当初、サブプライム危機が収まると言っていたが、それは間違いだった。住宅問題と金融システム全般の因果関係は、非常に複雑で予測が難しい」と述べた。
2018年9月13日、バーナンキFRB議長は、10年前の2008年の金融危機に際して、事前のミスとして、大きな破壊力を持った危機の到来を予測できなかったこと、事後のミスとして、それがどれほど大きな経済的ダメージをもたらすか過小評価していたことを認めた。
2. バーナンキ第14代FRB議長の楽観
2025年1月、バーナンキ第14代FRB議長は、「財政面でのメリットが何であれ、トランプ氏の政策はインフレ率への影響という点ではおそらく控えめなものになる」と述べ、トランプノミクス2.0の関税拡大や減税、移民抑制といった政策が、懸念されているほどインフレを招かないのではないか、という楽観的な見解を示した。信じていいのだろうか。
■トランプ減税(「減税・雇用法」※2025年末に失効、残業代や社会保障給付に対する免税)
バーナンキ氏は、期限切れとなる減税措置の大部分は維持されると予想されていたと指摘している。さらに政府債務が増大している中で、追加減税を実施する議会の意欲は限られる可能性がある、とも述べた。
■トランプ関税(対中関税60%、それ以外の全輸入品に対する一律10%関税)
バーナンキ氏は「大統領が交渉目的で一時的に導入するだけなのか、恒久的に維持するのか分からないため、予測は非常に難しい。政治的リスクなど極めて異例な状況がない限り、インフレの軌道を劇的に変えるとは思えない」
■移民抑制(「合法・不法を問わない移民流入の抑制」)
※接客業や建設業における人手不足の深刻化を招くとの見方
バーナンキ氏は「賃金を押し上げる可能性がある一方で、製品やサービスを購入する人が減り、物価上昇圧力の緩和につながる可能性もある」との見方を示した。
大和証券のデイリーマーケットリポートでは、IMFが1月17日に発表する世界経済見通しに注目している。昨年末に事業規模39兆円の補正予算が成立したこと、IMFには経済官僚が出向していることなどから、日本の成長率見通しは引き上げとなる可能性
が高いとみている。IMFが日本の見通しを変更すると、それに沿って2カ月間程度海外投資家がポジションを変更する傾向が強いとのこと。見通し引き上げとなれば、来週から3月一杯まで外国人買いが開始されることが期待できると大和では考えている。
大阪3月限
日経225先物 38390 -110 (-0.28%)
TOPIX先物 2690.5 +7.5 (+0.27%)
日経225先物(3月限)は前日比110円安の3万8390円で取引を終了。寄り付きは3万8760円とシカゴ日経平均先物清算値(3万8725円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き直後につけた3万8810円を高値に軟化し、前場中盤にかけて3万8410円と下落に転じる場面もみられた。売り一巡後は前場終盤にかけて持ち直し、プラス圏を回復。その後は200日移動平均線(3万8520円)、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8530円)を上回って推移した。ただし、後場中盤辺りに同水準を下抜けると一時3万8320円まで売られる場面もあった。
指数インパクトの大きいところではアドバンテスト <6857.T> [東証P]が終日軟調な値動きだったほか、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が後場に入り下げに転じたことが重荷になった。一方で、ファーストリテイリング <9983.T> [東証P]、ファナック <6954.T> [東証P]が買われ、日経平均型を下支えした。
米国は台湾積体電路製造(TSMC)
日経225先物は結局のところ、買い一巡後は200日線と-2σに上値を抑えられる形だった。特にボリンジャーバンドのバンドが拡大しており、下向きで推移する-2σに沿った調整から3万8000円割れを狙ったショートの動きが強まりやすい。米国では2024年12月の消費者物価指数(CPI)の発表が控えており、前日の12月の卸売物価指数(PPI)同様、過度なインフレリスクを和らげる内容となれば安心感につながるだろうが、戻り待ち狙いのショートを警戒しておきたい。
週間形状では52週線(3万8370円)および26週線(38260円)辺りで推移している。リバウンドに入りやすいタイミングである半面、週末の終値で両線を割り込んでくると、下へのバイアスが強まりやすくなりそうだ。週足の-1σ(3万8200円)を下回ってくる局面では、-2σ(3万7500円)を射程に入れたショートが強まろう。
NT倍率は先物中心限月で14.26倍に低下した。14.36倍で始まったが、その後25日線(14.35倍)を割り込み、下へのバイアスが強まる形だった。200日線(14.24倍)水準が支持線として意識されているが、同水準を明確に割り込んでくると、NTショートによるスプレッド狙いの動きが強まりそうである。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万8683枚、ソシエテジェネラル証券が1万4326枚、サスケハナ・ホンコンが2535枚、ゴールドマン証券が2475枚、バークレイズ証券が2404枚、JPモルガン証券が1834枚、モルガンMUFG証券が1651枚、野村証券が1626枚、日産証券が1436枚、楽天証券が1092枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8861枚、ソシエテジェネラル証券が1万5578枚、バークレイズ証券が4560枚、JPモルガン証券が3857枚、モルガンMUFG証券が2814枚、ゴールドマン証券が2486枚、ビーオブエー証券が1238枚、日産証券が1105枚、みずほ証券が843枚、シティグループ証券が841枚だった。
NYタイムは、注目の12月米消費者物価指数(CPI)を受けた神経質な振れが想定される。市場ではヘッドラインの数値について、前月比+0.3%(前回11月+0.3%)、前年比+2.9%(同+2.7%)、インフレ指標として米連邦準備理事会(FRB)が注視するコア指数が前月比+0.2%(同+0.3%)、前年比+3.3%(同+3.3%)と、前回比で横ばいや強弱が交錯した見方の難しい状態。まずは予想比での強弱に反応しやすいとみる。
昨日の海外市場でドル円は、予想を下回った12月米卸売物価指数(PPI)をにらんだ米長期金利低下を受け、円買い・ドル売りが先行した。一時157.44円前後へ下押し。ただ、米長期金利が上昇に転じたことでドル円も持ち直した。
本日はPPI以上に注目される消費者物価指数(CPI)の発表とあって、反応はより明確になると思うが、ドル円は本日東京タイム午後から強まった下落を踏まえると、強い結果を受けた巻き戻しの反発が強まる可能性も視野に入れて臨みたい。
ただ、弱い結果を受けて下値を探る展開となった際に、6日安値156.24円や、12月31日安値156.02円といった、ここ最近下げ渋ったポイント付近の動意には注意したい。下抜けてテクニカル要因を背景とした売りが加速するリスクがある。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、157.83円前後で戻りを抑えそうな5日移動平均線付近。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、12月31日安値156.02円。※下抜けた際の下落加速には注意。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国当局が旗を振る内需喚起策は持続的なものとなるか?
資産デフレが債務拡大余地を狭めるリスク、人民元安懸念が政策の手足を縛る可能性にも要留意
中国経済においては、不動産不況に若年層を中心とする雇用回復の遅れが内需の重石になるとともに、景気の足かせとなってきた。こうしたなか、当局は内需喚起への取り組みを強化させており、耐久消費財の買い替え促進や大規模設備更新を追い風に企業マインドも改善する動きがみられる。しかし、企業マインドは改善するも雇用調整圧力がくすぶるなかで根強いディスインフレ圧力がくすぶる展開が続く。当局は今後も内需喚起の動きを強化する姿勢をみせるが、不動産市況の底がみえないなど資産デフレ圧力がくすぶるなかで家計債務の拡大余地が狭められる懸念はくすぶる。さらに、企業債務はすでに底入れするなかで政策支援を追い風に上振れすれば過剰債務の懸念が再燃するリスクもある。金融市場では当局が一段の金融緩和に動くとの観測がある一方、米中金利差拡大を理由に人民元安が進んでいる。人民元安が習近平指導部の思惑に反する懸念もあり、内需喚起策の持続力には不透明感がくすぶるのが実情であろう。
今晩は12月消費者物価指数(CPI)と大手銀の決算発表に注目。昨日は12月生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことが好感され、ダウ平均が221.16ドル高(+0.52%)、S&P500が0.11%高とともに2日続伸した。ただ、メタやエヌビディアなどハイテク株の一角に利益確定売りが続き、ナスダック総合は0.23%安と5日続落した。利下げを巡ってはCMEのフェドウォッチ・ツールの1月米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置き確率は97%と引き続き据え置きが確実視され、3月FOMCでの据え置き確率も前日からほぼ変わらずの80%となった。
今晩の取引では先行きの利下げ見通しを巡り、寄り前に発表される12月消費者物価指数(CPI)に注目が集まるほか、発表がスタートする大手金融機関の第4四半期決算が焦点となりそうだ。12月CPIは前月比+0.3%と11月から横ばいが見込まれ、前年比では+2.9%と11月の+2.7%から上昇が予想されている。変動の大きい食品、エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.2%と11月の+0.3%から鈍化が見込まれ、前年比では+3.3%と横ばいが予想されている。CPIが予想以上の上昇となれば、利下げ期待の一段の後退が相場の重しとなりそうだ。決算発表では寄り前に発表されるJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックスなどの決算発表やガイダンスに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは12月CPIのほか、MBA住宅ローン申請指数、1月NY連銀製造業業況指数など。決算発表は寄り前にJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・ニューヨークメロン、ブラックロックなどが発表予定。
SMBC日興証券では、2025年1月の日銀金融政策決定会合について考察している。1月の追加利上げは可能ではあるものの、ビハインド・ザ・カーブ(中央銀行の対応の遅れ)に陥るリスクが限られる環境下、内外の政策動向と国内の賃金動向に関して追加的な情報を得られる3月会合まで日銀は判断を保留するとSMBC日興では見込んでいる。1月会合における追加利上げの可能性を40%、次の3月会合における追加利上げの可能性を60%と想定している。
日経平均株価は5日続落。買い優勢のスタートとなったが、200日移動平均線(38684円 1/15)や一目均衡表の雲上限(38728円 同)に上値を抑えられ失速する格好となった。前日の陰線の下方水準に並ぶ陰線を形成し、100日移動平均線(38564円 同)を上回れずに取引を終えた。
RSI(9日)は前日の42.7%→36.3%(1/15)へ低下。あすも低下が続きやすいが、一目均衡表では雲のネジレが発生するタイミングでもあり急反転がみられるかどうか。12/27高値からの二段下げの下値模索が続く中、きょうはマドを開けた状態で連続陰線を形成しており、強い下振れにも警戒したい。昨年11月後半で下げ渋った心理的節目の38000円前後を意識して下げ止まるかが焦点となる。
一目均衡表では遅行スパンが当時の株価水準を下回る逆転の弱気局面入りを示唆。リバウンド局面でも下向きに変化している10日移動平均線(39482円 同)や25日移動平均線(39331円 同)などに上値を抑えられる局面が続く公算が大きい。
上値メドは、200日移動平均線や75日移動平均線(38937円 同)、25日移動平均線、10日移動平均線(39482円 同)、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)などが考えられる。下値メドは、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=156.54円(15日15時時点比▲0.77円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.02円(▲0.90円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0286ドル(▲0.0007ドル)
FTSE100種総合株価指数:8301.13(前営業日比△99.59)
ドイツ株式指数(DAX):20574.68(△303.35)
10年物英国債利回り:4.731%(▲0.158%)
10年物独国債利回り:2.560%(▲0.092%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月独卸売物価指数(WPI)
(前月比) 0.1% 0.0%
12月英消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.3% 0.1%
(前年比) 2.5% 2.6%
CPIコア指数
(前年比) 3.2% 3.5%
12月英小売物価指数(RPI)
(前月比) 0.3% 0.1%
(前年比) 3.5% 3.6%
12月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.2% 0.2%
(前年同月比) 1.3% 1.3%
11月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) 0.2% 0.2%・改
(前年比) ▲1.9% ▲1.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは上値が重かった。米重要指標の発表を控えてしばらくは1.0300ドルを挟んだ狭いレンジでのもみ合いが続いていた。ただ、NYの取引時間帯に入り、12月米消費者物価指数(CPI)が前年比2.9%上昇と市場予想通りの結果となり、エネルギーと食品を除くコア指数が前年比3.2%上昇と予想の3.3%上昇を下回ったことが分かると米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化。22時30分過ぎに一時1.0354ドルと日通し高値を更新した。
ただ、一目均衡表基準線が位置する1.0359ドルがレジスタンスとして働くと失速した。対欧州通貨中心にドル買い戻しが進んだ流れに沿って一時1.0260ドルと日通し安値を更新した。
・ドル円は下げ渋り。米労働省が発表した12月米CPIが概ね市場予想通りの結果となったほか、1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ると米長期金利が大幅に低下。全般ドル売りが優勢となり、23時30分前に一時155.95円と昨年12月19日以来の安値を付けた。
市場では「米インフレ再加速への懸念がいったん後退した」との受け止めから、米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.63%台まで急低下した。
ただ、売りが一巡するとじりじりと下値を切り上げた。対欧州通貨中心にドルの買い戻しが進んだ流れに沿って、1時30分過ぎには156.74円付近まで持ち直した。
・ポンド円は軟調だった。12月英CPIが前月比0.3%/前年比2.5%と予想の前月比0.4%/前年比2.6%を下回ったうえ、コア指数が前年比3.2%と予想の3.4%を下回ると、英長期金利の大幅低下とともにポンド売りが広がった。1時30分過ぎには一時191.10円と日通し安値を付けた。ポンドドルも一時1.2163ドルまで売られる場面があった。
なお、テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員は「生産のさらなる弱体化と急速なディスインフレのリスクを認識」「リスクバランスの変化に対する保険の必要性」「リスクは下振れ方向に偏っている」「予防的に金利を引き下げることは理にかなっている」と述べたほか、フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は「英中銀当局者は今後1年で5-6回の利下げが必要になると警告している」と報じた。
・ユーロ円は下落。ドル円の下落につれたほか、ユーロドルの失速に伴う売りが出て一時160.80円と日通し安値を更新した。
・ロンドン株式相場は4日ぶりに反発。12月英CPIが予想を下回ると、英中銀(BOE)が利下げに動きやすくなるとの思惑から英長期金利が低下。投資家心理が改善し、株買いが優勢となった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、バークレイズやロイズ・バンキング・グループなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。英国や米国の長期金利が低下すると独長期金利も低下し、投資家心理が改善。株を買う動きが広がった。個別ではバイエル(5.75%高)やボノビア(4.43%高)、ブレンターク(4.39%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。英CPIの下振れを受けて英国債が買われた。
15日の日経平均は5日続落。終値は29円安の38444円。14日の米国では、弱めの米12月生産者物価指数が米国のインフレに対する警戒を和らげ、ダウ平均とS&P500が上昇。これを好感して、200円超上昇して始まった。
開始直後には上げ幅を300円超に拡大。しかし、ナスダック安を嫌気してアドバンテスト<6857.T>やレーザーテック<6920.T>など半導体株が弱く、失速してマイナス転換。いったん切り返して前場は3桁の上昇で終えたものの、後場に入ると売り直された。アドバンテストの下値模索が続いたことや、ドル円が円高に振れたことなどが警戒材料となった。円高に関しては植田日銀総裁の発言から早期の追加利上げが意識されたとの見方があった。ただ、3桁下落となったところでは下げ渋り、大引けにかけては値を戻した。プライムでは値上がり銘柄の方が多く、TOPIXはプラスで終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆8700億円。業種別では銀行、その他製品、水産・農林などが上昇した一方、医薬品、卸売、建設などが下落した。上方修正や増配を発表した古野電気<6814.T>が急騰。半面、ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884.T>は通期の利益見通し引き上げが好感されず、15.6%安と大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり864/値下がり705。売買代金上位ではIHIや任天堂が大幅上昇。証券会社のリポートを手がかりに、ファナックやキーエンスなどFA関連に強い動きが見られた。日銀の早期利上げ期待から、三菱UFJや三井住友など銀行株が全般堅調。SHIFTが商いを伴って急騰したほか、ベイカレントがストップ高となるなど、決算が好感された銘柄に買いが殺到した。
一方、アドバンテストやレーザーテックなど半導体株の一角が大幅安。レーザーテックは昨年来安値を更新した。フジクラや三菱重工が軟調。決算を材料にディップ、タマホーム、エスプールなどが急落した。着地が計画を下振れたマネーフォワードがストップ安。下方修正と減配を発表したロゴスHDや、公募・売り出しを発表したSpeeeは、場中に値が付かすストップ安比例配分となった。
日経平均は5日続落。3桁上昇スタートからマイナス圏に沈んでおり、印象の悪い下げとなった。序盤では全面高となる場面もあったが、きのうに続いて半導体株が弱く、全体のセンチメントが悪化した。
午後に円高が進んだことも日本株には逆風となった。市場ではきのうの氷見野日銀副総裁の講演やきょうの植田日銀総裁の発言を受けて、1月会合で利上げがあるかもしれないとの見方が強まりつつある。1月の日銀会合は23日~24日で、米国の大統領就任式(20日)の直後かつ、FOMC(28日~29日)より前に開催される。このタイミングで利上げを実施すると市場が混乱しそうだが、可能性はゼロではないどころか結構ある。そうなると日銀会合を通過するまでは、金融株以外には手を出しづらくなる。
本日の米国では12月の消費者物価指数(CPI)や金融株の決算が注目される。前日の生産者物価指数(PPI)はインフレに対する過度な警戒を和らげる材料となったが、CPIはどうか。ただ、CPIが弱めであったとしても、今のFRBは雇用のデータを重視しているだけに、1月に利下げを行うとの期待はそれほど高まらないかもしれない。日銀が利上げをしそう、FRBは利下げを見送りそうとなると、余計に日本株は買いづらくなる。日経平均に関しては、ここからもう一段下げるかどうかはともかく、来週までは不安定な値動きが続くとみておいた方が良い。
(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.47円(前営業日比▲1.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.99円(▲1.84円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0289ドル(▲0.0019ドル)
ダウ工業株30種平均:43221.55ドル(△703.27ドル)
ナスダック総合株価指数:19511.23(△466.84)
10年物米国債利回り:4.65%(▲0.14%)
WTI原油先物2月限:1バレル=80.04ドル(△2.54ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2717.8ドル(△35.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。米労働省が発表した12月米消費者物価指数(CPI)は前年比2.9%上昇と市場予想通りの結果となったものの、エネルギーと食品を除くコア指数は前年比3.2%上昇と予想の3.3%上昇を下回った。市場では「米インフレ再加速への懸念がいったん後退した」との受け止めから、米長期金利が大幅に低下。全般ドル売りが優勢となり、一時155.95円と昨年12月19日以来の安値を付けた。
米長期金利の指標となる米10年債利回りは指標発表前の4.76%台から4.63%台まで急低下した。
ただ、売りが一巡すると下げ渋った。対欧州通貨中心にドルの買い戻しが進んだ流れに沿って、1時30分過ぎには156.74円付近まで下値を切り上げた。
なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「米経済活動は全ての地区で小幅から緩やかなペースで拡大した」と総括。「2025年の見通しについては楽観的な見方が悲観的な見方を上回ったものの、一部の地区は移民や関税政策の変更が経済に悪影響を及ぼす可能性があると懸念を示した」と指摘した。
・ユーロドルは小反落。米CPIコア指数が予想を下回ったほか、1月米NY連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ると米長期金利が急低下。全般ドル売りが活発化し、22時30分過ぎに一時1.0354ドルと日通し高値を更新した。
ただ、一目均衡表基準線が位置する1.0359ドルがレジスタンスとして働くと失速した。対欧州通貨中心にドル買い戻しが進んだ流れに沿って一時1.0260ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は反落。ドル円の下落につれたあとは、ユーロドルの失速に伴う売りが出て一時160.80円と日通し安値を更新した。
植田和男日銀総裁は本日アジア時間に「来週の金融政策決定会合で利上げを行うかどうかについて議論し、判断する」などと発言。日銀による追加利上げ観測の高まりを背景に円買いが入りやすい面もあったようだ。
ポンド円は一時191.10円、NZドル円は87.77円、カナダドル円は108.91円、スイスフラン円は171.35円、メキシコペソ円は7.62円まで値を下げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。12月米CPIでエネルギーと食品を除くコア指数が予想を下回ると、インフレに対する過度な懸念が緩和し株買いが広がった。「イスラエルとハマスが停戦合意」との報道で、中東の地政学リスクへの警戒感が後退したことも投資家心理の改善につながった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は6日ぶりに反発。米長期金利の大幅低下で高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが集まった。
・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに大幅反発。12月米CPIでエネルギーと食品を除くコア指数が予想を下回ると、インフレ再加速への懸念が後退し買いが広がった。
・原油先物相場は反発。注目の12月米CPIは前年比+2.9%と予想通りの結果となるも、同コアはやや市場予想を下回る+3.2%となり、ドル売り・米長期金利の低下で反応し、ドル建ての原油は買いが優勢となった。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油在庫統計で、原油在庫は予想以上の取り崩しとなった一方で、ガソリンとディスティレート(留出油)在庫は予想を上回る積み増しと強弱まちまちの結果となり、一時売り買いが交錯する場面が見られた。
・金先物相場は続伸。12月米CPIのコアが前年比で予想を下回ったことを受けて米長期金利が急低下し、金利を生まない金は買いが優勢となった。
一部通信社が報じたところによると、「イスラエルとハマスが停戦で合意した」ようだ。
一部報道が関係者筋の話として伝えたところによると、カナダは米製品に対する1500億カナダドルの関税を発動する準備があるという。
15日12:25 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「金融緩和の効果が表れるまでにはしばらく時間がかかる」
「基本的にまだ景気回復モードにある」
15日13:25 植田日銀総裁
「金融政策、経済・物価の情勢の改善が続けば政策金利を引き上げ緩和度合いを調整」
「来週の会合で利上げなど行うか判断」
15日14:54 加藤財務相
「金融政策そのものは日銀が判断」
「緊密な連携踏まえ、デフレ脱却に向け適切な金融政策運営を期待」
「今後の会合でどう議論されるかは注視」
「足元の為替は急激な動きがみられる」
「(為替について)行き過ぎた動きには適切に対応」
15日17:27 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「ディスインフレーションのプロセスは順調に進んでいる」
「経済成長に対するリスクは依然として下振れ方向」
「今後のデータが我々のベースラインシナリオを裏付ける場合、さらなる利下げが予想される」
「高い不確実性のため、金利設定には慎重さが求められる」
「引き締めの緩和を継続すると予想」
「国内のインフレは低下しているが、依然として高水準」
「最新のデータは経済が勢いを失っていることを示唆」
15日17:56 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「利下げは経済の資金調達を後押し」
「金利が夏までに2%に達するのは理にかなっている」
「我々はインフレとの戦いにほぼ勝利した」
「不確実性が非常に高い環境下では金融政策はデータに左右される」
「政府の政策見通しが不確実性の主な要因」
「金融政策は経済見通しに対して適切な位置にある」
「需給バランスの改善により利下げが可能になった」
「バランスシートの縮小は順調に進んでいる」
「今年の成長率は2%に落ち着くと予想」
「失業率は4%~4.25%で推移すると予想」
「インフレ期待は安定している」
「FRBは入手したデータを分析するのに時間をかけることが可能」
「米国経済は再び底堅さを示している」
16日01:26 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「インフレ率は目標の2%に向かって低下している」
「物価上昇圧力は引き続き緩和」
「雇用市場は安定しているようだ」
16日01:37 テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「生産のさらなる弱体化と急速なディスインフレのリスクを認識」
「リスクバランスの変化に対する保険の必要性」
「リスクは下振れ方向に偏っている」
「予防的に金利を引き下げることは理にかなっている」
「金利を正常に戻す時期」
「政策金利は依然として中立水準をはるかに上回っている」
16日02:52 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「インフレは引き続き進展すると見ている」
「多くの不確実性が残っている」
「2025年はソフトランディングできると楽観的」
16日04:05 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「米経済活動は全ての地区で僅かから緩やかに拡大した」
「エネルギー活動はまちまち」
「2025年の見通しについては楽観的な見方が悲観的な見方を上回った」
「ただ、いくつかの地区は移民政策や関税政策の変更が経済に悪影響を及ぼす可能性があると懸念を示した」
「雇用は全体的に上昇し、6地区がわずかな増加を報告し、6地区が横ばいと報告」
「ほとんどの地区で賃金の伸びは緩やかなペースで加速したものの、賃金圧力が緩和したとの報告もあった」
「物価は全体として緩やかに上昇し、伸び率は横ばいから緩やかな範囲だった」
「物価は2025年も上昇し続けると予想しており、関税の引き上げが価格上昇に寄与する可能性があることを指摘する地区もあった」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 12月企業物価指数(予想:前月比0.4%/前年比3.8%)
<海外>
○09:01 ◇ 12月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格(予想:27)
○09:30 ◎ 12月豪雇用統計(予想:失業率4.0%/新規雇用者数1.50万人)
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:2.75%に引き下げ)
○16:00 ◎ 12月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.4%/前年比2.6%)
○16:00 ☆ 11月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○16:00 ◎ 11月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.1%/前年比▲1.0%)
○16:00 ◎ 11月英製造業生産高(予想:前月比横ばい)
○16:00 ◇ 11月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:179.00億ポンドの赤字/36.00億ポンドの赤字)
○19:00 ◇ 11月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前85億ユーロの黒字/季節調整済115億ユーロの黒字)
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○21:30 ☆ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)
○22:15 ◇ 12月カナダ住宅着工件数(予想:24.50万件)
○22:30 ☆ 12月米小売売上高(予想:前月比0.6%/自動車を除く前月比0.4%)
○22:30 ◇ 12月米輸入物価指数(予想:前月比0.1%)
○22:30 ◎ 1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲5.0)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.0万件/187.1万人)
○24:00 ◇ 11月米企業在庫(予想:前月比0.1%)
○24:00 ◎ 1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:45)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
昨日の海外市場でドル円は、12月の米消費者物価指数(CPI)コア指数が市場予想を下回ると、一時155.95円と昨年12月19日以来の安値を付けた。米10年債利回りは指標発表前の4.76%台から4.63%台まで急低下した。ユーロドルは米CPI発表後1.0354ドルまで買われたが、その後1.0260ドルまで弱含んだ。
本日の東京時間でドル円は上値が重いか。ここ最近の市場の動きをみると、米金利が上昇する局面では欧州やオセアニア通貨に対してドル買いは進むものの、円に対してのドル買いの反応は鈍かった。むしろ、米金利上昇による株売りに反応し、ドル円は上値が重くなった。逆に昨日は米金利の低下で、ドル円は下げ幅を広げたものの、米株の上昇にもかかわらずクロス円を含め上値が重くなった。米金利の動向に欧州通貨等は連れるものの円の反応が鈍く、トレンドとして円買い意欲が強いということが現時点では明確だ。
円買い意欲が強いのは、来週に予定されている日銀金融政策決定会合での利上げ観測が高まっていることが主要因。12月の日銀会合後に発表された本邦の経済指標は、会合翌日の20日に発表された11月全国CPIコアが前年比で予想を僅かに上回り2.7%(予想2.6%)となったが、27日発表の12月東京都区部CPIは前年比で予想より下回り2.4%(予想2.5%)だった。今月9日発表の11月賃金指数は4カ月連続でマイナスになるなど、インフレの高進が確認されたわけではない。
しかしながら、大企業を中心に賃上げを示唆する声が高まっていることで、12月の政策決定会合時ではハト派と捉えられる発言をしていた植田日銀総裁は、昨日は「金融政策、経済・物価の情勢の改善が続けば政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整」とタカ派と捉える見解を示した。このことで、早ければ来週利上げの可能性の思惑が高まっている。
米国が利下げ停止に傾いていることで、対ドルでの円買いは限られているが、欧州通貨はディスインフレや財政不安などもあり買えず、新興国通貨もインフレ抑制や株安もあり買うことができない状況で、消去法的にも円は買われやすく、クロス円の売りも重しにドル円は軟調な動きになりそうだ。
そういった中で本日は注目されるのが、本邦12月企業物価指数。特にこの中で明らかになる輸入物価指数を確かめることになる。輸入物価指数に関しては円安が進行していることもあり、この数年は注目度が増している。
12月の日銀会合後の質疑応答で植田日銀総裁が、「オントラックにもかかわらず利上げをしなかったことで円安が進行したことへの評価」を記者から質問されると、「輸入物価の対前年比でみると、割と落ち着いているという状況であることも考慮に入れた」と回答。また、ほかの記者から「10月末時点と比べても3円ほど円安に振れているように、円安が物価上振れをもたらすリスクというのは10月時点と比べて高まっている」ことへの見方についても、為替の影響が日本の物価やインフレ率に影響を与えていることは認識しているとしたが、現時点では「対前年比でみた輸入物価の上昇率が落ち着いている」と2度にわたって、12月時点での円安水準については許容範囲内と捉えられる発言を繰り返した。
くわえて、今月9日に日銀大阪支店長は「輸入物価は落ち着いている、物価加速懸念が高まっているわけではない」と発言。一方で、一昨日氷見野日銀副総裁は、輸入物価指数が11月速報値は+1.5%と10月の改定値+2.9%より低下していたにも関わらず、「かなり高い伸び」「円安による輸入物価の上昇、影響をよく見ていく必要」と述べ、植田総裁や大阪支店長と真逆の意見を述べた。副総裁の発言が今日発表される結果を既に認識してのものだったのか、それとも10・11月がプラスだったことで高い伸びとしたのかが気になるところだが、今回の発表で明らかになる。仮に輸入物価が上昇していた場合には、インフレや円安の流れを阻止するためにも、1月の利上げの可能性が更に高まり、ドル円の上値を抑える要因にもなるだろう。
円以外では豪州の12月の雇用統計に注目。11月の豪雇用統計は失業率、新規雇用者数がともに市場予想よりも強い結果になった。しかし、昨年の12月9-10日に開催された豪準備銀行(RBA)理事会では「インフレの上振れリスクは緩和。CPIは持続的に目標に戻ると確信」とハト派的な見解が示された。12月の雇用統計で11月に続き労働市場のひっ迫が確認されれば、賃金上昇によるインフレ圧力の高まりにより、RBAのスタンスが再び変わる可能性があるかもしれない。一方で、雇用情勢が悪化した場合は、RBAの早期の利下げ予想が高まることになるだろう。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38780 +390 (+1.01%)
TOPIX先物 2706.0 +15.5 (+0.57%)
シカゴ日経平均先物 38755 +365
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
15日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。2024年12月の米消費者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.2%上昇と前月(0.3%上昇)から伸びが鈍化し、市場予想(0.3%上昇)を下回った。前日の米卸売物価指数(PPI)同様、過度なインフレリスクを和らげる内容だったことが材料視された。また、米銀大手の決算が本格化するなか、市場予想を大幅に上回る増収増益だったゴールドマン・サックス
NYダウ構成銘柄ではゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースのほか、アメックス
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比365円高の3万8755円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比60円安の3万8330円で始まり、3万8230円まで売られた後はリバウンドによりプラスに転じると、米国市場の開始直前には3万8760円まで買われた。買い一巡後は3万8560円~3万8760円辺りのレンジで推移。終盤にかけてレンジを上抜け、一時3万8840円まで買われる場面もみられ、3万8780円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ日経平均先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。米CPIが予想を下回ったことで、リバランスの動きが入りそうである。日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-2σ(3万8430円)および200日移動平均線(3万8510円)を上回って終えており、-1σ(3万8880円)や75日線(3万8960円)が意識されやすいだろう。
米国で決算発表が本格化するなか、米銀大手4社はいずれも良好な内容だった。また、足もとで調整が続いていたエヌビディアの反発は、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。そのほか、イスラエルとイスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザでの戦闘停止で合意し、地政学リスクへの警戒感が後退したことも安心感につながりそうである。
もっとも、来週20日のトランプ次期米大統領の就任式を控えて、就任直後に発表されるトランプ関税に関心が集まりやすい。節目の3万9000円に接近する局面では、戻り待ち狙いのショートに警戒しておきたいところである。そのため、買い一巡後は押し目狙いのロング対応とし、-1σや75日線辺りでは早めの利益確定に向かわせよう。
‐1σや75日線をクリアし、3万9000円を明確に上回ってくる局面ではショーカバーが強まりやすく、25日線が位置する3万9330円辺りをターゲットとしたロング対応になりそうである。そのため、オプション権利行使価格の3万8625円から3万9125円のレンジを想定する。
15日の米VIX指数は16.12(14日は18.71)に低下した。一時19.66に上昇する場面もみられたが、その後の下げで75日線(17.41)、25日線(17.11)、200日線(16.24)を一気に下回ってきた。リスク選好が強まり、ショートカバーを誘う形になりやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.26倍に低下した。14.36倍で始まったが、その後25日線(14.35倍)を割り込み、下へのバイアスが強まる形だった。200日線(14.24倍)水準が支持線として意識され、いったんはNTショートを巻き戻す動きもありそうだが、米銀の決算を受けたメガバンクの動向次第ではTOPIX型優位となる可能性もありそうだ。200日線を明確に割り込んでくると、NTショートによるスプレッド狙いの動きが強まりそうである。
昨日のNY市場では、米CPIでコアが予想を下回ったほか、スーパーコアも前月から低下傾向であることが分かると、米10年債利回りが16bp近い急低下。ドル円も157.09円の戻り高値から155.95円まで売り込まれることになりました。ただ、その後はユーロドルなど欧州通貨が対ドルで売られるにつれて156.74円まで買戻されるなど、米指標を受けた動きとしてはほぼほぼフラットな状況となってNY市場を終えました。
アジア時間に入ると、次期米財務長官の指名が予定されているスコットベッセント氏のコメントなどに反応して156.52円まで値を上げる場面もみられましたが、仲値後には戻り売り。米系短期勢を中心に昨日安値の155.95円を下抜けると一気にSLを巻き込むかたちで下げ足を速めたといったところです。一部で「日銀は米新政権の影響が限定的であれば来週の会合で利上げする公算が大」と報じられると155.21円まで売り込まれることになりました。その後は155.78円まで買戻されています。
いずれにしても、市場では「またかよ」との声。先月は「利上げ」を織込んでいた市場は会合まで約1週間前になって「利上げなし」との認識に変更を余儀なくされる展開。そして、今月は逆に「早くても利上げは3月以降」と織込んでいた市場は、またまた1週間前になって「利上げ」との認識を余儀なくされることになっているわけで、しかも、「米政権の影響を見極める」ことが、事実上、20日のトランプ米大統領の就任演説だけで判断出来るとの、「いくらなんでも酷いこじつけ」の様を目の当たりにしています。
ただ、株式市場も「かなり耐性が出来つつある」のか、目立った下げにもつながっていないなか、ドル円についても週足の一目雲上限の155.44円や日足の一目基準線の155.34円が意識されて下げ止まっている状況。昨日からの売りで急速に利上げを織込んだ市場としては、目先の下値を確認したようなかたちとなっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比200円高の3万8590円(+0.52%)前後で推移。寄り付きは3万8810円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8755円)を上回る形から、買い先行で始まった。中盤にかけて3万8940円まで買われた後は軟化し、終盤にかけては一時3万8480円まで上げ幅を縮める場面もみられた。
日経225先物は寄り付き後に3万8940円まで買われ、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8860円)を上回ったものの、75日移動平均線(3万8950円)を捉えることはできなかった。同線が上値抵抗線として意識されるなか、利益確定に伴うロング解消に向かわせたようだ。その後3万8480円まで上げ幅を縮めたが、200日線(3万8510円)近辺で下げ渋る形となった。想定された範囲での値動きであり、200日線での底堅さがみられるようだと、再度75日線を意識したロングに向かわせる可能性はあるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.32倍に上昇した。14.32倍で始まり、一時14.36倍をつける場面もみられた。ただし、75日線(14.36倍)を上抜けることができず、寄り付き水準での推移となった。
本日のロンドン為替市場も、序盤に英国で複数発表される重要な経済指標を見定めながらポンド中心の値動きか。指標は11月国内総生産(GDP)や同月鉱工業生産と製造業生産高、貿易収支などが発表予定。
昨日の12月英消費者物価指数(CPI)は総合・コアとも予想より伸び率が低下した。くわえて、英中銀が重要視しているとされるサービス価格のインフレ率も前年比4.4%と前回から0.6ポイントも減速。結果を受けて英利下げ余地が広がったとの思惑からポンド売りが先行したものの、1.21ドル台では下げ渋った。
インフレ指標の1時間後にオープンした英債市場では、中・長期債が大きく反発(利回りは低下)。市場で高まっていた懸念「長期金利の急騰による借入コスト増でリーブス英財務相の財政計画が破綻」が一旦後退し、こちらがポンドの支えとなったもよう。
もっとも、ニューヨーク時間で米長期金利の急低下を背景としたドル売りポンド買いも、1.23ドル台乗せから失速。英労働党政権による財政拡大に何ら変わりなく、英長期債への買い戻しは先週から売られ過ぎた分の調整との見方が優勢のようだ。
本日の英11月のGDP(前月比)は3カ月ぶりにプラス回復が期待されている、鉱工業生産も前月比は上昇見込みだ。一方、同生産の前年比ではマイナス幅の拡大が予想され、この辺りを市場がどのように判断するかがポンドの方向性を決めるか。さえない結果となれば、テイラー英中銀金融政策委員会(MPC)委員が昨日言及した「予防的な利下げ」が現実味を帯びてくるだろう。
他、欧州午後に12月12日分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨が公表される。今月30日の理事会に向けて、ECBメンバーから追加利下げを示唆する発言が目立っており、議事要旨がハト派に傾いたとしても驚きではない。タカ派な意見がどの程度まであったかを確認することになりそうだ。
想定レンジ上限
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
・ユーロドル、8日高値1.0358ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、14日安値1.2140ドルを割り込むと13日安値1.2100ドル
・ユーロドル、14日安値1.0239ドルを割り込むと13日安値1.0178ドル
ドル円:1ドル=156.11円(前営業日NY終値比▲0.36円)
ユーロ円:1ユーロ=160.52円(▲0.47円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0282ドル(▲0.0007ドル)
日経平均株価:38572.60円(前営業日比△128.02円)
東証株価指数(TOPIX):2688.31(▲2.50)
債券先物3月物:141.06円(△0.47円)
新発10年物国債利回り:1.200%(▲0.050%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月企業物価指数
前月比 0.3% 0.3%
前年同月比 3.8% 3.8%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は不安定な動き。次期米財務長官の指名が予定されているベッセント氏が「ドルが世界の準備通貨であり続けるようにする必要がある」と発言したことを受けて買いが先行し、一時156.52円まで上げたが、上値は限られた。「日銀は来週の会合で米新政権の影響が限定的なら利上げの公算大」との一部報道が伝わると一転して売りが優勢となり、目先のストップロスを巻き込みながら一時155.21円まで売り込まれた。一方、急ピッチで下げた反動から一巡後はショートカバーが強まり156円台を回復した。
・ユーロ円も不安定な動き。総じてドル円と同様の展開となり、朝方に161.09円まで上昇した後は日銀の利上げに関する報道を受けて159.75円まで一転下落。ただ、一巡すると160.70円台まで反発した。
・ユーロドルは小動き。円絡みの取引が中心となったため方向感はなく、総じて1.02ドル台後半でのもみ合いとなった。
・日経平均株価は反発。昨日の米国株が上昇した流れを引き継ぐ形で一時400円超上昇した。その後は日銀の利上げ観測から一転して下げに転じる場面も見られるなど不安定な動きとなった。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。昨日の米国債券相場が上昇した影響から買いが先行。20年債入札が好調な内容だったことも買いを誘った。
リーブス英財務相は11月の経済成長率が予想を下回る0.1%にとどまったことを受け、経済成長を加速させる決意を表明した。リーブス氏は「さらに迅速に経済成長を促進する」と述べ、規制当局に対して成長促進のための追加措置を求める意向を示した。
「米国債の投資環境は、国債の供給過剰と、景気刺激策によるインフレという2つの危険に直面している」(国際決済銀行BIS)
1. 2025会計年度(24年10月-25年9月)財政赤字:7109.44億ドル
米財務省は、2025会計年度(24年10月~25年9月)の12月の財政収支が、給付金の支払い時期のずれにより867.32億ドルの赤字だったと発表した。2023年12月は1293.54億ドルの赤字だったことで、赤字幅は426.22億ドル減少した。
歳出は3%減の5411.46億ドル、歳入は6%増の4544.15億ドルだった。
2025会計年度(24年10月-25年9月)累計の財政赤字は7109.44億ドルと、第1四半期としては過去最高を記録した。
歳入は1兆829.39億ドル、歳出は1兆7938.84億ドルとなった。
国債利回りの上昇を受けて、政府のコスト負担が大きく膨らんでおり、2024年度の連邦政府の公的債務利子が累計で初めて1兆ドルを超え、1.2兆ドルとなった。
発行されている国債の50%が今後3年で満期になるため、現状の米中長期債利回りの高止まりが続いた場合、利払い額は、2倍の2兆ドルに達することが警戒されている。
【財政赤字と対GDP比】
・2020会計年度(19年10月~20年9月):3兆1319億ドル(対GDP比15.0%)
※過去最大
・2021会計年度(20年10月~21年9月):2兆7721.79億ドル(対GDP比12.4%)
※過去2番目
・2022会計年度(21年10月~22年9月):1兆3754.81億ドル
・2023会計年度(22年10月~23年9月):1兆6952.40億ドル(対GDP比6.2%)
・2024会計年度(23年10月-24年9月):1兆8328.16億ドル(対GDP比6.4%)
2.2024年12月末債務残高:36兆2186億ドル(※米国債:29兆ドル)
米国の2024年12月末時点での債務残高は36.2186兆ドルで、2024年第3四半期国内総生産(GDP)29.37兆ドルの約123%となっている。
第2次トランプ米政権の誕生により、関税の引き上げ(中国60%、その他10-20%)や減税(所得税・法人税)、大規模な財政出動への警戒感から、「債券自警団(bond vigilantes)」は、米10年債利回り5%を目指して米国債売りを続けている。
格付け会社ムーディーズは「どちらの候補が当選しても米国の財政状況は弱体化する可能性が高い」と指摘して、大統領選後に米国の信用格付けを引き下げることを示唆していた。
格付け会社フィッチは「トランプ次期米大統領の就任で共和党が政権と議会多数派を握る構図となっても、連邦債務上限を巡る議論が早期に解決する可能性は低い」との見方を示した。
第1次トランプ米政権の財政赤字は、約8兆ドル拡大していた。
超党派の米シンクタンク「責任ある連邦予算委員会」は、第2次トランプ米政権では、2026~35年度の10年間で財政赤字が7兆5千億ドル拡大するとのことである。25年末に期限を迎える減税策の恒久化が5兆3500億ドル、残業代への課税撤廃は2兆ドルの財政悪化が見込まれている。全ての輸入品に10%、中国に60%の関税を課す方針では、2兆7千億ドルの税収増となる。
シティグループは最新リポートで、ハンセン指数の2025年6月末時点と12月末時点の目標値を当初の26000ポイント、28000ポイントから21000ポイント、22000ポイントにそれぞれ引き下げた。ハンセン指数構成銘柄の25年EPS伸び率を5.1%増に引き下げたことを反映させた。ただ、バリュエーションは割安な水準にあり、ハンセン指数構成銘柄の予想PERが8.8倍、予想PBRが1倍にとどまっていると指摘した。『信報』が16日伝えた。
シティは、中国当局が経済の安定成長を図っているが、外部の関税と内部の景気刺激策が鍵を握ると指摘した。米国による追加関税は25年4-6月期から段階的に実施され、中国の輸出を6%、国内総生産(GDP)を1%押し下げると予想。一方、3月の「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)では5つの支援材料が打ち出される可能があるとした。具体的には、◇国内消費の促進◇過剰生産能力の抑制◇新製品開発の加速と深化◇構造的な国有企業改革◇観光業の促進に向けた政策緩和――を挙げた。また、25年に0.5ポイントの利下げが実施されるとの見方を示した。
投資戦略として、高成長株と高配当株の両方に投資する「バーベル戦略」を勧めた。香港上場株のトップピックにはテンセント(00700)、トリップ・ドットコム(09961)、小米集団(01810)、ASMPT(00522)、BYD(01211)、AIAグループ(01299)、海爾智家(06690)を選定。また、中国の金融緩和で高配当のA株が国内の投資家に選好される可能性があるとして、招商銀行(600036)と中国平安保険(601318)をA株のトップピックに加えた。
本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク債券・株式市場の動向を注視しながら、米12月小売売上高や新規失業保険申請件数などを見極める展開が予想される。
米12月小売売上高は前月比+0.6%と予想されており、11月の同比+0.7%からの低下が見込まれている。大幅な低下とならない限り、市場への影響は限定的だと思われる。
また、新規失業保険申請件数は、1月の雇用統計の調査対象週(1月12日週)の前週の数字だが、雇用情勢を見極める意味から注目しておきたい。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、今月末のFOMCでは据え置きが確実視されており、今年の利下げは1回(※FF金利誘導目標4.00-25%)と予想されていることで、ドルの下値を限定的にしている。
一方で、23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は、14日の氷見野日銀副総裁や15日の植田日銀総裁の発言、本日の報道「日銀が来週会合で利上げの公算大」を受けて80%台まで上昇しており、ドル円の上値を抑える要因となっている。
また、今年1月1日に米国の債務上限適用の停止期限を迎えたが、米財務省は、実際に上限に到達するのは1月14日から23日の間になるとの見通しを示しており、20日のトランプ次期米大統領の就任式の後に債務上限問題が復活する可能性には警戒しておきたい。
2025会計年度(24年10月-25年9月)の第1四半期(10月・11月・12月)の財政赤字は過去最高の7109.44億ドルまで拡大しており、第2次トランプ米政権での関税や減税による財政赤字の拡大懸念は、米国債の格下げなどに繋がることになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、157.74円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、155.21円(1/16東京市場の安値)
今晩は経済指標と決算発表に注目。昨日は12月消費者物価指数(CPI)が前月比と前年比で前月から鈍化したことや、大手金融機関の決算が予想を上回ったことが好感され主要3指数が大幅に上昇。ダウ平均が703.27ドル高(+1.65%)、S&P500が1.83%高とともに3日続伸し、ハイテク株主体のナスダック総合は2.45%高と6日ぶりに大幅反発した。一日の上昇率は3指数がそろって11月6日以来の大きさとなった。米債利回りは大きく低下。前日に一時、2023年11月以来となる4.809%まで上昇した米10年債利回りは4.655%で終了し、前日比で0.133%低下した。CMEのフェドウォッチ・ツールの3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ確率は前日の23%から28%に上昇した。
今晩の取引ではインフレ高進への警戒感の緩和を背景に底堅い展開が期待されるが、足もとの景気や雇用動向を巡り寄り前に発表される12月小売売上高や週間新規失業保険申請件数などの経済指標や、ユナイテッドヘルス、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーの決算発表が焦点となりそうだ。また、午前中にはトランプ次期大統領が次期米財務長官に指名したベッセント氏の上院銀行委員会での公聴会も予定され、関税など巡るベッセント氏の発言にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは新規失業保険申請件数、12月小売売上高のほか、12月輸入物価、1月フィラデルフィア連銀業況指数、1月NAHB住宅市場指数など。決算発表は寄り前にユナイテッドヘルス、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、USバンコープ、M&Tバンク、引け後にJBハント・トランスポートなどが発表予定。
みずほ証券では米国の長期金利に関して、ここからの上昇は限定的と考えている。24年12月のFOMCにおける参加者の政策金利長期見通しは3.00%である一方、長期金利と連動性がある市場の3年先政策金利予想は足元4.29%と、現状の政策金利上限である4.50%からあと1回程度の利下げを織り込んだ水準にある。市場の利下げペースの鈍化観測はやや行き過ぎの可能性もあるとみずほでは指摘。FRBの利下げペース鈍化観測の巻き戻しに加えて、トランプ政権の政策の先行き不透明感の緩和により、米長期金利は25年春頃にかけて緩やかにピークアウトすると予想している。
日経平均株価は反発。買い優勢のスタートから上値を伸ばす場面があったが、75日移動平均線(38945円 1/16)や一目均衡表の雲上限(38954円 同)に上値を抑えられ失速する格好となった。一方、5日連続の陰線を形成したが、100日移動平均線(38569円 同)上を回復して終えた。
RSI(9日)は前日の36.3%→25.7%(1/16)へ低下。あすは上昇しやすいタイミングとなる。下向きの5日移動平均線(38857円 同)が上値を抑える可能性は高いが、次は75日移動平均線上を回復できるかが焦点となる。12/27高値からの二段下げの下値模索が続く中、マドを開けた状態で陰線が続いており、強い下振れにも警戒したい。昨年11月後半で下げ渋った心理的節目の38000円前後を意識して下げ止まるかが焦点となる。
一目均衡表では遅行スパンが当時の株価水準を下回る逆転の弱気局面入りを示唆。リバウンド局面でも下向きに変化している10日移動平均線(39383円 同)や25日移動平均線(39298円 同)などに上値を抑えられる局面が続く公算が大きい。
上値メドは、75日移動平均線、25日移動平均線、10日移動平均線、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)などが考えられる。下値メドは、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
中国通信社の財聯社は16日、事情を知る複数の関係者の話として、自動車などの分野を対象とする新たな購入補助制度の実施細則が17日に公表されると報じた。商務部市場運行・消費促進司の李剛司長は15日、「中国経済の質の高い発展の成果」を主題に国務院新聞弁公室が開く記者会見で、商務部が2025年に拡充する自動車、家電、家具、電動自転車や、携帯端末などのデジタル製品の新たな購入補助制度の実施細則を今週中に相次いで公表すると述べていた。
(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.26円(16日15時時点比▲0.85円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.87円(▲0.65円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0296ドル(△0.0014ドル)
FTSE100種総合株価指数:8391.90(前営業日比△90.77)
ドイツ株式指数(DAX):20655.39(△80.71)
10年物英国債利回り:4.679%(▲0.052%)
10年物独国債利回り:2.547%(▲0.013%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.5% 0.4%
(前年同月比) 2.6% 2.6%
11月英国内総生産(GDP)
(前月比) 0.1% ▲0.1%
11月英鉱工業生産
(前月比) ▲0.4% ▲0.6%
(前年同月比) ▲1.8% ▲1.1%・改
11月ユーロ圏貿易収支
(季調済)129億ユーロの黒字 70億ユーロの黒字・改
(季調前)164億ユーロの黒字 68億ユーロの黒字
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)で「データはディスインフレの順調なプロセスを示す」「一部の委員が0.50%の利下げ協議を要請」「中期的なインフレは下方リスクが高い」との見解が示されると、ユーロ売り・ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時1.0261ドルと日通し安値を更新した。
ただ、前日の安値1.0260ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「3月利下げの可能性が排除されるとは考えていない」「インフレの動向次第では今年最大3-4回の利下げがあり得る」などと発言すると、米長期金利の低下とともにドル売りが活発化した。2時30分前には一時1.0315ドルと日通し高値を更新した。
・ドル円は頭が重かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.68%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時156.35円付近まで値を上げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値156.52円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。ウォラーFRB理事が「インフレ抑制傾向が続く場合、早期利下げの可能性がある」との考えを示すと米10年債利回りが4.59%台まで低下。全般ドル売りが優勢となり、一時155.11円と昨年12月19日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。
なお、この日発表の12月米小売売上高や前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となった一方、1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想を大幅に上回るなど、強弱入り混じる結果となった。
・ポンドドルは持ち直した。前日の12月英消費者物価指数(CPI)の下振れに続き、本日発表の11月英国内総生産(GDP)や11月英鉱工業生産なども予想より弱い内容となった。英中銀(BOE)が利下げに動きやすくなるとの思惑からポンド売り・ドル買いが進んだ。22時30分過ぎに一時1.2175ドルまで値を下げた。
ただ、NYの取引時間帯に入ると全般ドル安が進んだ流れに沿って1.2260ドルの本日高値まで値を上げた。
・ユーロ円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時160.89円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値161.09円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。3時前には159.83円付近まで売られ、アジア時間に付けた日通し安値159.75円に迫った。ドル円につれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は続伸し、昨年5月以来の高値で取引を終えた。前日の米国株相場や本日のアジア株相場が上昇したことで投資家心理が上向き、買いが優勢となった。レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。前日の米国株相場や本日のアジア株相場が上昇したことで買いが先行。台湾積体電路製造(TSMC)の好決算を受けて、投資家心理が改善したことも相場の支援材料。個別ではザランド(8.57%高)やラインメタル(4.51%高)、ハノーバー再保険(2.51%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
16日の日経平均は6日ぶり反発。終値は128円高の38572円。米国株の大幅高を受けて、寄り付きから200円を超える上昇。9時台半ばには鋭角的に水準を切り上げ、上げ幅を400円超に広げた。38900円台までで買いは一巡し、以降は値を消す流れがしばらく続いた。14時台後半にTSMCの決算が伝わった辺りで半導体株が売られたことから、瞬間的にマイナス圏に沈む場面もあった。しかし、その後に多くの半導体株の動きが良くなってきたことから、3桁の上昇で取引を終えた。TOPIXやグロース250指数も日経平均同様に買い先行から失速したが、これらはプラスを維持できず小幅に下落した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆1300億円。業種別では証券・商品先物、石油・石炭、サービスなどが上昇した一方、海運、空運、輸送用機器などが下落した。今期の大幅営業増益計画が好感された津田駒工業<6217.T>が後場急伸。半面、今期の減収・最終赤字計画が嫌気されたトゥエンティーフォーセブン<7074.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり610/値下がり968。東京エレクトロンやSCREENなど半導体株の一角が終盤に強く買われて大幅上昇。古河電工が7.7%高と目を見張る動きとなった。円高進行を手がかりに、恩恵が大きいと見られているニトリHDや神戸物産が急伸。自動車株の多くが円高で嫌われる中、エンジン認証の不正問題で米当局との和解が伝わった日野自動車は9%を超える上昇となった。
一方、円高が逆風となったトヨタや日産自動車が大幅安。商船三井など海運大手3社がそろって大きく下落した。海外での株式売り出しを発表した村田製作所が4.5%安。マネーフォワードなど前日のストップ安銘柄が一段と売り込まれており、Speeeが連日のストップ安。ロゴスHDは連日のストップ安比例配分となった。
日経平均は6日ぶりに反発。ただ、米国株にかなり助けられた上昇で、ローソク足では5日連続で陰線を形成した。一時500円近く上昇したにもかかわらずプライムでは値下がり銘柄の方が多く、久々の上昇を好感できるような1日ではなかった。
米国では本日、12月の小売売上高が発表される。小売指標に関しては、強ければ米国経済の好調を示唆する材料として米国株の上昇要因となる公算が大きい。ただ、週明けの20日にはトランプ氏の大統領就任式が行われる。23日~24日の日銀会合における利上げ観測もくすぶる中、あすの日本株は積極的な買い手が不在になると思われる。きょうの日経平均の終値は38572円。26週線が38355円(16日時点)に位置しており、これより上で週を終えることができるかに注目したい。
16日09:51 ベッセント次期米財務長官
「ドルが世界の準備通貨であり続けるようにする必要がある」
17日01:56
「ロシア石油大手に対する制裁を支持する」
16日12:30 植田日銀総裁
「展望リポートのもと来週会合で利上げを行うか議論する」
「今年も経済物価情勢の改善続くなら、金融緩和を調整する」
「調整をどう進めるかは経済・物価・金融情勢次第」
「昨年の日本経済、好循環強まり物価目標の持続的実現に向けて着実に進んだ」
「米新政権を巡る状況や春季交渉は重要なポイント」
16日16:36 林官房長官
「今後の利上げ含め金融政策の具体的な手法は日銀に委ねている」
16日21:30 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)
「インフレの基本的な見通しが今後数カ月から数四半期にわたって確認された場合、政策の制限性を段階的に緩和することが適切」
「インフレ見通しには依然として多くの上振れリスクと下振れリスクがあるため、ディスインフレ過程の最終段階で警戒を緩めるべきではない」
「現在の不確実性と、インフレーション動向の進展を妨げる可能性のある多くの要因の存在を考慮すると、慎重なアプローチが依然として必要」
「一部のメンバーは0.50%利下げの可能性について議論する余地があり、そのような可能性についてより多くの検討を支持」
17日00:17 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「今週発表されたCPIデータは非常に良好」
「3月利下げの可能性が排除され得るとは考えていない」
17日03:51 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「労働市場が安定しつつあることに安心」
「失業率が悪化していることにあまり懸念はない」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○11:00 ☆ 10-12月期中国国内総生産(GDP、予想:前期比1.6%/前年同期比5.0%)
○11:00 ◎ 12月中国鉱工業生産(予想:前年比5.4%)
○11:00 ◎ 12月中国小売売上高(予想:前年比3.5%)
○16:00 ◎ 12月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.4%/前年比4.2%)
○16:00 ◎ 12月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.1%/前年比3.6%)
○18:00 ◇ 11月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○19:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.4%)
○19:00 ☆ 12月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.7%)
○19:30 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○22:30 ◇ 11月対カナダ証券投資
○22:30 ◎ 12月米住宅着工件数(予想:132.5万件、前月比2.9%)
◎ 建設許可件数(予想:146.0万件、前月比▲2.2%)
○23:15 ◎ 12月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%)
◇ 設備稼働率(予想:77.0%)
○18日06:00 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○18日06:00 ◎ 11月対米証券投資動向
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.16円(前営業日比▲1.31円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.85円(▲1.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0301ドル(△0.0012ドル)
ダウ工業株30種平均:43153.13ドル(▲68.42ドル)
ナスダック総合株価指数:19338.29(▲172.94)
10年物米国債利回り:4.61%(▲0.04%)
WTI原油先物2月限:1バレル=78.68ドル(▲1.36ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2750.9ドル(△33.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米小売売上高
(前月比) 0.4% 0.8%・改
(除く自動車) 0.4% 0.2%
12月米輸入物価指数
(前月比) 0.1% 0.1%
1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
44.3 ▲10.9・改
前週分の米新規失業保険申請件数
21.7万件 20.3万件・改
11月米企業在庫
(前月比) 0.1% 0.0%・改
1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
47 46
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.68%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時156.35円付近まで値を上げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値156.52円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「3月利下げの可能性が排除されるとは考えていない」「インフレの動向次第では今年最大3-4回の利下げがあり得る」などと発言すると、米10年債利回りが4.58%台まで低下。全般ドル売りが優勢となり、一時155.10円と昨年12月19日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。
本日アジア時間には「日銀は来週の金融政策決定会合でトランプ次期米政権の影響が限定的なら利上げの公算大」との一部報道が伝わった。日銀による追加利上げ観測の高まりを背景に円買いが入りやすい面もあった。
・ユーロドルは小反発。欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0261ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0260ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ウォラーFRB理事が「インフレ抑制傾向が続く場合、早期利下げの可能性がある」との考えを示すと、米長期金利の低下とともにドル売りがさらに強まった。2時30分前には一時1.0315ドルと日通し高値を更新した。
なお、この日発表の12月米小売売上高や前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となった一方、1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想を大幅に上回るなど、強弱入り混じる結果となった。
・ユーロ円は続落。日銀による追加利上げへの思惑から円買い・ユーロ売りが進行。取引終了間際には一時159.77円付近まで値を下げ、アジア時間に付けた日通し安値159.75円に迫った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いた後だけに、短期的な過熱感が意識されて小幅ながら売りが出た。もっとも、本日発表の米経済指標が強弱入り混じる内容となったため、相場は方向感が出なかった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落。前日に大幅上昇した反動で売りが優勢となった。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。ウォラーFRB理事のハト派的な発言をきっかけに、米早期利下げ観測が高まると債券買いが優勢となった。
・原油先物相場は反落。前日に約5カ月ぶりの高い水準となる80ドル台を回復したこともあり、この日は新規材料が乏しいなか利食い売りが優勢となった。
・金先物相場は3日続伸。ウォラーFRB理事の発言を受けて米早期利下げ思惑が再燃し、米長期金利が低下したことを受けて、金利を生まない金は買いが優勢となった。
昨日の海外市場でドル円は、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.68%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行し156.35円付近まで値を上げた。ただ、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事のハト派発言が伝わると、米10年債利回りが4.58%台まで低下。全般ドル売りが優勢となり、一時155.10円と昨年12月19日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。ユーロドルは、米長期金利の低下とともに1.0315ドルまで強含んだ。
本日の東京時間でドル円は、上値が重いだろう。昨日の東京時間で一部通信社が「米新政権の影響が限定的であれば、来週の日銀会合で利上げの可能性が高い」と報じたことで、155.21円まで急落。その後は1円以上買い戻しが入り「セリングクライマックスを確認できた」との声もあった。しかしながら、再び欧米時間に入ると上値が抑えられ、NY時間には米金利の低下とともに155.10円まで下値を広げている。
米金利の低下では欧州通貨や新興国通貨に対するドル売りは限定的だったことを見れば、円が買える通貨として際立っているとも言え、あらためて円買いの地合いの強さ(ドル円の地合いの弱さ)を示している。
本日も本邦実需勢が水準的にドル円を買う場面もあるだろうが、依然としてドル円を買っておけばよいという妄信的な動きを繰り返している投資家もいることで、下落時は再びドル売り・円買いになる局面もありそうだ。
ただ、今週に入り本邦2年債などは16年ぶりの水準まで利回りが上昇するなど、市場ではすでに23-24日に行われる日銀金融政策決定会合での利上げを織り込みつつある。これまでのように観測報道だけでは、市場が大きく動意づくことが徐々に減ってきそうだ。
ここから気を付けたいのは政策決定会合に参加しているメンバーが再び発言することか。他国の中央銀行では会合の投票権を有するメンバーは、1週間程度のブラックアウト期間(金融政策等に関する発言をしてはいけない期間)があるものの、日銀は2営業日前からブラックアウト期間が始まることで、来週21日までは様々な報道が流れる可能性もあるだろう。
本日は本邦からは対外対内証券売買契約等の状況以外は、市場を動意づけるような経済指標の発表は予定されていない。ただ、中国からは10-12月期中国国内総生産(GDP)や12月鉱工業生産、同月小売売上高が発表される。市場の材料が乏しいときは人民元(CNH)の動きが他のドル相場にも影響を与えることもあることで、注目しておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38330 -340 (-0.87%)
TOPIX先物 2670.5 -26.5 (-0.98%)
シカゴ日経平均先物 38335 -335
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。2024年12月の米小売売上高は前月比0.4%増だった。幅広い分野で消費者の支出は伸びたが、市場予想(0.6%増程度)には届かなかった。また、先週の米新規失業保険申請件数は前週比1万4000件増の21万7000件となり、予想(21万件程度)を上回った。NYダウは前日までの3日間で1200ドル超上昇していたこともあり、短期的な過熱感が意識され、利益確定の売りが出やすかった。
四半期決算で売上高が市場予想に届かなかったユナイテッドヘルス・グループ
そのほかのNYダウ構成銘柄では、エヌビディア
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比335円安の3万8335円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比110円高の3万8780円で始まったが、寄り付きを高値に軟化し、ほどなくして下落に転じた。売り一巡後は3万8550円~3万8650円辺りで推移。米国市場の取引開始後にレンジを下放れ、3万8330円とナイトセッションの安値で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになろう。予想を上回る決算を発表した台湾積体電路製造(TSMC)
日経225先物はナイトセッションで再び200日移動平均線(3万8500円)を割り込んでいる。ボリンジャーバンドでは下向きで推移する-2σ(3万8320円)と-1σ(3万9800円)での推移であり、調整トレンドは継続している。-2σを下回る局面においては短期的に売られ過ぎが意識されやすく、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだが、ロングポジションを積極的に積み増す動きは期待しづらい。来週20日の大統領就任式を控えているなか、就任直後に発表されるトランプ関税に対する警戒もあって、スキャルピング中心になりそうだ。
また、週間形状では26週(3万8260円)、52週線(3万8370円)辺りでの攻防をみせている。両線は足もとで支持線として機能していることもあり、終値で明確に割り込んでくるようだと、ショート優勢の流れになりやすく、週足の-1σ(3万8200円)や節目の3万8000円割れを狙った動きが意識されそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8125円から3万8875円でのレンジを想定する。
16日の米VIX指数は16.60(15日は16.12)に上昇した。一時15.64に低下する場面もみられたが、その後の上昇で75日線(16.26)を上回って終えた。ただし、75日線を挟んでの小幅な値動きだったこともあり、前日の大幅な低下に対する反動といったところだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.33倍に上昇した。14.32倍で始まり、一時14.36倍をつける場面もみられた。ただし、75日線(14.36倍)を上抜けることができず、その後は寄り付き水準での推移となった。本日は指数インパクトの大きい値がさハイテク株には利食いが入りやすいと考えられ、ややNTショートが優勢になりそうだ。
昨日のドル円は、欧州時間はアジア勢のショートカバーが先行。米長期金利の上昇も手伝って一時156.35円まで買戻される場面もみられましたが、NY時間に入ってウォラーFRB理事が「3月利下げの可能性が排除されたとは考えていない。インフレが一段と鈍化した場合、年3‐4回の利下げも可能」などとハト派的な発言を行うと米10年債利回りが4.5861%まで低下。つれるかたちで155.10円まで売り込まれました。その後は155.51円まで買戻されたものの、戻りも限定的となってNY市場を終えています。
週末のアジア市場では、仲値にかけて本邦実需の買いが観測されると155.49円まで値を上げる場面もみられましたが、その後は日経平均が下げ幅をひろげるなか昨日安値を下抜けて下落。一時154.98円まで値を下げました。ただ、昨日同様にフォローする動きも少なく、結局155.46円付近まで買戻されているといったところです。
いずれにしても、ドル円は、昨年12月19日に日米の金融政策の方向性を確認したことで急騰。そして、今週に入ってからは、その認識に対する時間軸の修正とともに、目先のポジション調整が急速に行われているわけで、トランプ米大統領の就任というビッグイベントを前に、振り出しに戻されたかたちとなっています。
ただ、時間軸の調整が、日本サイドでは、植田日銀総裁の明らかに稚拙なコミュニケーション手段による市場からの絶望的な不信感が改めて増幅されてはいるものの、昨日から既に織込み済み。米国サイドでは、1人のFOMCメンバーの極端にハト派的な発言に対して、来週の3連休を前に一時的に過剰反応しているだけ。年初からの方向性に何ら変化はありません。
日経225先物は11時30分時点、前日比480円安の3万8190円(-1.24%)前後で推移。寄り付きは3万8430円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8335円)にサヤ寄せする形から、売り先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万8510円まで下げ幅を縮めたが、同水準に位置する200日移動平均線(3万8500円)に上値を抑えられる形となり、その後は下へのバイアスが強まった。3万8090円まで売られた後は、中盤にかけて3万8300円辺りまで戻す場面もみられたが、終盤にかけて売り直され、一時3万8070円まで下落幅を広げた。
日経225先物は200日線に上値を抑えられる形で下げ幅を広げ、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8290円)を下回っての推移となった。テクニカル面では売られ過ぎが意識されるものの、バンドが下向きで推移していることもあり、バンドに沿った調整のなかでは、押し目狙いのロングも入れづらいところである。ただし、3万8000円割れを狙ったショートの動きもあったとみられるが、同水準を割り込まなかったことで、ショートも仕掛けにくくさせよう。底堅さが意識されてくるようだと、ショーカバーを誘う流れもありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいで推移。一時14.39倍まで上昇し、75日線(14.34倍)を上回る場面もみられたが、その後は寄り付き水準での推移となった。
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの発言を確認しながら直近レンジを広げられるかに注目。経済指標は、12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)の発表があるものの、改定値のため相場インパクトは弱そうだ。
昨日は12月ECB理事会の議事要旨を受けたユーロ売りで、一時1.0260ドル台まで下落した。金利低下余地を示唆する内容が着目されたもよう。もっとも、前日15日安値には届かずに切り返すと1.03ドル台を回復。13日に2022年11月以来の1.01ドル後半まで下落した後は、下値を切り上げる展開となっている。
0.25%の利下げが決定された前回ECB理事会では、「データはディスインフレの順調なプロセスを示す」「中期的なインフレは下方リスクが高い」など、このところ複数のECBメンバーが述べているような意見が出たもよう。また、0.50%利下げの協議を要請した委員もいたようだ。
ただ、ハト派的見解は既に織り込まれており、ユーロ売り圧力はそれほど強まらず。そうなると今度は、タカ派がどの程度までタカ派的かを確認することになる。そういった意味で、本日のナーゲル独連銀総裁の講演内容には注目したい。ナーゲル氏と同じくタカ派として知られるホルツマン・オーストリア中銀総裁は今週前半、ECBは過度な利下げは出来ないと述べていた。
独連銀総裁の態度次第では、ユーロドルは直近レンジ(1.02ドル半ばから1.03ドル半ば)を突破するかもしれない。下値をトライした後なだけに、1.0350ドル台に位置する日足一目均衡表・基準線や8日高値を超えてくるとショートの巻き戻しが進みそうだ。
ほか、序盤には12月英小売売上高が発表される。昨日の11月英GDP(前月比)でプラス圏を回復したものの、市場予想には届かず。同月鉱工業生産はさえない結果だった。15日の12月英インフレも鈍化しており、本日の小売売上高が弱いようだと再びポンドの下値警戒感が高まるかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロドル、8日高値1.0358ドルを超えると6日高値1.0437ドル
・ポンドドル、10日高値1.2322ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、14日安値1.0239ドル
・ポンドドル、14日安値1.2140ドル
ドル円:1ドル=155.56円(前営業日NY終値比△0.40円)
ユーロ円:1ユーロ=160.12円(△0.27円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0293ドル(▲0.0008ドル)
日経平均株価:38451.46円(前営業日比▲121.14円)
東証株価指数(TOPIX):2679.42(▲8.89)
債券先物3月物:141.00円(▲0.06円)
新発10年物国債利回り:1.200%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
7567億円の取得超 3323億円の処分超・改
対内株式
3133億円の取得超 740億円の処分超
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。朝方は本邦実需勢の買いが観測されて155.49円まで上げたものの、日経平均株価の下落を受けて一転して売りが強まり、昨日安値の155.10円を下抜けて154.98円まで値を下げた。ただ、155円割れでは押し目買い意欲が強く、一巡後はショートカバーが優勢に。株価が下げ幅を縮めたことも支えに155.70円まで反発した。
・ユーロ円も下値が堅い。総じてドル円につれた展開となり、一時159.73円まで下落した後は買い戻しの流れとなり160.20円まで切り返した。
・ユーロドルは小安い。ドル円の買い戻しが強まった影響からユーロ売り・ドル買いが散見され、一時1.0285ドルまで下押しした。
・日経平均株価は反落。昨日の米国株安を嫌気したほか、週明けにトランプ政権が誕生することも警戒感の高まりに繋がり、指数は一時500円超下落した。ただ、一巡後は押し目買いが強まるなど下値は堅かった。
・債券先物相場は反落。昨日の米債券相場が上昇した流れを引き継いで141.27円まで買いが先行。ただ、来週会合で日銀が利上げするとの期待感が根強いなかで一巡後は一転して売りが優勢となった。
中国の2024年第4四半期のGDP成長率は5.4%と、予想を大きく上回った。これにより、2024年通年の成長率は5.0%となり、政府目標を達成。2023年9月以降の一連の景気刺激策が効果を発揮し、経済回復を後押しした。しかし、来週就任予定のトランプ次期米大統領が中国製品に高関税を課す方針を示しており、中国政府は今後も経済支援策を継続する姿勢を示している。外部環境の不確実性が高まる中、中国経済の持続的な成長が注目されている。
ハンガリーのオルバン首相は17日、国営ラジオにて「EUはロシアに対する制裁を撤廃する時が来ている」と発言した。オルバン首相はロシアへの制裁に批判的な立場を長年取っており、EUの対ウクライナ支援策も度々阻止してきた。
「国家安全保障と世界の自由のために、米国はグリーンランドの所有権と支配権が絶対に必要だと思っている」(トランプ次期米大統領)
19世紀後半、ローズヴェルト第26代米大統領は、「大きな棍棒を携え、穏やかに話す(speak softly and carry a big stick)」という「棍棒外交」を繰り広げた。
21世紀前半、トランプ第47代米大統領も「棍棒外交」を打ち出しつつある。
1. マンハッタン島=24ドル
1626年、オランダ人が現在のニューヨーク市の中心街があるマンハッタン島(約59.1平方キロ)を、一握りのビーズと24ドル相当の現金と引き換えに先住民から買い取った。
その目的は、マンハッタン島に生息していたビーバーの毛皮だったらしい。
現在の通貨価値は約1兆ドル(=160兆円@160円)とのことで、史上最大のバーゲンとして知られている。
ちなみに、アインシュタインが「人類最大の発明」と見なす複利計算では、マンハッタンの先住民が24ドルを約400年間、年率7%で複利運用していたら、現在約10兆ドルになっているらしい。
2.アラスカ=720万ドル
1867年、アメリカはロシアから720万ドルでアラスカを買った。
現在の通貨価値では、約1億6200万ドル(=約2590億円@160円)とのことである。
当時、アメリカ国民は「巨大な保冷庫を購入した」と非難したが、1896年に金鉱が発見され、1957年には大規模な油田が発見されたことで、1959年にアラスカ州となる。
3. グリーンランド
1946年、トルーマン第33代米大統領がグリーンランドを1億ドル相当の金(現在価値約15億ドル=約2400億円@160円)で購入したいと提案したが拒否された。
2025年、トランプ第47代米大統領は、グリーンランドの購入を提案している。
グリーンランドのキールセン首相は、「グリーンランドは売り出し中ではないが、アメリカを含め、他国との貿易、協力にはオープンだ」と述べている。
4.カナダ
2024年11月、トランプ次期米大統領は、フロリダ州でカナダのトルドー首相と会談した際、カナダに対する関税でカナダ経済が疲弊するのであれば、「カナダがアメリカの51番目の州になるべきだ」などと述べたらしい。
「多くのカナダ人は、カナダがアメリカの51番目の州になるのを望んでいる。そうなれば、税金を大幅に節約でき、軍事的保護も得られる。素晴らしいアイデアだと思う。51番目の州だ!!!」と述べている。
日本経済新聞が伝えたところによると、日銀が23-24日に開く金融政策決定会合で、政策を決める9人の政策委員の過半が追加利上げを支持する見通しであることが、複数の関係者への取材で分かった。20日に就任するトランプ次期米大統領の発信や、その後の国内外の市場の反応などを見極めたうえで最終判断するという。
大阪3月限
日経225先物 38470 -200 (-0.51%)
TOPIX先物 2684.5 -12.5 (-0.46%)
日経225先物(3月限)は前日比200円安の3万8470円で取引を終了。寄り付きは3万8430円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8335円)にサヤ寄せする形から売り先行で始まった。現物の寄り付き直後に3万8510円まで下げ幅を縮めたが、同水準に位置する200日移動平均線(3万8500円)に上値を抑えられ、その後は下へのバイアスが強まり、前場終盤にかけて一時3万8070円まで下落幅を広げた。
その後は3万8150円~3万8250円辺りで下げ渋りをみせ、後場に入ってレンジを上抜け、終盤にかけては持ち高調整とみられるショートカバーも入り、寄り付き水準を上回って終えた。
日経225先物は200日線に上値を抑えられる形で下げ幅を広げ、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8340円)を下回る場面もみられたが、テクニカル面では売られ過ぎが意識され、終値では-2σ水準を回復した。200日線水準まで下げ渋る動きとなったが、同線が抵抗線として機能する可能性もあるため、慎重姿勢は崩せない。
また、ボリンジャーバンドのバンドが下向きで推移するなかで、-1σは3万8820円辺りで推移している。75日線(3万8970円)なども抵抗線となることで、節目の3万9000円回復へのハードルが高まってきている。3万8000円目前までの調整で、いったんはボトム形成が意識されてくる可能性があるが、再び-2σを割り込む局面では3万8000円割れからイレギュラー的に-3σ(3万7740円)辺りがターゲットになりそうである。
週間形状では52週線(3万8370円)、-1σ(3万8220円)を上回って終えており、これまでの支持線をキープした形である。ボトム形成が意識されるようだと、スキャルピング中心ながらも、13週線(3万8920円)辺りへのリバウンドを想定したロングが入りやすい面はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいで推移。一時14.39倍まで上昇し、75日線(14.34倍)を上回る場面もみられたが、その後は寄り付き水準での推移となった。75日線が抵抗として機能することで、200日線が位置する14.24倍辺りまでの低下を想定したNTショートに振れやすいだろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7029枚、ソシエテジェネラル証券が1万4641枚、サスケハナ・ホンコンが3574枚、ゴールドマン証券が1809枚、SBI証券が1692枚、ドイツ証券が1690枚、バークレイズ証券が1638枚、JPモルガン証券が1523枚、ビーオブエー証券が1517枚、モルガンMUFG証券が1292枚、日産証券が1174枚、楽天証券が1218枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万2729枚、ソシエテジェネラル証券が1万9107枚、バークレイズ証券が5785枚、モルガンMUFG証券が3653枚、ゴールドマン証券が3637枚、JPモルガン証券が3217枚、みずほ証券が2837枚、野村証券が1741枚、ビーオブエー証券が1446枚、UBS証券が1105枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、ニューヨーク債券・株式市場の動向を注視しながら、米12月米住宅着工件数、建設許可件数、鉱工業生産指数、設備稼働率などを見極める展開が予想される。
12月米住宅着工件数の予想は132.5万件、前月比+2.9%、建設許可件数の予想は146.0万件、前月比▲2.2%、鉱工業生産指数の予想は前月比+0.3%、設備稼働率の予想は77.0%となっている。
また、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、今月末のFOMCでは据え置きが確実視されており、今年の利下げは1回(※FF金利誘導目標4.00-25%)と予想されていることで、ドルの下げを緩慢にしている。
本日発表される米国12月の経済指標が予想の範囲内であれば、利下げの見通しに変化はなく、来週20日のトランプ次期米大統領の就任式を迎えることになる。
一方で、23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は、14日の氷見野日銀副総裁や15日の植田日銀総裁の発言、そして16日の利上げ観測報道などを受けて80%台まで上昇しており、ドル売り・円買いに拍車をかけてきた。
ブラックアウト期間入りの前に、日米の金融当局者からの発言や観測報道にも警戒しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、156.99円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、154.44円(2024/12/19安値)
今晩は底堅い展開か。昨日は前日までダウ平均とS&P500が3日続伸したことや、個別悪材料でアップルとテスラが大きく下落したことでナスダック総合の0.89%安を筆頭に主要3指数がそろって下落した。ただ、S&P500採用の503銘柄は376銘柄が上昇し、下落は124銘柄にとどまった。セクター別でもIT、コミュニケーション、一般消費財の3セクターが下落した一方、公益の2.58%高を筆頭に不動産、資本財、素材など8セクターが上昇した。週初来ではダウ平均が2.90%高、S&P500が1.89%高、ナスダック総合が0.92%高とそろって3週ぶりの反発ペースとなった。
今晩は好調な企業決算や利下げ期待を背景に底堅い展開か。今週からスタートした大手金融機関の第4四半期決算発表は総じて市場予想を上回る強い決算が続いている。今週発表された米12月生産者物価指数(PPI)と米12月消費者物価指数(CPI)がやや鈍化したことや、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が早期利下げの可能性を示唆したことで、利下げ期待も再び高まった。週末の取引となるが、決算発表や利下げ期待を背景に底堅い展開が期待できそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは12月建設許可件数、12月住宅着工件数、12月鉱工業生産など。決算発表は寄り前にSLB、ステート・ストリート、リージョンズ・ファイナンシャルなどなどが発表予定。
日経平均株価は反落。前日までの並んだ陰線から下振れる展開となり、一時は心理的節目の
38000円に迫る場面があった。一方、後場は次第に下げ幅を縮小する動きとなり、日足ローソク足は下ヒゲの長い陰線十字足を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の25.7%→27.8%(1/17)へ上昇。週明けも上昇しやすいタイミングとなる。12/27高値からの下値模索が続く中、マドを開けた状態で陰線が続いており、一段の強い下振れに警戒したい。昨年11月後半で下げ渋った心理的節目の38000円前後を意識して下げ止まるかが焦点となる。
きょうの「十字足」が反転上昇への分岐のシグナルとなるかが注目される。下向きに変化している10日移動平均線(39200円 同)や25日移動平均線(39272円 同)などに上値を抑えられる可能性は高いが、早期に75日移動平均線(38953円 同)上への回復が昨年10月以降のもみ合い相場継続を確認できる最初の関門となる。
上値メドは、75日移動平均線、25日移動平均線、心理的節目の39500円や40000円、12/27高値(40398円)などが考えられる。下値メドは、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円、9/12高値(36902円)、9/17安値(35828円)などがある。
(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=156.25円(17日15時時点比△0.69円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.64円(△0.52円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0280ドル(▲0.0013ドル)
FTSE100種総合株価指数:8505.22(前営業日比△113.32)
ドイツ株式指数(DAX):20903.39(△248.00)
10年物英国債利回り:4.660%(▲0.019%)
10年物独国債利回り:2.535%(▲0.012%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月英小売売上高(自動車燃料含む)
(前月比) ▲0.3% 0.1%・改
(前年比) 3.6% 0.0%・改
12月英小売売上高(自動車燃料除く)
(前月比) ▲0.6% 0.1%・改
(前年比) 2.9% ▲0.5%・改
11月ユーロ圏経常収支(季調済)
270億ユーロの黒字 302億ユーロの黒字・改
12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比) 2.4% 2.4%
12月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比) 2.7% 2.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。「日銀は来週23-24日に開く金融政策決定会合で、追加利上げを検討」との報道や「日銀金融政策決定会合で、9人の政策委員の過半が追加利上げを支持する見通し」との観測報道が伝わると円買い・ドル売りが入ったものの、「追加利上げは織り込み済み」との見方から反応は一時的となった。英FTSE100や独DAXが史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移したことも相場を下支えした。
NYの取引時間帯に入ると、12月米住宅着工/建設許可件数や12月米鉱工業生産が予想より強い内容だったことが伝わり、円売り・ドル買いが進行。一時は4.56%台まで低下していた米10年債利回りが上昇に転じたことも相場の支援材料となり、一時156.37円と日通し高値を更新した。
・ユーロドルは方向感に乏しい展開だった。良好な米経済指標が相次いだことでユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0265ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0261ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。欧州株相場の上昇に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.0330ドルと日通し高値を更新した。
ただ、15日の高値1.0354ドルや一目均衡表基準線が位置する1.0356ドルがレジスタンスとして働くと再び上値が重くなった。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、3時前には1.0279ドル付近まで押し戻された。
・ポンドドルは頭が重かった。今週発表の12月英消費者物価指数(CPI)や11月英国内総生産(GDP)に加え、本日発表の12月英小売売上高が低調な内容となったことを受けてポンド売りが優勢となった。前日の安値1.2175ドルを下抜けて一時1.2161ドルまで下げ足を速めた。
・ユーロ円は強含み。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、欧米株高に伴う円売り・ユーロ買いが出ると一時本日高値となる161.01円まで値を上げた。
・ロンドン株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。本日発表の10-12月期中国国内総生産(GDP)が前年比で予想を上回ると、中国景気への懸念が後退し、投資家心理が上向いた。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は4日続伸し、史上最高値を更新した。本日発表された中国経済指標を受けて、中国景気への不安が和らぐと株買いが優勢となった。個別ではシーメンス・エナジー(3.06%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(3.02%高)、シーメンス(2.92%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。低調な英経済指標を受けて英国債が上昇すると、独国債にも買いが波及した。
(17日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.30円(前営業日比△1.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.56円(△0.71円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0273ドル(▲0.0028ドル)
ダウ工業株30種平均:43487.83ドル(△334.70ドル)
ナスダック総合株価指数:19630.20(△291.91)
10年物米国債利回り:4.63%(△0.02%)
WTI原油先物2月限:1バレル=77.88ドル(▲0.80ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2748.7ドル(▲2.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米住宅着工件数
149.9万件 129.4万件・改
建設許可件数
148.3万件 149.3万件
12月米鉱工業生産
(前月比) 0.9% 0.2%・改
設備稼働率 77.6% 77.0%・改
11月対米証券投資動向
短期債を含む 1599億ドル 2018億ドル・改
短期債を除く 790億ドル 1591億ドル・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反発。本日発表の中国経済指標が良好な結果となり同国景気への懸念が和らいだほか、国際通貨基金(IMF)が今年の米成長率を上方修正したことが好感されて、ダウ平均が一時500ドル超上昇。投資家のリスク志向が改善し、円売り・ドル買いが優勢となった。
12月米住宅着工/建設許可件数や12月米鉱工業生産が予想より強い内容だったことも相場の支援材料となり、2時前には一時156.37円と日通し高値を更新した。
なお、欧州の取引時間帯には「日銀は来週23-24日に開く金融政策決定会合で、追加利上げを検討」「政策委員の過半が追加利上げを支持する見通し」との観測報道が伝わったものの、「追加利上げは織り込み済み」との見方から反応は限定的だった。
・ユーロドルは反落。良好な米経済指標が相次いだことでユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0265ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0261ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。英独株価指数が史上最高値を更新するなど、欧州株相場が底堅く推移したこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.0330ドルと日通し高値を付けた。
ただ、15日の高値1.0354ドルや一目均衡表基準線が位置する1.0356ドルがレジスタンスとして働くと再び上値が重くなった。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、6時30分前には1.0269ドル付近まで押し戻された。
もっとも、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。米国市場は明日から3連休に入るほか、20日にはトランプ氏が大統領に就任する。市場では「様子見ムードが強く積極的な商いは手控えられた」との声が聞かれた。
・ユーロ円は3日ぶりに反発。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、欧米株高に伴う円売り・ユーロ買いが出ると一時本日高値となる161.01円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。中国景気への懸念が和らいだほか、IMFが2025年の米成長率を上方修正したことを受けて、投資家心理が上向いた。この日発表の米経済指標が予想より強い内容となったことも相場の支援材料となり、指数は一時500ドル超上げた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。3連休となる週末を前にポジション調整目的の買いが先行したものの、本日発表の米経済指標が予想より強い内容だったことが分かると一転売りが優勢となり下げに転じた。
・原油先物相場は続落。週末のこの日は新規材料が乏しく値動きは限られたが、やや売りが優勢となった。イスラエルとイスラム組織ハマス間での停戦合意が発効される可能性が高まり、中東情勢を巡る警戒感が薄れ、相場に過度な供給不安が後退していることが上値を重くした。ただ、中国の経済指標の良好な結果を受けてエネルギー大国の需要拡大期待もくすぶり、下押しは限られた。
・金先物相場は4日ぶり小反落。本日発表の中国の経済指標が良好な結果となり、中国の景気鈍化への懸念が緩んだことや、欧米株の堅調な動きを眺めながら投資家のリスクオフ姿勢が後退し、逃避資産の金はやや売りに押された。
一部通信社が報じたところによると、「トランプ次期米大統領と習近平・中国国家主席が電話会談を行った」ようだ。
国際通貨基金(IMF)はこの日公表した世界経済見通しで、2025年の世界経済の成長率予測を3.3%に上方修正した。米国の成長率を2.7%に引き上げた一方、ユーロ圏は1.0%に下方修正した。
17日11:09 加藤財務相
「金利は市場において決められるもの」
17日15:22 日銀関係筋
「日銀、0.5%への利上げなら、緩和度合い調整、の方針維持」
「日銀、米新政権発足後の市場波乱なければ来週会合で利上げの公算」
17日19:21 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「次回のECB理事会では金融政策の緩和を継続すべきだ」
「利下げは段階的に、データに基づいて行われるべきだ」
17日19:35 ハマック米クリーブランド連銀総裁
「金融政策は適度に引き締め的な状態」
「FRBは今後の利下げを検討する際に非常に慎重」
「12月時点で経済は予想以上に強かった」
「インフレは依然として問題」
17日20:07 ナーゲル独連銀総裁
「インフレは依然高水準、不確実性は強い」
「欧州中央銀行(ECB)は利下げを急ぐべきではない」
17日21:01 テイラーMPC委員
「最近のデータは悲観的な内容となっている」
17日23:07 エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事
「急激な金利引き下げはサービスインフレを上昇させる可能性」
「長期間の高金利維持は目標を下回るリスク」
※時間は日本時間
20日
○08:50 ◎ 11月機械受注
○13:30 ◇ 11月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 11月設備稼働率
○13:30 ◇ 11月第三次産業活動指数
23日
○日銀金融政策決定会合(1日目)
○08:50 ◎ 12月貿易統計(通関ベース)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
24日
○08:30 ☆ 12月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
○08:30 ☆ 12月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合(終了後、決定内容発表)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(1月、基本的見解)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
20日
○16:00 ◇ 12月独生産者物価指数(PPI)
○16:30 ◇ 12月スイス生産者輸入価格
○19:00 ◇ 11月ユーロ圏建設支出
○23:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○23:30 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○トランプ氏が米大統領就任
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)(スイス・ダボス、24日まで)
○米国(キング牧師誕生日)、休場
21日
○16:00 ◎ 12月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 ◎ 9-11月英失業率(ILO方式)
○17:30 ◎ 12月香港消費者物価指数(CPI)
○19:00 ◎ 1月独ZEW景況感指数
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏ZEW景況感指数
○20:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○22:30 ◎ 12月カナダCPI
22日
○06:45 ◎ 10-12月期ニュージーランド(NZ)CPI
○17:00 ◎ 12月南アフリカCPI
○18:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○19:30 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○20:00 ◇ 11月南アフリカ小売売上高
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◇ 12月カナダ鉱工業製品価格
○22:30 ◇ 12月カナダ原料価格指数
○24:00 ◎ 12月米景気先行指標総合指数
○23日00:05 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23日03:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○14:00 ◎ 12月シンガポールCPI
○16:45 ◇ 1月仏企業景況感指数
○18:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表
○22:30 ◎ 11月カナダ小売売上高
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◎ 1月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
○24日01:00 ◇ EIA週間在庫統計
24日
○09:01 ◇ 1月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
○17:15 ◎ 1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
○17:15 ◎ 1月仏サービス部門PMI速報値
○17:30 ◎ 1月独製造業PMI速報値
○17:30 ◎ 1月独サービス部門PMI速報値
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏製造業PMI速報値
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
○18:30 ◎ 1月英製造業PMI速報値
○18:30 ◎ 1月英サービス部門PMI速報値
○19:00 ◎ ラガルドECB総裁、講演
○20:00 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○23:45 ◎ 1月米製造業PMI速報値
○23:45 ◎ 1月米サービス部門PMI速報値
○23:45 ◎ 1月米総?⑰MI速報値
○24:00 ◎ 1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
○24:00 ◎ 12月米中古住宅販売件数
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、日米の金融・政治イベント次第で荒い値動きとなる可能性
◆NZドル、10-12月期CPIに注目
◆ZAR、12月CPIでインフレ鈍化傾向を確認
予想レンジ
豪ドル円 94.00-99.00円
南ア・ランド円 7.90-8.40円
1月20日週の展望
豪ドルは荒い値動きに警戒が必要となるだろう。来週は豪州から特段のイベントや経済指標の発表が予定されておらず、基本的には米ドルや円相場など外部要因に振らされる見込み。
20日には米国でトランプ大統領が就任する。トランプ氏は以前から就任初日に「中国やメキシコ、カナダなどに対して関税を課す」と宣言しており、宣言通りに関税が発表されると米国のインフレリスク再燃が意識され、再び米ドル買いが強まる可能性もあるだろう。豪州はトランプ氏から関税対象として名指しされたわけではないが、豪ドルも対ドルを中心に影響を受けることになりそうだ。また、中国などの経済に対する先行き不安が高まることでリスクに敏感な豪ドルが売りに押されるシナリオにも警戒しておきたいところ。株価・金利動向などをにらみながら、市場全般のリスク選好度合いに気を配っておきたい。
その他では23-24日に控えている日銀の金融政策決定会合にも注目。今週は植田日銀総裁が「来週の会合で利上げなど行うか判断」との見解を示したことを受けて、日銀の早期利上げ観測を意識した円買いが強まる場面も見られた。実際に利上げに踏み切るかは不透明だが、会合直前まで豪ドル円なども含めた円相場は思惑的な動きに振らされそうだ。
隣国のニュージーランド(NZ)では22日公表の10-12月期消費者物価指数(CPI)に注目。前回(7-9月期)は前年比2.2%となり、約3年半ぶりにNZ準備銀行(RBNZ、中央銀行)のインフレ目標である1-3%の範囲内に収まった。すでにRBNZは次回(2月19日)の金融政策決定会合でも追加利下げを実施する方針を示唆しているが、今回のCPIでインフレ鈍化がさらに進んだ場合はNZの金利先安観も一段と高まるだろう。対米金利差拡大への思惑が広がることになればNZドルにとっても重しとなりそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む動きを予想している。基本的には米ドルなど外部要因次第の展開となりそうだが、来週は22日に12月CPIや11月小売売上高の発表が予定されている。南アCPIは2カ月連続で南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)のインフレ目標(3-6%)下限を下回っており、今回もインフレの鈍化傾向が継続するか確認しておきたい。なお、SARBの次回(1月30日)金融政策決定委員会(MPC)では0.25%の追加利下げが実施されるとの予想が優勢となっている。
1月13日週の回顧
豪ドルは対ドルでは前週までの反動から買いが進んだ。豪ドル円もつれて98円手前まで下値を切り上げる場面が見られたが、日銀の追加利上げ観測が高まった週央以降は売りに押される展開となり、96円台前半まで反落した。
ZARも対ドルでは強含んだものの、対円では週末にかけて伸び悩む動きとなり、ZAR円は8.20-30円台を中心とする値幅内で上下した。
◆対円では日銀会合への思惑で不安定
◆ポンド、債券市場を警戒しつつ英賃金動向を見極め
◆加ドル、米新政権の誕生や12月CPIに注目
予想レンジ
ポンド円 188.00-194.00円
加ドル円 106.50-110.50円
1月20日週の展望
来週のポンドや加ドルの対円動向で重要視すべきは、やはり日銀金融政策決定会合だろう。今週は日銀の氷見野副総裁と植田総裁が、相次いで利上げを示唆する発言をした。一部メディアも複数の関係者の話として「利上げ決定の公算大」と報じ、円高が加速する場面もあった。日銀会合の結果発表は24日であり、それまでは様々な思惑で円相場は不安定になりそうだ。もっとも英国やカナダの材料もあるため、週半ばまではそれらも見定める必要がある。
英国では21日に雇用データが発表され、その中でも9-11月の週平均賃金を見極めたい。前回8-10月のボーナスを除く分は前年比5.2%と再び上向き始めた。結果次第では、15日の12月消費者物価指数(CPI)を受けて再び浮上した英金利先安観が後退してしまうかもしれない。12月CPIは総じて市場予想を下回り、英中銀が注視するサービス価格インフレ率も前年比4.4%と前回から0.6ポイントも減速した。中銀による今年の0.25%利下げは1回までと予想を縮小してきた市場だったが、インフレ結果を受けて引き下げ回数を2回まで織り込んできた。
英債券市場の動きも依然として注意深く見ていく必要がある。英政府の財政拡大方針を危惧した長期債売りが今週も先行。英10年債利回りは2008年以来の高水準を再び記録した。借入コスト増により、リーブス財務相の財政計画が破綻するとの懸念も一時高まった。米債の買戻しも支えに週後半は英債も回復しつつあるが、暫くは需給の緩みへの警戒感は燻ったままだろう。
カナダからは21日に12月CPIが発表予定。前回11月分は前月比で横ばい、前年比では1.9%と共に市場予想を下回った。インフレ減速は経済軟化によるとされ、物価圧力の低下継続が見込まれていたが、12月の雇用統計を経て風向きが変わりつつあるもよう。新規雇用者数は予想や前回値を大きく上回り、失業率も改善した。カナダの金利先安観は若干後退しており、市場では今年前半4回の中銀会合での2回目の0.25%利下げの可能性が低下している。
カナダにとって目先で警戒すべきは、やはり、米国で新政権が始動することだろう。20日就任するトランプ米大統領がこれまで訴えていた関税強化をどのような形で実行するかに注目が集まる。特に、カナダ産石油の輸出先はほぼ全量が米国向けであるため、原油が枠組みの中に入るかがポイント。一方、カナダ政府は、報復関税の対象とする1500億加ドル相当の米国製品のリストを作成したもよう。米加関係が悪化した場合、経済規模から加ドル安要因となりそうだ。
1月13日週の回顧
ポンドは英長期債への警戒感から売りが先行し、対円では190円手前、対ドルで1.21ドルまで下落した。一巡後は反動から対円で193円台、対ドルでも1.23ドル台まで回復。ただ日銀の早期利上げ観測から対円では189円後半まで売り込まれ、対ドルも1.21ドル台後半まで緩んだ。
加ドルは対円で110円前半を戻り高値に107円後半まで弱含み。日銀会合への思惑で円高に振れやすかった。対ドルでは1.44加ドル半ばから1.43加ドル付近まで加ドル高に傾いた。
◆ドル円、日銀正副総裁発言で利上げ観測急速に高まる
◆20日には第2次トランプ米政権が誕生
◆ユーロドル、欧州重要指標の結果次第では下値トライ
予想レンジ
ドル円 153.00-160.00円
ユーロドル 1.0000-1.0450ドル
1月20日週の展望
ドル円は、日銀の金融政策決定会合を巡って荒い値動きが想定される。昨年12月18-19日に行われた前回会合では植田日銀総裁が記者会見で「来年の春闘に向けた賃上げのモメンタム、そしてトランプ次期米政権の追加関税策の中身について、もう少し情報を待ちたい」と述べたことから、市場では利上げ時期は早くても3月か4月になるとの思惑が広がっていた。ただ、今年に入って氷見野日銀副総裁や植田日銀総裁が相次いで「利上げをするかどうか政策委員の間で議論し、判断したい」と発言したことで来週22-23日の会合で利上げに踏み切る可能性が一気に高まった。また、一部通信社からも「日銀は来週の会合で米新政権の影響が限定的なら利上げの公算大」と伝わり、利上げ確率は8割以上まで上がっている。
ただ、トランプ米政権が20日に誕生してわずか数日で影響を見極めることが出来るのか、そして春闘に関する情報は12月時点から変わっていない点を考慮すると、今回利上げに踏み切る根拠が薄いように感じられる。10日にドル円は一時158.87円と昨年7月12日以来の高値を付けるなど、足元で続く円安・ドル高が利上げの背景だとするならば、今後積極的に利上げを続けることは難しく、海外勢を中心に仕掛け的な円売りが持ち込まれる可能性も否定できない。利上げが実施された場合、植田日銀総裁の定例記者会見に市場の注目が一段と集まることになるだろう。
来週は重要な米指標がないほか、ブラックアウト期間に入るため、米連邦準備理事会(FRB)高官からの発言は期待できない。注目は20日のトランプ米政権の発足だろう。就任後にトランプ米大統領から懸念される関税政策について具体的な発言が出るかどうかが焦点となっている。
ユーロドルは、トランプ米政権発足による影響などから上値の重い展開が続きそうだ。また、独を中心に欧州の景気先行きに対する警戒感が根強く、21日には1月独・ユーロ圏ZEW景況感調査、24日に欧州各国の1月購買担当者景気指数(PMI)速報値の発表が予定されているため、結果次第ではユーロが一段と下落する可能性もあるだろう。
1月13日週の回顧
ドル円は上値が重い。しばらくは157.50円を挟んだもみ合いが続いた後、14日のNY市場では米長期金利の上昇を支えに一時158.20円まで値を上げた。ただ、植田日銀総裁の発言をきっかけに売りが優勢に。弱い12月米コアCPIや日銀の利上げ観測報道、更にはウォラーFRB理事のハト派発言も売りを後押しすると一時155.10円まで売り込まれた。
ユーロドルは方向感がない。週明けから仕掛け的な売りが持ち込まれ一時1.0178ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新。その後はショートカバーから1.0354ドルまで反発したが、戻りは限られている。
17日の日経平均は反落。終値は121円安の38451円。米国株安を受けて、寄り付きから3桁の下落。主力大型株が弱く幅広い銘柄が売られる中、下値を模索する動きがしばらく続いた。10時台後半には下げ幅を500円超に拡大。ただ、節目の38000円に接近したところでは、これを割り込むことなく下げ渋った。
前引けにかけて幾分戻すと、後場は前場とは雰囲気が変わって、じわじわと下げ幅を縮める展開。下振れ懸念が後退し、プラス転換する銘柄や業種も増加した。前場の下げの度合いが大きく3桁の下落となったものの、38400円台まで戻して後場の高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆9400億円。業種別では証券・商品先物、鉄鋼、石油・石炭などが上昇した一方、その他製品、保険、輸送用機器などが下落した。証券会社が目標株価を引き上げたネクセラファーマ<4565.T>が急伸。半面、主要株主から保有全株式を売却する予定との報告を受けたことを公表したアストロスケールホールディングス<186A.T>がストップ安となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり688/値下がり890。キーエンスや古河電工が強めの上昇。防衛関連のIHIや川崎重工がプラスを確保した。証券会社が投資判断を引き上げたオークマが4.8%高。株主優待の導入を発表したラクーンHDが急騰した。メタプラネット、リミックスポイント、フィスコなど暗号資産関連の銘柄に非常に強い動きが見られた。
一方、「Nintendo Switch 2」に関するリリースが材料出尽くしと受け止められた任天堂が4.3%安。ゲーム関連ではDeNAの弱さも目立った。米長期金利の低下が嫌気され、三菱UFJ、みずほFG、東京海上、第一生命など金融株が全般軟調。中期経営計画が失望を誘った東京建物が大幅安となった。
日経平均は反落。寄り付きが38454円で終値が121円安の38451円。前場では下を試しに行ったが、後場には場中に下げた分を取り戻した。売られっぱなしで終わらなかったことは評価できる。ただ、あともう少し戻していれば陽線を形成できていたし、3桁下落と2桁下落では印象も変わるだけに、物足りなさもある。
足元の日本株の弱さに関しては、米国の新政権よりも日銀に対する警戒の方が大きいと思われる。来週、日銀会合の結果を確認するのは金曜24日の午後で、植田総裁の会見は消化できない。そのため、来週も今週同様に不安定な地合いが続くとみておいた方が良い。ただ、23日にはディスコやニデックが3Q決算を発表予定で、1月最終週からは決算発表も増えてくる。米国と日銀に対する不透明感は来週にある程度払しょくされ、その先は個別物色の活況が見込まれる。ここからの押し目は冷静に拾っておきたい。
【来週の見通し】
軟調か。20日の米大統領就任式と23日~24日の日銀金融政策決定会合が注目イベント。トランプ氏の大統領就任が市場の混乱を招かなければ、日銀は利上げに踏み切る可能性が高いとみられている。そのため、米国株が新大統領を歓迎して強い動きになったとしても、日本株への好影響は限られるだろう。利上げ見送りとなるケースでは、トランプ第2次政権に対する警戒からグローバル株式市場が崩れることになると思われる。利上げの有無に関しては結果発表前に織り込みが進むと思われるが、どちらのケースでも発表前には日本株に買いを入れづらく、週間では下落を予想する。
今週の日経225先物は、1月20日のトランプ米大統領就任直後に発表されるとみられる関税策への警戒感が高まりやすいほか、23~24日開催の日銀の金融政策決定会合に関心が集まることで、ボラティリティの高まる相場展開が見込まれる。
前週の日経225先物は、14日に750円安と大幅な下げにより75日移動平均線、200日線を一気に割り込んだ。その後は200日線を挟んだ攻防が続き、3万8950円辺りに位置する75日線が抵抗線として機能するなか、17日には200日線(3万8500円)を下抜け、一時3万8070円まで売られた。節目の3万8000円に接近してきたことで、いったんはボトム形成が意識される半面、下へのバイアスが強まりやすい水準でもあろう。
17日の米国市場では主要な株価指数が上昇し、週間での上昇率はNYダウが3%を超え、S&P500、ナスダックは2%を超えた。NYダウは13日に一時4万1844ドルまで売られ、昨年11月の安値水準まで下げた。大統領選でのトランプ氏勝利を受けたトランプトレードによる上昇分を帳消しにしたことで、リバランスの買いが入ったとみられる。今後、トランプ政権による規制緩和や景気支援策への期待から、米国株は再動意をみせてくる可能性がある。
同様に日経平均株価も昨年11月以来の水準まで下げていることもあり、仕切り直しのタイミングとなる可能性がある。17日の米国市場の上昇を受け、日経225先物はナイトセッションで上昇しており、日中比360円高の3万8830円で終えた。
ナイトセッションで200日線を上回り、75日線に接近してきたことで、週初は75日線と節目の3万9000円を捉えられるかが注目される。20日の米国市場はキング牧師の生誕祭で休場となるため、海外勢のフローは限られるだろう。直近の調整によりポジションはややショートに傾いていると考えられ、米大統領就任式を前にニュートラルに近づける形でのカバーの動きが意識されやすい。海外勢のフローが限られ薄商いとなるなか、週明けはややロング対応に向かわせそうだ。
週間形状についても26週・52週線が支持線として機能する形でのリバウンドにより、13週線(3万8980円)に接近している。前週は一時支持線を割り込む場面もみられたが、終値としては両線を上回って終えていたこともあり、支持線として意識されてリバウンド狙いの動きが入りやすいところだ。
また、ボリンジャーバンドでは日足の-1σと-2σによるレンジ推移を継続しているが、前週は幾度となく-2σを下回る場面が目立った。バンドは下向きで推移していたこともあり、-2σに沿った調整によって売られ過ぎのシグナルを見極めにくくさせていた。ただし、ナイトセッションの上昇で-1σを捉えてきたことで、同バンド突破を狙った動きが期待される。週足のボリンジャーバンドは、-1σをサポートに中心値(13週)に接近してきた。
一目均衡表では前週の下げで雲上限を割り込み、週後半にはトレンドの出やすい雲のねじれの局面で、明確に雲を下放れる形状となった。遅行スパンが実線を割り込んだことで下方シグナルを発生。雲下限が概ね3万9000円辺りでの推移を継続することで、ここでも節目の3万9000円辺りが抵抗線として意識されて強弱感が対立しやすいだろう。
ただし、雲のねじれ局面のため雲の厚みは薄く、雲突破のハードルはそれほど高くはない。また、多くのテクニカルポイントで節目の3万9000円辺りが転換点となることで、同水準を突破してくる局面では、慎重姿勢にあった向きのロングの動きが強まる可能性がある。
そのほか、足もとでは日銀の金融政策決定会合で追加利上げを実施するとの観測が高まっていた。長期金利の上昇により、為替市場ではドル・円が1ドル=155円台と円高・ドル安に振れていたことで、追加利上げについては相当織り込んでいると考えられる。利上げ実施で波乱の場面もありそうだが、アク抜け的な動きに向かわせよう。
しかしながら、米国市場はトランプ政権への期待から上昇が期待される一方で、国内では米国の関税政策や人工知能(AI)向け半導体規制の影響を見極めたいとして、市場反応が限られる可能性がある。日経225先物は3万9000円辺りでの上値の重さが強く意識されてくるようだと、再び200日線や-2σ水準までの下げは十分考えられる。26週・52週線を割り込んでくると、-2σが位置する3万7690円辺りへのバイアスが強まる可能性には注意しておきたい。
まずは、オプション権利行使価格の3万8375円から3万9125円辺りのレンジを想定。ブレイク局面では上は3万9500円、下は3万7500円辺りを想定する。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.33倍だった。週初の低下で75日線を割り込み、15日には一時14.26倍まで低下し、200日線水準に接近する場面もあった。週後半にはリバランスにより75日線水準まで戻す形だった。指数インパクトの大きい値がさハイテク株に対する慎重姿勢が崩せないなか、ややNTショートが優勢になりそうだ。
1月第1週(1月6日-10日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の売り越しであり、売り越し額は4875億円(12月第5週は2178億円の売り越し)だった。なお、現物は3435億円の買い越し(同657億円の売り越し)と2週ぶりの買い越しであり、先物は8311億円の売り越し(同1521億円の売り越し)と2週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で8175億円の買い越しと2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で6847億円の売り越しとなり、4週ぶりに売り越した。
主要スケジュールでは、20日に11月機械受注、米大統領就任式、世界経済フォーラム・ダボス会議(~24日)、22日に米国12月コンファレンス・ボード景気先行指数、23日に12月貿易統計、24日に日銀金融政策決定会合(終了後に政策金利を発表)、12月全国消費者物価指数、植田和男日銀総裁が記者会見、米国1月製造業PMIなどが予定されている。
なお、決算では米国で21日にネットフリックス
<国内>
○08:50 ◎ 11月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比▲0.8%/前年比4.2%)
○13:30 ◇ 11月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 11月設備稼働率
○13:30 ◇ 11月第三次産業活動指数(予想:前月比0.1%)
<海外>
○16:00 ◇ 12月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.3%)
○16:30 ◇ 12月スイス生産者輸入価格
○19:00 ◇ 11月ユーロ圏建設支出
○23:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○23:30 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○トランプ氏が米大統領就任
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)(スイス・ダボス、24日まで)
○米国(キング牧師誕生日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、12月米住宅着工/建設許可件数や12月米鉱工業生産が予想より強い内容だったこと、ダウ平均が一時500ドル超高になったこと、米10年債利回りが4.63%台へ上昇したことなどで、156.37円まで強含んだ。ユーロドルは良好な米経済指標を受けて1.0265ドルまで下落後、英独株価指数が史上最高値を更新したことで1.0330ドルまで反発したものの、引けにかけて1.0269ドル付近まで押し戻された。
本日の東京外国為替市場のドル円は、ニューヨーク市場がキング牧師誕生日のため休場となり、トランプ米大統領の就任式が開催されるため動きづらい展開が予想される。
14日に氷見野良三日銀副総裁は、23、24両日に開く金融政策決定会合について「焦点は利上げするかどうかだ。政策委員の間でよく議論して適切に判断する」と述べ、20日に就任するトランプ米大統領の演説内容などを見極めて結論を出す考えを明らかにした。
15日に植田日銀総裁は「来週の金融政策決定会合で米新政権の政策や春闘の賃金動向などを精査し、追加利上げを行うかどうか判断する」と述べた。
すなわち、本日のトランプ米大統領の就任演説が想定外の内容でない限り、今週末の日銀金融政策決定会合では0.50%への追加利上げの可能性が高いことになるため、ドル円の上値を抑える要因となっている。
オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げ確率は80%台となっている。
トランプ米大統領の就任演説や大統領令に関しては、これまでのトランプ氏の発言などから、トランプ関税、減税、移民送還、そして外交政策(ウクライナ、中東、グリーンランド、パナマ運河)などが想定される。
リスクシナリオとして、第1次トランプ米政権と同様に、金融緩和とドル安指向を改めて明言した場合には、要警戒となる。
第1次トランプ米政権で指名され、次期FRB議長候補のウォラーFRB理事は、先日、「関税引き上げにより物価上昇圧力の可能性が高まる」としながらも、「物価上昇圧力の持続的な上昇は引き起こさないとし、FRBは予想よりも早くより速いペースで利下げする可能性が高まる」、とのトランプ次期米大統領の要望に沿った見方を示した。
目先のトランプ次期政権にとっての懸念材料は、債務上限の引き上げ、あるいは効力の再停止に関する議会の判断となる。
先週末17日にイエレン米財務長官は、連邦債務の法定上限突破を回避するため、21日から会計上の特別措置を始めると発表し、債務上限の引き上げか一時停止を議会に要請した。
トランプ次期政権下では、共和党がホワイトハウスと上下両院を支配しているため、債務上限問題はこれまでのように難航する懸案にはならないと予想されているが、昨年末には、共和党の保守強硬派が債務上限の引き上げ、停止に難色を示したことで警戒しておきたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38830 +360 (+0.93%)
TOPIX先物 2698.5 +14.0 (+0.52%)
シカゴ日経平均先物 38795 +325
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
17日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。2024年12月の米住宅着工件数が前月比で15.8%増の年率換算149万9000戸となり、市場予想を上回ったほか、12月の米鉱工業生産も前月比0.9%増と予想を上回る伸びだった。また、国際通貨基金(IMF)は、25年の米成長率を2.7%と、昨年10月公表した予測(2.2%)から上方修正した。米経済は底堅さをみせているとの見方から、ハイテク株を中心に買いが広がった。
NYダウ構成銘柄ではアマゾン・ドット・コム
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比325円高の3万8795円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万8470円で始まり、3万8550円~3万8600円辺りでの保ち合いを経て、米国市場の取引開始後には一時3万8920円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は終盤にかけてやや上げ幅を縮め、3万8830円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。日経225先物は寄り付き後に下落する場面もみられたが、その後プラス圏を回復し、200日移動平均線(3万8500円)水準での底固めを経て、75日線(3万8970円)に接近する場面がみられた。
ナイトセッションの流れから、75日線と節目の3万9000円を捉えられるかが注目される。20日の米国市場はキング牧師の生誕祭で休場となるため、海外勢のフローは限られる。大きなトレンドは出にくいと考えられるが、直近の調整によりポジションはややショートに傾いていると考えられ、20日の米大統領就任式を前にニュートラルに近づける形でのカバーの動きが意識されやすい。
トランプ氏の大統領就任後の政権動向が注目されている。TikTokは18日、米連邦法による禁止措置を受け、米国内のサービスを停止。しかし、19日にトランプ氏が自身のSNS上で就任直後に禁止期限を90日間延長する可能性をツイートしており、一部でTikTokが再開されたと報じられている。米国ではトランプ政権による規制緩和や景気支援策への期待が高まる一方で、関税策への警戒感が高まりやすい。そのため、カバーは意識されるものの、積極的にロングを積み増す動きは期待しづらいところである。
日経225先物はナイトセッションの上昇でボリンジャーバンドの-1σを捉えてきたことで、同バンドを明確に上抜けてくるかが注目される。また、週足は-1σをサポートに中心値(13週)に接近してきており、トレンド転換が期待されそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円のレンジを想定し、-1σ突破から75日線辺りでの底堅さがみられる局面では、権利行使価格の3万8875円から3万9250円辺りのレンジに移行しよう。一方で、200日線に接近する局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
17日の米VIX指数は15.97(前日は16.60)に低下した。先週は13日につけた22.04を戻り高値に調整が強まり、週半ばに25日、75日線を割り込み200日線水準まで下げた。その後は200日線水準での攻防となり、週末の終値では同線を下回って終えているため、リスク選好に傾きそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいだった。一時14.39倍まで上昇し、75日線(14.36倍)を上回る場面もみられたが、その後は低下する形となった。75日線が抵抗として意識されやすいが、米国ではハイテク株主導で買われたこともあり、ややNTロングに向かいそうである。ただし、トランプ政権の関税政策の影響が警戒されるなか、75日線水準での攻防が続くようだと、ややNTショートが優勢になりそうだ。
中国の全国銀行間同業折借中心が20日に発表した2025年1月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)は、1年物を3.10%で据え置き、5年物も3.60%で据え置いた。
「政治屋は次の選挙を考え、政治家は次の時代のことを考える」
(A politician thinks of the next election and a statesman thinks of the next generation.)
この警句に拠れば、2026年の中間選挙のことを考えているバイデン第46代米大統領は「政治屋」であり、グリーンランド割譲とパナマ運河奪還で次世代のことを考えているトランプ第47代米大統領は「政治家」なのだろうか。
■国防生産法(Defense Production Act of 1950)
アメリカ合衆国で1950年の朝鮮戦争への対応策として制定された連邦法であり、緊急時に政府が産業界を直接的に統制できる権限を付与する。
■バイデン米大統領(2025年1月3日)
バイデン米大統領は、1月3日、日本製鉄(※粗鋼生産世界4位)によるかつての世界最大の鉄鋼メーカーUSスチール(※世界24位)の約150億ドル規模の買収(※世界3位の鉄鋼メーカー誕生)を国家安全保障上の懸念(※国防生産法)を理由に禁止命令を出した。
米大統領や政権関係者が国家安全保障を理由に特定の行動を正当化する場合、国家安全保障を自分たちが望むように定義することができるらしい。
「鉄は国家なり」を体現していた20世紀半ばの覇権国米国と20世紀後半の覇権国日本の諍いは、21世紀の覇権国である中国(上位10社中6社)を利することになるのかもしれない。
■トランプ次期大統領
・2024年12月2日「かつて偉大で強力だったUSスチールが外国の企業、今回の場合は日本製鉄に買収されることに全面的に反対する」
・1月6日「関税の引き上げによって、はるかに儲かり、価値のある会社になるというのに、誰がUSスチールを売りたいと思うだろうか」
■日本製鉄とUSスチールの共同声明⇒米国政府を提訴
「決定はバイデン大統領の政治的な思惑のためになされたものであり、アメリカの憲法上の適正手続きや対米外国投資委員会を規律する法令に明らかに違反している。日本製鉄とUSスチールは、法的権利を守るためにあらゆる措置を追求する」
■USスチールのデビッド・ブリットCEO
「バイデン大統領のきょうの行動は恥ずべきもので、腐敗している。彼は経済・国家安全保障上の重要な同盟国である日本を侮辱し、アメリカの競争力を危険にさらした。事実を知るためにわれわれと会うことさえ拒否しながら、これらの決定を行った」
■ゴンカルベス・クリーブランド・クリフス最高経営責任者(CEO)
世界25位(※2023年当時)の米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスは、2023年8月、24位のUSスチールに73億ドルで買収を提案したが、USスチール側は独占禁止法上の懸念などを理由に拒否した。
ゴンカルベスCEOは、2024年3月以降、少なくとも9回の投資家向け電話会議で、バイデン米大統領が日鉄によるUSスチール買収を阻止すると断言していた。
「中国は悪だ。邪悪で恐ろしい。しかし、日本のほうがひどい、断然ひどい。日本は邪悪だ。日本が製鉄を含め、中国にたくさんのことを教えた。中国の鉄鋼メーカー宝鋼集団は、日本製鉄によってつくられた」
■対米外国投資委員会(CFIUS)
イエレン米財務長官は、CFIUSは買収の詳細を精査し、買収を認めれば米国内の鉄鋼生産が減少し、国家安全保障上のリスクがある、とバイデン米大統領に報告した、と述べた。
バイデン米大統領は、認知症の疑いがあり、日本製鉄を中国の企業と勘違いしているのではないか、との疑惑があったが、CFIUSの報告書に基づいた判断だったらしい。
■ベッセント米次期財務長官
「日本製鉄によるUSスチールの買収計画について審査は終了しているが、再申請されれば通常どおり審査を実施する」
日経225先物は11時30分時点、前日比470円高の3万8940円(+1.22%)前後で推移。寄り付きは3万8770円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8795円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。直後につけた3万8680円を安値にロング優勢の流れとなり、一時3万9050円まで上げ幅を広げる場面もみられた。買い一巡後は終盤にかけてやや上げ幅を縮めているが、75日移動平均線水準で推移。
日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ(3万8810円)を突破したことでショートカバーを誘う形となり、その後75日線(3万8970円)突破でリバウンド基調が強まり、節目の3万9000円を回復した。回復後は利益確定に伴うロング解消とみられる動きから上げ幅を縮めているが、ショートも入りにくいなか、75日線近辺での底堅さがみられている。後場は終盤にかけて持ち高調整の流れになりそうだが、75日線水準での推移が続くようだと、ショーカバーを誘う展開もあるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいで推移。上昇して始まったが、75日線(14.37倍)に上値を抑えられる格好だった。変わらずの水準まで低下しており、短期的には改めてNTロングが入る可能性はありそうだ。
先週末のドル円は、米国の3連休を前にして、というよりは、トランプ米大統領の就任を前にして目先のポジション調整が先行することになりました。アジア時間に154.98円まで値を下げた後とあって、その後は米長期金利の上昇につれて156.37円まで買戻し。欧州時間に日銀ネタが予想通り報じられたものの、「既に完全に織込んでいる」市場にとっては、全く材料視されることなく、「単なる下押しの動き」を作っただけに終わったといったところ。
そして、米国がキング牧師の祝日で休場となっている週明けのアジア市場では、朝方から本邦実需の買いが観測されると先週末高値の156.37円や16日の高値156.52円を上抜けて一時156.58円まで値を上げたものの、仲値にかけては輸出の売りが観測されたこともあり、155.76円まで下押ししています。目先はNY時間の安値155.56円や欧州時間の安値155.41円がサポートレベルとして意識されています。
いずれにしても、本日は完全なトランプ待ちであることは確か。予定通りであれば、深夜の2時前後から始まる就任演説に注目が集まっているわけですが、ただ、2度目の就任である上、既にある程度の政策に対する方向性は見えているなか、前回のような「全く何が起きるのか見当が付かない」状況ではないのも事実です。
むしろ、現状では、植田日銀総裁が何をしゃべるのかといった、いわゆる、UEDAリスクの方が高い状況。「トランプ米政権の市場に及ぼす影響を見極める」ことが「就任演説を聞くだけ」の判断という、市場の不信感を最高潮に自らが引き上げる悪手を打ったほか、前回の会見で、利上げするには「もうワンノッチ欲しい」との見解を表明しておきながら、そのワンノッチも何もない中での突然の変更は、既に市場とのコミュニケーションの修復に絶望感しか存在していないような状況に陥っているわけで、ドル円のボラティリティを不必要に引き上げるだけの効果となっているといえます。
本日のロンドン為替市場のユーロドルとポンドドルは、ニューヨーク市場がキング牧師誕生日のため休場となり、トランプ米大統領の就任式が開催されるため動きづらい展開が予想される。
本日は、16時に12月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比+0.3%)、19時に11月ユーロ圏建設支出が発表され、23時にはブイチッチ・クロアチア中銀総裁、23時30分にはホルツマン・オーストリア中銀総裁の講演が予定されている。
両者ともこれまで、性急な利下げには否定的な見解を示しており、本日も同様のややタカ派的な見解が予想される。
第2次トランプ米政権では、英国や欧州に対するトランプ関税の引き上げや北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対する防衛費を国内総生産(GDP)比5%相当とすべきとの要請により、ユーロやポンドへの売り圧力が強まることが警戒されている。
さらに、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(BOE)は、景況感悪化懸念から追加利下げの可能性が高まりつつあることも、売り要因となっている。
また、ロシアの国営ガス会社ガスプロムがウクライナを経由したロシア産天然ガスの欧州向け供給を停止したことで、欧州のエネルギー安全保障の懸念が強まっている。
今後の欧州の景況感悪化やエネルギー価格の上昇要因となることが警戒されるため、ユーロ売り要因となる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0356ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:161.09円(1/16高値)
・ポンドドル:1.2297ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:192.95円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0239ドル(1/14安値)
・ユーロ円:159.73円(1/17安値)
・ポンドドル:1.2100ドル(1/13安値)
・ポンド円:189.34円(1/17安値)
ドル円:1ドル=156.06円(前営業日NY終値比▲0.24円)
ユーロ円:1ユーロ=160.78円(△0.22円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0302ドル(△0.0029ドル)
日経平均株価:38902.50円(前営業日比△451.04円)
東証株価指数(TOPIX):2711.27(△31.85)
債券先物3月物:141.07円(△0.07円)
新発10年物国債利回り:1.190%(▲0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月機械受注(船舶・電力除く民需)
前月比 3.4% 2.1%
前年同月比 10.3% 5.6%
11月鉱工業生産・確報値
前月比 ▲2.2% ▲2.3%
前年同月比 ▲2.7% ▲2.8%
11月設備稼働率
前月比 ▲1.9% 2.6%
11月第三次産業活動指数
前月比 ▲0.3% 0.1%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小安い。朝方には前週末高値の156.37円を上抜けて、一時156.58円まで上値を伸ばす場面もあったが、その後は次第に上値が重くなった。市場では「5・10日(ゴトー日)の仲値に向けてドルが余剰になった」との指摘もあり、13時前には155.71円まで下押し。もっとも、その後は再び156円台を回復するなど積極的に下値を探る動きにもならなかった。
・ユーロドルは小高い。一時1.0266ドルまで下落する場面があったものの、前週末安値の1.0265ドルが目先のサポートとして意識されると1.0307ドルまで切り返した。
・ユーロ円はもみ合い。160円台半ばを挟んだ水準で上下したが、総じて方向感は乏しかった。
・日経平均株価は反発。前週末の米国株式相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行した。週明けの中国・香港株が底堅く推移していることも相場を下支え。半導体関連株を中心に上値を伸ばし、指数は一時580円超高まで上昇する場面も見られた。
・債券先物相場は反発。トランプ米大統領の就任式や23-24日の日銀金融政策決定会合を控えて、いったん持ち高を調整する買い戻しが入った。
武者リサーチでは、2025年に特に注目されるのは日本株式と考えている。1ドル=150円台の円安が定着してデフレ完全脱却が見えてきたことで、長期で低落してきた日本の潜在成長率が上昇に転じる可能性が高いと考えている。5%近い高い賃上げの継続により消費が上向くとも指摘しており、設備投資とマンションブーム、ホテルブームで建設業が久々に活況を呈しているとのこと。中国に見切りをつけた企業の日本回帰や、海外企業の対日投資がTSMC熊本やラピダス千歳の先端半導体工場建設に続いて本格化していくと武者リサーチでは予想。日経平均は25%高の5万円が視野に入ってくると思われるとコメントしている。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、全米小売業協会(NRF)が発表した2024年の年末商戦期の米小売売上高が、前年比4%増の9941億ドルとなったことに注目している。NRFが事前に提示していた同2.5~3.5%増との予想を上回った。複合的な要因から今回は2023年の伸び率(同3.9%増)を下回るとみられていたが、結果的には過去最大の売上高を記録したとのこと。2月には米上場の小売企業の多くが第4四半期および通期決算を発表する予定となっているが、年末商戦の販売動向の発表は小売企業の決算を見通す上でのヒントになると東海東京では考えている。
大阪3月限
日経225先物 38910 +440 (+1.14%)
TOPIX先物 2715 +30.5 (+1.13%)
日経225先物(3月限)は前日比440円高の3万8910円で取引を終了。寄り付きは3万8770円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8795円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。直後につけた3万8680円を安値にロング優勢となり、前場終盤にかけては一時3万9050円まで上げ幅を広げた。買い一巡後はやや上げ幅を縮め、現物の後場取引開始時には3万8830円まで軟化した。後場は3万8850円~3万8950円での保ち合いを継続。
日経225先物はボリンジャーバンドの-1σ(3万8800円)を突破したことでショートカバーを誘う形となり、その後75日移動平均線(3万8970円)突破でリバウンド基調が強まり、節目の3万9000円を回復した。買い一巡後は上げ幅を縮めているが、ショートも入りにくいなか、75日線を下回っての推移とはなったが、同水準近辺での底堅さがみられている。
また、-1σ突破後は同水準を上回って推移したことで、これまでの下向きで推移する-2σと-1σによるレンジを上抜けてきた。一目均衡表では雲のねじれの局面(3万8810円)で雲を上回ってきており、上向きで推移する雲上限に沿ったトレンド形成をみせてくるかが注目されよう。一方で、今後、雲下限は緩やかながら3万9000円水準まで上昇してくるため、雲下限を下回ってくると、強い抵抗となる可能性がありそうだ。
まずは-1σを明確に上抜けてくるかを見極めたいところであり、-1σ突破から中心値(25日)の3万9290円辺りが射程に入ってくる。そのため、-1σ水準を中心としたオプション権利行使価格の3万8375円から3万9375円のレンジを想定しておきたい。
20日の米国市場はキング牧師の生誕祭で休場となるため、明日も海外勢のフローは限られるだろう。また、日本時間の21日未明にトランプ氏が米大統領に就任する。就任直後にも多くの大統領令に署名するとみられており、その内容を見極めたいとするムードから積極的な売買は手控えられそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいで推移。上昇して始まったが、75日線(14.37倍)に上値を抑えられる格好だった。その後は前日比変わらずの水準まで低下しており、結局はトレンドの出にくい状況だった。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7028枚、ソシエテジェネラル証券が1万4266枚、サスケハナ・ホンコンが3122枚、日産証券が2599枚、ゴールドマン証券が2341枚、モルガンMUFG証券が1997枚、SBI証券が1835枚、バークレイズ証券が1714枚、JPモルガン証券が1604枚、ビーオブエー証券が1008枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万6598枚、ソシエテジェネラル証券が1万3999枚、日産証券が4556枚、JPモルガン証券が3388枚、バークレイズ証券が3058枚、モルガンMUFG証券が2829枚、BNPパリバ証券が2779枚、ゴールドマン証券が2393枚、ビーオブエー証券が1610枚、SBI証券が1469枚だった。
本日これまでのドル円は156円を挟んで上下しやや神経質な動きもみられたが、徐々にトランプ氏の米大統領就任式待ちムードが強まり、いったん156円前半で動きが落ち着き方向感は限定的。
本日のNY市場はキング牧師誕生日で株式・債券市場は休場となるが、米大統領就任式に注目が集まっている。トランプ氏は2期目の米大統領就任式の前に「4年間にわたる米国の衰退に幕が引かれ、米国の強さと繁栄、尊厳と誇りの新たな1日が始まる」と宣言している。また、就任後数時間以内に100本近い大統領令に署名すると明言し、「かつてなく積極的かつ抜本的な国境回復の取り組み」を示した。
トランプ氏の第2次米政権下での関税やインフレを促す政策を巡る思惑でドルロングポジションの拡大が続いた。ドルのロングポジションが大きく膨らんでおり、トランプ氏が大統領就任後の数週間に想定されたほど積極的な関税措置を打ち出さなかった場合、ポジション巻き戻しが警戒される。
また、今週23-24日の日銀金融政策決定会合で利上げに踏み切ると市場はすでに8割以上織り込んでいるが、日銀はトランプ氏の大統領就任演説の内容や、金融市場の反応を見極めようとしている。トランプ氏が就任早々から積極的に動き回り、金融市場に波乱を与えるようであれば、日銀会合の政策決定にも影響を与えることになる。
・想定レンジ上限
ドル円、日足一目均衡表・転換線156.93円や15日高値158.08円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、先週末17日の安値154.98円や昨年12月18日安値153.34円が下値めど。
今週のNY市場はトランプ氏の政策と決算発表に注目。先週はダウ平均が3.69%高、S&P500が2.91%高、ナスダック総合が2.45%高と主要3指数がそろって3週ぶりに反発。今年初めての上昇となった。発表された12月生産者物価指数(PPI)と12月消費者物価指数(CPI)が予想を下回る伸びにとどまり、年内の利下げ期待が再び高まり、米10年債利回りも低下に転じたことが追い風となったほか、大手金融機関の第4四半期決算が総じて良好な結果となったこともセンチメントの改善につながった。投資家の不安心理を示すVIX指数は前週末の19.54ポイントから15.97ポイントへと12月27日以来の水準に低下した。
今週は月曜日がキング牧師生誕記念日の祝日で休場となるが、月曜日にトランプ大統領の就任式が予定され、相次いで打ち出すと予想される大統領令が注目されるほか、発表が本格化する第4四半期決算が焦点となりそうだ。決算発表はS&P500採用の約40銘柄が発表予定で、3M、ネットフリックス、ユナイテッド・エアラインズ、トラベラーズ、ジョンソン&ジョンソン(J&J)、プロクター&ギャンブル(P&G)、ハリバートン、GEエアロスペース、テキサス・インスツルメンツ、アメリカン・エキスプレス、ベライゾン・コミュニケーションなどの決算やガイダンスに注目が集まる。経済指標は12月景気先行指数、新規失業保険申請件数、1月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、12月中古住宅販売件数などが発表予定。
今晩はキング牧師誕生日の祝日のためNY株式市場が休場となります。主要な米経済指標や決算発表はなし。明朝の株式市場に関するニュース等は休信となります。
FOXニュースが報じたところによると、「トランプ氏は国境の壁建設の再開を指示する」もよう。
米ウォールストリートジャーナル紙が報じたところによると、「トランプ氏は貿易ビジョンを示すものの、新たな関税はまだ課さない見通し」だという。
日経平均株価は大幅反発。先週末に形成した下ヒゲの長い陰線十字足からマドを開けて上昇し、上値を伸ばす展開となった。1/14の陰線高値(39054円)や10日移動平均線(39101円 1/20)、一目均衡表の雲上限(38954円 同)などを意識して伸び悩んだが、7日ぶりの陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の27.8%→43.5%(1/20)へ上昇。あすは上昇継続のハードルが高くなる。12/27高値からの下値模索が続いたが、マドを開けた状態で陽線で終えており、5日移動平均線(38569円 同)の上向きへの変化などがあすの株価を押し上げるかが注目される。
下向きに変化している10日移動平均線(39101円 同)や25日移動平均線(39262円 同)などに上値を抑えられる可能性は高いが、早期に75日移動平均線(38952円 同)上への回復や、1/14の下げで形成したマドを埋め戻せるかが、昨年10月以降のもみ合い相場継続を確認できる最初の関門となる。
上値メドは、25日移動平均線、心理的節目の39500円や40000円、12/27高値(40398円)などが考えられる。下値メドは、100日移動平均線(38588円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円、9/12高値(36902円)などがある。
(20日終値:21日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.82円(20日15時時点比▲0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.82円(△1.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0385ドル(△0.0083ドル)
FTSE100種総合株価指数:8520.54(前営業日比△15.32)
ドイツ株式指数(DAX):20990.31(△86.92)
10年物英国債利回り:4.659%(▲0.001%)
10年物独国債利回り:2.526%(▲0.009%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月独生産者物価指数(PPI)
(前月比) ▲0.1% 0.5%
12月スイス生産者輸入価格
(前月比) 0.0% ▲0.6%
11月ユーロ圏建設支出
(前月比) 1.2% 0.8%・改
(前年比) 1.4% 0.0%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。欧州勢が参入するとじり高の展開となり、20時過ぎに一時156.46円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値156.58円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。米ウォールストリートジャーナル紙(WSJ)が「米大統領に就任するトランプ氏は米国への輸入品に対する新たな関税について、本日の発動は見送る見通し」と報じると、米インフレ再加速への懸念が和らぎ全般ドル売りが優勢となった。23時30分過ぎには一時155.42円と日通し安値を更新した。
なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.95まで低下した。
・ユーロドルは上昇。米国がキング牧師誕生日で休場となる中、しばらくは1.03ドル台前半でのもみ合いが続いた。ただ、WSJの報道を受けて投資家の過度な警戒感が和らぐとともに、関税引き上げを見込んで積み上がっていたドル買いポジションを解消する動きが出ると一時1.0430ドルと日通し高値を更新した。
ただ、今月6日と7日に上値を抑えられた1.0430ドル台が本日もレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
・ユーロ円は底堅い動き。英独株価指数が史上最高値を更新したほか、ダウ先物が上昇すると投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが優勢となった。24時30分前には一時本日高値となる162.31円まで値を上げた。
・ロンドン株式相場は4日続伸し、史上最高値を更新した。前週発表の英経済指標が低調となったことで、英中銀(BOE)が利下げに動きやすくなるとの思惑から買いが優勢となった。ただ、短期的な過熱感から利益確定目的の売りなどが出ると伸び悩んだ。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われた半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られた。
・フランクフルト株式相場は5日続伸し、史上最高値を更新した。米大統領に就任するトランプ氏が打ち出す政策への警戒感は根強いものの、アジア株相場の上昇が投資家心理を支え株買いを促した。時間外のダウ先物の上昇なども相場の支援材料。個別ではコメルツ銀行(3.02%高)やダイムラー・トラック・ホールディング(2.86%高)、BMW(2.80%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。
20日の日経平均は大幅反発。終値は451円高の38902円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1290/値下がり304。円高一服が好感されたか、トヨタ、SUBARU、スズキ<7269.T>など自動車株が大幅上昇。米国でエヌビディアなど半導体株が強かったことから、SCREEN、レーザーテック、アドバンテストなどに資金が向かった。観測報道から日銀の1月利上げの可能性が高まる中、三菱UFJやみずほFGなど銀行株が全般堅調。フジメディア、日テレ、TBSなど、足元で強烈に売り込まれていたテレビ局株に押し目買いが入った。
一方、東京エレクトロンやディスコなど半導体株には逆行安となるものも散見された。川崎汽船など海運大手3社がそろって下落。NY原油の下落を受けてINPEXが売りに押された。大幅な下方修正が嫌気されたヨロズが6%を超える下落となった。
日経平均は大幅反発。39000円の節目を超えたところで分かりやすく上値が重くなったものの、7日ぶりに陽線を形成した。451円高(38902円)と値幅も出たことで、底割れに対する懸念もやや後退した。
本日の米国では大統領就任式が行われるが、株式市場はキング牧師生誕日により休場。新大統領のトランプ氏は就任早々から大量の大統領令に署名するとみられており、あすの東京市場はニュースのヘッドラインなどに神経質となりそう。ただ、17日の米国株が就任式を前に大幅高となったことは、新大統領に対する過度な不安を和らげる。国内も1月日銀会合での利上げの可能性が高まる中で、幅広い銘柄に買いが入った。きょうの上げ分を全て消失するほどの下げにならなければ、大統領就任イベントは無難に消化したと考えられる。あすはきょう上回った5日線(38569円、20日時点)を割り込むことなく推移できるかに注目しておきたい。
ドナルド・トランプ氏はこの日、第47代米大統領に就任した。
<国内>
特になし
<海外>
○16:00 ◎ 12月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○16:00 ◎ 9-11月英失業率(ILO方式、予想:4.4%)
○17:30 ◎ 12月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比1.5%)
○19:00 ◎ 1月独ZEW景況感指数(予想:15.3)
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏ZEW景況感指数
○20:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○22:30 ◎ 12月カナダCPI(予想:前月比▲0.4%/前年比1.9%)
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、24日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
20日07:57 トランプ氏
「バイデン政権の大統領令は全て撤回される」
21日02:27
「インフレ阻止やコスト低下を閣僚に指示する」
「外国に関税や税金を課す」
「EV販売の義務付けを撤廃する」
「国民を守るため貿易システムを見直す」
「国家エネルギーの非常事態を宣言する」
「パナマ運河を取り戻す」
20日15:22 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「1月の利下げは規定の結論ではない」
「CPIが上昇している時に金利を引き下げると、信頼性が損なわれる」
20日22:54 プーチン露大統領
「新たな米政権との対話に前向き」
「我々はロシアの利益のために戦う」
「ウクライナの永続的な平和を望む」
20日23:56 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「インフレを巡るリスクは均衡している」
「現在のECB政策スタンスには満足」
「データは概ねECB予測と一致している」
「為替市場の動きに注目している」
21日02:33 ホワイトハウス
「トランプ大統領はパリ協定から離脱する意向」
※時間は日本時間
20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、第2次トランプ米政権での関税引き上げの先送りを受けて155.42円まで下落した。ユーロドルは1.0434ドルまで上昇した。ユーロ円は英独株価指数が史上最高値を更新したことで162.31円まで上昇後、161.54円付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ米大統領が就任演説や大統領令で関税発動を見送ったことを受けたドル全面安の流れが継続することが予想される。
第2次トランプ米政権では、まず、中国、カナダ、メキシコに対する関税を発動して貿易戦争を仕掛ける前に貿易関係を検証し、今後数週間または数カ月の関税発動に向けた準備を進める可能性が示された。
トランプ米大統領は、外国からの関税を徴収する新機関「外国歳入庁」を設立して、「他の国を豊かにするために米国民に課税するのではなく、米国民を豊かにするために外国に関税と税金を課す」と述べており、通商協議が不調に終わった場合は、関税を引き上げて貿易戦争に踏み切る可能性を残している。
しかし、第2次トランプ米政権の通商政策が、警戒されていたような強硬路線ではなく、通商交渉による穏健路線となる可能性が示されたことで、23-24日の日銀金融政策決定会合では0.50%への追加利上げの可能性が高まっている。
先週、氷見野日銀副総裁と植田日銀総裁は、23-24日の日銀金融政策決定会合について、トランプ次期米大統領の演説内容、政策などを見極めて、追加利上げを行うかどうか判断する、と述べていた。
オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げ確率は80%台となっている。
目先の第2次トランプ米政権にとっての懸念材料は、債務上限の引き上げ、あるいは効力の再停止に関する議会の判断となる。イエレン前米財務長官は、連邦債務の法定上限突破を回避するため、21日から会計上の特別措置を始めると発表し、債務上限の引き上げか一時停止を議会に要請していた。
昨年末の「つなぎ予算」の協議の際に、共和党の保守強硬派が、トランプ次期米大統領の債務上限の引き上げ、停止要請を拒否していたことで警戒感が高まっている。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38960 +50 (+0.12%)
TOPIX先物 2715.5 +0.5 (+0.01%)
シカゴ日経平均先物 38965 +55
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
20日の米国市場はキング牧師の生誕祭で休場。トランプ氏が第47代米大統領に就任し、「米国第一主義」を積極的に推進していくと述べた。トランプ氏は大統領令の第1弾として、メキシコ国境を巡り国家非常事態宣言を直ちに発令する方針を示した。また、複数の海外メディアは、就任初日に新たな関税の発動は見送ると報じており、為替市場では円相場が1ドル=155円台半ばと、円高に振れて推移している。20日の欧州市場はドイツDAX指数が5日続伸、英FTSE100指数は4日続伸だった。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比55円高の3万8965円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比10円高の3万8920円で始まり、その後はショート優勢のなかで3万8770円まで売られる場面もみられた。ただし、売り一巡後は中盤にかけてショートカバーを誘う形からプラス圏を回復すると、一時3万9100円まで買われた。終盤にかけて軟化したが、3万8960円とプラス圏をキープしてナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや買い先行で始まることになろう。トランプ氏が就任初日に新たな関税を見送るとの報道を受け、懸念が和らぐ形となった。日経225先物はナイトセッションで寄り付き後に下落する場面もみられたが、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)水準が支持線として意識され、その後は75日移動平均線(3万8960円)を挟んでの推移となった。
75日線と節目の3万9000円処では強弱感が対立しやすいものの、これまでの下向きで推移する-2σ(3万8290円)と-1σによるレンジを上抜けてきたことで、リバウンドを意識した押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、-1σと中心値(25日)が位置する3万9270円とのレンジに移行するとみられ、オプション権利行使価格の3万8750円から3万9250円のレンジを想定する。
また、週間形状では13週線(3万8990円)が抵抗線として意識されそうだが、同線を上回ってくると、+1σ(3万9640円)とのレンジに移行する可能性がありそうだ。まずは強弱感が対立する節目の3万9000円を明確に上抜けてくるかを見極めたい。
本日は米国休場の影響により、海外勢のフローは限られるとみられる。ただし、祝日明けの米国市場はトランプ氏の米大統領就任を受け、政策を期待した相場展開となるため、ショートは避けておきたいところである。グローベックスの米株先物の動向を睨んでの展開となるが、米株先物が強い値動きをみせてくるようだと、ロングの勢いが強まる展開もあるだろう。
20日の米VIX指数は15.81(17日は15.97)に低下した。上昇して始まり、一時16.59をつけたが、その後は200日線(16.26)を挟んだ推移となった。終値では同線を下回って終えているため、リスク選好に傾きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいで推移。上昇して始まったが、75日線(14.37倍)水準に上値を抑えられる格好だった。その後は前日比変わらずの水準まで低下しており、結局はトレンドの出にくい状況だった。本日は指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均型を牽引する展開が期待されるため、ややNTロングでのスプレッド狙いに向かわせよう。
日経225先物は11時30分時点、前日比70円高の3万8980円(+0.17%)前後で推移。寄り付きは3万9080円とシカゴ日経平均先物清算値(3万8965円)を上回り、節目の3万9000円を回復して始まった。現物の寄り付き直後には3万9250円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は急速に軟化して下げに転じ、中盤には一時3万8640円まで下げ幅を広げたが、売り一巡後は終盤にかけて持ち直しており、75日移動平均線水準で推移。
トランプ米大統領が掲げる新たな関税について、就任初日の発動を見送る見通しとの海外メディアの報道を手掛かりに、ロング優勢で始まった。節目の3万9000円を上回って始まったことでショートカバーを誘い込み、一時25日線(3万9270円)に迫る場面もみられた。その後は、トランプ大統領がメキシコやカナダからの輸入品に25%の関税を課すことを検討しているとの報道をきっかけにロング解消の動きに向かわせた。一時ボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)を下回ったものの、売り一巡後は終盤にかけて持ち直しており、75日線が位置する3万8960円水準での底堅い値動きを継続している。
NT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。一時14.31倍に低下する場面もみられたが、その後は75日線(14.36倍)水準での推移となった。同線を明確に上抜くまでは、NTロングでのスプレッドは狙いにくい。
昨日の海外市場では、トランプ米大統領の就任演説を前にしてWSJが「貿易のビジョンを示すものの、本日の関税発動はない」と報じると一気にドル売りで反応。ユーロドルが急伸したほか、オージーやカナダドルなどが急騰。ドル全面安という動きとなりました。ドル円は156.46円の戻り高値から155.42円まで下落。演説中に関税について言及した場面では156.05円まで買戻されたものの、戻りも限定的。155.50円まで下押ししてNY市場を終えました。
そして、アジア市場に入ってからは、米長期金利が大幅に低下して始まったことから昨日安値の155.42円や17日の安値154.98円を下抜けて一時154.91円まで売り込まれましたが、就任式を終えたトランプ米大統領が、執務室で大統領令にサインしながらの記者団との対話のなかで「カナダとメキシコには2月1日から25%の関税をかけると思う」と発言。今度は一転してドル急騰となると、ドル円は一時156.23円まで買い上げられました。ただ、その後は再びクロス円の売りが加速。再び154.78円まで値を下げるなど、荒い値動きを繰返しています。
いずれにしても、「第1次トランプ政権に比べればやさしい相場」ではあるものの、初日からボラティリティを伴った動きとなっているわけで、新たな相場のリズムをつかんでいくことが重要となっていきそうです。
「金利はかなり高すぎる」(トランプ次期米大統領:2025年1月8日)
トランプ氏は、不動産業で財を成したことで、安い金利とドル安を好んでいる。
第1次トランプ米政権(2017年~2020年)では、トランプ第45代米大統領は、金利安・ドル安を志向していた。第2次トランプ米政権(2025年~2028年)でも、トランプ第47代米大統領は、関税引き上げや減税などの財政拡張的政策を打ち出しつつも、金利安・ドル安を志向する可能性が高いと思われる。
パウエル第16代FRB議長の任期は、2026年5月までだが、第1次トランプ米政権下で指名された2人のFRB理事、ウォラーFRB理事とボウマンFRB理事のハト派路線に注目しておきたい。
1.レーガン第40代米大統領 対 ボルカー第12代FRB議長
レーガン第40代米大統領は、金利引き下げ要請を無視し続けるFRBに、4人の刺客FRB理事(マーティン理事、シーガー理事、エンジェル理事、ジョンソン理事)を送り込み、FRB理事7名中、「4人組」の刺客が誕生した。
1986年2月、ダラス地区連銀とサンフランシスコ地区連銀が、公定歩合を0.5%引き下げるように要請した。7名のFRB理事による投票の結果、4対3で利下げが決定され、FRB議長の金利据え置きの要望が投票で否決されたことで「4人組の反乱」と言われた。
ボルカー第12代FRB議長は「あなた方は、何でも自分達のやりたいようにやればいい。ただし、私抜きでだ」と言い放ち、黄色い罫紙に辞表を殴り書きしてベーカー米財務長官に手渡した。
ニューヨーク株式市場は、カリスマFRB議長の辞任後の10月に「ブラックマンデー」に襲われ、リセッション(景気後退)(1990年7月-1991年3月)に陥った。
2.トランプ第47代米大統領 対 パウエル第16代FRB議長
■ウォラーFRB理事(ハト派)
2025年1月8日、トランプ次期米大統領が「金利はかなり高すぎる」と金融緩和路線の継続を要請した。
同日、ウォラーFRB理事は、「インフレ率は2025年も引き続き低下し、不確実なペースではあるもののFRBは追加利下げが可能になるはずだ」との見解を示した。
また、第2次トランプ米政権での関税引き上げにより「インフレに対する新たな上昇圧力の源泉が出現する可能性が高まる」としながらも、物価上昇圧力の持続的な上昇は引き起こさないとし、「適切な金融政策に関する私の見解に影響を与える可能性は低い」と述べた。
■ボウマンFRB理事(タカ派)
2025年1月9日、ボウマンFRB理事は、利下げについて「最終段階」との認識を示した。インフレ率が高止まりするリスクに強い懸念を示し、高金利政策の維持を訴えた。
ボウマンFRB理事は、2024年9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.5%の利下げ決定に19年ぶりとなる反対票を投じた。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、1月独ZEW景況感指数やユーロ圏ZEW景況感指数を見極めつつ、当面の欧米貿易戦争を回避できた債券・株式市場の動向に注目する展開が予想される。
しかし、トランプ米大統領が「メキシコとカナダに25%の関税を課すことを検討中」と発言していることで、欧州や英国に対するトランプ関税に関するヘッドラインには警戒しておきたい。
1月の独ZEW景況感指数の予想は15.3で、12月の15.7からの悪化が見込まれているが、予想外に悪化していた場合は、欧州中央銀行(ECB)による追加利下げ観測が高まることで、ユーロの上値を抑える要因となる。
ポンドドルは、12月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)や9-11月英失業率(ILO方式、予想:4.4%)を見極めつつ、当面の英米貿易戦争を回避できた債券・株式市場の動向に注目する展開が予想される。
英国の雇用情勢が悪化していた場合、イングランド銀行(BOE)の追加利下げ観測が高まることで、ポンドの上値を抑える要因となる。
また、第2次トランプ米政権では、英国や欧州に対する北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対する防衛費を国内総生産(GDP)比5%相当とすべきと要請しており、ユーロやポンドへの売り圧力は残されている。
さらに、第2次トランプ米政権によるウクライナ戦争への対応、ウクライナへの軍事支援継続か打ち切りか、などに関連するヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0520ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:163.81円(1/8高値)
・ポンドドル:1.2415ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:193.20円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0306ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:160.32円(1/20安値)
・ポンドドル:1.2234ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:189.89円(1/20安値)
大阪3月限
日経225先物 38960 +50 (+0.12%)
TOPIX先物 2710.5 -4.5 (-0.16%)
日経225先物(3月限)は前日比50円高の3万8960円で取引を終了。寄り付きは3万9080円とシカゴ日経平均先物清算値(3万8965円)を上回り、節目の3万9000円を回復して始まった。現物の寄り付き直後には3万9250円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は急速に軟化し、前場中盤には一時3万8640円まで下げ幅を広げたが、売り一巡後は前場終盤にかけて持ち直し、75日移動平均線水準で推移。後場は現物の取引開始直後に3万9050円をつけた後は、3万8900円から3万9050円辺りでの保ち合いが続いた。
トランプ米大統領が掲げる新たな関税について、就任初日の発動を見送る見通しとの海外メディアの報道を手掛かりに、ロング優勢で始まった。節目の3万9000円を上回って始まったことでショートカバーを誘い込み、一時25日線(3万9270円)に迫る場面もみられた。その後は、トランプ大統領がメキシコやカナダからの輸入品に25%の関税を課すことを検討しているとの報道をきっかけにロング解消の動きに向かわせた。
もっとも、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)を一時下回ったものの、売り一巡後は前場終盤にかけて持ち直しており、その後は75日線を挟んでの保ち合いが続いた。東証プライム市場の売買高は15億3800万株にとどまっており、米国市場が休場だったため海外勢のフローは限られた。スキャルピング中心のトレードのなかで、振れやすい状況だったとみられる。
グローベックスの主要な米株先物は小幅ながらプラス圏で推移している。祝日明けの米国市場ではトランプ大統領就任を材料視した動きが見込まれる。今後の関税政策の行方やトランプ氏の発言によってボラティリティの高い相場展開になりそうだが、調整が強まる局面では押し目狙いのロングでの対応とみておきたい。
また、今後は日銀の金融政策決定会合に関心が集まりやすい。追加利上げを決めるとの観測が高まる状況のなか、決定会合前には持ち高調整に伴うリバランスの動きが意識される。弱含む局面ではイベント通過後のアク抜け的な動きを想定した押し目を狙いたいところである。
日経225先物は75日線が支持線として機能するようだと、25日線を目先的なターゲットとしたロングが入りやすいとみられる。また、週間形状では13週線(3万9000円)を突破してくるようだと、方向性としては4万円を意識したトレンド形成が期待されてくるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。一時14.32倍に低下する場面もみられたが、その後は75日線(14.36倍)水準での推移となった。同線を明確に上抜くまでは、NTロングでのスプレッドは狙いにくい。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0531枚、ソシエテジェネラル証券が1万7021枚、サスケハナ・ホンコンが4136枚、SBI証券が3373枚、JPモルガン証券が2532枚、日産証券が2142枚、バークレイズ証券が1900枚、ゴールドマン証券が1399枚、モルガンMUFG証券が1286枚、楽天証券が1248枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8798枚、ソシエテジェネラル証券が1万3233枚、バークレイズ証券が3494枚、JPモルガン証券が3023枚、モルガンMUFG証券が2653枚、ゴールドマン証券が2076枚、日産証券が1514枚、野村証券が1216枚、ビーオブエー証券が1129枚、シティグループ証券が916枚だった。
ドル円:1ドル=155.32円(前営業日NY終値比▲0.30円)
ユーロ円:1ユーロ=161.20円(▲0.89円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0379ドル(▲0.0037ドル)
日経平均株価:39027.98円(前営業日比△125.48円)
東証株価指数(TOPIX):2713.50(△2.23)
債券先物3月物:141.15円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:1.185%(▲0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は荒い値動き。朝方から売りに押されて154.91円まで下押す場面があったものの、トランプ米大統領が「メキシコとカナダに25%の関税を課すことを検討中。2月1日に施行すると思う」との見解を示すと、米10年債利回りが4.57%台まで上昇したことに伴い、156.23円まで買い戻しが入った。ただ、米金利の上昇は続かず、10年債利回りが4.52%台まで低下したため、その後は一転して154.78円まで下押し。午後に入ると米金利の低下一服に伴って155円台半ばまで下値を切り上げるなど、米金利動向をにらみながら荒く上下した。
・ユーロドルは弱含み。トランプ米大統領の意向が伝わり、米金利が上昇した場面では1.0353ドルまで売りに押された。その後は米金利が低下したことに伴って1.0400ドル付近まで買い戻しが入ったが、戻りは鈍かった。
・ユーロ円は軟調。ドル円の下落やユーロドルの戻りの鈍い動きにつれて円買い・ユーロ売りが進んだ。日銀の利上げ観測も引き続き相場の重しとなり、一時160.96円まで下落する場面が見られた。
・日経平均株価は続伸。トランプ米大統領が就任初日に関税発動を見送ったことで自動車株などを中心に買いが入り、寄り付き後に一時330円超上昇する場面があったものの、その後はすぐに上値が重くなった。トランプ米大統領が「カナダとメキシコへの関税を検討」との見解を示すと、一転して250円超安まで下押し。ただ、上下に振れた後は様子見ムードが強まり、再びプラス圏に浮上した。
・債券先物相場は続伸。トランプ米大統領が就任初日の関税発動を見送り、休場明けの時間外取引で米長期金利が低下したことを受けた買いが入った。もっとも、トランプ米大統領の「カナダとメキシコへの関税を検討している」との発言が伝わると、上げ幅を縮小した。
トランプ米新政権の関税に絡んで東京市場でもドル円が乱高下するなど、足もとではトランプ米大統領の発言に一喜一憂する相場展開が続きそうだ。
トランプ米大統領が就任初日での関税導入を見送り、全般ドル高に調整が入ったが、2月からメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課すことを検討していると報じられ警戒感が再燃している。もっともトランプ米大統領は「アメリカ・ファースト」を強調しており、関税を課すと方針に変わりはないだろう。ただ、中国などの譲歩を引き出す狙いで時間的な猶予を与えて交渉する可能性はある。関税引き上げをめぐり、特定の国を指定するのか一律に引き上げる方針なのか、一気にかけるのかそれとも段階的に引き上げるのか、また関税の目的はディールの手段なのかそれとも貿易赤字の削減のためなのかなど不透明な部分も多く、トランプ米大統領の発言に金融相場全体が神経質な動きになるトランプ劇場が始まったのである。
本日のNY市場では注目の経済指標の発表は予定されておらず、ドル円は祝日明けの米株・米長期金利の動向を睨んだ動きが見込まれる。時間外の米長期金利は大幅低下したが、インフレ懸念は払しょくされず金利の低下も一服し、ドル円の買い戻しが期待されるが、日銀が23-24日会合で利上げに踏み切るとの見方が引き続き上値を圧迫しそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円、日足一目均衡表・転換線156.83円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値154.78円が下値めど。
東海東京インテリジェンス・ラボでは米国株に関するリポートの中で、米長期金利の動向には引き続き警戒が必要とコメント。(1)いまだ堅調な米国経済、(2)トランプ新政権の政策を巡る不透明感、(3)米財政赤字のさらなる拡大への懸念―などから、足元の米金利上昇は複数の要因が絡み合った、かなり「根深い」ものになっていると指摘している。ただし、仮に金利低下の追い風が吹かないとしても、高めの経済成長と低インフレ、企業収益の拡大が継続するのであれば、米株市場の上昇基調は今後も維持されると東海東京では考えている。
関係者筋の話として一部報道が伝えたところによると、政府は3月25日に任期を迎える安達誠司日銀審議委員の後任人事案を28日にも提示する見込みだという。
今晩はもみ合いか。昨日はキング牧師誕生日の祝日のためNY市場が休場。先週は物価指標の鈍化を受けて年内の利下げ期待が再び高まったことや、大手金融機関の第4四半期決算が総じて良好な結果となったことで主要3指数がそろって3週ぶりに反発。ダウ平均が3.69%高、S&P500が2.91%高、ナスダック総合が2.45%高と軒並み大幅高となった。
今晩はもみ合いか。昨日は休場だったが、トランプ氏が第47代大統領に就任し、多数の大統領令に署名したほか、不法移民対策として南部国境の緊急事態を宣言した。関税に関してメキシコとカナダに25%関税を2月1日発動することを示唆したが、交渉の余地も残された。今後はトランプ政権が打ち出す具体的な政策に一喜一憂する展開が予想され、今晩の取引でも政策にらみの神経質な展開となりそうだ。
今晩は主要な米経済指標の発表はなし。決算発表は寄り前にD.R.ホートン、プロロジス、キーコープ、3M、チャールズ・シュワブ、引け後にネットフリックス、ユナイテッド・エアラインズなどが発表予定。
日経平均株価は続伸。下向きの25日移動平均線(39248円 1/21)に上値を抑えられ、失速する格好となった。一時は38700円を割り込む場面もあったが、上向きに転じた5日移動平均線(38679円 同)付近をサポートに下げ幅を縮小。終値ベースでは75日移動平均線(38942円 同)上を回復した。
RSI(9日)は前日の43.5%→28.5%(1/21)へ低下。75日移動平均線上を回復したほか、1/14の下げで形成したマドを埋め戻した。上向きに転じた5日移動平均線が押し上げ要因となり、25日移動平均線上を回復できるかがポイントになる。
上値メドは、心理的節目の39500円や40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などが考えられる。下値メドは、75日移動平均線、100日移動平均線(38599円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円などがある。
(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.57円(21日15時時点比△0.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.12円(△0.92円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0421ドル(△0.0042ドル)
FTSE100種総合株価指数:8548.29(前営業日比△27.75)
ドイツ株式指数(DAX):21042.00(△51.69)
10年物英国債利回り:4.590%(▲0.069%)
10年物独国債利回り:2.510%(▲0.016%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月英雇用統計
失業率 4.6% 4.6%
失業保険申請件数
0.07万件 ▲2.51万件・改
9-11月英失業率
(ILO方式) 4.4% 4.3%
1月独ZEW景況感指数
10.3 15.7
1月ユーロ圏ZEW景況感指数
18.0 17.0
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。「トランプ米大統領がカナダとメキシコに25%の関税を検討している」と伝わったのをきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行。18時30分過ぎに一時1.0342ドルと日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。英独株価指数が史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移するとリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.0430ドル付近まで値を上げた。市場では「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買い・ドル売りのフローが観測された」との声も聞かれた。
ナーゲル独連銀総裁はこの日、「ECBが来週利下げする可能性は十分にある」「ECBはデータに基づいて決定を下す」などと述べたが、相場の反応は限られた。
・ドル円は戻りが鈍かった。対ユーロなどでドル買いが先行するとドル円にも買いが入り、20時30分前には156.05円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値156.23円が目先レジスタンスとして意識されると次第に上値が重くなった。ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りが観測されると一時155.25円付近まで下押しした。
なお、「日銀は23-24日に開く金融政策決定会合で、政策金利の追加引き上げを決める方向」との報道が伝わったが、「追加利上げは織り込み済み」との見方から反応は限定的だった。
・ユーロ円は堅調。しばらくは狭いレンジでのもみ合いが続いていたが、欧米株価の上昇を背景にリスク志向の円売り・ユーロ買いが出ると一時162.18円まで値を上げ、日通し高値を更新した。
・ロンドン株式相場は5日続伸し、史上最高値を更新した。20日に就任したトランプ米大統領が新たな関税の即時発動を見送ったことから、買いが優勢となった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われたほか、ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が値上がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株は売られた。
・フランクフルト株式相場は6日続伸し、史上最高値を更新した。20日に就任したトランプ米大統領が新たな関税の即時発動を見送ると、関税を巡る過度な警戒が薄れ、買いが広がった。個別ではシーメンス・エナジー(3.31%高)やシーメンス・ヘルシニアーズ(3.22%高)、ラインメタル(1.88%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
21日の日経平均は続伸。終値は125円高の39027円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり940/値下がり615。ディスコやレーザーテックなど半導体株の一角が大幅上昇。任天堂、DeNA、コロプラなどゲーム株や、ANYCOLOR、カバーなどVチューバー関連にしっかりとした動きが見られた。3Q速報値で足元の業績好調が確認できた極東証券が急伸した。
一方、防衛大手の川崎重工、三菱重工、IHIがそろって大きめの下落。メタプラネット、セレス、リミックスポイントなど暗号資産関連の多くが値幅を伴った下げとなった。トランプ大統領が化石燃料の開発拡大に意欲を示していることから原油の需給は緩むとの見方が強まり、INPEX、石油資源開発、ENEOSなどが売りに押された。
日経平均は続伸。前場は振れ幅が大きくなったが、後場に入ると値動きが落ち着いた。トランプ新大統領に不安がないわけではないが、ある程度過激な発言が出てくることへの心構えもできていたことから、下げたところでは押し目買いが入った。終値(39027円)ではきっちり節目の39000円を上回っている。マウントを取ってディールを好むトランプ流の政治手法は経験済みではあるだけに、きょうのようにニュースでいったん下に反応しても、リスクオフには至らないといった場面がこの先は増えてくるかもしれない。
1月の日銀会合では利上げが濃厚とみられている。本日の日経平均がプラスで終えたことで、その確度は一段と高まった。きょうの国内金融株は弱い部類に入る銘柄が多く、利上げを意識した動きは限られた。織り込みが完全に進んだのかどうか、あすの日本株の動きは注目される。金融株だけが強く他が嫌われるようだと、ここから結果発表までは買い手不在に陥りやすい。一方、金融株以外に買われる銘柄が多いようなら、1月会合は波乱なく通過できるとの期待が高まる。特に、国内金利の上昇が逆風となる不動産株やREIT指数の動向を注視しておきたい。
(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.52円(前営業日比▲0.10円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.14円(△0.05円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0428ドル(△0.0012ドル)
ダウ工業株30種平均:44025.81ドル(△537.98ドル)
ナスダック総合株価指数:19756.78(△126.58)
10年物米国債利回り:4.57%(▲0.06%)
WTI原油先物2月限:1バレル=75.89ドル(▲1.99ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2759.2ドル(△10.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは小幅ながら続伸。アジア時間に「トランプ米大統領はカナダとメキシコに25%の関税を検討」と伝わったことを受けて、欧州市場まではユーロ売り・ドル買いの流れが続いた。18時30分過ぎには一時1.0342ドルと日通し安値を付けた。
ただ、NY市場に入ると買い戻しが優勢に。英独株価指数が史上最高値を更新し、ダウ平均が一時560ドル超上昇するなど、欧米株相場が堅調に推移するとリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが入った。市場では「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買い・ドル売りのフローが観測された」との声も聞かれ、一時1.0435ドルとアジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。
・ドル円は小幅続落。対ユーロなどでドル買いが先行するとドル円にも買いが入り、20時30分前には156.05円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値156.23円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りが観測されると一時155.25円付近まで下押しした。
なお、「日銀は23-24日に開く金融政策決定会合で、政策金利の追加引き上げを決める方向」との報道が伝わったが、「追加利上げは織り込み済み」との見方から反応は限定的だった。
・ユーロ円は小幅に3日続伸。アジア市場では一時160.96円まで売られたものの、欧米市場に入ると買い戻しが優勢となり上げに転じた。欧米株価の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢になると、一時162.23円と本日高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。20日に就任したトランプ米大統領が新たな関税の即時発動を見送ると、関税を巡る過度な警戒が薄れ、買いが広がった。「トランプ氏はAIインフラに巨額投資する方針を発表する見通し」との報道を受けて、半導体株への買いが目立った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸。米長期金利の低下で高PER(株価収益率)のハイテク株に買いが入った。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。20日に就任したトランプ米大統領が新たな関税の即時発動を見送ると、関税の引き上げに伴う物価上昇への警戒がひとまず後退し買いが広がった。
・原油先物相場は大幅に3日続落。イスラエルとイスラム組織ハマス間での停戦が発動を受けて、中東の地政学リスク低下から供給懸念が後退。また、米国のトランプ新大統領がエネルギーに関する国家非常事態を宣言し、規制を撤廃して同国の石油やガス生産を最大化する計画を打ち出した。これらが売り圧力に繋がり、一時75ドル半ばまで下値を広げた。
・金先物相場は反発。時間外につけた2715ドル台を下値に切り返すと、先週高値を超えて2762ドルまで上げ幅を広げた。米長期金利の低下が金利を生まない金にとって支えとなり、為替のドル安もドル建て金に割安感を生じさせて買いに繋がった。
21日11:04 加藤財務相
「米政策の世界経済・日本経済への影響が貿易・金融などのルートでどう生じてくるのか高い関心もって注視」
「日銀において適切な金融政策運営なされると期待している。具体的な内容は日銀に委ねられている」
21日12:44 三村財務官
「足元の為替の動き、私の立場ではコメントしない」
「実質賃金がどうなっていくかがポイント」
「中銀の金融政策についてはコメント控える」
「今週の決定会合、日銀の独立性の中での判断になる」
「企業の設備投資は悪くない、実質消費は弱い」
21日18:39 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「インフレについては警戒しているが心配はしていない」
「将来的には大幅な利下げも排除しない」
「ECBは各会合で行動するというコンセンサスが妥当」
「中立金利を下回る可能性は今のところ問題ではない」
「利下げペースが安定すれば利下げの規模は拡大しない」
21日22:44 ナーゲル独連銀総裁
「ECBは2025年半ばに2%の目標を達成する道を進んでいる」
「消費と投資のさらなる安定が必要」
「貿易戦争では誰もが損をする」
「ECBが来週利下げする可能性は十分にある」
「ECBはデータに基づいて決定を下す」
※時間は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○06:45 ◎ 10-12月期ニュージーランド(NZ)消費者物価指数(CPI、予想:前期比0.5%/前年比2.1%)
○17:00 ◎ 12月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比3.2%)
○18:15 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○19:30 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○20:00 ◇ 11月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比5.5%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◇ 12月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.6%)
○22:30 ◇ 12月カナダ原料価格指数(予想:前月比0.5%)
○24:00 ◎ 12月米景気先行指標総合指数(予想:前月比横ばい)
○23日00:05 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○23日03:00 ◎ 米財務省、20年債入札
○23日03:30 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、24日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りで155.25円付近まで下押ししたものの下値は限定的だった。ユーロドルは欧米株価指数の上昇やロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買いなどで1.0435ドルまで上昇し、アジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。ユーロ円は欧米株価の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢になり162.23円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、23-24日の日銀金融政策決定会合での追加利上げ観測が上値を抑える中、トランプ米大統領による突発的な発言に警戒していく展開が予想される。
第2次トランプ米政権でのトランプ関税は、メキシコとカナダに対しては25%の引き上げが2月1日から実施されることが検討されている模様だが、中国に対しては、まず通商交渉が行われ、合意に達しない場合に関税の引き上げとなる模様で、当面の米中貿易戦争は回避された。また、これまでの所、欧州に対する関税引き上げも打ち出されていない。
しかし、トランプ米大統領は、明日ダボス会議に参加予定となっており、発言内容次第では市場を混乱させ日銀の利上げ見送り(※円売り要因)になる可能性もあることで、利上げ決定までは円を買い進めにくい状況となっている。
今週の注目ポイントは、23-24日の日銀金融政策決定会合での追加利上げの有無だが、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す追加利上げ確率は90%台に上昇している。そして、「日銀金融政策決定会合で、政策金利の追加引き上げを決める方向」との観測報道が相次いでいることから、利上げはほぼ確実視されている。
24日には通常国会が召集され、25年度予算案が国会に提出されるため、予算案成立の前の利上げは避けられるのではないかとの見方があるものの、これまでの政府と日銀の関係者の発言は、利上げを既定路線化している。
・14日:氷見野日銀副総裁「23、24両日に開く金融政策決定会合の焦点は利上げするかどうかだ。政策委員の間でよく議論して適切に判断する。20日に就任するトランプ次期米大統領の演説内容などを見極めて結論を出す」
赤沢経済再生相(氷見野日銀副総裁の発言に対して)「日銀の利上げ検討と政府がデフレ脱却を目指すことに矛盾することはない」
・15日:植田日銀総裁
「来週の金融政策決定会合で米新政権の政策や春闘の賃金動向などを精査し、追加利上げを行うかどうか判断する」
・16日:林官房長官(植田日銀総裁の発言に対して)「今後の利上げを含め、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべき」
・17日:加藤財務相「賃金と物価が上がり、金利が動くというのが経済の本来の姿」
・21日:三村財務官「今週の決定会合、日銀の独立性の中での判断になる」
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39270 +310 (+0.79%)
TOPIX先物 2733.5 +23.0 (+0.84%)
シカゴ日経平均先物 39275 +315
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
21日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米大統領は就任初日にメキシコとカナダからの輸入品に関税を課す考えを示したが、世界一率の関税発動に踏み込まなかったほか、中国に対する即時引き上げも見送ったことが買い安心感につながった。また、トランプ氏がソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、オープンAI、オラクル
NYダウ構成銘柄ではエヌビディアのほか、決算が市場予想を上回った3M
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比315円高の3万9275円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比60円高の3万9020円で始まり、3万9140円まで買われた。買い一巡後は軟化し、米国市場の取引開始後に一時3万8960円と日中比変わらずの水準まで軟化する場面もみられた。ただし、終盤にかけてロング優勢の流れが強まり、3万9270円まで買われ、ナイトセッションの高値で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。日経225先物はナイトセッションで75日移動平均線(3万8980円)を上回って始まり、25日線(3万9270円)を捉えてきた。軟化する場面では75日線が支持線として意識される形で切り返しており、ショートカバーを誘い込みやすいだろう。
買い一巡後は25日線水準で強弱感が対立しやすいとみられるが、ボリンジャーバンドの-1σと中心値(25日)でのレンジに移行するなか、レンジ上限を突破する動きをみせてくるようだと、カバーの動きが一段と強まりやすい。25日線が支持線として意識されてくると、節目の3万9500円や+1σ(3万9750円)辺りが射程に入ってくる。
また、トランプ氏が米国のAIインフラに巨額投資する方針との報道を受け、ソフトバンクグループはADR(米預託証券)で3%近く上昇しており、日経平均型を牽引する形になりそうだ。アドバンテスト<6857.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の上昇も期待されるため、ロング対応に向かわせよう。
まずはオプション権利行使価格の3万9250円を中心とした上下の権利行使価格3万9000円から3万9500円のレンジを想定。25日線水準を上回っての推移が続くようだと、3万9250円から3万9750円のレンジに移行する展開が期待される。
21日の米VIX指数は15.06(20日は15.81)に低下した。16.29と上昇して始まったが、同水準に位置する200日線が抵抗線として意識された。一時14.93と15.00を下回る場面もみられており、リスク選好に傾きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。一時14.32倍に低下する場面もみられたが、その後は75日線(14.36倍)水準での推移となった。ソフトバンクグループなど指数インパクトの大きい値がさ株の上昇が見込まれるなか、NTロングでのスプレッド狙いの動きが入りやすいだろう。
日経225先物は11時30分時点、前日比610円高の3万9570円(+1.56%)前後で推移。寄り付きは3万9350円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9275円)を上回って始まった。開始直後につけた3万9320円を安値にロングの勢いが強まり、中盤にかけて節目の3万9500円に乗せると、終盤には一時3万9650円まで上げ幅を広げた。
日経225先物は25日移動平均線(3万9280円)を上回って始まり、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9770円)に接近してきた。節目の3万9500円回復後も強い基調を継続しているため、ショートカバーが入りやすい需給状況である。短期的には過熱感が意識されやすいほか、13週線(3万9710円)接近で利食いに伴うロング解消の動きも入りやすいだろう。ただし、同水準を明確に上抜けてくると、4万円を意識した上へのバイアスが強まると考えられ、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.44倍に上昇した。75日線(14.36倍)を上回って始まり、一時14.47倍まで上げてきた。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の上昇率が9%を超えたほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などが日経平均型を牽引している。1月9日につけた戻り高値(14.48倍)接近でいったんはNTロングを巻き戻す動きはありそうだが、軟化する場面ではNTロングの組成に向かわせそうだ。
「2006年からの前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」
(植田日銀総裁:2024年7月31日)
日本銀行は、ゼロ金利を導入した以降の25年間で2回利上げしたが、その後に世界景気が後退し、時期尚早の利上げとの批判を浴びた。
2000年8月の利上げ(ゼロ⇒0.25%)の後は、米国発のITバブルが崩壊した。
2006年7月の利上げ(ゼロ⇒0.25%⇒0.50%)の後は、米国発の住宅バブルが崩壊した。
2024年3月に開始された3回目の利上げは、0.50%の壁を打ち破れるのだろうか。
1.2000年8月11日:速水第28代日銀総裁(反対2名の利上げ)
2000年8月11日の日銀金融政策決定会合で、速水第28代日銀総裁は、政府の議決延期請求を否決して、無担保コールレート(オーバーナイト物)を、ゼロ金利から0.25%へ引き上げた。
速水第28代日銀総裁は「成長率が著しく高まることは期待しがたいと思うが、少なくとも日本経済はデフレ懸念の払拭が展望できる情勢に至ったと判断する」「政策判断としてどれでいくか決定するのは、日銀法第3条で認められた我々の自主性である」と述べた。
しかし、2001年にITバブルが崩壊したことで、2001年2月にゼロ金利に回帰し、3月には量的金融緩和政策に踏み切った。
植田日銀審議委員は、「まだ大きな水準の需給ギャップが存在している可能性がある」と述べて反対していた。
2.2006年7月14日:福井第29代日銀総裁(全員一致の利上げ)
2006年7月14日の日銀金融政策決定会合で、福井第29代日銀総裁は、無担保コールレートを、ゼロ金利から0.25%へ引き上げ、翌年2月には0.50%へ引き上げた。
しかし、2007年にサブプライム危機により、利下げを余儀なくされた。
福井総裁は「超低金利が長く続くリスクということをやはり念頭に置きながら、今後しっかり物を考えていく必要がある」と述べていた。
3.2024年3月19日:植田第32代日銀総裁
2024年3月19日の日銀金融政策決定会合で、植田第32代日銀総裁は、2024年春闘での賃上げの状況を受けて、マイナス金利を解除し、イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)を撤廃した。
そして、植田日銀総裁は、マイナス金利解除後の新たな短期金利の調整方針の呼び方を問われたのに対して、「特にそれを『ゼロ金利政策』と呼ぼうとは考えていない」と答えた。
2024年7月31日の日銀金融政策決定会合で、政策金利(無担保コール翌日物金利)が、これまでの「0-0.1%程度」から、「0.25%程度」に引き上げられた。
植田日銀総裁は、「前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べ、中立金利の下限である1%を意識した見通しを示した。
2025年1月24日の日銀金融政策決定会合では、0.25%の追加利上げが決定され、0.5%の壁に到達する可能性が高まっている。
・氷見野日銀副総裁(1月14日)「23、24両日に開く金融政策決定会合の焦点は利上げするかどうかだ。政策委員の間でよく議論して適切に判断する」
・植田日銀総裁(1月15日)
「来週の金融政策決定会合で米新政権の政策や春闘の賃金動向などを精査し、追加利上げを行うかどうか判断する」
トランプ相場が始まったばかりですが、昨日は東京時間にトランプ米大統領がカナダとメキシコへの25%関税を言及したことでドル円は156.23円まで急伸。その後はクロス円の売りなどにつれて154.78円まで値を下げたものの、欧州時間に入ってからは米長期金利が低下幅を縮めるにつれて156.05円まで買戻されることになりました。NY市場に入ってからは155.25円まで下押したものの、その後は155.50円を挟んだもみ合いに終始したといったところです。
そして、本日のアジア市場では、再びトランプ米大統領が「中国への10%関税」に言及。ドル円は155.83円まで買われた後、155.36円まで下押ししたものの、その後は155.96円まで買戻されています。
昨日もお伝えしたように、ドル円には新たなリズムが生まれてきているわけで、トランプ米大統領の発言を起点に、その後は米長期金利や実需勢のフローに左右される、ある意味「予見可能な値動き」となっているようにみえます。
いずれにしても、目先はNY時間の高値156.05円や昨日高値の156.23円が戻りの目処。20日の高値156.58円や一目転換線が位置する156.83円も意識されています。
ダウ平均から一時5000ポイント近く大幅に引き離された日経平均も、年始からの長期資金などによるリバランスにもそろそろ目処がつくころ。40000円という心理的節目への抵抗感も相まって、出遅れ感ばかりが目立っていますが、日銀の利上げが既成事実化するなかでもプライスの下方硬直性が高まってきているわけで、水準訂正の動きに繋がっていくような気がしています。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、明日ダボス会議に参加予定のトランプ米大統領が「EU製品も関税の対象となる」と述べたことで、上値が重い展開が予想される。
トランプ米大統領が「欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対して防衛費を国内総生産(GDP)比5%まで引き上げるべき、さらに、EU製品も関税の対象となる」と述べたことで、ユーロの上値を重くしている。
さらに、プーチン露大統領に対しては、ウクライナを巡る協議に応じなければ、制裁強化を警告しており、今後も関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
本日のダボス会議では、ビルロワドガロー仏中銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、ナーゲル独連銀総裁らの講演が予定されており、欧米貿易戦争に向けた欧州中央銀行(ECB)の追加利下げへの見解に要注目となる。
昨日は、ハト派のビルロワドガロー仏中銀総裁が「将来的には大幅な利下げも排除しない」、タカ派のナーゲル独連銀総裁も「ECBが来週利下げする可能性は十分にある」とハト派的な見解を述べていた。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0491ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:163.81円(1/8高値)
・ポンドドル:1.2412ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:193.26円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0307ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:161.44円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.2230ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:190.48円(1/21安値)
ドル円:1ドル=155.83円(前営業日NY終値比△0.31円)
ユーロ円:1ユーロ=162.30円(△0.16円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0415ドル(▲0.0013ドル)
日経平均株価:39646.25円(前営業日比△618.27円)
東証株価指数(TOPIX):2737.19(△23.69)
債券先物3月物:141.02円(▲0.13円)
新発10年物国債利回り:1.195%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は小高い。神経質に上下を繰り返したものの、次第に下値が堅くなった。日経平均株価が大幅高となったことも相場の支えとなり、13時前には155.96円まで上昇。なお、アジア時間にはトランプ米大統が「対中10%関税について協議している」と述べたが、相場への影響は一時的だった。
・ユーロドルは小安い。トランプ米大統領が「欧州連合(EU)は関税の対象になる」との見解を示したことで1.0393ドルまで下押す場面があったものの、売りの勢いは長続きしなかった。その後は1.0410ドル台を中心とする狭いレンジ内でのもみ合いが続いた。
・ユーロ円は小高い。日本株高を支えに底堅く推移し、昨日高値の162.23円を上抜けて一時162.39円まで値を上げた。
・日経平均株価は大幅に3日続伸。昨日の米国株式相場が上昇した流れを引き継いで買いが先行した。人工知能(AI)向けの巨額投資を発表したソフトバンクなどが相場をけん引。半導体関連株の上昇も目立つなか、指数は一時660円超高まで上値を伸ばした。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。寄り付き後に141円22銭まで上昇する場面があったものの、その後は次第に上値が重くなった。日銀が今週末の会合で利上げを実施するとの見方が重しとなっているほか、本日の国債買い入れオペで需給の緩みが意識されたことも売り材料視された。
米CNBCは21日、トランプ米大統領が中国に10%の追加関税をかけることを政権内で検討しており、早ければ2月1日に施行する見通しを明らかにしたと伝えた。トランプ氏は21日夜、ホワイトハウスで記者団に対し「中国が合成麻薬フェンタニルをカナダとメキシコに送っているという事実に基づき、10%の関税を課すことを話し合っている」「おそらく2月1日がめどになるだろう」と語った。
トランプ氏は20日、カナダとメキシコがフェンタニルと不法移民を米国に流入させていると主張し、2月1日にも両国からの輸入品に25%の関税をかける考えを示した。
東海東京インテリジェンス・ラボでは為替に関するリポートの中で、シカゴ投機筋のドル円の先物ポジションが昨年末にネット円売りに転じて以降、徐々に円売りを積み増していると指摘している。ただ、財務省が昨年介入した時期に比べるとシカゴ筋の円売りが積み上がっているわけではなく、「投機的な円売り」を円買い介入の大義名分には使えないと考えている。ドル円が仮に160円を超えても円買い介入は難しいとみており、円売り余力が拡大した投機筋が円キャリー取引を活発化させれば、ドル円の160円台定着が視野に入っても不思議ではないとコメントしている。
大阪3月限
日経225先物 39580 +620 (+1.59%)
TOPIX先物 2736.5 +26.0 (+0.95%)
日経225先物(3月限)は前日比620円高の3万9580円で取引を終了。寄り付きは3万9350円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9275円)を上回って始まった。開始直後につけた3万9320円を安値にロングの勢いが強まり、前場中盤にかけて節目の3万9500円に乗せると、前場終盤には3万9650円まで上げ幅を広げた。短期過熱感が意識されやすいなか、ランチタイムでは利食いに伴うロング解消の動きもあった。
ただし、節目の3万9500円処では押し目待ち狙いのロングが入り、後場中盤辺りまでは3万9500円~3万9650円辺りのレンジで推移。その後、レンジを上抜ける形から一時3万9700円まで買われた。終盤にかけて持ち高調整とみられる動きにより軟化したが、節目の3万9500円を上回って終えている。
日経225先物は25日移動平均線(3万9280円)を上回って始まり、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9770円)に接近してきた。節目の3万9500円回復後も強い基調を継続したことで押し目待ち狙いのロングのほか、ショートカバーが入りやすい需給状況だった。短期的には過熱感が意識され、13週線(3万9710円)水準では上値を抑えられたものの、抵抗線を捉えたことで利食いが入りやすいところだった。
13週線を週末の終値で上回るようだと、同線と+1σ(4万0370円)によるレンジに移行することが期待される。4万円回復では利食いも警戒されるが、上へのバイアスが強まりやすいと考えられるためショートは避けておきたい。また、日足ベースの+1σをクリアしてくると、+2σ(4万0240円)が意識されてくる。4万円を回復する局面では、達成感はそれほど高まらず、昨年12月27日につけた戻り高値(4万0460円)をターゲットとしたロングに向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.46倍に上昇した。75日線(14.36倍)を上回って始まり、一時14.48倍まで上げてきた。ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]の上昇率が10%を超えたほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などが日経平均型を牽引した。これにより、1月9日につけた戻り高値(14.48倍)にタッチした。値がさハイテク株の強い基調が続く可能性があるなか、昨年11月6日の戻り高値(14.59倍)を狙ったNTロングでの対応が有効になりそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万7567枚、ソシエテジェネラル証券が1万5367枚、サスケハナ・ホンコンが3438枚、JPモルガン証券が2807枚、バークレイズ証券が1875枚、野村証券が1733枚、ビーオブエー証券が1531枚、ドイツ証券が1345枚、ゴールドマン証券が1261枚、日産証券が1216枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7611枚、ソシエテジェネラル証券が1万3957枚、バークレイズ証券が4867枚、JPモルガン証券が3166枚、ゴールドマン証券が3092枚、ビーオブエー証券が1314枚、大和証券が879枚、シティグループ証券が829枚、UBS証券が767枚だった。
欧州タイムに入り、ドル円は一時156円台を回復するも昨日同様に大台で定着できず売りに押された。ただ、押し戻しは155円半ばにとどめ底堅い動き。
本日のNY市場で、発表予定の米経済指標は12月景気先行指標総合指数程度と注目材料は乏しい。基本は米長期金利や米株の動向を眺めながらの動きとなるも、トランプ米政権の関税方針をめぐり追加発表が出される可能性があるなど、引き続きトランプ関連のヘッドラインに注目する相場展開が見込まれる。トランプ米大統領の関税強化観測を支えに、ドル円は底堅い動きが予想される。現時点ではメキシコとカナダに25%関税を課す計画が明らかになっているほか、中国に10%の追加関税をかけることを検討していると報じられた。
20日のトランプ氏の米大統領就任式前後から全般ドル高に調整が入り、ドル円も156円半ばで上値を抑えられ伸び悩んでいるが、先高への警戒感は払しょくされていない。一方で明日からの日銀金融政策決定会合を控え利上げはほとんど織り込まれ、利上げ観測がここからドル円の下押し材料にはなりにくいものの、戻り局面では引き続き売りも入りやすいか。
・想定レンジ上限
ドル円、21日の高値156.23円や日足一目均衡表・転換線156.83円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値155.36円や21日安値154.78円が下値めど。
今晩は堅調持続か。昨日はトランプ政権の関税政策が当初警戒されたほど厳しいものではないとの見方から安心感が広がった。スリーエムなどの決算発表が総じて良好だったことも追い風となった。ダウ平均は537.98ドル高(+1.24%)の44025.81ドルで終了し、12月11日以来の44000ドル台回復となった。S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.88%高、0.64%高で終了し、主要3指数がそろって2営業日続伸した。引け後の動きでは、ネットフリックスが時間外で14%高と急伸。予想を上回る決算や有料会員数が3億人を突破したこと、2025年の売上高見通しを引き上げたことが好感された。ユナイテッド・エアラインズも決算が予想を上回り、時間外で3%超上昇。オラクルはオープンAIやソフトバンク・グループなどと共同でAIインフラに5000億ドル以上を投資するとの発表が好感され時間外で4%超上昇した。
今晩は引き続き堅調か。トランプ政権が中国にも10%の追加関税を検討すると発表するなど関税によるインフレ高進が懸念されるものの、関税が当初恐れられたほど過激なものでないことが引き続き安心感につながることが期待されるほか、ネットフリックスやオラクルなどの大幅高が見込まれることも追い風となりそうだ。決算発表は寄り前にトラベラーズ、ジョンソン&ジョンソン(J&J)、GEベルノバ、プロクター&ギャンブル(P&G)、ハリバートンなどが発表予定で、決算やガイダンスに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはMBA住宅ローン申請指数、12月景気先行指数、米20年債入札など。決算発表は寄り前にラス・ベガス・サンズ、トラベラーズ、ジョンソン&ジョンソン(J&J)、GEベルノバ、プロクター&ギャンブル(P&G)、ハリバートン、引け後にキンダーモーガン、クラウン・キャッスルなどが発表予定。
日経平均株価は3日続伸。前日からマドを開けて上振れスタートとなり、上値を伸ばす展開となった。途中、大きくだれることなく、39500円を超えたことでショートカバーが下値を支える格好となった。
RSI(9日)は前日の28.5%→44.3%(1/22)へ上昇。あす以降は短期的に上昇しやすいタイミングに入る。きょうはほぼ高値引けの陽線を形成し、25日移動平均線(39259円 1/22)を上回って終えた。戻り待ちの売りが強くなる水準ではあるが、4万円台回復が試される。
上値メドは、心理的節目の40000円、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などが考えられる。下値メドは、25日移動平均線や心理的節目の39000円、100日移動平均線(38613円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)などがある。
米財務省によると、20年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.900%、応札倍率(カバー)が2.75倍となった。
(22日終値:23日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=156.62円(22日15時時点比△0.79円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.15円(△0.85円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0417ドル(△0.0002ドル)
FTSE100種総合株価指数:8545.13(前営業日比▲3.16)
ドイツ株式指数(DAX):21254.27(△212.27)
10年物英国債利回り:4.633%(△0.043%)
10年物独国債利回り:2.530%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。日本時間夕刻に一時155.55円まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値155.36円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。
NYの取引時間帯に入り、米10年債利回りが上昇に転じると円売り・ドル買いが活発化。市場では「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円売り・ドル買いのフローが観測された」との声も聞かれた。米国株相場の上昇に伴うリスク・オンの円売りも出ると一時156.71円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルは頭が重かった。19時30分過ぎに一時1.0457ドルと昨年12月30日以来の高値を付けたものの、一目均衡表雲の下限が位置する1.0490ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、一時1.0412ドル付近まで下押しした。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「2025年のうちにインフレが目標に達すると確信」と述べたほか、エスクリバ・スペイン中銀総裁は「来週30日のECB定例理事会では0.25%の利下げが有力なシナリオ」などと話した。
・ユーロ円は堅調。独株式指数は連日で史上最高値を更新したほか、米株式市場ではS&P500種株価指数が取引時間中の最高値を更新。投資家がリスク選好姿勢を強め円売り・ユーロ買いが出た。2時30分過ぎには一時163.22円と本日高値を付けた。
ユーロ円以外のクロス円も底堅く推移した。ポンド円は一時193.01円、豪ドル円は98.34円、NZドル円は88.80円、カナダドル円は109.08円、スイスフラン円は172.77円、メキシコペソ円は7.65円まで値を上げた。
・ロンドン株式相場は6日ぶりに小反落。前日の米株高や本日の日本株高を受けて買いが先行したものの、中盤以降は売りに押され、下げに転じた。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出やすかった。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が売られたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は7日続伸し、史上最高値を更新した。前日の米株高や本日の日本株高を受けて、独株にも買いが波及した。個別では決算内容が好感されたアディダス(6.04%高)の上昇が目立ったほか、シーメンス・エナジー(6.53%高)やミュンヘン再保険(4.15%高)などが買われた。
・欧州債券相場は下落。
22日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は618円高の39646円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1046/値下がり514。トランプ米大統領がAI開発に巨額の投資を行うと表明。発表の際に孫正義氏が同席していたことから、ソフトバンクGに買いが殺到した。フジクラ、古河電工、住友電工など電線株が軒並み急騰。ディスコ以外にもSCREENやアドバンテストなど半導体関連には買われる銘柄が多かったほか、主力どころでは日立や任天堂の動きが良かった。米ファンドが2度目の書簡を送ったとの観測が報じられたフジメディアにガバナンス改革を期待した買いが入った。
一方、IHIや川崎重工など防衛関連が軟調。日銀の1月利上げが確実視される中でも、三菱UFJや三井住友などメガバンクは売りに押された。一方で、東京建物、積水ハウス、大和ハウスなど不動産・住宅の一角が売られており、日銀の利上げを警戒しているような動きも散見された。証券会社が投資判断を引き下げたFPパートナーが6%を超える下落となった。
売買代金トップのディスコ<6146.T>が11.9%高、2位のフジクラ<5803.T>が14.8%高、3位のソフトバンクG<9984.T>が10.6%高と、上位3銘柄がそろって2桁の上昇率。動きが良いから商いが活発になり、そのことがさらなる買いを呼び込むという好循環が発生した。2025年に入って日本株全体に気迷いムードが漂っていたような雰囲気もあっただけに、注目度の高い銘柄の多くが跳ねたことはポジティブ。2024年の大躍進銘柄でありながらきのうまではさえない動きが続いたフジクラは、きょうの大幅高で上場来高値を更新している。
きょうの日経平均が大きく上昇したこと、その中で銀行株は買われる部類に入っていなかったことなどを見ると、1月の日銀の利上げに関しては完全に織り込みが進んだとみて良さそう。あす下げたとしても、きょうの反動と冷静に受け止められるだろう。そもそもきょうは全面高ではなく、短期的に過熱感があるのは一握りの銘柄にとどまっている。あすはニデック<6594.T>やディスコが決算発表を予定しており、来週からは決算発表銘柄の数も増えてくる。ここからは弱材料には一定の耐性を示し、下がりづらく上げやすい地合いが醸成される公算が大きい。
CNBCが報じたところによると、「トランプ米大統領は23日11時(日本時間24日1時)に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でオンライン演説を行う」ようだ。
22日07:57 トランプ米大統領
「ウクライナを巡る協議なければ、ロシアへの制裁強化の可能性」
「カナダとメキシコへの関税は、USMCAとは無関係」
「対中10%関税について協議している」
「NATOの欧州メンバーは、GDP比5%の防衛費を負担すべき」
「習中国国家主席との会談では関税の話はあまりしなかった」
「望むならいつでもプーチン露大統領と会う」
22日14:56 神田前財務官
「過度な動きやファンダメンタルズから乖離なら是正が必要」
22日15:57 クノット・オランダ中銀総裁
「景気回復が進めば、刺激策に踏み切る必要があるとは考えていない」
「来週の追加利下げにほとんど障害はない」
「貿易政策による新たな成長下振れリスク、インフレについてはそれほど明確ではない」
22日15:58 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「金利は2025年末までに2%に近づくはず」
22日17:25 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「2025年のうちにインフレが目標に達すると確信」
「ディスインフレの進展は続いている」
「今年のユーロ圏の成長には下振れリスクがある」
「米国からのインフレ輸出についてはあまり心配していない」
「ECBの金利の方向性は明確、ペースについてはデータ次第」
22日18:46 エスクリバ・スペイン中銀総裁
「来週は0.25%の利下げが有力なシナリオ」
「ECBは予測を確認するために確かなデータを待つ必要がある」
22日18:48 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「ECBの金利、夏に2%前後になっているのが妥当」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 12月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前530億円の赤字、季節調整済5260億円の赤字)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○未定 ◇ 1月月例経済報告
○日銀金融政策決定会合(1日目)
<海外>
○14:00 ◎ 12月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比1.5%)
○16:45 ◇ 1月仏企業景況感指数(予想:94)
○18:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:4.50%で据え置き)
○19:30 ◎ エスクリバ・スペイン中銀総裁、講演
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:45.00%に引き下げ)
○22:30 ◎ 11月カナダ小売売上高(予想:前月比0.2%/自動車を除く前月比0.1%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/186.2万人)
○24:00 ◎ 1月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲14.2)
○24日01:00 ◎ トランプ米大統領、ダボス会議でオンライン演説
○24日02:00 ◇ EIA週間在庫統計
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、24日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(22日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.53円(前営業日比△1.01円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.93円(△0.79円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0409ドル(▲0.0019ドル)
ダウ工業株30種平均:44156.73ドル(△130.92ドル)
ナスダック総合株価指数:20009.34(△252.56)
10年物米国債利回り:4.61%(△0.04%)
WTI原油先物3月限:1バレル=75.44ドル(▲0.39ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2770.9ドル(△11.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 0.1% 33.3%
12月米景気先行指標総合指数
(前月比) ▲0.1% 0.4%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反発。米10年債利回りが上昇に転じたことなどをきっかけに円売り・ドル買いが先行。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円売り・ドル買いのフローも観測されると、本日高値となる156.71円まで値を上げた。「マーケットは23-24日の日銀金融政策決定会合での追加利上げをほぼ織り込んでいる」との声が聞かれる中、米国株相場の上昇を好感したリスク・オンの円売りも出た。
・ユーロドルは3日ぶりに小反落。欧州市場序盤には一時1.0457ドルと昨年12月30日以来の高値を付ける場面もあったが、一目均衡表雲の下限が位置する1.0491ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、一時1.0408ドル付近まで下押しした。
もっとも、NY午後に入ると1.04ドル台前半での狭いレンジ取引に終始した。米長期金利の上昇が重しとなる一方、ユーロ円のユーロ高推移が相場を下支えした。
・ユーロ円は4日続伸。独DAXが連日で史上最高値を更新したほか、米株式市場ではS&P500種株価指数が取引時間中の最高値を更新。投資家がリスク選好姿勢を強め円売り・ユーロ買いが出た。2時30分過ぎには一時163.22円と本日高値を付けた。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時193.01円、豪ドル円は98.34円、NZドル円は88.80円、カナダドル円は109.08円、スイスフラン円は172.80円、メキシコペソ円は7.65円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、昨年12月10日以来の高値となった。「トランプ米政権による関税強化策は懸念されたほど過激ではない」との見方が広がる中、新政権による経済促進策への期待感が買いを誘った。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続伸。前日引け後に発表された決算内容が好感されて、ネットフリックスが一時15%近く急騰した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。トランプ米政権の政策でインフレ圧力が高まるとの見方が根強い中、売りが優勢となった。なお、20年債入札が「堅調」だったと伝わると買い戻しが入る場面もあったが、戻りは限定的だった。
・原油先物相場は4日続落。前日の大幅下落の反動から買戻しが先行するも、76ドル半ばでは頭を抑えられた。トランプ米大統領は原油増産の方針を示しており、今後は需給が緩むとの見方が相場の重しとなっている。売りが再び強まると、75.30ドル割れまで下値を広げた。
・金先物相場は続伸。為替でドルが対ユーロなどで弱含むと、割安感が生じたドル建て金は2774ドル台まで買われた。その後にドル安は一服するも、金の下値は限定された。トランプ米政権の政策でインフレ圧力が高まるとの見方は根強く、インフレヘッジとして金に資金が向かったとの声も聞かれた。
22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが上昇し、ロンドン・フィキシングに絡んだ円売り・ドル買いなどで156.71円まで上昇した。ユーロドルは欧州市場序盤の高値1.0457ドルから、米長期金利の上昇を受けて1.0408ドル付近まで下押しした。ユーロ円は独DAXが連日で史上最高値を更新したことなどで一時163.22円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、本日から明日にかけて開催される日銀金融政策決定会合での追加利上げをほぼ織り込みつつある中、トランプ米大統領のインタビューやダボス会議での演説への警戒感から動きづらい展開が予想される。
トランプ米大統領は、本日の日本時間の午前中に米国メディアとのインタビューの放映が予定されており、日本時間24日の1時からは世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でオンライン演説を行う予定、と報じられている。英国や欧州に対するトランプ関税、ウクライナ戦争や中東紛争に対する方針などが語られると思われるものの、サプライズには警戒しておきたい。
第2次トランプ米政権のトランプ関税に関しては、中国に10%、カナダとメキシコに25%、欧州連合(EU)へも関税が検討されていると報じられており、米国の物価上昇圧力への警戒感がドル買い材料となっている。
8時50分に発表される12月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前530億円の赤字、季節調整済5260億円の赤字)では、本邦実需筋の円売り圧力を確認することになる。
2024年1-11月の貿易赤字は5.46兆円、また、1-12月の投資信託を通じた家計の円売り(新NISA少額投資非課税制度)は11.5兆円となっており、合計で約17兆円の円売りだった。
2024年の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入は、合計で15兆3233億円となっている。円売りサイドには、本邦機関投資家の外債投資や本邦企業の海外直接投資、買収案件、さらに投機筋の円売りも加わるため、ドル円の下値を限定的にしている。
日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁や氷見野日銀副総裁による利上げ示唆発言、そして複数の利上げ観測報道などから、追加利上げはほぼ確実視されている。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す追加利上げ確率は90%台に上昇している。
また昨日は、神田内閣官房参与(前財務官)が「過度な動きやファンダメンタルズから乖離なら是正が必要」と述べていた。
21日には三村財務官が、今後の為替相場の基調について、トランプ氏の打ち出す政策や発信次第との認識を示していた。そして、為替のコミットメントは、第1次トランプ政権時のG7合意「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得る」が続いているとも述べていた。
第1次トランプ政権は、米国の貿易赤字削減のために関税引き上げとドル安を志向してきたが、第2次トランプ政権では、関税引き上げは打ち出されているものの、明確なドル安政策はこれまでのところ表明されていないが、今後の警戒材料となるのかもしれない。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39810 +230 (+0.58%)
TOPIX先物 2745.5 +9.0 (+0.32%)
シカゴ日経平均先物 39805 +225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
22日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米大統領が21日にソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、オープンAI、オラクル
オラクルが7%近く上昇したほか、計画への参画が伝えられたエヌビディア
NYダウ構成銘柄では、エヌビディアやマイクロソフトのほか、トラベラーズ
シカゴ先物(3月限)清算値は、大阪比225円高の3万9805円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万9580円始まり、3万9500円まで売られた後はロング優勢の展開となった。米国市場の取引開始後に3万9800円に乗せると、中盤にかけて一時3万9940円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は3万9850円を挟んだ保ち合いを継続し、3万9810円でナイトセッションの高値で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。日経225先物は前日の日中取引で25日移動平均線(3万9270円)を突破し、ボリンジャーバンドの-1σ(3万9770円)に接近していたが、ナイトセッションで+1σを上回ってきた。同水準では利益確定に伴うロング解消の動きが入りやすいだろうが、ショートは控えておきたい。
+1σ水準での底堅さがみられるようだと、4万円の大台のほか+2σ(4万0260円)がターゲットとして意識されてくるため、ショートカバーを誘う形になりそうだ。週間形状でも+1σ(3万9740円)を突破してきた。週末の終値で同水準を上回ってくると、+2σ(4万0420円)が射程に入るため、4万円乗せは通過点になるとみられ、調整の局面では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。パラボリックはSAR値をタッチしたことで、陽転シグナルが発生。
そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から4万円のレンジを想定。+1σ水準での底堅さがみられる局面では、3万9750円から4万0250円にレンジが移行することになりそうだ。
また、市場の関心は23~24日に開かれる日銀の金融政策決定会合となる。政策金利を現行の0.25%程度から0.5%程度に引き上げるとの見方がコンセンサスであり、市場は利上げを織り込んでいると考えられる。そのため、イベント通過後のアク抜けを意識した物色意欲は強いだろう。
22日の米VIX指数は15.10(21日は15.06)と小幅に上昇した。一時14.59まで低下した後に反発する形だった。引き続き昨年12月24日につけた直近安値(14.27)が意識されており、リスク選好に傾きそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.46倍に上昇した。75日線(14.36倍)を上回って始まり、一時14.48倍まで上げ、1月9日につけた戻り高値(14.48倍)にタッチした。ソフトバンクグループの上昇率が10%を超えたほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]などが日経平均型を牽引。本日も値がさハイテク株の強い基調が続く可能性があり、昨年11月6日の戻り高値(14.59倍)を狙ったNTロングでのスプレッド狙いが有効になりそうである。
ラクソンNZ首相は23日、外国投資規制緩和を発表した。これは経済成長と雇用創出を目指す政府戦略の一環であり、2024年第3四半期に予想以上の景気後退に陥った同国は、国際資本を呼び込むため、海外投資法の改正を2025年末までに実施する予定。新たな方針では、投資家が取引を正当化する必要がなくなり、より柔軟な投資環境が整備される。
WSJ紙によると、トランプ米大統領が銃器・薬物取締官に強制送還権限を与えたことが覚書で明らかになった。この覚書では、連邦捜査局(FBI)の捜査官がすでに移民逮捕権限を持っていることも強調されている。
日経225先物は11時30分時点、前日比240円高の3万9820円(+0.60%)前後で推移。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9805円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には3万9900円まで買われたが、ナイトセッションでつけた高値(3万9940円)を捉えられず、中盤にかけて3万9680円まで軟化する場面もみられた。ただし、積極的にショートを仕掛ける動きはなく、その後はボリンジャーバンドの+1σ(3万9770円)を上回っての推移を継続している。
日経225先物は買い一巡後に利食いとみられる動きもあったが、前場中盤以降は+1σを上回っての推移をみせており、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。指数インパクトの大きいソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は買い一巡後に利食いに押される場面もみられたが、押し目買い意欲の強さから上げ幅を広げている。グローベックスの主要な米株先物は小幅ながらマイナス圏で推移。日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいとして積極的なロングは手控えられそうだが、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.50倍に上昇した。一時14.53倍まで上げており、昨年11月6日につけた14.59倍が意識されてきた。東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が下げに転じたほか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]は上げ幅を縮めており、NTロングを巻き戻す動きも入りやすいだろう。ただし、ソフトバンクグループの強い基調が続くなかでは、方向性としてNTロングに振れやすいと考えられる。
昨日のトランプ相場は、アジア時間早朝にトランプ米大統領が中国への10%関税に言及したことから始まったわけですが、ドル円は発言を受けて155.83円まで値を上げた後は155.36円まで下押し。日経平均が大幅な上昇となると156.11円まで買戻されたものの、欧州時間に入って米長期金利が低下するにつれて155.55円まで下押ししました。NY時間に入ってからは米10年債利回りが一転して4.6150%まで上昇すると20日の高値156.58円を上抜けて一時156.71円まで値を上げました。米20年債入札がかなり好調な結果に終わり米長期金利が上昇幅を縮めると156.45円まで下押ししてNY市場を終えています。
そして、本日のアジア市場。11時から放送が始まっているFOXニュースでのインタビューまでは156.50円を挟んだ狭いレンジでのもみ合い。これまでのところ、相場を動意付けるような発言は聞かれていません。
いずれにしても、本日は翌1時にもトランプ米大統領のダボス会議でのオンライン演説が予定されているわけで、その間は米長期金利や株価動向などを見極めながらの動きとなっていきそうです。目先では、いよいよ一目転換線を意識する動きとなってきており、50日移動平均線でサポートされたもみ合い相場の上抜けをトライしているところです。
「一匹の妖怪がヨーロッパを徘徊している。極右という名の妖怪が」
2025年1月、米国では第2次トランプ米政権が発足した。
イタリアでは、第2次世界大戦後のネオ・ファシズムの流れをくむ極右政党「イタリアの同胞」率いるジョルジャ・メローニ首相が君臨している。
フランスでは、マリーヌ・ル・ペン氏が率いる極右政党「国民連合(RN)」が躍進している。
ドイツでは、2月23日の総選挙で躍進が見込まれている極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持率を伸ばしている。
イギリスでは、強硬右派ポピュリスト政党「改革英国」の支持率が労働党に1ポイント差に迫っている。
1. イーロン・マスク氏の内政干渉
ソーシャルメディア「X」のオーナーで米富豪、そして第2次トランプ米政権の大統領顧問でもあるイーロン・マスク氏が、欧州各国の右翼政党に接近して、内政干渉的な発言を繰り返している。
マスク氏はショルツ独首相を「無能なばか」と呼び、辞任を求めている。
ショルツ独首相は「冷静でいなければならない。煽り行為にえさを与えてはいけない」と述べた。
マクロン仏大統領は、「10年前に、世界最大級のソーシャルネットワークのオーナーが、新しい国際的な反動運動を支持し、ドイツなどの選挙に直接介入すると言われたなら、誰が信じただろう」と述べた。
ノルウェーのヨーナス=ガール・ストーレ首相は、「ソーシャルネットワークへのアクセスで大きな影響力をもち、ものすごい経済力を持つ人物が、他国の内政にこれほど直接的に関与していることを憂慮している」と述べた。
2.スターマー英首相 対 ファラージ氏+マスク氏
マスク氏は、「6年間、検察トップを務めた時に、英国の国家的レイプに加担したスターマー氏は辞任せよ」と述べ、イギリスで過去に起きた集団的な児童性的搾取事件について、スターマー英首相を攻撃している。
スターマー英首相は「嘘や偽情報をできるだけ広く拡散しようとする人たちは、被害者のことはどうでもよく、自分のことしか考えていない」と反撃した。
また、最近の世論調査では、強硬右派ポピュリスト政党「リフォームUK(改革英国党)」の支持率が与党の労働党に1ポイント差まで肉薄している。
英国経済は、物価上昇と景気後退が同時進行するスタグフレーションの症状を呈しつつあり、政党支持率では労働党26%、改革英国党25%、保守党22%、自由民主党14%、緑の党8%となっている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルとポンドドルは、今夜24日1時に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で予定されているトランプ米大統領のオンライン演説に警戒せざるを得ない展開となる。
トランプ米大統領は、欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対して防衛費を国内総生産(GDP)比5%まで引き上げるべき、そして、EU製品も関税の対象となる、と述べていた。さらに、プーチン露大統領に対しては、ウクライナを巡る協議に応じなければ、制裁強化を警告している。
関税などの貿易政策は「アメリカ第一の貿易政策」と題する大統領覚書に示されている。
2月1日からメキシコとカナダには25%、中国には10%の追加関税が示されたが、欧州や英国には具体的な数字が示されていないことで、注目しておきたい。
本日のダボス会議の演説では、これまでの発言や大統領令などが繰り返されると思われるものの、英国と欧州に対する貿易戦争、パリ合意やWHOからの離脱の延長線としてのNATO離脱の警告、欧州の極右政党との連携の呼び掛けなど、過激な発言には警戒しておきたい。
第2次トランプ米政権の大統領顧問でもあるイーロン・マスク氏は、先週まで、欧州各国の右翼政党に接近して、内政干渉的な発言を繰り返しており、欧州各国の政権与党からの反発を招いている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0476ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:163.81円(1/8高値)
・ポンドドル:1.2384ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:193.95円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0318ドル(日足一目均衡表・転換線=基準線)
・ユーロ円:161.44円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.2238ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:191.19円(日足一目均衡表・転換線)
ドル円:1ドル=156.70円(前営業日NY終値比△0.17円)
ユーロ円:1ユーロ=163.05円(△0.12円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0405ドル(▲0.0004ドル)
日経平均株価:39958.87円(前営業日比△312.62円)
東証株価指数(TOPIX):2751.74(△14.55)
債券先物3月物:140.93円(▲0.09円)
新発10年物国債利回り:1.205%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月貿易統計(通関ベース)
季節調整前 1309億円の黒字 1103億円の赤字・改
季節調整済 330億円の赤字 3887億円の赤字・改
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
8193億円の取得超 7587億円の取得超・改
対内株式
661億円の処分超 2591億円の取得超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。朝方こそ持ち高調整目的の売りが先行したものの、10時過ぎに156.29円の安値をつけた後は次第に下値を切り上げる展開となった。日経平均株価の上昇を背景に投資家のリスク志向改善を意識した買いが進み、昨日高値の156.71円を上抜けて一時156.75円まで値を上げた。
・ユーロ円も下値が堅い。日本株高を支えにした円売りの流れに沿って、朝方につけた162.73円の安値から163.13円まで買い戻しが入った。
・ユーロドルはもみ合い。前日終値の1.0409ドルを挟んだ水準でのもみ合いとなった。11時過ぎには1.0397ドルまで下押す場面があったものの、昨日安値の1.0393ドル手前では下げ止まった。
・日経平均株価は4日続伸。人工知能(AI)向けの巨額投資を発表したソフトバンクなどハイテク株の上昇がこの日も相場をけん引した。節目の4万円手前では利益確定目的の売りに押される場面もあったが、後場に入ると取引時間中としては8日以来の大台超えを達成した。
・債券先物相場は続落。日銀金融政策決定会合の結果公表を明日に控えて持ち高調整目的の売買が交錯し、前日終値を挟んだ水準でのやや方向感を欠いた動きとなった。
ハンガリーの経済シンクタンクGKIの調査によると、1月のビジネス信頼感指数は-13.9に低下し、パンデミック時以来の低水準となった。小売業とサービス業の見通し悪化が主な要因である。この結果は、オルバン首相の内閣が2025年の経済の急回復を期待しているのとは対照的。政府は2025年の経済成長率を3.4%と予測しているが、欧州委員会は1.8%、GKIは2.5%と予測している。GKIのエコノミスト、レイモンド・ペッツ氏は、ビジネス信頼感指数が四半期経済成長の良い予測指標であると指摘し、第1四半期の経済は引き続き弱さを示す可能性が高いと述べた。
消費者センチメントも1月に悪化し、ハンガリー国民は今後12カ月の財政見通しと経済全体の見通しについてより悲観的になっている。政府は賃金と年金の引き上げ、家族向け税還付の増加、中小企業への資本注入、住宅刺激策などによる経済回復を期待しているが、現時点では中小企業は見通しの大幅な改善を見込んでいない。
大和総研では、日銀が1月会合で政策金利を0.50%に引き上げるとの見方が広まっていることを受けて、利上げが家計と企業に与える影響について考察している。政策金利が0.25%から0.50%に引き上げられると、家計全体では純利息収入が0.2兆円程度増加すると試算。ただし、恩恵は高齢世帯に偏り、住宅ローンを多く抱えている30~40代の世帯では、年収対比で見た純利払い負担が他の世代と比較して大きくなるとみている。企業全体では、純利息収入は0.7兆円程度減少すると試算。製造業よりも非製造業、大企業よりも中小企業で、経常利益対比で見た純利払い負担の増加幅が大きくなるとみている。利払い費に加えて人件費の増加という側面からも、中小企業を取り巻く環境は今後一段と厳しくなる可能性があると大和総研では指摘している。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、世界的な債券利回りの上昇が続いていることに警鐘を鳴らしている。欧米などでのインフレによる「下げ渋り」、独・仏・韓国などの政治的混乱、多くの国が直面している政府債務・財政赤字の拡大―などを巡る懸念の高まりが背景にあるとみている。米長期金利の上昇がグローバル株式市場の調整を引き起こすケースは繰り返し確認されていると東海東京では指摘。昨年9月の米利下げ開始以降の米長期金利上昇にもかかわらずグローバル株式市場は株高が一服した程度にとどまっているが、このことは米金利がもう一段高した場合、株価調整につながる可能性が高いことを示唆しているとみられるとコメントしている。
政府は23日、1月の月例経済報告を公表。景気の基調判断を「一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している」と6カ月連続で据え置いた。個別項目では倒産件数について判断を上方修正した。
大阪3月限
日経225先物 39890 +310 (+0.78%)
TOPIX先物 2751.0 +14.5 (+0.52%)
日経225先物(3月限)は前日比310円高の3万9890円で取引を終了。寄り付きは3万9790円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9805円)にサヤ寄せする形で買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には3万9900円まで買われたが、ナイトセッションでつけた高値(3万9940円)を捉えられず、前場中盤にかけて3万9680円まで軟化する場面もみられた。ただし、積極的にショートを仕掛ける動きはなく、前場終盤には再び3万9900円まで買われ、ランチタイムでは3万9800円~3万9900円辺りでの推移となった。
現物の後場取引開始後に保ち合いレンジを上抜け、後場中盤には4万円の大台を回復。いったんは達成感からロング解消も意識されたが、底堅さがみられるなかでショートカバーを誘う形となり、終盤に4万0040円まで買われる場面もあった。引けにかけては持ち高調整により上げ幅を縮めたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)を上回って終えた。
日経225先物は買い一巡後に利食いとみられる動きもあったが、前場中盤以降は+1σを上回っての推移をみせた。引けにかけてやや弱含みとなったが、4万円の大台回復で利食いが入りやすいほか、日銀の金融政策決定会合の結果を明日に控えて、持ち高調整の動きもあったと考えられる。
グローベックスの主要な株価指数先物は、小幅ながらマイナス圏で推移している。米国ではハイテク株主導の上昇が強まるなか、前日のナスダックは1カ月ぶりに2万ポイント台を回復した。利食いが入りやすい半面、12月半ばにつけた最高値に接近しており、一段とトレンドが強まる可能性もある。目先的には利食いを意識しつつも、先高期待は強そうだ。
米ハイテク株次第の面はありそうだが、本日も指数インパクトの大きいソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]が日経平均株価を牽引した。人工知能(AI)の成長期待でハイテク株への物色が継続するとみられ、日経平均型優位の展開が期待される。
また、日経225先物は週足の+1σが3万9740円辺りで推移しているが、週末の終値で同水準を上回ってくるようだと、+2σ(4万0430円)とのレンジに移行する可能性もあり、弱含む局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
NT倍率は先物中心限月で14.50倍に上昇した。一時14.54倍まで上げており、昨年11月6日につけた14.59倍が意識されてきた。また、11月高値を突破してくるようだと、10月15日につけた14.70倍が射程に入ってくる。日経平均株価の4万円回復でNTロングを巻き戻す動きも想定されるが、方向性としてNTロングに振れやすいと考えられる。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5724枚、ソシエテジェネラル証券が1万4103枚、サスケハナ・ホンコンが2856枚、バークレイズ証券が2608枚、JPモルガン証券が2199枚、野村証券が1878枚、日産証券が1481枚、ドイツ証券が1468枚、モルガンMUFG証券が1241枚、ゴールドマン証券が1031枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万4554枚、ソシエテジェネラル証券が1万2682枚、JPモルガン証券が4611枚、バークレイズ証券が4512枚、モルガンMUFG証券が2443枚、ゴールドマン証券が1999枚、ビーオブエー証券が1944枚、日産証券が1237枚、みずほ証券が792枚、野村証券が528枚だった。
トランプ氏が20日に第47代米大統領に就任して以降、市場は米大統領の発言と共に米国の政策に注目が集まっている。そうした中、本日深夜にダボス会議でトランプ米大統領が演説する予定となっている。
演説のテーマが明らかになっていないため、発言内容を予想するのは困難であるものの、市場が気にしているものの一つは、関税を始めとした経済政策だろう。21日にトランプ米大統領が「メキシコとカナダに25%の関税を課すことを検討中。2月1日に施行すると思う」との見解を示すと、米10年債利回りが4.57%台まで上昇すると共にドル円は1円超上昇した。施行予定日まで1週間ほどあるが、関税に関する発言には引き続き注意したい。発言内容について、「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ流のディール外交の一環なのかを見極める必要はあるだろう。そのほか経済政策についても発言があれば材料視されるかもしれない。
また、経済イベントでは、新規失業保険申請件数やEIA週間在庫統計が発表される。市場の関心が米大統領の発言に移っている以上、雇用やコモディティへの反応は鈍いかもしれないが結果は確認しておきたい。
他方、明日に日銀金融政策決定会合の結果公表を控えていることもあり、不意の日銀観測報道には注意が必要だろう。
テクニカル面では、157円台は昨年12月下旬から半月以上にわたり何度も往来したレベルであり、15日に付けた直近高値158.08円まで主だった目標値が見当たらない。そのため、節目の157円に乗せると一気に158円台を視野に入れた動きとなる恐れがある点には注意したい。反対に下押す場合は節目の156円が近い、22日実体部の1/2押し水準(156.03円)がサポートになるかがポイントになろう。
想定レンジ上限
・ドル円は、心理的節目の157.00円。超えると15日高値158.08円
想定レンジ下限
・ドル円は、前述の1/2押し水準の156.03円。割り込むと22日安値155.36円
今晩は高値もみ合いか。昨日はAIインフラへの巨額投資計画を受けてオラクルやエヌビディア、マイクロソフトなどが大幅高となったほか、好決算を発表したネットフリックスも急伸したことでハイテク株の上昇が相場をけん引した。S&P500は一時0.85%高まで上昇し、1カ月半ぶりに取引時間中の史上最高値を更新。終値では0.61%高と3日続伸し、最高値に肉薄して終了した。ダウ平均とナスダック総合もそれぞれ0.30%高、1.28%高とともに3日続伸し、最高値更新が射程圏に入った。
今晩は高値もみ合いか。S&P500が前日に取引時間中の史上最高値を更新したことで、利益確定の動きが上値圧迫要因となることが予想されるが、トランプ政権による減税や規制緩和期待が引き続き支援となることが期待されるほか、第4四半期決算発表が総じて良好で、先行きの業績向上期待も相場の追い風となりそうだ。トランプ政権の政策を巡っては、今晩から始まる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でトランプ米大統領のオンライン演説が予定され、発言内容に要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはダボス会議でのトランプ米大統領のオンライン演説のほか、新規失業保険申請件数、1月カンザスシティー連銀製造業活動指数など。決算発表は寄り前にユニオン・パシフィック、GEエアロペース、マコーミック、引け後にインテューイティブ・サージカル、CSX、テキサス・インスツルメンツなどが発表予定。
日経平均株価は4日続伸。買い先行から上値を伸ばす展開となり、一時は4万円を回復する場面があった。一方、年初の高値を前にして伸び悩む時間帯が多く、大引けでは4万円を維持できなかった。
RSI(9日)は前日の44.3%→56.0%(1/23)へ上昇。あすも上昇しやすいタイミングとなる。きょうも高値圏で終える陽線を形成し、12/27高値(40398円)が視野に入ってきた。目先的には5日移動平均線(39197円 1/23)まで下押す動きも想定されるが、12/27高値超えが試される局面だ。
上値メドは、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、心理的節目の41500円や42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、心理的節目の39500円、25日移動平均線(39264円 同)や心理的節目の39000円、100日移動平均線(38629円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
23日の日経平均は大幅に4日続伸。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり639/値下がり936と、日経平均は大きく上昇したものの値下がり銘柄は多かった。ナスダックの強い上昇や傘下アームの急騰を手がかりに、ソフトバンクGが連日の大幅上昇。フジクラや住友電工など電線株もきのうに続いて買いを集めた。三菱重工が人気化して8%を超える上昇。株主還元強化を発表したハイデイ日高が値を飛ばした。決算発表を前にニデックが3%を超える上昇となった。
一方、米エヌビディアの大幅高を受けても半導体株はさえない動きのものが多く、ディスコが決算発表を前に2%を超える下落。レーザーテックの弱さも目立った。本日から日銀金融政策決定会合が開催されているが、三井住友のほか地銀株の多くが軟調。リスクオン相場の中でディフェンシブ系の業種が嫌われており、東電HDや北海道電力など電力株が軒並み安となった。
日経平均は大幅高。前場ではやや値動きが不安定となったが、後場に入ると強い基調が続き、一時節目の4万円を上回った。動きの良い大型株がけん引しており、下落銘柄は多かったが、薄く広く買われるよりも濃淡がついた方が物色意欲は刺激される。この先は決算を材料に大きく動く銘柄も増えてくると思われる。個別の活況が日本株を下支えする展開が期待できる。
あすは日銀会合の結果が発表される。追加利上げに関しては織り込みが進んでいると思われるが、利上げをするなら植田総裁の会見を見定めたいだけに、「織り込み済み=上昇」とは限らない。ただ、今週の日経平均が木曜まで4日続伸かつ、4営業日で1500円近い上昇と非常に強かっただけに、下に振れても利益確定売りの一環にすぎないと捉えられるだろう。警戒ムードが高まることなく日銀イベントが買い材料となる場合には、昨年12月27日の取引時間中につけた40398円を上回ることができるかに注目したい。
(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.91円(23日15時時点比▲0.79円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.70円(▲0.35円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0435ドル(△0.0030ドル)
FTSE100種総合株価指数:8565.20(前営業日比△20.07)
ドイツ株式指数(DAX):21411.53(△157.26)
10年物英国債利回り:4.636%(△0.003%)
10年物独国債利回り:2.550%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月仏企業景況感指数
95 94
1月ユーロ圏消費者信頼感指数
(速報値) ▲14.2 ▲14.5
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。トランプ米大統領のダボス会議での演説や23-24日の日銀金融政策決定会合への関心が高まる中、しばらくは緩慢な値動きが続いた。
NYの取引時間帯に入ると、前週分の米新規失業保険申請件数が22.3万件と予想の22.0万件よりも若干弱い内容となったことが分かり、円買い・ドル売りが先行。トランプ米大統領が「すぐに金利を下げるよう要請するつもりだ。そして世界中で金利は下がるべきだ」と述べ、米連邦準備理事会(FRB)に利下げを求める考えを示すと全般ドル売りが活発化し、2時前に一時155.87円と日通し安値を更新した。
なお、市場では「FRBは来週28-29日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で、4会合ぶりに利下げを見送る」との見方が優勢だ。
・ユーロドルは強含み。トランプ米大統領の演説を控える中、新規材料にも乏しく、しばらくは狭いレンジでのもみ合いが続いた。
トランプ米大統領がダボス会議でのオンライン演説で欧州との貿易関係に言及すると1.0373ドルまで売られる場面もあったが、その後FRBに利下げを求める考えを示すと一転上昇。3時前には一時1.0438ドルと日通し高値を更新した。ただ、前日の高値1.0457ドルを上抜けるほどの勢いはなかった。
・ユーロ円はじり安。ドル円の下落につれた売りが出ると一時162.20円と日通し安値を付けたが、ユーロドルの上昇につれた買いが相場を下支えしたため、下落のスピードは緩やかだった。
・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは底堅い動き。対ドルでは一時10万6850ドル前後まで上昇したほか、対円では1638万円台まで買われる場面があった。トランプ米大統領が「米国はAIと仮想通貨の世界の中心地になるだろう」と述べたことが好感された。
・ロンドン株式相場は反発。続落して始まったものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、セグロやユナイト・グループなど不動産株が値上がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られた。
・フランクフルト株式相場は8日続伸し、史上最高値を更新した。ダボス会議にオンラインで参加するトランプ米大統領の講演内容への関心が高い中、しばらくはもみ合いの展開が続いていたが終盤強含んだ。個別ではシーメンス・エナジー(6.64%高)やザランド(5.24%高)、フレゼニウス・メディカル・ケア(4.84%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。
23日17:11 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁
「金利は中立水準へと向かい、インフレも安定していくと予想」
24日01:13 トランプ米大統領
「減税措置について、上下両院が可決する見通し」
「石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の引き下げを要請する」
「金利引き下げを要請する」
「ウクライナ戦争終結に向けてプーチン露大統領と近いうちに会談」
「フェアな米中関係を築く必要がある」
「ロシアと中国の非核化を望む」
「ウクライナは戦争終結に向け合意の用意ある」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 12月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比3.0%)
○08:30 ☆ 12月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比2.4%)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表(予想:0.50%に引き上げ)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(1月、基本的見解)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見
<海外>
○09:00 ◎ シンガポール金融通貨庁(MAS)、金融政策発表
○09:01 ◇ 1月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲18)
○17:15 ◎ 1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:42.3)
○17:15 ◎ 1月仏サービス部門PMI速報値(予想:49.3)
○17:30 ◎ 1月独製造業PMI速報値(予想:42.7)
○17:30 ◎ 1月独サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:45.3)
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.5)
○18:30 ◎ 1月英製造業PMI速報値(予想:47.0)
○18:30 ◎ 1月英サービス部門PMI速報値(予想:50.9)
○19:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○20:00 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○23:45 ◎ 1月米製造業PMI速報値(予想:49.7)
○23:45 ◎ 1月米サービス部門PMI速報値(予想:56.5)
○23:45 ◎ 1月米総?⑰MI速報値(予想:55.6)
○24:00 ◎ 1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:73.2)
○24:00 ◎ 12月米中古住宅販売件数(予想:前月比1.2%/年率換算420万件)
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、最終日)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(23日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.05円(前営業日比▲0.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.54円(▲0.39円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0415ドル(△0.0006ドル)
ダウ工業株30種平均:44565.07ドル(△408.34ドル)
ナスダック総合株価指数:20053.68(△44.34)
10年物米国債利回り:4.64%(△0.03%)
WTI原油先物3月限:1バレル=74.62ドル(▲0.82ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2765.0ドル(▲5.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数
22.3万件 21.7万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。前週分の米新規失業保険申請件数が22.3万件と予想の22.0万件よりも若干弱い内容となったことが分かると、円買い・ドル売りが先行。トランプ米大統領がダボス会議でのオンライン演説で「すぐに金利を下げるよう要請するつもりだ。そして世界中で金利は下がるべきだ」と述べ、米連邦準備理事会(FRB)に利下げを求める考えを示すと全般ドル売りが活発化した。5時前には一時155.75円と日通し安値を更新した。
なお、市場では「FRBは来週28-29日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で、4会合ぶりに利下げを見送る」との見方が優勢となっている。
・ユーロドルは小反発。新規材料に乏しい中、しばらくは狭いレンジでのもみ合いが続いていたが、トランプ米大統領が演説で欧州との貿易関係に言及すると1.0373ドルまで売られた。
ただ、そのあとはFRBに利下げを求める考えを示したことから一転上昇。3時前には一時1.0438ドルと日通し高値を付けた。もっとも、米長期金利が上昇基調を維持したため、前日の高値1.0457ドルを上抜けるほどの勢いはなかった。
・ユーロ円は5日ぶりに反落。ドル円の下落につれた売りが出ると一時162.20円と日通し安値を付けた。ただ、ユーロドルの上昇につれた買いが相場を下支えしたため、下落のスピードは緩やかだった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、昨年12月6日以来の高値となった。トランプ米大統領のダボス会議での発言を好感した買いが優勢となった。なお、多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は史上最高値を更新した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も4日続伸し、昨年12月17日以来の高値で取引を終えた。しばらくはマイナス圏での推移が続いていたが、終盤上げに転じた。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。米国株相場の上昇を受けて相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。トランプ米政権の政策でインフレ圧力が高まるとの見方も根強く、相場の重しとなった面もあった。
・原油先物相場は5日続落。76ドル付近を上値に伸び悩んでいたところで、トランプ米大統領の発言をきっかけに75ドル割れまで急落。ダボス会議のオンライン演説で大統領は「サウジアラビアと石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の引き下げを要請する」と述べた。一時74.40ドル割れまで下げ幅を広げ、その後の戻りも限られた。
・金先物相場は3日ぶりに反落。高値圏で伸び悩むなか、米長期金利が上昇したことで金利の付かない金の投資妙味が薄れて売りが先行。一時2745ドル手前まで下落した。もっとも、為替でドルが弱含むと割安感が生じたドル建て金に買い戻しが入り、下げ幅を縮小して終えた。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39920 +30 (+0.07%)
TOPIX先物 2757.0 +6.0 (+0.21%)
シカゴ日経平均先物 39920 +30
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
23日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。「米国第一主義」を掲げるトランプ米大統領は、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)にオンラインで出席し、外国製品に関税を課す一方、米国で製造する企業の法人税率を15%に引き下げる考えを示すなどの発言が材料視された。足もとでハイテク株への物色が強まっていたが、景気敏感株やディフェンシブ株の一角に買いが広がった。主要な株価指数は4日続伸となり、S&P500指数は昨年12月6日以来の最高値を更新した。
NYダウ構成銘柄では、キャタピラー
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比30円高の3万9920円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円安の3万9860円で始まり、一時3万9710円まで下げ幅を広げる場面もみられた。ただし、米国市場の取引開始後に持ち直し、終盤にかけて緩やかなリバウンドをみせる形となり、3万9920円とプラス圏を回復してナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることになろう。日経225先物は前日の日中取引でボリンジャーバンドの+1σ(3万9780円)を突破しており、ナイトセッションでは利益確定に伴うロング解消の動きが入る場面もみられたが、概ね同水準を上回っての推移が目立った。
日経225先物は前日までの4営業日で1400円超上昇しているほか、一時4万円を回復したこともあり、いったんは達成感が意識されやすいところではある。ただし、+1σ水準での底堅さがみられる局面では押し目待ち狙いのロング対応に向かわせそうだ。+1σを上回っての推移が続くようだと、+2σ(4万0320円)とのレンジに移行することで、4万円が通過点になるだろう。
また、週足の+1σ(3万9760円)も上回ってきた。終値で同水準を上回ってくることで+2σ(4万0450円)とのレンジが意識されやすくなると考えられ、ショートは控えておきたい。
本日は日銀の金融政策決定会合の結果判明待ちのなかで午前中は膠着感が強まりやすいだろうが、政策金利を現行の0.25%程度から0.5%程度に引き上げるとの見方がコンセンサスであり、市場は利上げを織り込んでいる状況である。結果判明後はイベント通過に伴うアク抜けからロングの動きが強まる可能性がありそうだ。
23日の米VIX指数は15.02(22日は15.10)に低下した。小動きであるが、一時14.59まで低下する場面もみられた。引き続き昨年12月24日につけた直近安値(14.27)が意識されており、リスク選好に傾きやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.50倍に上昇した。一時14.54倍まで上げており、昨年11月6日につけた14.59倍が意識されてきた。また、11月高値を突破してくるようだと、10月15日の14.70倍が射程に入ってくる。本日のところは日銀会合通過後のリバランスが意識されやすく、NTロングを巻き戻す動きが優勢になると考えられる。
23日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、前週分の米新規失業保険申請件数が若干弱い内容となり、トランプ米大統領がダボス会議で「すぐに金利を下げるよう要請するつもりだ」と述べたことで155.75円まで下落した。ユーロドルは、トランプ米大統領が欧州との貿易関係に言及したことで1.0373ドルまで売られた後、利下げ要請発言を受けて1.0438ドルまで上昇。ユーロ円は162.20円まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、ほぼ確実視されている日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げを確認した後は、15時30分からの植田日銀総裁のターミナルレート(利上げの最終到達点)への言及などに注目することになる。
日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁や氷見野日銀副総裁による利上げ示唆発言、そして複数の利上げ観測報道などから、追加利上げ(+0.25%⇒0.50%)はほぼ確実視されており、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す追加利上げ確率は95%前後に上昇している。
利上げが見送られる可能性としては、本日通常国会が召集され、25年度予算案が提出されるため、予算案成立の前の利上げは避けられるのではないかとの見方、そして植田日銀総裁が言及していた賃上げ動向の全容が不透明であることなどが挙げられる。
もし、予想外に利上げ見送りとなった場合、ドル円は157-158円台に向けて上昇することが予想されるため、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しておきたい。
21日には三村財務官が、為替のコミットメントは、第1次トランプ政権時のG7合意「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得る」が続いていると述べており、過度な変動と見なされる可能性には警戒しておきたい。
予想通りに0.25%の利上げが決定されて0.50%に引き上げられた場合、植田日銀総裁の会見に注目することになる。植田日銀総裁は昨年7月31日の会見で、「前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べ、中立金利の下限である1%を意識した見通しを示していた。
また、トランプ米大統領は、関税などの貿易政策を「アメリカ第一の貿易政策」と題する大統領覚書に示し、関税を徴収する「外国歳入庁」の設立を表明し、関係閣僚に貿易赤字の原因究明、不公正な貿易慣行や為替操作の究明、既存の貿易協定の見直しなどを指示している。
昨日は「金利の即時引き下げを要求する。パウエルFRB議長と適切な時期に話す」と述べており、今後は、貿易赤字増大の要因となるドル高を抑制する発言には引き続き警戒しておきたい。
シンガポール金融通貨庁(MAS)は24日、政策バンドの傾斜を小幅に引き下げたと発表した。なお、通貨政策バンドの中央値と変動幅は据え置いた。
昨日の海外市場では、アジア時間にトランプ米大統領のFOXニュースでのインタビューが肩透かしに終わったこともあってか、市場の注目がよりダボス会議でのビデオ演説に集まっていたわけで、「すぐに金利を下げるように要請するつもりだ」との発言を受けてドル売りで反応。ドル円は一時155.75円まで値を下げました。ただ、前日のNY時間の安値155.72円手前で下げ止まるといった中途半端な反応に終わると、引けにかけては156.07円まで買戻されてNY市場を終えています。
米10年債利回りは欧州時間こそ4.5927%まで低下する場面もみられましたが、米新規失業保険申請件数が予想よりも弱い数字となったにもかかわらず、そして、トランプ米大統領の演説にもかかわらず、4.6619%まで上昇したわけで、為替市場での中途半端な反応だけが目立ったといったところ。アジア時間に入ってからは日経平均が40000円台を再び回復していることもあり156.38円まで買戻されています。
いずれにしても、本日の最大のリスクは、UEDAリスクでしかなく、既に日銀金融政策決定会合の利上げは材料ではないなか、コミュニケーション障害を起こしている総裁と市場との断絶が引き起こすボラティリティは覚悟する必要があって、ただ、トランプ米大統領に昨日、「世界中で金利は下がるべきだ」と言われてしまった以上、かなりハト派的な内容となっても不思議ではなく、予見不可能な総裁会見を前にして、リスクの方向性としては明らかです。
日経225先物は11時30分時点、前日比350円高の4万0240円(+0.87%)前後で推移。寄り付きは3万9870円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9920円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。寄り付き直後につけた3万9860円を安値にロング優勢の相場展開となり、中盤にかけて4万0190円まで買われた。買い一巡後に3万9980円と4万円を割り込む場面もみられたが、終盤にかけて再びロングが強まる形から、一時4万0260円まで上げ幅を広げた。
日銀の金融政策決定会合の結果待ちのなかであったが、政策金利を現行の0.25%程度から0.5%程度に引き上げるとの見方は織り込まれており、早い段階で結果判明後のアク抜けを想定した動きが強まったようだ。4万円に乗せた後も達成感につながらなかったことで、ショートカバーの動きが強まったと考えられる。これによりボリンジャーバンドの+2σ(4万0370円)に接近してきた。+2σを捉えてくるようだと、過熱感が警戒されやすいだろうが、バンドが拡大傾向をみせてきているなか、ショートは避けておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.50倍と横ばいで推移している。14.47倍と低下して始まったが、その後の切り返しで一時14.55倍まで上げてきた。連日で日経平均型を牽引していたソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は上昇一服ながらも底堅い値動きをみせているほか、本日はファーストリテイリング<9983.T>[東証P]が牽引している。
「『関税』は、最も美しい言葉」(Tariff Is ‘the Most Beautiful Word’)
(トランプ米大統領:関税マン)
1. 「アメリカ第一の貿易政策」(America First Trade Policy)
トランプ米大統領は、米国の産業の優位性や安全保障を強化し、労働者や経営者の利益を確保するための貿易政策を「アメリカ第一の貿易政策」と題する大統領覚書に示した。
「不公正かつ不均衡な貿易への対処」「中国との経済と通商関係」「経済安全保障に関する追加事項」の3つの観点から、関係省庁に貿易赤字の原因究明を指示した。
■トランプ関税
・メキシコとカナダ:25%の追加関税(米国・メキシコ・カナダ協定)
・中国:10%の追加関税
・欧州連合(EU)
2.為替報告書
■「2015年貿易円滑化・貿易執行法」(Trade Facilitation and Trade Enforcement Act of 2015)
2015年に、外国政府の為替政策に対する監視体制を強化するために成立した通商法である。米国財務省は、2016年から、「2015年貿易円滑化・貿易執行法」に依って、為替操作国認定のための数値基準を設定し、為替操作国に対する報復措置としての行動計画の策定等を義務付けた。
為替操作国の認定を行うに当たり、3つの基準を満たした場合は、「為替操作国」と認定し、2つに抵触した場合、「監視対象国リスト」に認定している。
【為替操作国・監視対象国の判断基準】
1)財の対米貿易黒字:150億ドル以上
2)経常黒字額:対国内総生産(GDP)比3%以上
3)過去12カ月の外貨購入(介入):対GDP比2%以上
■「1988年包括通商競争力法」(The Omnibus Trade and Competitiveness Act of 1988)
1988年8月、貿易赤字の削減を目ざして成立した米国の通商法であり、国内産業の保護、外国の不公正な貿易政策への対応など、米国産業の競争力を回復させるための措置を包括的に盛り込んでいる。巨額の1)経常黒字と、2)対米貿易黒字を計上している貿易相手国が、3)対外収支の実効的は調整を回避もしくは不公平な輸出競争力を得るという政策意図に基づいて為替操作しているか否かを問う法律。
2015年法との違いは、1)経常黒字と2)対米貿易黒字の定量基準がないものの、3)為替操作の意図を重視した点にある。
日銀は24日発表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2024年度の消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)見通しを+2.7%(10月は+2.5%)、25年度を+2.4%(10月は+1.9%)、26年度を+2.0%(10月は+1.9%)とした。
また、2024年度の実質国内総生産(GDP)見通しを+0.5%(10月は+0.6%)、25年度を+1.1%(10月は+1.1%)、26年度を+1.0%(10月は+1.0%)とした。
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(賛成8反対1)。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.5%程度で推移するよう促す。
2.上記の金融市場調節方針の変更に伴い、以下のとおり、各種制度の適用利率の変更を決定した(賛成8反対1)。
(1)補完当座預金制度の適用利率
補完当座預金制度の適用利率(日本銀行当座預金<所要準備額相当部分を除く>への付利金利)については、0.5%とする。
(2)基準貸付利率
補完貸付制度については、その適用金利である基準貸付利率を0.75%とする。
3.貸出増加支援資金供給について、予定通り2025年6月末をもって新規の貸付けを終了する。なお、本資金供給を円滑に終了する観点から、経過措置として、7月以降、2025年中は、満期到来額の半分を上限として、貸付期間1年の借り換えを認めることとした(全員一致)。
4.わが国の経済・物価は、これまで「展望レポート」で示してきた見通しに概ね沿って推移しており、先行き、見通しが実現していく確度は高まってきている。すなわち、わが国経済は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。賃金面では、企業収益が改善傾向を続け、人手不足感が高まるもと、本年の春季労使交渉において、昨年に続きしっかりとした賃上げを実施するといった声が多く聞かれている。物価面をみると、賃金の上昇が続くもとで、人件費や物流費等の上昇を販売価格に反映する動きが広がってきており、基調的な物価上昇率は、2%の「物価安定の目標」に向けて徐々に高まってきている。こうしたもと、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、このところの為替円安等に伴う輸入物価の上振れもあって、2024年度が2%台後半となったあと、2025年度も2%台半ばとなる見通しである。この間、海外経済は緩やかな成長経路をたどっており、様々な不確実性は意識されているものの、国際金融資本市場は全体として落ち着いている。
こうした状況を踏まえ、2%の「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断した。政策金利の変更後も、実質金利は大幅なマイナスが続き、緩和的な金融環境は維持されるため、引き続き経済活動をしっかりとサポートしていくと考えている。
5.今後の金融政策運営については、先行きの経済・物価・金融情勢次第であるが、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえると、今回の「展望レポート」で示した経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている。日本銀行は、2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく。
(日銀HPより抜粋)
【基本的見解】
●先行きのわが国経済を展望すると、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられる。
●物価の先行きを展望すると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、2024年度に2%台後半、2025年度に2%台半ばとなったあと、2026年度は概ね2%程度となると予想される。既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁家の影響が減衰する一方、消費者物価の基調的な上昇率は、人手不足感が高まるもと、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。なお、2025年度にかけては、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比に対して、米価格が高水準で推移すると見込まれることや政府による施策の反動が生じることが押し上げ方向で作用すると考えられる。
●前回の見通しと比べると、成長率については概ね不変である。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比については、2024年度と2025年度が、米価格の上昇に加え、このところの為替円安等に伴う輸入物価の上振れもあって、上振れている。
●リスク要因をみると、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高い。そのもとで、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を、十分注視する必要がある。とくに、このところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある。
●リスクバランスをみると、経済の見通しについては概ね上下にバランスしている。物価の見通しについては、2024年度と2025年度は上振れリスクの方が大きい。
(日銀HPより抜粋)
本日のロンドン為替市場のユーロドルとポンドドルは、1月の独仏英ユーロ圏の製造業・サービス業PMI速報値を見極めつつ、ラガルドECB総裁やチポローネECB専務理事の講演に注目することになる。
ドル円に関しては、15時30分からの植田日銀総裁の会見に注目することになるが、リスクシナリオは、ハト派的な見解の場合のドル高・円安、そして、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性などとなる。
神田前財務官によるドル売り・円買い介入第一弾は、2022年9月22日に、黒田前日銀総裁によるハト派発言を受けたドル高・円安の局面だった。
1月の独仏英ユーロ圏の製造業・サービス業PMI速報値では、今年の英国や欧州は、米国との貿易戦争による物価上昇圧力、景況感悪化が警戒されているため、予想を上回る良好な数字に対する反応は限定的だと思われ、リスクシナリオは予想を下回るネガティブサプライズの場合となる。
ラガルドECB総裁やチポローネECB専務理事は、来週の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げを示唆してきていることで、ハト派的な見解が予想される中、ターミナルレート(利下げの最終到達点)への言及にも注目しておきたい。
トランプ米大統領が、米連邦準備理事会(FRB)に対して金利引き下げを要求する、と述べ、同様に、世界中で金利が引き下げられるべきだ、と述べたことに対する見解にも注目しておきたい。
また、スワップ金利が織り込んでいる今年のECBの金利見通しは、0.25%の利下げ4回となっていることへの見解にも注目しておきたい。
本日は、トランプ米大統領が、中国への関税を避けたい、と述べており、欧州や英国への関税に関するヘッドラインにも注目しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0469ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:163.81円(1/8高値)
・ポンドドル:1.2494ドル(1/8高値)
・ポンド円:193.95円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0348ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:161.48円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2258ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:191.19円(日足一目均衡表・転換線)
ドル円:1ドル=155.35円(前営業日NY終値比▲0.70円)
ユーロ円:1ユーロ=162.36円(▲0.18円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0451ドル(△0.0036ドル)
日経平均株価:39931.98円(前営業日比▲26.89円)
東証株価指数(TOPIX):2751.04(▲0.70)
債券先物3月物:140.67円(▲0.26円)
新発10年物国債利回り:1.225%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 3.0% 2.7%
12月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)
前年同月比 2.4% 2.4%
日銀金融政策決定会合(日銀金融市場調節目標)
0.50%に引き上げ 0.25%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。朝方から底堅い動きとなり、日銀が市場予想通りに0.50%への利上げを決めた直後には156.41円まで上昇する場面も見られた。ただ、同時に公表された日銀展望レポートで物価見通しが引き上げられ、日銀が今後も利上げを続ける姿勢を示したとの見方が広がると一転して売りに押される展開となり、一時155.01円まで反落した。
・ユーロ円も上値が重い。ドル円と同様に日銀に金融政策発表後は荒い値動きとなった。発表直後に163.26円まで上昇したものの、その後は全般に円買いが強まった流れに沿って161.92円まで失速した。
・ユーロドルは強含み。トランプ米大統領が「中国に対して関税を使わざるを得ない状況は避けたい」と発言したことを受けてドル売りが強まるなか、一時1.0458ドルまで値を上げた。
・日経平均株価は5営業日ぶりに小幅反落。日銀の金融政策公表後は節目の4万円を挟んだ水準で神経質に上下したが、次第に前日終値付近で相場も落ち着いた。引け後の植田日銀総裁の会見を見極めたいとの思惑が広がり、積極的な売買は手控えられた格好だ。
・債券先物相場は3日続落。しばらくは前日終値付近での方向感を欠いた動きとなっていたが、日銀の金融政策公表後は下押し圧力が高まった。日銀の追加利上げ姿勢が確認されたことが重しとなり、一時140円59銭まで下押しした。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、中国の2024年10-12月期GDPを受けてリポートしている。10-12月期の実質GDP成長率は前年比+5.4%。7-9月期の同4.6%から0.8pt伸び率が拡大した。ただ、この期間の押し上げに寄与した不動産・卸小売・機械製造業などの業種は政策効果が大きく、0.8pt中0.5pt程度は政策効果と三菱UFJMSでは試算している。今回の結果を踏まえて2025年の実質GDP成長率予想を+4.0%から+4.4%に修正しているが、10-12月がやや出来すぎの印象で目先は反動もありそうとコメントしている。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
トルコ中銀は2会合連続の利下げ、「引き締め度合い」が政策のカギに
当面は実質金利をみながら調整幅を決定の模様、リラ相場はじり安局面が続く可能性に要注意
トルコ中銀は23日の定例会合で2会合連続の利下げに動き、政策金利を45%とする決定を行った。同行は先月の定例会合で現行の経済チームの下で初の利下げに動いたが、緩和姿勢を強めている。経済チームの下で財政、金融政策の両面で引き締め姿勢を強めた結果、インフレは鈍化して実質金利はプラスに転じ、景気も頭打ちしている。よって、中銀は物価安定を図る一方で景気に配慮すべく緩和姿勢を強めていると捉えられる。ただし、先行きの政策運営に当たって中銀はインフレ鈍化を促すべく引き締め度合いを調整する考えを示しており、当面は実質金利のプラス幅をみつつ利下げ幅を決定すると見込まれる。他方、米トランプ政権の政策運営に加え、隣国シリア情勢を理由にリラ相場はじり安の動きが続くなか、円に対してはドル/円相場の動きが重石になる展開をみせており、当面は上値が抑えられる可能性に要注意と言える。
第一生命経済研究所では、28日~29日に開催される1月FOMCでFRBは政策金利を据え置くと予想している。声明文における景気・物価認識は概ね前回内容を踏襲する可能性が高いとみており、経済は雇用を含めて堅調で、インフレ率は減速しつつも高止まりしているとの判断を示すと見込んでいる。先行きの利下げペースを巡っては、パウエル議長は引き続きデータに基づき判断する姿勢を示す可能性が高いとコメント。トランプ新政権による関税・移民政策が金融政策に与える影響に関して、具体的な言及があるかどうかを注目点に挙げている。
大阪3月限
日経225先物 39940 +50 (+0.12%)
TOPIX先物 2750.0 -1.0 (-0.03%)
日経225先物(3月限)は前日比50円高の3万9940円で取引を終了。寄り付きは3万9870円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9920円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。前場中盤にかけて4万0190円まで買われ、買い一巡後に3万9980円と4万円を割り込む場面もみられたが、前場終盤にかけて再びロングが強まる形から上へのバイアスが強まり、日銀の金融政策決定会合の結果が判明したランチタイムで一時4万0410円まで上げ幅を広げた。
買い一巡後はロングを解消する流れから軟化し、後場中盤には3万9800円と下落に転じる場面もみられた。ただし、終盤にかけては3万9850円から4万0040円辺りでの保ち合いを継続し、プラス圏で終えた。
前場は日銀の金融政策決定会合の結果待ちのなかであったが、政策金利を現行の0.25%程度から0.5%程度に引き上げるとのコンセンサスのなか、先回り的にアク抜けを想定した動きが強まったようだ。金融政策決定会合では市場の予想通り、政策金利の誘導目標を0.5%に引き上げた。前場終盤には4万0250円辺りまで上昇していたが、結果判明を受けてロングが集中し、ランチタイム終盤に4万0410円をつける形だった。
短期的にロングが集中したほか、この上昇場面でボリンジャーバンドの+2σ(4万0320円)を上回ったことで、短期的な過熱感が意識された。これまでも+2σ突破後はいったん調整が入っていたこともあり、結果的には後場はロング解消が優勢となったようだ。また、取引終了後には日銀・植田和男総裁の会見を控えており、タカ派的な発言への警戒もあって、持ち高調整に向かわせたようである。
もっとも調整基調とはなったものの、4万円近辺での底堅さがみられていた。トランプ米大統領は先週の中国の習近平国家主席との電話会談は友好的で、貿易合意は可能との見解を示したと報じられたことも売り込みにくくした。+1σ(3万9810円)で下げ渋る動きをみせており、+1σと+2σとのレンジ推移となった。
いったんは過熱を冷ます形での調整はありそうだが、バンドは上向きで推移していることもあり、ショートは避けておきたい。
NT倍率は先物中心限月で14.52倍に上昇した。14.47倍で始まり、14.45倍まで低下する場面もあったが、その後の切り返しで一時14.54倍まで上げた。連日で日経平均型を牽引していたソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]は上昇一服とはなったが、方向性としては昨年10月14日の14.70倍を意識したNTロングに向かわせよう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万3027枚、ソシエテジェネラル証券が1万7338枚、日産証券が3725枚、サスケハナ・ホンコンが3620枚、ゴールドマン証券が3519枚、JPモルガン証券が3211枚、バークレイズ証券が2895枚、モルガンMUFG証券が2363枚、野村証券が2088枚、楽天証券が1482枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1916枚、ソシエテジェネラル証券が1万7853枚、バークレイズ証券が5198枚、JPモルガン証券が4544枚、モルガンMUFG証券が3896枚、日産証券が3841枚、ゴールドマン証券が2130枚、野村証券が1928枚、シティグループ証券が1221枚、みずほ証券が1161枚だった。
本日のNY市場でのドル円は、日銀会合を受けた神経質な動きが一服する中、トランプ米大統領の発言に注意しつつ、週末を念頭に米指標を確認する展開となるか。
経済イベントでは、1月の製造業やサービス業の購買担当者景気指数(PMI)・速報値が発表予定。市場予想は製造業が49.7と前月より小幅上昇が見込まれており、好不況の分岐点とされる50を上回れるかがポイント。なお、サービス業は56.5と前月より小幅低下が見込まれている。また、同指標の発表直後に1月ミシガン大学消費者態度指数・確報値や12月中古住宅販売件数も予定されているが、前者は確報値、後者は市場の関心が住宅市場には集まっていない点を考慮すると、市場予想から大きく乖離しない限り材料視されにくいかもしれない。
本日はトランプ米大統領の発言機会は予定されてはいないものの、今週20日の大統領就任でトランプ劇場の第2幕が開いた直後ということもあり、ひとたび発言が伝われば神経質に反応する余地がある点には引き続き注意したい。
なお、本日は週末ということで、ロンドンフィキシング(日本時間25時)終了後は動意が徐々に鈍くなることも想定される。
テクニカル面では、日銀会合後の下押しが154.85円までと、21日安値154.78円を前に下げ渋っており、再び下げた場合は同水準がサポートになるかがポイント。割れると昨年12月19日安値154.44円に向けた一段安もあり得る。上サイドは下落直後で目標値が少ない中、まずは節目の156円に注目。明確に超えると日足・一目均衡表の基準線156.83円が見えてくるか。
想定レンジ上限
・ドル円は、心理的節目の156.00円。超えると日足・一目均衡表の基準線156.83円
想定レンジ下限
・ドル円は21日安値154.78円。割り込むと昨年12月19日安値154.44円
今晩は上値の重い展開か。昨日はトランプ米大統領がダボス会議にオンライン参加し、米国の政策金利が直ちに引き下げられるべきだ、サウジアラビアに原油価格の引き下げを要求するなどと発言したことが株式相場の追い風となった。S&P500は0.53%高と4日続伸。前日に続いて取引時間中の史上最高値を更新し、終値でも12月6日以来の最高値更新となった。ダウ平均も408.34ドル高(+0.92%)と4日続伸し、最高値まで1.0%に接近。ハイテク株主体のナスダック総合は0.22%高と4日続伸し、最高値まで0.60安で終了した。週初来ではダウ平均が2.48%高。S&P500が2.04%高、ナスダック総合が2.16%高とそろって2週続伸ペースとなった。
今晩は減税や規制緩和などのトランプ政権の政策期待が引き続き相場の支援となることが期待されるものの、週末の取引となることや、S&P500が最高値を更新し、ダウ平均とナスダック総合も最高値接近で上値の重い展開か。足もとで米10年債利回りも再び上昇傾向にあり、経済指標などを受けた米10年債利回りの動向にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは1月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、12月中古住宅販売件数、1月ミシガン大消費者信頼感指数確報値など。決算発表は寄り前にネクステラ・エナジー、アメリカン・エキスプレス、ベライゾンなどが発表予定。
賢い人に質問です
日本株先物が妙に強いのですが、何か出ましたか? ダウナスSPが垂れてきても踏ん張っています
日経平均株価は小反落。4万円超えのスタートから上値を伸ばす展開となったが、後場は年初の高値を前にして上げ幅を縮小した。下値は限定的だったものの、3日ぶりの陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の56.0%→64.6%(1/24)へ上昇。来週初も上昇しやすいタイミングとなり、前日からの見方に大きな変化はない。目先的には5日移動平均線(39493円 1/24)まで下押す動きも想定されるが、12/27高値(40398円)超えが焦点となる。
上値メドは、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、心理的節目の41500円や42000円、7/11安値(42102円)などがある。下値メドは、心理的節目の39500円、25日移動平均線(39282円 同)や心理的節目の39000円、100日移動平均線(38648円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
(24日終値:25日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.74円(24日15時時点比△0.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.70円(△1.34円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0510ドル(△0.0059ドル)
FTSE100種総合株価指数:8502.35(前営業日比▲62.85)
ドイツ株式指数(DAX):21394.93(▲16.60)
10年物英国債利回り:4.629%(▲0.007%)
10年物独国債利回り:2.569%(△0.019%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
45.3 41.9
1月仏サービス部門PMI速報値
48.9 49.3
1月独製造業PMI速報値
44.1 42.5
1月独サービス部門PMI速報値
52.5 51.2
1月ユーロ圏製造業PMI速報値
46.1 45.1
1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値
51.4 51.6
1月英製造業PMI速報値
48.2 47.0
1月英サービス部門PMI速報値
51.2 51.1
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。日銀の利上げ決定を受けてアジア市場では154.85円まで下落したものの、欧州市場では一転円売りが優勢となった。植田和男日銀総裁が金融政策決定会合後の記者会見で「利上げのペースやタイミングは予断を持っていない」とし、「今回の利上げの影響がどのように出てくるかを確かめつつ、今後の進め方を決めたい」と述べたことを受けた。22時過ぎには一時156.57円と日通し高値を更新した。
ただ、前日の高値156.75円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。一時は4.65%台まで上昇した米10年債利回りが4.60%台まで低下したことも相場の重しとなり、155.52円付近まで下押しした。市場では「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りのフローが観測された」との声も聞かれた。
・ユーロドルは強含み。仏・独・ユーロ圏の1月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことを材料にユーロ買い・ドル売りが進行。日本時間夕刻に一時1.0515ドルまで値を上げた。NY市場序盤には1.0464ドル付近まで下押ししたものの、そのあとは再び強含む展開に。米長期金利が低下に転じたことなどが相場を支援材料となり、2時30分前には1.0521ドルと昨年12月17日以来の高値を更新した。
・ユーロ円はしっかり。アジア市場では日銀の利上げ決定を受けて161.92円まで売られたものの、欧米市場に入ると底堅く推移した。ドル円の上昇につれた買いが入ったあとはユーロドルの上昇につれた買いが入った。24時前には一時164.08円と7日以来の高値を付けた。
・ポンドは堅調だった。ポンドドルは一時1.2502ドル、ポンド円は194.60円まで値を上げたほか、ユーロポンドは0.8411ポンドまで下落した。1月英製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことを受けた。
・ロンドン株式相場は反落。続伸して始まったものの、買い一巡後は売りが優勢となり、下げに転じた。指数は史上最高値圏にあるため、利益確定目的の売りや週末を控えたポジション調整目的の売りが出やすかった。BPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は9日ぶりに小反落。前日までに8日続伸し、史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出た。ただ、押し目を拾いたい向きは多く、下値は限定的だった。個別ではMTUエアロ・エンジンズ(6.52%安)やボノビア(2.22%安)、ドイツテレコム(2.17%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。
(24日終値)
ドル・円相場:1ドル=156.00円(前営業日比▲0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.68円(△1.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0497ドル(△0.0082ドル)
ダウ工業株30種平均:44424.25ドル(▲140.82ドル)
ナスダック総合株価指数:19954.30(▲99.38)
10年物米国債利回り:4.62%(▲0.02%)
WTI原油先物3月限:1バレル=74.66ドル(△0.04ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2778.9ドル(△13.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月米製造業PMI速報値
50.1 49.4
1月米サービス部門PMI速報値
52.8 56.8
1月米総?⑰MI速報値
52.4 55.4
1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)
71.1 73.2
12月米中古住宅販売件数
(前月比) 2.2% 4.8%
(年率換算件数)424万件 415万件
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は小幅ながら続落。日銀の利上げ決定を受けてアジア時間に一時154.85円まで売られた影響が残った。
ただ、欧米市場に入ると一転買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。植田和男日銀総裁は金融政策決定会合後の会見で「利上げのペースやタイミングは予断を持っていない」「今回の利上げの影響がどのように出てくるかを確かめつつ、今後の進め方を決めたい」などと発言。市場では「日銀がしばらくは様子見に移る」との見方が広がり、円売りを促した。22時過ぎには一時156.57円と日通し高値を更新した。
もっとも、前日の高値156.75円がレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。一時は4.65%台まで上昇した米10年債利回りが4.60%台まで低下したことも相場の重しとなり、2時30分前には155.52円付近まで下押しした。市場関係者からは「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りのフローが観測された」との声も聞かれた。
・ユーロドルは続伸。欧州時間に発表された仏・独・ユーロ圏の1月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことを手掛かりに、NY市場でもユーロ買い・ドル売りが入った。米長期金利が低下に転じたことなども相場を支援材料となり、2時30分前には1.0521ドルと昨年12月17日以来の高値を更新した。
なお、NY時間発表の1月米製造業PMI速報値や12月米中古住宅販売件数は予想を上回った一方、1月米サービス部門PMI速報値や1月米ミシガン大学消費者態度指数確報値は予想を下回るなど、強弱入り混じる結果となった。
・ユーロ円は反発。アジア市場では日銀の利上げ決定を受けて161.92円まで売られたものの、欧米市場に入ると底堅く推移した。ドル円の上昇につれた買いが入ったあとはユーロドルの上昇につれた買いが入り、24時前には一時164.08円と7日以来の高値を付けた。その後の下押しも163.50円付近にとどまった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに反落。来週28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に持ち高調整目的の売りが優勢となった。「マイクロソフトやテスラ、アップルなど、米主要企業の決算発表を前にポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も5日ぶりに反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。来週28-29日のFOMCを前に持ち高調整目的の買いが優勢となった。
・原油先物相場は小幅ながら6日ぶりに反発した。為替のドル安・欧州通貨高を受け、割安感が生じたドル建て原油先物は買い戻しが先行。もっとも、トランプ米大統領が石油輸出国機構(OPEC)に改めて価格引き下げを求めた発言が伝わると、再び売り圧力が強まった。ただ74ドル手前では下げ渋り、週引けにかけてはやや持ち直した。
・金先物相場は反発。ドル売り圧力が対欧州通貨を中心に強まると、ドル建て金は割安感から買いが入りやすかった。米経済指標はまちまちな内容だったものの、弱い結果が着目された場面では2794ドル台まで上げ足を速めた。しかしながら、節目2800ドルを攻めるほど上昇力は強まらず、週末を控えた持ち高調整の売りも出て上げ幅を縮小して終えた。
24日05:38 トランプ米大統領
「AIに関する行政措置に署名する」
「パウエルFRB議長と適切な時期に話す」
24日11:17
「中国の習主席との会話は順調だった」
「中国に対して関税を使わざるを得ない状況は避けたい」
「ウクライナ戦争が終わらなければ、ロシアに大規模な関税や制裁を課す」
「北朝鮮の金総書記に接触するつもり」
24日12:26 日本銀行声明
「物価目標実現の観点から緩和度合いの調整適切と判断」
「見通し実現通りなら引き続き金利引き上げ」
「先行き、見通しが実現していく確度高まってきている」
24日15:41 植田日銀総裁
「今年の春闘、しっかりとした賃上げの実施が見込まれる」
「輸入物価、前年比でみれば引き続き抑制されている」
「トランプ米大統領が就任したが金融資本市場は落ち着いている」
「利上げ後も実質金利は大幅マイナス、緩和環境は維持される」
「今回の利上げ、市場金利上昇を通して経済に影響を及ぼす」
「今後の利上げ、経済・物価・金融情勢次第で予断は持っていない」
「基礎的物価上昇率、見通しに沿って緩やかに上昇という範囲に留まっている」
「深刻なビハインドザカーブにあるとは見ていない」
「今回の利上げの影響については詳しく検討したい」
「物価見通しの上方修正は今年半ばまで、その後は落ち着く」
「トランプ関税や各国の報復措置の影響、現時点では不確実性が高い」
「極めて緩和度合いが強い状況を長く続けると、インフレ率が急上昇する」
「基調的な物価、データで分かる部分もあるがわからない部分もある」
「中立金利、まだ相応の距離がある」
「(今後の利上げについて)段階的に動いてゆくのが適切な対応」
「0.5%の政策金利、中立金利の幅から距離がある」
「米政権発足で市場の混乱なし、ここで動かない理由はないと判断」
「基調的な物価、26年度のどこかで物価目標と整合的な水準に収束してゆく」
「24・25年度の物価見通しの上方修正、第2ではなくある種の第1の力」
「コアコアの上方修正、オントラックから上方にずれている」
「コストプッシュの物価上昇、期待インフレ率を上げてしまう可能性」
「推計の中立金利は1-2.5%に分布、0.5%からは距離がある」
「ETFの扱いはもう少し時間をいただきたい、なかなか難しい問題」
「1月の氷見野副総裁講演はデータに応じて政策変更を議論する基本線をリマインドした」
「人口減少の中立金利への影響、リアルタイムではわからない」
「物価は今年後半にかけて低下、それに応じて実質賃金はプラスになってゆく」
「デフレに戻る確率はゼロではないが非常に低い」
「展望リポートで潜在成長率を引き下げた理由は人手不足」
「潜在成長率、修正幅小さく中立金利への影響はごくわずか」
「追加利上げに当たっては成長率より基礎的な物価が26年度後半にかけてどうなってゆくかを見て判断」
※時間は日本時間
27日
○14:00 ◇ 11月景気動向指数改定値
28日
○08:50 ◇ 12月企業向けサービス価格指数
29日
○08:50 ☆ 12月18-19日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
○14:00 ◇ 1月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
30日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○15:10頃 ◎ 氷見野良三日銀副総裁、講演
31日
○08:30 ◎ 12月完全失業率
○08:30 ◎ 12月有効求人倍率
○08:30 ◎ 1月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
○08:50 ◎ 12月鉱工業生産速報
○08:50 ◇ 12月商業販売統計速報(小売業販売額)
○14:00 ◇ 12月新設住宅着工戸数
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
27日
○10:30 ◎ 1月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○18:00 ◎ 1月独Ifo企業景況感指数
○21:00 ◇ 12月メキシコ貿易収支
○24:00 ☆ 12月米新築住宅販売件数
○28日01:30 ◎ 米財務省、2年債入札
○28日03:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○オーストラリア(オーストラリア・デー)、休場
28日
○09:30 ◇ 12月豪NAB企業景況感指数
○16:45 ◇ 1月仏消費者信頼感指数
○18:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:30 ◎ 12月米耐久財受注額
○23:00 ◇ 11月米住宅価格指数
○23:00 ◎ 11月米ケース・シラー住宅価格指数
○24:00 ◎ 1月米消費者信頼感指数
○24:00 ◎ 1月米リッチモンド連銀製造業景気指数
○29日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○韓国、中国(旧正月)、休場
29日
○09:30 ◎ 10-12月期豪消費者物価(CPI)
○09:30 ◎ 12月豪CPI
○17:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◇ 12月米卸売在庫
○23:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表
○30日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○30日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
○30日04:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○30日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表
○香港、シンガポール、韓国、中国(旧正月)、休場
○06:45 ◎ 12月ニュージーランド(NZ)貿易収支
○09:00 ◇ 1月ANZ企業信頼感
○09:30 ◇ 10-12月期豪輸入物価指数
○15:30 ◎ 10-12月期仏国内総生産(GDP)速報値
○15:30 ◇ 12月仏消費支出
○16:00 ◇ 12月独輸入物価指数
○17:00 ◇ 1月スイスKOF景気先行指数
○18:00 ☆ 10-12月期独GDP速報値
○18:30 ◇ 12月英消費者信用残高
○18:30 ◇ 12月英マネーサプライM4
○18:30 ◇ 12月南アフリカ卸売物価指数(PPI)
○19:00 ☆ 10-12月期ユーロ圏GDP速報値
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏経済信頼感指数
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)
○21:00 ◎ 10-12月期メキシコGDP速報値
○22:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表
○22:30 ☆ 10-12月期米GDP速報値
◎ 米個人消費/コアPCE速報値
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○22:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○未定 ☆ 南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表
○24:00 ◎ 12月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
○香港、シンガポール、韓国、中国(旧正月)、休場
31日
○09:30 ◎ 10-12月期豪PPI
○10:45 ◎ 1月Caixin中国製造業PMI
○16:00 ◎ 12月独小売売上高
○16:00 ◇ 1月英ネーションワイド住宅価格指数
○16:00 ◇ 12月トルコ貿易収支
○16:30 ◇ 12月スイス小売売上高
○16:45 ◇ 1月仏CPI速報値
○16:45 ◇ 12月仏PPI
○17:55 ◎ 1月独雇用統計
○21:00 ◎ 12月南アフリカ貿易収支
○22:00 ◎ 1月独CPI速報値
○22:30 ☆ 11月カナダGDP
○22:30 ◇ 10-12月期米単位労働コスト・速報値
○22:30 ◎ 12月米個人消費支出(PCE)
◎ 12月米個人所得
☆ 12月米PCEデフレーター
☆ 12月米PCEコアデフレーター
○23:45 ◎ 1月米シカゴ購買部協会景気指数
○香港、中国(旧正月)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、CPIに注目
◆ZAR、利下げ予想もSARB総裁の見解に注目
◆ZAR、利下げサイクルが減速するとの指摘も
予想レンジ
豪ドル円 95.00-100.00円
南ア・ランド円 8.20-8.70円
1月27日週の展望
豪ドルは神経質な動きとなりそうだ。来週の注目は29日に予定されている10-12月期消費者物価指数(CPI)および12月CPI。2月17-18日に年内最初の金融政策決定理事会を控える豪準備銀行(RBA)にとってインフレ動向を確認する最後の機会となり、市場の注目もその分集まっている。
2月のRBA理事会については豪州主要金融機関内でも一部で0.25%の利下げを予想する向きも現れており、明確な予想のコンセンサスは出来上がっていない状況。CPIの結果次第ではRBAの金融政策に対する思惑が、利下げもしくは据え置きへと一気に傾く可能性もあり、豪ドル相場に大きな影響を与えることになりそうだ。
なお、その他では28日に12月NAB企業景況感指数、30日に10-12月期輸入物価指数、31日には10-12月期卸売物価指数(PPI)などの発表も控えている。物価統計の発表が相次ぐが、いずれもCPIと比較すると豪ドル相場への影響は限られそうだ。
隣国のニュージーランド(NZ)では今週発表された10-12月期消費者物価指数(CPI)が前年比2.2%の上昇となり、2四半期連続でNZ準備銀行(RBNZ、中央銀行)のインフレ目標である1-3%の範囲内に収まった。金利先物市場ではRBNZの次回(2月19日)金融政策決定会合で0.50%の大幅利下げを90%程度織り込んでおり、年内に1.00%を超える利下げが実施されると見込まれている。足もとの為替相場はトランプ米大統領の発言や米国の関税政策をにらみながらの動きとなっているが、再び各国の金融政策に市場の目線が向かえばNZの金利先安観はNZドルにとって重しとなるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)も金融政策を巡って神経質に上下する展開となりそうだ。来週は30日に南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)の金融政策決定委員会(MPC)が予定されている。市場では0.25%の追加利下げが実施されるとの予想で固まりつつあるが、先行きについては不透明感が増したとの見方が広がっているようだ。トランプ米大統領の政策によってZAR安が強まるとの思惑から、SARBのインフレ見通しに対するリスクが高まったとして、「今年の利下げサイクルは減速するだろう」との声も聞かれ始めた。来週のSARB会合ではこうしたトランプリスクに関して、クガニャゴSARB総裁の見解を確認する必要があるだろう。
1月20日週の回顧
豪ドルは強含みで推移。20日のトランプ米大統領就任後は上下に振れる場面があったものの、懸念されていた就任初日の関税発動が見送られたことから全般にドル安が進み、豪ドルも対ドルで強含んだ。豪ドル円もつれて堅調に推移。日米株価指数の上昇などを手掛かりに投資家のリスク志向改善を意識した買いも入った。
ZARも対ドル・対円でともに強含み。日銀の利上げが市場でほぼ織り込まれたこともあり、今週は日銀の金融政策を巡る円買い圧力も後退した。
◆ポンド、日米の金融政策に振らされる展開
◆加ドル、カナダ中銀は追加利下げへ
◆加ドル、トランプ関税への警戒感が重し
予想レンジ
ポンド円 189.50-195.50円
加ドル円 106.50-110.50円
1月27日週の展望
来週は英国発の重要イベントは予定されていない。そのため、ポンドは対円では週末を跨ぐことになるものの「日銀会合の結果や植田日銀総裁の会見内容を受けた動き」が継続しそうだ。春以降の日銀の政策スタンスを見据えて円相場が動意付くようであれば、ポンド円も素直に歩調を合わせるだろう。対ドルでは、29日(日本時間30日未明)の米金融イベントに振らされる展開だろう。米政策金利は据え置きが確実視されており、ポイントは声明内容やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が定例会見で何を話すか。トランプ新政権の政策がインフレにどのような影響を与えるかは依然として不透明のため、今後も米金融当局の判断は難しくなるだろう。
英金融政策に目を向けると、「2月の英中銀会合で0.25%利下げ」を織り込む動きが急速に進んでいる。今月半ばに発表された12月のインフレ指標が伸び悩んだほか、その後の経済データも低調だったことがその要因。今週発表された9-11月の週平均賃金は前年比5%台で加速したものの、2023年後半に賃金が低下したことによるベース効果とされている。短・中期の英金利先安観が進むようだと、目先はポンドの上値を追いづらくなるかもしれない。
加ドルは本邦金融イベントの影響が週を持ち越してどの程度続くかを見極めながら、29日のカナダ中銀(BOC)の政策金利発表を待つことになる。市場予想は現行3.25%から0.25ポイントの引き下げ。見込み通りであれば、昨年6月から6会合連続の利下げとなり、金利水準も2022年夏以来の低いレベルとなる。足もとでは、インフレ鈍化基調が続き(12月カナダ消費者物価指数は前年比1.8%)、経済指標もさえないものが目立つため、市場はBOCのハト派姿勢は継続との見立てだ。そういった中、マックレムBOC総裁がどのような見解を示すかが注目される。
金融政策以上に加ドルに影響を与えそうなのが、トランプ関税の行方だろう。今週、加ドルが大きく上下に振れたきっかけは米国の関税強化に関する報道だった。「トランプ米大統領の就任初日には、新たな関税はまだ課されない」と報じられて加ドル買い。その後、「米大統領はカナダとメキシコからの輸入品に最大25%の関税を検討」と伝わると加ドルは急落した。関税は2月1日までに発動が計画されているもよう。これに対しトルドー加首相は、「不公平な関税には断固とした対応を取る」と表明。貿易を巡り米加関係が悪化するようなら、パワーバランスから鑑みると加ドルにとって分が悪いだろう。
1月20日週の回顧
ポンド円はリスクオンの流れに沿って189円後半から193円付近まで上昇した。英長期債への売り圧力が緩んだことも支えに、ポンドドルは1.21ドル半ばから1.23ドル後半まで買戻された。
加ドルは対円では109円超えから107円前半まで急落後、再び109円台回復と荒い値動き。対ドルでは1.42加ドル半ばから1.45加ドル前半の中で乱高下したが、徐々に1.43加ドル台に収束した。トランプ関税に関するニュースで一喜一憂する展開だった。
◆ドル円、米大統領発言に振らされる展開
◆FOMCは据え置き予想、注目はFRB議長の記者会見
◆ユーロドル、4会合連続での利下げ予想
予想レンジ
ドル円 154.00-159.00円
ユーロドル 1.0150-1.0600ドル
1月27日週の展望
ドル円は、トランプ米大統領の発言に振らされる展開が続きそうだ。20日から第2次トランプ米政権が始まり、カナダとメキシコへの25%関税発動を示唆したことでドル高が進んだ一方で、スイスで開催中の世界経済フォーラムでは「すぐに金利を下げるよう要請するつもり」と述べ、ドル売りが強まった。市場は米大統領の発言に対して敏感になっており、来週も一喜一憂することになるだろう。また、24日の植田日銀総裁の会見を受けて今後の金融政策の方向性が明らかになれば、来週もその流れが継続しそうだ。
28-29日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きが見込まれている。トランプ米政権誕生後、初の会合であり、関税強化など新たな政策を受けてインフレ上振れへの懸念が高まるなか、今回は慎重な判断が下されるだろう。特に政策の中で警戒されているのが不法移民の強制送還。約1100万人に上る不法移民を大量に送還することで建設業の停滞や食品価格の上昇などを招く恐れがあり、経済的な打撃も考慮すると先行き不透明感は一段と高まっている。8日に公表されたFOMC議事要旨でも「強制送還などの政策に伴い、インフレ見通しが上振れする可能性が高まったと分析」と明記されていることからも米当局は注視していることは明らか。パウエル米連邦準備理事会(FRB)が記者会見でどのような見解を示すかが注目される。
来週はFOMC以外にも28日に12月耐久財受注や1月消費者信頼感指数、30日に10-12月期国内総生産(GDP)速報値、31日に1月PCEコアデフレータの発表が予定されている。
ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表を睨んで神経質な展開が想定される。30日の理事会では4会合連続での利下げが予想されているが、注目されるのはラガルドECB総裁の会見。トランプ米政権の関税政策が欧州経済に与える影響は不確実であり、インフレ・経済見通しと金融緩和のペースを見極める非常に難しい金融政策を強いられることになるだろう。なお、市場では年内4回の利下げが見込まれているが、ECBの中でタカ派とされるクノットオランダ中銀総裁も、目先1月と3月の利下げには前向きな姿勢を示している。
1月20日週の回顧
ドル円は一進一退。米大統領就任式での関税発動発表が見送られたことで売りが強まり、21日には一時154.78円まで下落する場面があったが、155円割れでは押し目買い意欲が強く反発。その後は欧米株高でリスクオンの円売りが進んだことで156.75円まで切り返した。一方、トランプ米大統領の利下げ要請発言で155円台後半まで一時反落した。
ユーロドルは底堅い。週明けから買いが先行すると、その後も株高を支えに強い地合いを続け一時1.0457ドルと昨年12月30日以来の高値を付けた。
24日の日経平均は5日ぶり反落。終値は26円安の39931円。米国株高を受けて3桁上昇スタート。前場では幅広い銘柄に買いが入り、上げ幅を200円超に広げた。後場が始まる直前に日銀は金融政策を発表。大方の予想通り、0.25%から0.50%への追加利上げが決定された。織り込み済みの内容でもあったことから、後場のスタート直後には上げ幅を300円超に広げる場面もあった。
しかし、結果発表直後に上下に振れたドル円が次第に円高に傾斜したことから、楽観ムードが急速に冷え込んだ。13時台半ばにはマイナス転換。下げ幅を3桁に広げたところでは切り返して再度プラス圏に浮上したが、戻した後は買いが続かず、小幅な下落かつ、4万円を下回って取引を終えた。グロース250指数は前場で大きく水準を切り上げると、後場は失速することなく高値もみ合いが続き、2.6%高と大幅な上昇となった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5000億円。業種別ではその他製品、海運、証券・商品先物などが上昇した一方、輸送用機器、石油・石炭、ガラス・土石などが下落した。証券会社の新規カバレッジが入った任天堂<7974.T>が大幅上昇。半面、3Q累計で減益着地となったカイノス<4556.T>が、後場マイナス転換から下げ幅を広げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1044/値下がり516。売買代金上位ではフジメディアや三菱重工が大幅上昇。大型株に手がけづらさがあった中、リミックスポイント、フィスコ、メタプラネットなど暗号資産関連が人気化した。月次データが好感されたGENDAが急騰。1:5の株式分割を発表したグロービングが終値で大台の1万円を上回った。
一方、3Q決算発表の先陣を切ったディスコとニデックがともに大幅安。米国で半導体株が弱かったことから、東京エレクトロン、SCREEN、ソシオネクストなどが売りに押された。ソフトバンクGやソニーGなどグロース系の銘柄がやや大きめの下落。後場に為替が円高に振れたことから自動車株が軒並み安となっており、「ホンダ・日産連合」への合流を見送るとの観測が報じられた三菱自動車が6.9%安となった。
日経平均は小幅安。前場と後場で雰囲気は変わったが、日銀会合の結果発表前に大幅高となった前場が楽観的すぎたとみるべきだろう。マイナス圏に沈んだ後に大崩れすることなく値を戻しており、押し目を待っていた投資家が多かったことがうかがえる。
今週は新大統領に就任したトランプ氏の言動が注目を集めたが、グローバルマーケットはポジティブな材料には強く反応し、ネガティブな材料には耐性を示した。米国では23日にS&P500が史上最高値を更新。ダウ平均も2万ポイント台を回復して史上最高値に接近している。好発進できたことでトランプ氏の「良い側面」がクローズアップされ、リスクを取りやすい地合いがしばらく続く可能性がある。
【来週の見通し】
堅調か。イベントは28日~29日のFOMCが注目されるが、今回は利下げ見送りが濃厚とみられている。トランプ新大統領から利下げを催促する発言が出てきている点は悩ましいが、織り込みも進んでおり波乱は少ないだろう。日米で決算発表が多く、個別物色が盛り上がる時期に入ってくる。米大統領就任式を大きな波乱なく通過したことで、投資家はリスクを取りやすくなっている。中国が春節休場に入ることでインバウンド需要増への期待が高まりやすいことも日本株にはフォローの流れ。ある程度のボラティリティを許容しながら、好材料に強く反応して水準を切り上げると予想する。
【今週を振り返る】
大幅高となった。日経平均は20日から23日まで4日続伸。値幅の出る日も多く、この4営業日で1500円近く上昇した。トランプ氏が第47代のアメリカ大統領に就任したが、就任式前の米国株に強い動きが見られたこと、市場で警戒された関税発動が就任初日では見送られたこと、トランプ新大統領がAI開発に巨額の投資を実施すると表明したことなどから、リスク選好ムードが高まった。日銀金融政策決定会合では、0.25%から0.50%への利上げが決定された。事前に十分すぎるほど織り込みは進んでいたが、結果を消化した24日は前場に大幅高、後場にマイナス転換と動きが荒くなった。木曜までの貯金が大きく、週間では4桁の上昇。日経平均は週間では約1480円の上昇となり、週足では4週ぶりに陽線を形成した。
今週の日経225先物は短期的な過熱感を警戒しつつも、押し目待ち狙いのロングが入りやすい需給状況のなかで、ロング優勢の相場展開が見込まれる。
前週の日経225先物は5日続伸で上昇幅は1470円に達し、週末には一時4万0410円まで買われる場面もみられた。さらに24日の取引終了後のナイトセッションでは4万0610円まで上昇し、4万0480円で終えた。トランプ大統領が就任後にソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]などと巨額のAI(人工知能)インフラ投資を発表し、同社のほか指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が日経平均型を牽引した。
また、日銀は1月24日まで開いた金融政策決定会合で、予想通り政策金利を0.25%程度から0.5%程度に引き上げる追加の利上げを決定した。今回の利上げは織り込まれていたこともあり、昨年7月のような市場の混乱はなく、結果判明直後の反応で日経225先物は4万0410円まで買われた。その後は持ち高調整の動きにより4万円を割り込んで終えたが、イベント通過後のアク抜けを想定した先回り的なロングが入っていたと考えられ、植田和男総裁の会見内容を見極めたいこともあって、利食いに伴うロング解消が入りやすかった。
植田総裁は会合後の記者会見で、経済・物価の改善が続く見通しであれば追加利上げを検討する考えを示した。ただし、タカ派的な印象はなく、利上げペースについては毎回会合で各種データを基に判断していくと説明している。日経225先物はナイトセッションで4万円を回復して始まり、その後もロング優勢で強い上昇となり、昨年12月27日につけた戻り高値4万0460円を突破している。
ボリンジャーバンドでは前週後半に+1σを突破し、+2σを捉える場面もみられた。ただし、ナイトセッションで4万0460円まで切り上がってきた+2σを上回ってきており、短期的には過熱感が警戒されやすい一方で、バンドに沿った上昇が意識される。+2σ水準での攻防が意識されるなか、目先的なピークを想定したショートが入る場面も予想される一方、週足の+2σ(4万0710円)水準を捉えてくる可能性がある。また、ピーク形成につながる可能性もあるが、日足の+3σ(4万1020円)および週足の+3σ(4万1440円)が射程に入ってきそうた。
そのため、+2σ水準で強弱感が対立しやすく、いったん調整をみせてくる可能性はあるが、+1σ(3万9900円)が支持線として意識されるため、オプション権利行使価格の4万から4万1000円のレンジを想定。+2σ水準での底堅さがみられる局面では、ピーク感につながりそうだが、+3σ水準へのバイアスを強めることになる。調整局面では押し目狙いのロング対応とし、積極的なショートは控えておきたい。
今週は28~29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、金利を据え置くとの見方がコンセンサスである。今回は今後の政策金利見通しが公表される会合ではないが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見などから金融政策を巡る見方が相場の変動要因となる。ただし、トランプ氏は先週、FRBに金利引き下げを求め、自身の方が金融政策をよく理解していると主張。利下げが実施されるようだと、トランプ氏の発言に対して一段と市場は敏感に反応することになるだろう。
また、今週から決算発表が本格化する。先週は決算を発表したニデック <6594.T> [東証P]、ディスコ <6146.T> [東証P]が売られ、不透明感が高まっている。これから本格化する決算発表が振るわなければ、株価が下押しするリスクを気に留めておく必要があるだろう。
24日の米VIX指数は14.85に低下し、終値では昨年12月26日以来の15.00を下回ってきた。12月24日につけた14.27を捉えてくると、下へのバイアスが強まる可能性がある。抵抗線に変わった200日移動平均線から下放れるなか、リスク選好に向かわせそうだ。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.52倍となり、前週末の14.33倍から上昇基調が強まった。ソフトバンクグループなど日経平均型優位の流れのなか、NTロングによるスプレッド狙いの動きが優勢となった。日銀会合の前後には景気敏感株を物色する場面もみられ、日経平均型を牽引していたソフトバンクグループは上昇一服とはなったが、トレンドは変わらず、方向性としては昨年10月14日の14.70倍を意識したNTロングに向かわせやすいだろう。
1月第2週(1月14日-17日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続の売り越しであり、売り越し額は9729億円(1月第1週は4875億円の売り越し)だった。なお、現物は46億円の売り越し(同3435億円の買い越し)と2週ぶりの売り越しであり、先物は9682億円の売り越し(同8311億円の売り越し)と3週連続の売り越し。個人は現物と先物の合算で5403億円の買い越しと3週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で1607億円の買い越しとなり、2週ぶりに買い越した。
主要スケジュールでは、27日に中国1月製造業PMI、米国12月新築住宅販売件数、28日に12月企業向けサービス価格指数、米国11月S&Pケースシラー住宅価格、米国1月コンファレンスボード消費者信頼感指数、29日に日銀金融政策決定会合議事要旨(12月18・19日開催分)、FOMC終了後に政策金利発表、パウエルFRB議長記者会見、30日にECB(欧州中央銀行)政策金利、米国10-12月期GDP、ラガルドECB総裁記者会見、31日に1月東京都区部消費者物価指数、12月完全失業率、12月鉱工業生産、米国12月個人所得、米国12月個人消費支出などが予定されている。
また、決算を発表では米国でラムリサーチ
トランプ米大統領はコロンビアからの輸入品に対して即時25%の関税を課し、1週間以内に50%に引き上げることを発表した。コロンビアが米軍機による移民強制送還便の受け入れを拒否したことを受けた措置。
<国内>
○14:00 ◇ 11月景気動向指数改定値
<海外>
○10:30 ◎ 1月中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.1)
○18:00 ◎ 1月独Ifo企業景況感指数(予想:84.7)
○21:00 ◇ 12月メキシコ貿易収支(予想:34.90億ドルの黒字)
○24:00 ☆ 12月米新築住宅販売件数(予想:前月比5.4%/67.0万件)
○28日01:30 ◎ 米財務省、2年債入札
○28日03:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○オーストラリア(オーストラリア・デー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
コロンビアのペトロ大統領はトランプ大統領の発表した措置への報復として米国からの輸入品に50%の関税を課す可能性を示唆したと一部通信社が伝えた
24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、市場で「日銀がしばらくは様子見に移る」との見方が広がり円売りを促されると、一時156.57円と日通し高値を更新した。もっとも、前日高値156.75円がレジスタンスとして意識されたほか、一時は4.65%台まで上昇した米10年債利回りが4.60%台まで低下したことも相場の重しとなり、155.52円付近まで下押しした。ユーロドルは欧州時間に発表された仏・独・ユーロ圏の1月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことを手掛かりにNY市場でもユーロ買い・ドル売りが入った。米長期金利が低下に転じたことなども相場を支援材料となり1.0521ドルと昨年12月17日以来の高値を更新した。
本日は、前週末の日銀の利上げに対する株式市場の動きを確認しながらの展開になるか。日銀は0.25%の利上げを行い、声明でインフレ見通しを引き上げた。一方、植田日銀総裁は会見で「今回の利上げの影響がどのように出てくるかを確かめつつ、今後の進め方を決めたい」などと発言したことで、日銀の早期追加利上げ期待をけん制した格好となっている。
前週末の日経平均先物は海外市場で堅調地合いを維持しており、日銀の早期追加利上げ期待の後退を背景に東京市場でも株高の流れが続くようならば、ドル円を押し上げる可能性がある。ただ、前週末の米国株は今週から始まる米企業決算などを前に調整安となっており、こちらがより意識されるようならば上値が重くなることも考えられる。
市場関係者が最も注目する今週のイベントは28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)であり、日銀イベント通過後の反応が一服するとFOMCを見極めたいと手控えムードが広がる展開も想定される。
他方、トランプ米大統領が20日に就任してトランプ劇場の第2幕が開いた直後であることを考えると、当面は関税政策を始めとして大統領の政策内容に神経質な展開が予想される点には注意したい。
そのほか、中国では1月製造業PMIが発表予定。市場予想は前月並みの50.1と、3カ月連続で好不況の分岐点である50を超える見通しとなっている。結果に注目したい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 40480 +540 (+1.35%)
TOPIX先物 2783.0 +33.0 (+1.20%)
シカゴ日経平均先物 40480 +540
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
24日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。トランプ政権への政策期待からNYダウが4日間で1400ドル超上昇したほか、S&P500指数は約1カ月半ぶりに最高値を更新していたこともあり、主力株の一角に利益確定の売りが出た。28~29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるほか、マイクロソフト
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比540円高の4万0480円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比100円高の4万0040円始まり、寄り付き後は軟化し一時3万9890円と下落に転じる場面もみられた。ただし、売り一巡後はロング優勢となり、米国市場の取引開始直後には4万0610円まで買われた。終盤にかけては4万0440円~4万0610円辺りでのレンジ推移となり、4万0480円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。日経225先物は週末の日中取引で4万0410円まで買われた後は持ち高調整の動きが優勢となり、3万0940円で終えていた。ただし、ナイトセッションで4万円を回復して始まり、その後もロング優勢のなかで昨年12月27日につけた戻り高値4万0460円を突破している。
ボリンジャーバンドでは前週後半に+1σを突破し、+2σを捉える場面もみられたが、ナイトセッションで+2σ(4万0460円)を突破している。短期的には過熱感が警戒され、ピークを想定したショートが入る場面も予想される一方で、バンドに沿った上昇が期待されやすく、同水準での攻防が意識されそうである。
いったん調整をみせてくる可能性はあるが、押し目狙いのロング対応とみておきたい。+2σ水準での底堅さがみられるようだと、日足の+3σ(4万1020円)および週足の+3σ(4万1440円)が射程に入ってきそうだ。+1σ(3万9900円)が支持線として意識されるため、オプション権利行使価格の4万円から4万1000円のレンジを想定。
24日の米VIX指数は14.85(23日は15.02)に低下し、終値では昨年12月26日以来の15.00を下回ってきた。12月24日につけた14.27を捉えてくると、下へのバイアスが強まる可能性がある。抵抗線に変わった200日移動平均線から下放れるなか、リスク選好に傾きそうだ。
また、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.52倍(前日は14.50倍)に上昇した。前週末の14.33倍から上昇基調が強まっており、方向性としては昨年10月14日の14.70倍を意識したNTロングに向かわせやすい。今週は米国で大型テック株の決算が予定されており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が方向性を決めそうである。
ニュージーランド(NZ)政府は27日、デジタルノマド(ITを活用し国内外を旅しながら働く人)や遠隔労働者向けのビザ規制を緩和する計画を発表した。この新しい政策は、グローバルな労働環境の変化に対応し、国際的な人材を惹きつけることを目的としている。
リーブス英財務相は31日の演説で、企業年金制度から数百億ポンドの資金を解放し、経済成長を促進する計画を発表する予定だとスカイニュースが伝えた。政府筋によると、確定給付型(DB)年金制度から600億ポンド以上、最大で1000億ポンドの余剰金が解放されそうとのこと。
この「余剰金解放」計画は、今後数カ月以内に発表される年金制度法案に含まれる可能性がある。この動きは、労働党政権下で加速している幅広い年金改革の一環であり、地方政府年金制度の統合や確定拠出型(DC)制度の改革も含まれている。英財務相はこの改革によって「企業やインフラへの投資を促進し、退職後の貯蓄を増やし、英国全体の経済成長を促進する」ことを目指している。
先週末の海外市場では、欧州時間にトランプ米大統領の就任演説だけで米新政権の市場への影響を確認するという神業をやってのけた植田日銀総裁が、利上げ後の定例記者会見において「全くはっきりとしない、歯切れの悪い」見解を表明。「利上げのペースやタイミングは予断を持っていない。今回の利上げの影響を確かめつつ今後の進め方を決めたい」とのこと。ドル円は一気にショートカバーの動きに。一時156.57円まで買戻されました。米10年債利回りが4.6031%まで低下に転じたことから155.52円まで下押ししたものの、引けにかけては156.02円まで買戻されて週末の取引を終えています。
週明けのアジア市場では、早朝からトランプ米大統領がコロンビアへの関税を表明したことを受けて、クロス円が下落。ドル円は155.57円まで値を下げたあと155.85円まで買戻される場面もみられましたが、先週末の海外市場で40600円台まで上抜けた状態となっていた日経平均が一転して高値から1000円近い急落となると155.29円まで下押すといった状況。
ただ、株価の下落が中国のAI企業の超低コスト製品を囃した米国株先物の下落を受けてのものであるわけで、中国ネタにいつまでも付き合っていくわけにもいかず、ドル円自身の動きとしては方向感なく推移しているといったところ。いずれにしても、今週はFOMCを控えているなか、再びトランプ相場が続いていく状況。引き続き神経質な動きとなっていきそうです。
日経225先物は11時30分時点、前日比210円安の3万9730円(-0.52%)前後で推移。寄り付きは4万0290円と、シカゴ日経平均先物清算値(4万0480円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。寄り付き直後につけた4万0360円を高値にロング解消の動きが強まり、中盤にかけて4万円の大台を割り込み、下落に転じた。その後も終盤にかけて下げ幅を広げ、一時3万9680円まで売られる場面もみられた。
週末の米国市場でエヌビディア
NT倍率は先物中心限月で14.35倍に急低下し、25日・75日移動平均線が位置する14.36~14.37倍辺りを割り込んできた。両線が位置する水準ではリバランスも入りやすいと考えられるが、抵抗線として機能してくるようだと、200日線が位置する14.23倍辺りが意識されてきそうだ。
本日のロンドン市場では、ユーロドルは日足・一目均衡表の雲の下限を意識した動きか。前週末は約1カ月ぶりに一時1.05ドル台に乗せたほか、昨年10月に雲の下限を割り込んで以降初めて雲の下限を上抜いて引けた。もし雲の上限も上抜くと三役好転が点灯するが、本日時点で上限は1.0645ドルとやや遠く、上抜けは容易ではないだろう。目先はむしろ雲の下限(本日は1.0462ドル)レベルで下値を固めて上昇基調を維持できるか注目したい。
経済イベントは、独で1月IFO企業景況感指数が予定されている。市場予想は84.7と前月並みと見られている。前週末は欧州時間に発表された仏・独・ユーロ圏の1月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことを手掛かりにユーロが買われると、その勢いがNY市場に入っても続いた。もし予想比で上回れば、前週末に続いてユーロが買われることも考えられる。ただ、指数自体は2カ月連続で前月を下回っており、予想よりも弱い場合はユーロドルが利益確定売りに押されることもあり得る。
また、警戒が必要なのは、トランプ米大統領の政策だろう。トランプ米大統領がコロンビアに関税を課すことを発表し、早朝からリスク回避の動きが先行する場面が見られた。トランプ大統領が「アメリカ・ファースト」を掲げる中、関税を始めとして政治・経済面での対立を招く政策が発表されるとドル買いが強まる事が予想され、結果ユーロドルの上値を重くすることも想定される。
想定レンジ上限
・ユーロドル:24日高値1.0521ドル。超えると昨年12月10日高値1.0568ドル。
想定レンジ下限
・ユーロドル:24日安値1.0412ドル。割り込むと日足・一目均衡表の基準線1.0350ドル。
ドル円:1ドル=156.06円(前営業日NY終値比△0.06円)
ユーロ円:1ユーロ=163.28円(▲0.40円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0463ドル(▲0.0034ドル)
日経平均株価:39565.80円(前営業日比▲366.18円)
東証株価指数(TOPIX):2758.07(△7.03)
債券先物3月物:140.89円(△0.22円)
新発10年物国債利回り:1.215%(▲0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
11月景気動向指数改定値
先行指数 107.5 107.0
一致指数 115.4 115.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。トランプ米大統領がコロンビアからの輸入品に対して25%の関税を課すと表明し、コロンビア側も報復関税の可能性を示すと、貿易戦争への懸念からリスクオフの動きが先行した。10時過ぎには一時155.29円まで下押し。もっとも、その後は次第に買い戻しが入った。午後に入るとコロンビアが米国から送還された不法移民の受け入れに同意したことを受け、米ホワイトハウスが「コロンビアに対する関税をいったん保留する」と発表。投資家のリスク回避の動きが巻き戻される格好となり、15時過ぎには156.25円まで反発した。
・ユーロ円も下値が堅い。米関税政策を巡るリスクオフの流れに沿って162.61円まで下押す場面があったものの、その後はドル円と同様に下値を切り上げる展開となり、163円台半ばまで買い戻しが入った。
・ユーロドルは弱含み。対人民元や対円などでドル高が進んだことに伴い、1.0456ドルまで弱含んだ。
・日経平均株価は続落。前週末の米国市場でハイテク株の下げが目立った流れを引き継ぐ格好となり、週明けの東京市場でも半導体関連株を中心に売りが進んだ。トランプ米大統領の関税関連発言も投資家心理を冷やし、指数は一時410円超安まで下押しした。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。日経平均株価の下落を手掛かりに、安全資産とされる債券需要が高まった。また、この日実施された流動性供給入札で需給の引き締まりが意識されたことも買いを誘った。
メキシコ中銀は金融政策プログラム報告書で、2025年初頭の会合でより速いペースでの金融緩和を検討する可能性を示唆した。中銀は政策金利が制限的すぎる可能性があると指摘しつつも、インフレは目標範囲を上回っていると述べている。
しかし、インフレリスクは依然として上向きであるとも警告している。特に、トランプ米大統領による関税脅威などの貿易紛争がディスインフレーション過程を妨げる可能性を認識。2月の会合では0.5%の利下げが予想されているが、国際情勢の改善次第では全会一致の決定となる可能性もあります。ただし、ヒース副総裁は慎重な姿勢を求めている。
「名目中立金利は日銀の分析では1-2.5%に分布している。0.5%への利上げ後もまだ相応の距離がある」(植田日銀総裁:2025年1月24日)
『あれからぼくたちは日銀を信じてこれたかなぁ
「0.5%の壁」のむこうには「楽しい日本」がもう待っているのかなぁ』
日本銀行は、ゼロ金利を導入した以降の25年間で3回利上げしたが、2回は世界景気が後退し、時期尚早の利上げとの批判を浴びた。
2000年8月の利上げ(ゼロ⇒0.25%)の後は、米国発のITバブルが崩壊した。
2006年7月の利上げ(ゼロ⇒0.25%⇒0.50%)の後は、米国発の住宅バブルが崩壊した。
2024年3月に開始された3回目の利上げ(ゼロ⇒0.25%⇒0.50%)は、デフレから脱却できるのだろうか。
1.2000年8月11日:速水第28代日銀総裁(反対2名の利上げ)
2000年8月11日の日銀金融政策決定会合で、速水日銀総裁は、政府の議決延期請求を否決して、無担保コールレートを、ゼロ金利から0.25%へ引き上げた。
速水日銀総裁は「成長率が著しく高まることは期待しがたいと思うが、少なくとも日本経済はデフレ懸念の払拭が展望できる情勢に至ったと判断する」「政策判断としてどれでいくか決定するのは、日銀法第3条で認められた我々の自主性である」と述べた。
しかし、2001年にITバブルが崩壊したことで、2001年2月にゼロ金利に回帰し、3月には量的金融緩和政策に踏み切った。
植田日銀審議委員は、「まだ大きな水準の需給ギャップが存在している可能性がある」と述べて反対していた。
2.2006年7月14日:福井第29代日銀総裁(全員一致の利上げ)
2006年7月14日の日銀金融政策決定会合で、福井日銀総裁は、無担保コールレートを、ゼロ金利から0.25%へ引き上げ、翌年2月には0.50%へ引き上げた。
しかし、2007年にサブプライム危機により、利下げを余儀なくされた。
福井日銀総裁は「超低金利が長く続くリスクということをやはり念頭に置きながら、今後しっかり物を考えていく必要がある」と述べていた。
3.2024年3月19日:植田第32代日銀総裁
2024年3月19日の日銀金融政策決定会合で、植田日銀総裁は、マイナス金利を解除し、イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)を撤廃した。
2024年7月31日の日銀金融政策決定会合で、政策金利(無担保コール翌日物金利)が、これまでの「0-0.1%程度」から「0.25%程度」に引き上げられた。
植田日銀総裁は、「前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べ、中立金利の下限である1.0%を意識した見通しを示した。
2025年1月24日の日銀金融政策決定会合で、0.25%の追加利上げが決定され、0.5%へ引き上げられた。
植田日銀総裁は、今後の緩和度合いの調整のペースやタイミングは「経済・物価・金融情勢次第で予断は持っていない」とし、毎回会合で各種データ・情報などを基に適切に政策判断していくと説明した。そして、名目中立金利は日銀の分析では1-2.5%に分布していると言及し、0.5%への利上げ後も「まだ相応の距離がある」と述べて、政策正常化に意欲を示した。
大阪3月限
日経225先物 39480 -460 (-1.15%)
TOPIX先物 2751.5 +1.5 (+0.05%)
日経225先物(3月限)は前日比460円安の3万9480円で取引を終了。寄り付きは4万0290円と、シカゴ日経平均先物先物清算値(4万0480円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。寄り付き直後につけた4万0360円を高値にロング解消の動きが強まり、前場中盤にかけて4万円の大台を割り込み、下落に転じた。その後も前場終盤にかけて下げ幅を広げ、3万9680円まで売られた。売り一巡後は下げ渋りをみせ、後場中盤までは3万9680円~3万9860円辺りでのレンジ推移を継続。ただし、終盤にかけてレンジを切り下げ、3万9480円と本日の安値で取引を終えた。
週末の米国市場でエヌビディア
また、中国の新興企業が開発した生成AIの新モデル「DeepSeek」が、米テック企業の脅威になる可能性との一部報道を受けて、ショートも入ったとみられる。日経225先物は24日取引終了後のナイトセッションでボリンジャーバンドの+2σを上抜け、昨年12月27日につけた戻り高値4万0460円を突破したことで利食いが入りやすいところではあった。ただし、その後の下げで支持線として意識されていた+1σ(3万9830円)を割り込んだことで、ショートの動きが強まった。
本日はアドバンテスト <6857.T> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984.T> [東証P]、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]の3社で日経平均株価を530円あまり押し下げた。東証プライムの騰落銘柄は値上がり数が1280と全体の78%を占めており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角が日経平均型の重荷になった。週明けの米国市場でハイテク株の弱い値動きが継続するようだと、下へのバイアスが強まることになりそうである。
なお、グローベックスのナスダック100先物は現在、2.7%超下げており、この影響から日経225先物はナイトセッションで一時3万9230円まで売られる場面もみられた。25日移動平均線(3万9300円)を明確に下放れてくるようだと、75日線が位置する3万9050円が射程に入る。さらに、同水準を割り込むと、-1σ(3万8790円)辺りがターゲットになりそうだ。一気にシグナルが悪化する可能性があり、米国市場の動向が注目されよう。
NT倍率は先物中心限月で14.34倍に急低下し、25日、75日線が位置する14.36~14.37倍辺りを割り込んだ。両線が抵抗線として機能してくるようだと、200日線が位置する14.23倍辺りを想定したNTショートでのスプレッド狙いに向かわせそうだ。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万5641枚、ソシエテジェネラル証券が2万2210枚、サスケハナ・ホンコンが4750枚、日産証券が4280枚、SBI証券が4214枚、モルガンMUFG証券が3589枚、ゴールドマン証券が3220枚、JPモルガン証券が2833枚、バークレイズ証券が2799枚、野村証券が2012枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1154枚、ソシエテジェネラル証券が1万8140枚、日産証券が5197枚、バークレイズ証券が4815枚、ゴールドマン証券が3709枚、JPモルガン証券が3682枚、モルガンMUFG証券が2166枚、ビーオブエー証券が1753枚、みずほ証券が1080枚、野村証券が1080枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領による突発的な発言に依然として警戒しながらの取引か。
週明けアジア市場では、トランプ米大統領がコロンビアに対する輸入関税を25%に引き上げると表明し、コロンビアも報復関税を打ち出したことでリスク回避の円買いが先行。その後、米ホワイトハウスが「コロンビアに対する関税をいったん保留する」と発表し、リスク回避の巻き戻しに振れる場面もあった。ただし、欧州時間に入ると株安を背景とした円買いが再燃している。
また、先週のダボス会議では、トランプ米大統領は「中東諸国への原油価格の値下げ要求が通れば、米連邦準備理事会(FRB)にただちに利下げを要求する」と表明していた。以前にはパウエルFRB議長と「適切な時期」に話すつもりだとも述べていた。
今週28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、FF金利誘導目標4.25-50%の据え置きはほぼ確実視されている。しかあしながら、石油輸出国機構(OPEC)が原油価格の引き下げ要請を受け入れた場合は、3月FOMCでの利下げ再開の可能性もあることで、ドル円の上値を抑える要因となる。
第1次トランプ米政権で指名され、次期FRB議長の候補でもあるウォラーFRB 理事は、先日「インフレの良好な数字が続けば、今年の前半に利下げがなされるのが妥当と考えるだろう。3月利下げの可能性も完全には排除しない」と述べていた。今週のFOMCではウォラーFRB 理事が利下げに票を投じるのか否か、そして、パウエルFRB議長の記者会見でのトランプ米大統領発言に対する見解などに要注目となる。
なお、経済指標は12月米新築住宅販売件数が発表予定。市場予想は前月比+5.4%と伸び率は前回をやや下回る見込み。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、156.43円(日足一目均衡表・転換線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.17円(日足一目均衡表・雲の下限)
今週のNY市場はメガキャップの決算発表と金融政策に注目。先週はダウ平均が2.15%高、S&P500が1.74%高、ナスダック総合が1.65%高とそろって2週続伸した。20日に米大統領に就任したトランプ氏の関税政策が警戒されたほど厳しいものではないとの見方が安心感につながったほか、オラクルやオープンAI、ソフトバンク・グループが共同でAIインフラに5000億ドル以上を投資する計画を発表したことが株式相場の追い風となったほか、ダボス会議にオンライン参加したトランプ米大統領が、米国の政策金利が直ちに引き下げられるべきだ、サウジアラビアなどの産油国に原油価格の引き下げを要求するなどと発言したことも相場の後押し要因となった。S&P500は22日から24日まで3日連続で取引時間中の史上最高値を更新し、終値でも1カ月半ぶりに過去最高値を更新した。
今週はメガキャップの決算発表と金融政策に注目が集まる。S&P500の時価総額の約40%を占めるマグニフィセント・セブンの内、水曜日にメタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、テスラが、木曜日にアップルが決算を発表する。相場をけん引するメガキャップの決算やガイダンスが強い結果となれば、最高値圏で推移する米国株のさらなる上昇期待が高まりそうだ。金融政策を巡っては水曜日に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)に要注目となる。今会合では政策金利の据え置きが見込まれているものの、トランプ大統領が利下げの必要性に言及しており、結果や会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長記者会見が注目される。このほか、木曜日に10-12月期GDP速報値、金曜日に12月個人消費支出(PCE)価格指数が発表予定で、足もとの景気動向やインフレ動向にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは2月シカゴ連銀全米活動指数、12月新築住宅販売件数など。企業決算は寄り前にスーパー・マイクロ・コンピューター、AT&T、引け後にニューコア、ブラウン・アンド・ブラウンなどが発表予定。
日経平均株価は続落。4万円超えのスタートとなったが、早々に買い優勢は一巡して下押す局面に変わった。4万円割れでは押し目買いもみられたが、後場は下げ幅を拡大して一段安となった。
RSI(9日)は前日の64.6%→75.0%(1/27)へ上昇。あすも上昇しやすいタイミングとなり、前日からの見方に大きな変化はない。目先的な5日移動平均線(39626円 1/27)付近までの下押しは想定内の動きである。
短期的には、5日移動平均線上でのもみ合いから、12/27高値(40398円)超えにつながるかどうかに注目。5日移動平均線を明確に下回るケースでは、1/27安値~1/24高値までの上昇幅に対する半値押し(39167円)前後までの調整にとどまれば上目線継続となる。
上値メドは、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)、心理的節目の41500円や42000円などがある。下値メドは、心理的節目の39500円、25日移動平均線(39287円 同)や心理的節目の39000円、100日移動平均線(38660円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
米財務省によると、2年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.211%、応札倍率(カバー)が2.66倍となった。
米財務省によると、5年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.330%、応札倍率(カバー)が2.40倍となった。
(27日終値:28日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.29円(27日15時時点比▲1.77円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.83円(▲1.45円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0488ドル(△0.0025ドル)
FTSE100種総合株価指数:8503.71(前営業日比△1.36)
ドイツ株式指数(DAX):21282.18(▲112.75)
10年物英国債利回り:4.585%(▲0.044%)
10年物独国債利回り:2.531%(▲0.038%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月独Ifo企業景況感指数
85.1 84.7
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は売り先行後、下げ渋り。中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の最新AIモデルが米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、ハイテク株中心に米株価指数先物が急落。ダウ先物は600ドル近く下げたほか、ナスダック100先物は5%超の大幅安となった。投資家がリスク回避姿勢を強めると円買い・ドル売りが優勢となり、20時30分過ぎに一時153.72円と昨年12月18日以来の安値を付けた。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.49%台まで低下したことも相場の重し。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米10年債利回りが4.56%台まで低下幅を縮めたほか、大幅安で始まったダウ平均が上げに転じたことなどが相場を下支えした。0時30分過ぎには154.68円付近まで下値を切り上げた。
・ユーロドルは伸び悩み。米長期金利の大幅低下をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行。22時過ぎに一時1.0533ドルと昨年12月17日以来の高値を付けた。ただ、米長期金利が低下幅を縮めると次第に上値が重くなった。2時過ぎには1.0485ドル付近まで下押しした。
・ユーロ円は下げ渋り。米株価指数先物の急落などを背景にリスク・オフの円買い・ユーロ売りが先行すると一時161.55円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は徐々に下値を切り上げた。ドル円の下げ渋りや現物のダウ平均の持ち直しなどが相場を下支えした。
・ロンドン株式相場は小反発。米株価指数先物の下落を受けて続落して始まったものの、終盤持ち直した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われ、相場を下支えした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られ、相場の重しとなった。
・フランクフルト株式相場は続落。中国の新興企業が開発した生成AIへの警戒感が高まる中、米株価指数先物が大幅に下落すると独株にも売りが波及した。シーメンス・エナジー(19.95%安)が急落したことも相場の押し下げ要因。シーメンス(3.38%安)やインフィニオン・テクノロジーズ(1.88%安)なども売られた。
・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。
27日の日経平均は大幅続落。終値は366円安の39565円。米国株安を受けても3桁上昇スタート。24日引け後の植田日銀総裁会見を無難に消化したとの見方から、幅広い銘柄に買いが入った。序盤では上げ幅を300円超に広げて40200円台に乗せた。
しかし、半導体株が弱く、開始早々に上値が重くなった。半導体株に関しては、24日の米国でエヌビディアなどが大きく下げたことが嫌気されたが、これに加えて中国スタートアップ企業DeepSeek(ディープシーク)の開発するAIが米国テック企業に脅威になるとの見方が出てきたことで、半導体株だけでなく電線株も強烈に売り込まれた。指数はほどなくマイナス圏に沈むと、前場は200円を超える下落となった。
半導体株と電線株を除いては買われる銘柄が多かったものの、弱い銘柄の下げの度合いが大きく、後場に入ると一時下げ幅を400円超に拡大。39500円台まで水準を切り下げ、安値圏で取引を終えた。前場ではプラス圏をキープしていたグロース250指数も後終盤に崩れてマイナス転換。一方、TOPIXは終日プラス圏をキープした。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4600億円。業種別では不動産、ゴム製品、陸運などが上昇した一方、非鉄金属、電気機器、機械などが下落した。引け後に改めての記者会見を実施予定のフジ・メディア・ホールディングス<4676.T>が大幅上昇。半面、フジクラ<5803.T>と古河電気工業<5801.T>が2桁の下落率となるなど電線株が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1280/値下がり324。日経平均は大幅安となったものの、値上がり銘柄はかなり多かった。三菱UFJ、三井住友、みずほFGのメガバンク3行がそろって上昇。IHIや川崎重工など防衛関連の一角に資金が向かった。KDDI、NTT、SB、楽天Gなど通信関連が全般堅調。決算速報値が好感された岩井コスモHDが急騰した。
一方、アドバンテストが8.6%安、東京エレクトロンが4.9%安と半導体株の一角が急落。直近で米国のAI巨額投資を材料に買われたソフトバンクGも8.3%安と急落しており、この3銘柄で日経平均を500円以上押し下げた。日立やリクルートなどグロース系の銘柄が軟調。ファナックが決算発表を前に警戒売りに押された。新株予約権の発行が嫌気されたタスキHDは場中に値が付かずストップ安比例配分となった。
日経平均は大幅安。プライムでは1000を超える銘柄が上昇したにもかかわらず、366円安(39565円)とかなりいびつな動きとなった。きょうの半導体株や電線株が「DeepSeek」というワードに過敏に反応しすぎただけであれば、本日の米国株が下げたとしても弱材料を先取りしているため、あすは反転が見込まれる。一方、これらがあすも強く売られるようだと、「生成AI」というテーマに対するリスクが強く意識される。半導体株や電線株は今の日本株市場の中でかなり存在感が高まっているだけに、影響を注視する必要がある。
きょうの値上がり銘柄が多かったところを見ると、半導体株や電線株を買いづらくなったとしても、この先の日本株が総崩れする可能性は低い。ただ、日経平均はまたしても4万円に乗せた後の買いが続かなかった。足元では38000円~4万円レベルのレンジ相場が継続しており、半導体株が嫌われ続けた場合には、いったんレンジ下限に向けて下を試しに行くかもしれない。その場合は指数との連動性がそれほど高くない銘柄や、直近の株高局面で流れに乗り切れていなかった銘柄など、地味目のジャンルが相対的に選好されやすくなるだろう。
<国内>
○08:50 ◇ 12月企業向けサービス価格指数(予想:前年比3.2%)
<海外>
○09:30 ◇ 12月豪NAB企業景況感指数
○16:45 ◇ 1月仏消費者信頼感指数(予想:90)
○18:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○22:30 ◎ 12月米耐久財受注額(予想:前月比0.6%/輸送用機器を除く前月比0.4%)
○23:00 ◇ 11月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○23:00 ◎ 11月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.3%)
○23:30 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、パネルディスカッションに参加
○24:00 ◎ 1月米消費者信頼感指数(予想:105.6)
○24:00 ◎ 1月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲12)
○29日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○韓国、中国(旧正月)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
27日12:16 米ホワイトハウス
「コロンビアが米国から送還された不法移民の受け入れに同意」
「コロンビアに対する関税は保留」
27日17:22 ラガルドECB総裁
「中央銀行の独立性が、世界各地で疑問に晒されている」
「中銀の独立性が失われれば、経済は不安定化する恐れ」
※時間は日本時間
(27日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.51円(前営業日比▲1.49円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.12円(▲1.56円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0492ドル(▲0.0005ドル)
ダウ工業株30種平均:44713.58ドル(△289.33ドル)
ナスダック総合株価指数:19341.84(▲612.46)
10年物米国債利回り:4.53%(▲0.09%)
WTI原油先物3月限:1バレル=73.17ドル(▲1.49ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2738.4ドル(▲40.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米新築住宅販売件数
(前月比) 3.6% 9.6%・改
(件数) 69.8万件 67.4万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の最新AIモデルが米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、ハイテク株中心に米株価指数先物が急落するとリスク回避の円買い・ドル売りが優勢となった。20時30分過ぎには一時153.72円と昨年12月18日以来の安値を付けた。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.49%台まで低下したことも相場の重し。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。米10年債利回りが4.56%台まで低下幅を縮めたほか、大幅安で始まったダウ平均が上げに転じたことなどが相場を下支えした。4時30分過ぎには154.72円付近まで下値を切り上げた。
・ユーロドルは3日ぶりに小反落。欧州時間発表の1月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことなどを受けてユーロ買い・ドル売りが先行。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、22時過ぎに一時1.0533ドルと昨年12月17日以来の高値を付けた。
ただ、米長期金利が低下幅を縮めると次第に上値が重くなった。4時過ぎには1.0479ドル付近まで押し戻された。
・ユーロ円は反落。米株価指数先物の急落などを背景にリスク・オフの円買い・ユーロ売りが入り、欧州時間には一時161.55円まで値を下げた。ただ、NY市場に入るとドル円の下げ渋りや現物のダウ平均の持ち直しなどを手掛かりに買い戻しが入り、下げ幅を縮めた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。中国の新興企業DeepSeekの最新AIモデルが米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、半導体関連やAI関連株に売りが先行。指数は一時400ドル近く下落した。ただ、ディフェンシブ株や消費関連株に買いが入ると上げに転じた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。中国のAI台頭が警戒されて米ハイテク株が急落すると、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。
・原油先物相場は反落。先週末は小反発で引けたが、依然として上値の重さは変わらず一時2ドル超下げた。ナスダック総合が大幅安になっていることで、原油市場もネガティブなセンチメントが続いた。また、トランプ米大統領が来週のOPEC+の会合で増産圧力を加えているが、OPEC+は現在の供給政策を維持する見込みと一部通信社が報じている。
・金先物相場は反落。米株指数先物が軟調な動きをみせドル安が進むと、ドルで取引される金先物は割安感から買われる場面があった。しかしながら、今週の米連邦公開市場委員(FOMC)では利下げは回避され金利据え置きが濃厚なこともあり、金利のつかない金先物は徐々に上値が抑えられると引けにかけては下げ幅を広げた。
27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の最新AIモデルが米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、ハイテク株中心に米株価指数先物が急落するとリスク回避の円買い・ドル売りが優勢となり、一時153.72円と昨年12月18日以来の安値を付けた。ただ、売り一巡後は米10年債利回りが低下幅を縮めたほか、大幅安で始まったダウ平均が上げに転じたことなどが相場を下支えすると、154.72円付近まで下値を切り上げた。ユーロドルは欧州時間発表の1月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことなどを受けて一時1.0533ドルと昨年12月17日以来の高値を付けたが、米長期金利が低下幅を縮めると次第に上値が重くなり1.0479ドル付近まで押し戻された。
昨日は、中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の競争力に対する懸念から、半導体株を中心として急落。日本株のみならず欧米株も下落してリスク回避ムードが強まった。このショック的な動きの影響が本日の株式市場に残るようならば、引き続き株価動向に神経質な展開が見込まれる。株安局面ではドル円やクロス円に下落圧力が掛かりやすいだろう。
本日のアジア市場は、中国や台湾、韓国などが休場となるのをはじめ、シンガポールや香港が短縮取引となるなど、市場参加者の減少により流動性の低下が懸念される中、一度動き出すと荒っぽい動きとなる恐れがある点には注意したい。
ただ、こうした動きが落ち着きを見せるようならば、本日から明日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に積極的な売買が手控えられる展開もあり得る。
また、本日は日銀が14時に「12月の全国消費者物価指数(CPI)の基調的なインフレ率を捕捉するための指標」を公表予定。同月のコア指数は前年比+3.0%と1年4カ月ぶりに3%台に乗せている。植田日銀総裁は24日の会見で「今後も日銀の経済・物価見通しが実現していけば、それに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことに変わりはない」と発言している。前回発表された11月の数値(刈込平均値:+1.7%、加重平均値:+0.9%、最頻値:+1.1)と比べ、上昇の幅や日銀が目標としている物価水準の2%にどの程度近づいたか確認しておきたい。
そのほか、昨日午前の相場変動要因となったトランプ米大統領による政策への警戒は緩めないようにしたい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39050 -430 (-1.08%)
TOPIX先物 2738.0 -13.5 (-0.49%)
シカゴ日経平均先物 39060 -420
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
27日の米国市場はNYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。中国の新興企業が開発した生成AIの新モデル「DeepSeek」が米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から、エヌビディア
NYダウ構成銘柄では、エヌビディアのほか、シスコシステムズ
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比420円安の3万9060円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比70円安の3万9410円で始まり、一時3万8660円まで売られる場面もみられた。売り一巡後は下げ渋り、米国市場の取引開始後は3万8890円から3万9190円辺りで保ち合い、3万9050円でナイトセッションの取引を終えた。
昨夕の時点でグローベックスのナスダック100先物は3%あまり下落して推移していたため、米国市場の下落の影響は織り込まれているだろう。ただし、直近のリバウンド局面で相場を牽引していた半導体株やAI関連株の急落によってセンチメントは冷まされ、しばらくはエヌビディア睨みの展開を余儀なくされそうである。
日経225先物はナイトセッションで25日移動平均線(3万9290円)、75日線(3万9040円)を下抜け、一時ボリンジャーバンドの-1σ(3万8770円)を割り込んだ。売り一巡後は下げ幅を縮め、75日線水準で終えている。同線辺りでの攻防となるなか、戻りの鈍さが意識される局面では、-1σを狙ったショートが強まりやすいだろう。-1σを再び割り込んでくるようだと、200日線(3万8490円)が射程に入ってくる。
一方で、前日の+2σ(4万0320円)突破から一気に-1σまで下げたことで値幅調整は一巡した形である。9%近く下落したアドバンテス <6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が下げ止まりをみせてくると、日経225先物は75日線を支持線として25日線辺りまでのリバウンドが意識されてきそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上下の権利行使価格となる3万8625円から3万9375円のレンジを想定する。昨日は東証プライムの8割近い銘柄が上昇したものの、アドバンテス、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]の3銘柄で日経平均株価を530円あまり下押していた。この3社が弱い値動きをみせると、先物市場ではショートを仕掛けてくる動きが強まる半面、リバウンド局面ではショートカバーに向かわせよう。
27日の米VIX指数は17.90(24日は14.85)に上昇した。一時22.51まで切り上がり、1月13日につけた直近の戻り高値22.01を上回る場面もみられた。25日、75日、200日線を一気に上抜けており、慎重姿勢が強まりそうだ。ただし、日中の安値圏で終えていることもあり、パニック的な動きからは落ち着きをみせていた。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に急低下し、25日、75日線が位置する14.36~14.37倍辺りを割り込んだ。両線が抵抗線として機能してくると、200日線が位置する14.23倍辺りを想定したNTショートでのスプレッド狙いに向かわせそうだ。ただし、為替市場では円高に振れて推移していることで輸出関連株などは手掛けづらくさせる。ハイテク株次第ではあるが、前日の大幅な低下に対するリバランスの動きも想定しておきたいところだろう。
FT紙が報じたところによると、ベッセント次期米財務長官が就任後に段階的な関税引き上げを計画しているという。米国への輸入品に対する新たな普遍的関税を2.5%から開始し、毎月同じ割合で段階的に引き上げ、最終的に最大20%まで引き上げる可能性があるとのこと。
政府は28日、安達日銀審議委員の後任として早稲田大学政治経済学術院教授の小枝淳子氏を候補とすることを明らかにした。
日経225先物は11時30分時点、前日比140円安の3万9340円(-0.35%)前後で推移。寄り付きは3万9100円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9060円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。中盤にかけて3万8890円まで下げた後はリバウンドをみせており、終盤にかけて一時3万9380円まで下落幅を縮めている。
日経225先物は75日移動平均線(3万9050円)を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)に接近する場面もみられたが、-1σを割り込まなかったこともあり、ショートカバーを誘う形になった。アドバンテスト<6857.T>[東証P]の下げが目立つものの、ソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]は下げ幅を縮めていることも、カバーに向かわせているようだ。終盤にかけて25日線(3万9290円)を上回るなか、後場は同線での攻防が意識されよう。
NT倍率は先物中心限月で14.18倍に急低下した。一時14.15倍まで下げており、昨年12月上旬以来の水準である。値がさハイテク株の弱さが目立つ一方で、東証プライムの値上がり数は7割を超えており、TOPIX型優位の状況である。
昨日は久しぶりのドル円を中心としたリスクオフ相場となりました。東京午後から欧州勢入り際にかけてはトランプ米大統領によるコロンビアに対する極端な関税賦課が流石に保留となったことから、リスクオフの巻き戻し。一時156.25円まで買戻される場面もみられましたが、アジア時間で既に先週末の日経平均先物のクローズからは900円以上の急落となっていた日経平均が欧州勢が参入してくると先物で更に下げ幅をひろげる展開に。その後は38655円まで大幅な下落。ダウ先物は600ドル近い下落となったほか、ナスダック先物においては何と5%を超える暴落。米10年債利回りも一時4.4960%まで低下するといった典型的なリスクオフ相場を演出することになりました。
アジア時間での日経平均の下落では飽き足らず、欧州勢が一気に下値を攻める動きとなったわけですが、当の本人のNY勢は逆に買戻しといった皮肉な展開に。全般、リスクオフの巻き戻しの動きとなると、ドル円は引けにかけて一時154.72円まで買戻されています。
このリスクオフ。中国のスタートアップのDeepSeekがたったの560万ドルのコストでChatGPTと同性能の最新AIモデルを発表したことがきっかけ。オープンソースなどを利用した上で、大手ハイテク企業に比べて10分の1程度のコストでAIを構築出来ることが注目されると、「バカ高いNVIDIAのチップも必要なくなるのではないか」といった憶測が台頭したといったところ。それにしても、日経平均やドル円がその全てのリスクオフの受け皿になったという、これまでにも何度も見てきた光景を久しぶりに目の当たりにすることになりました。
いずれにしても、ドル円は一目雲上限というかなり重要なサポートレベル付近で下げ止まったほか、本日の日経平均も38886.05円を安値に、昨日の先物での安値手前で下げ止まって買戻されている状況。米長期金利も上昇しているとあって、昨日かなり突っ込んで売り込んでしまった向きが「まだまだショートカバーしきれていない」なかにあって、一目転換線をしっかりと上抜けてきているわけで、「かなりきれいなかたち」での買戻しが続いています。
中国ネタにしては、想定よりも多少長続きしたリスクオフではありましたが、ドル円にとっては、恐らく、かかるネタが自らの方向性を変えるような威力を持っているわけではなく、チャート的にもポジション的にも拾い場を与えただけの結果に終わったのかもしれません。
UBS証券では日銀に関して、1月の会合では政策金利が0.25%から0.5%に引き上げられたが、次回は7月に0.75%に引き上げられると予想している。最終的には1.25%までの利上げを見込んでおり、7月の後は今年12月と2026年7月に25bpの利上げを予想している。UBSの見立てでは、多くの日本の投資家は2%のインフレ目標の真の達成はまだ想像しにくいという保守的な見方を共有しているとのこと。ただし、2026年以降にさらなる円安が進行するリスクや、日本経済が正常化していく可能性があることから、1.25%のターミナルレートを設定。これは、UBSの予想する中立金利(1%プラスマイナス50bp)の範囲内とコメントしている。
大和証券では、中国のAI新興DeepSeekの登場によって米国の大手テック株がパニック的な売りに見舞われ、米長期金利が低下した動きについて考察している。米国経済の強さという根本を覆す話ではないとみているものの、リスク資産の高バリュエーション、国債金利の低バリュエーションに修正が始まるきっかけとなる可能性はゼロではないと指摘。相場の流れというのはこういう話から変わりうることもあるため、少し注意しておいた方がよいとコメントしている。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、トランプ米大統領が発表した政策を見極めつつ、米長期金利や株価動向をながめながら方向感を探る展開となるか。
本日はトランプ米大統領やベッセント米財務長官から相次いで関税に関する発言が出ており、これらに反応してドル買いの流れとなる中でユーロドルは一時1.0425ドルまで下落。関税でインフレ再燃が想起されると時間外の米10年債利回りは4.56%目前まで上昇している。欧州市場でも引き続き材料視されるか、米長期金利の動きに注目したい。
また、日経平均は39000円を割る場面も見られたが一時的となり、その後は下げ幅を縮小して午前の取引を終えた。今のところ、昨日の欧米市場のようなパニック的な動きにはなっていない。ユーロ円を始めとしてクロス円にとって株式動向は無視できないところ。株安のきっかけとなった中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の最新AIモデルについての続報がなければ、材料消化で欧州株も徐々に落ち着きを取り戻すことも考えられる。東京午前でのドル円の上昇によりクロス円もそれなりに巻き戻されており、欧州株が落ち着けば一段と買い戻されても不思議ではない。
経済指標は、1月仏消費者信頼感指数が発表予定。市場予想は90と前月の89をわずかに上回る見通し。相場へのインパクトは高くないものの、前週末の仏1月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値に続いて予想を上回れるか見ておきたい。
要人発言では、ビルロワドガロー仏中銀総裁やチポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事の発言機会が予定されているものの、30日のECB理事会を前にすでにクワイエット期間(いわゆるブラックアウト期間)に入っていることから、金融政策に関する発言は期待しづらいだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル: 27日高値1.0533ドル
・ユーロ円:27日高値163.75円
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.0356ドル
・ユーロ円:朝方に付けた本日安値161.58円
ドル円:1ドル=155.70円(前営業日NY終値比△1.19円)
ユーロ円:1ユーロ=162.49円(△0.37円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0436ドル(▲0.0056ドル)
日経平均株価:39016.87円(前営業日比▲548.93円)
東証株価指数(TOPIX):2756.90(▲1.17)
債券先物3月物:141.18円(△0.29円)
新発10年物国債利回り:1.195%(▲0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月企業向けサービス価格指数
前年同月比 2.9% 3.0%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は強含み。一部報道で「ベッセント米財務長官は段階的な関税引き上げを計画し、最終的に最大20%まで引き上げる可能性がある」と伝わったほか、トランプ米大統領が「半導体や鉄鋼、アルミなどその他産業への関税を適用する」「2.5%を大幅に上回る一律関税を望む」などの見解を示すと、関税政策による米金利の先高観が強まった。為替市場では全般ドル買いが強まり、一時155.95円まで上値を伸ばした。
・ユーロドルはさえない。ドル買いの流れに沿って朝方から売りに押される展開となり、一時1.0425ドルまで下押しした。
・ユーロ円は下値が堅い。ユーロドルや日本株の下落につれて円買い・ユーロ売りが進み、一時161.58円まで下押す場面があったものの、その後はドル円の上昇につれて162.68円まで反発した。
・日経平均株価は3日続落。前日の米ハイテク株安を受けて、この日の東京市場でも半導体関連株が売りに押された。指数は一時680円近く下落。半導体関連株などからの資金シフトの受け皿となった割安株には買いが入ったものの、後場に入っても戻りの鈍い状態が続いた。
・債券先物相場は続伸。日経平均株価が連日で下落し、安全資産しての債券需要が強まった。また、この日実施された国債買い入れオペで需給の引き締まりが意識されたことも買い材料視された。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
中国景気は「政策効果」と「息切れ」を繰り返す展開が続くか
企業マインドは早くも「息切れ」の様相、景気は政策支援と息切れが交互に続く推移が見込まれる
ここ数年の中国景気は不動産不況に加え、若年層を中心とする雇用回復の遅れが内需の重石となるなかで外需への依存を強める展開が続いた。しかし、米トランプ政権は関税賦課を通じた圧力を強めるなか、昨年後半以降に当局は内需喚起による景気下支えに動いている。結果、昨年末にかけての景気は内需喚起の動きと米トランプ政権発足前の外需駆け込みの動きが景気底入れを促した。しかし、一連の内需喚起策は需要の先喰いに留まる可能性が高く、先行きはその息切れが景気の足かせとなる懸念はくすぶる。
こうした懸念を反映して1月の製造業PMIは49.1と2ヶ月ぶりに50を下回っている。非製造業PMIも50.2に低下しており、建設業、サービス業ともに底入れの動きに一服感が出ている。足下の生産活動で減産の動きがみられるほか、先行きも内・外需双方に下押し圧力が掛かる動きもみられる。さらに、雇用調整圧力がくすぶる上、ディスインフレ圧力が意識されるなど、幅広く企業を取り巻く環境は厳しさを増している。よって、昨年末にかけての中国景気は底入れの動きを強めたものの、早くも急ブレーキが掛かっている。
昨年以降の中国金融市場では一連の内需喚起策を期待して本土株が底入れしたが、その後は「物足りなさ」が意識されるなかで上値が抑えられる展開が続く。当局による一段の政策強化は人民元安を招く可能性がある一方、習近平指導部が人民元安を警戒する向きもくすぶるなか、政策対応は「小出し」の展開が続く可能性が高い。よって、中国景気は政策対応と息切れを交互に繰り返す展開が続く可能性が考えられる。
大阪3月限
日経225先物 39070 -410 (-1.03%)
TOPIX先物 2759.0 +7.5 (+0.27%)
日経225先物(3月限)は前日比410円安の3万9070円で取引を終了。寄り付きは3万9100円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9060円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。前場中盤にかけて3万8890円まで下げた後はリバウンドをみせ、前場終盤に一時3万9380円まで下落幅を縮めた。
ただし、売り一巡後の戻りで上回った25日移動平均線(3万9290円)をキープすることはできず、現物の後場の取引開始後には再び下へのバイアスが強まり、3万8900円と前場につけた安値水準に接近。終盤にかけてショートカバーが入る形で下げ幅を縮め、辛うじて75日線(3万9040円)を上回って終えた。
日経225先物は前場中盤にかけて75日線を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)に接近する場面もみられた。-1σを割り込まなかったこともあり、その後は前場終盤にかけてショートカバーを誘う形になった。ただし、アドバンテスト<6857.T>[東証P]の下げが目立つなか、前場終盤にかけてやや持ち直す動きをみせていたソフトバンクグループ<9984.T>[東証P]や東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が後場に入り再び売り直され、先物に仕掛け的なショートを誘う格好だった。
中国の新興企業が開発した生成AIの新モデル「DeepSeek」が米国企業の優位性を脅かすとの懸念から、前日の米国市場ではエヌビディア
しばらくはハイテク株の影響を大きく受けやすいと考えられ、日経225先物は75日線を割り込んでくるようだと、200日線(3万8480円)辺りが射程に入ってくるだろう。同線を下回る局面ではショートが強まりやすく、-2σ(3万8250円)水準までの調整は想定しておきたいところだ。反対に75日線水準が支持線として機能すると、25日線突破から+1σ(3万9800円)辺りへのリバウンドが期待される。値がさハイテク株の一角の影響が大きい分、懸念要因が和らぐ局面では戻りの強さが意識されるだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.16倍に急低下した。一時14.12倍まで下げており、昨年12月2日以来の水準である。値がさハイテク株の弱さが目立つ状況ではTOPIX型優位の流れが続くと考えられるが、本日はボリンジャーバンドの-3σまで下げてきた。バンドに沿った低下となる可能性はあるものの、NTショートの巻き戻しを狙ったNTロングでのポジションが入りやすい水準と考えられる。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万7606枚、ソシエテジェネラル証券が2万1362枚、サスケハナ・ホンコンが6156枚、SBI証券が4895枚、モルガンMUFG証券が4563枚、JPモルガン証券が3302枚、ゴールドマン証券が3104枚、バークレイズ証券が2202枚、野村証券が2187枚、日産証券が2099枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万1895枚、ソシエテジェネラル証券が1万6402枚、バークレイズ証券が5251枚、JPモルガン証券が4617枚、ゴールドマン証券が3670枚、モルガンMUFG証券が3377枚、ビーオブエー証券が2061枚、ドイツ証券が1539枚、SBI証券が1163枚、三菱UFJ証券が785枚だった。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
関税による脅しは成功も、中国との関係深化が一段と進む可能性、米中摩擦の新たな舞台となるか
米トランプ大統領は「タリフマン」を自称し、政権公約実現へ関税賦課を材料に相手国にディールを仕掛ける動きをみせる。不法移民対策を理由に、トランプ氏は26日に南米コロンビアへの追加関税や制裁に動く方針を示し、直後にはコロンビアのペトロ大統領が報復を示唆する動きをみせた。しかし、経済への深刻な悪影響が懸念されるなか、ペトロ氏が不法移民の輸送受け入れに同意し、米政府は関税と制裁の発動を見送った。結果、トランプ氏による関税を用いた脅しは成功したと捉えられる。他方、一連の対応は「米国の裏庭」と称されるも、ここ数年反米左派政権が広がりをみせる中南米諸国で米国からのさらなる離反を招く可能性がある。また、ここ数年は中国が中南米諸国での影響力を拡大させており、米国からの離反も追い風に関係深化が進むことも考えられる。中南米が米中摩擦の新たな舞台となる可能性に要注意と言える。
「基調的な物価上昇率は見通しに沿って緩やかに上昇し続けている。基調的な物価上昇率も2%に収束していく可能性が高まったとみた。それが利上げの最大の理由だ」
(植田日銀総裁:2025年1月24日)
1月28日、2%の物価安定目標の実現を目指す日銀が公表した12月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」は、7月、8月、9月、10月、11月に続いて6カ月連続して2%に届かなかった。
12月の上昇品目の比率は75.7%と、11月の75.5%を上回り、下落品目は19.0%で、11月の19.3%を下回った。
1. 基調的なインフレ率を捕捉するための指標
物価動向の分析にあたっては、現実に観測される「消費者物価」の動きから、様々な一時的要因の影響を取り除いた、基調的なインフレ率(「コア指標」)が利用されている。
生鮮食品を除いた「コアCPI」や生鮮食品およびエネルギーを除いたコアコアCPIの他に、様々なコア指標を総合的にみていくことによって、基調的な物価変動をより的確に把握できると思われる。
日本銀行調査統計局では、毎月の全国消費者物価指数の公表に合わせて、上昇・下落品目比率、刈込平均値、最頻値、加重中央値を試算し、原則として、全国消費者物価指数の公表日の2営業日後の14時を目途に公表している。
2.12月の「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」(※コア3指標)
■刈り込み平均値:前年比+1.9%
・2カ月連続で前月を上回った(11月+1.7%、10月+1.5%、9月+1.7%、8月+1.8%、7月+1.8%、6月+2.1%、5月+2.1%、4月+1.8%、3月+2.2%、2月+2.3%、1月+2.6%)
・価格変動が大きい上下10%の品目を異常値として機械的に除き算出する
■加重中央値:前年比+1.0%
・2カ月連続で前月を上回った(11月+0.9%、10月+0.8%、9月+0.8%、8月+0.7%、7月+1.1%、6月+1.4%、5月+1.3%、4月+1.1%、3月+1.3%、2月+1.4%、1月+1.9%)
・価格上昇率の高い順にウエートを累積して50%付近にある価格変化率
■最頻値:前年比+1.1%
・2022年9月以来の低水準で横ばい(11月+1.1%、10月+1.3%、9月+1.4%、8月+1.3%、7月+1.5%、6月+1.6%、5月+1.5%、4月+1.6%、3月+1.9%、2月+2.0%、1月+2.3%)
・品目別価格変動分布で最も頻度の高い価格変化率
3.12月の消費者物価指数(CPI)
■消費者物価指数(CPI):+3.6%(11月+2.9%、10月+2.3%、9月+2.5%、8月+3.0%、7月+2.8%、6月+2.8%、5月+2.8%、4月+2.5%、3月+2.7%、2月+2.8%、1月+2.2%)
■コアCPI(生鮮食品を除く):+3.0%(11月+2.7%、10月+2.3%、9月+2.4%、8月+2.8%、7月+2.7%、6月+2.6%、5月+2.5%、4月+2.2%、3月+2.6%、2月+2.8%、1月+2.0%)
■コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーを除く):+2.4%(11月+2.4%、10月+2.3%、9月+2.1%、8月+2.0%、7月+1.9%、6月+2.2%、5月+2.1%、4月+2.4%、3月+2.9%、2月+3.2%、1月+3.5%)
12月のコアCPIは、政府による電気・ガス代補助金を10月使用分で終了したことで上昇した。政府は12月と1月にガソリン補助を縮小させ、レギュラーガソリン価格は12月に1リットル175円程度が180円程度、1月には185円程度に上昇することが予想されており、CPIを0.05%程度ずつ押し上げる見込みとなっている。
本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領による突発的な発言に警戒しながら、米国の経済指標を見極めつつ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の初日を迎えることになる。
本日の東京市場のドル円は、トランプ米大統領による関税発言で、154円台から155円台後半まで上昇しており、今後も警戒せざるを得ない状況が続くことになる。
また、引き続き中国発の人工知能(AI)企業「ディープシーク(DeepSeek、深度求索)」によるナスダック市場への影響には警戒しておきたい。
本日は、12月米耐久財受注額、11月米住宅価格指数、11月米ケース・シラー住宅価格指数、1月米消費者信頼感指数、1月米リッチモンド連銀製造業景気指数などが発表されるが、本日からのFOMCに直接的な影響を及ぼすことはないものの、米国の景況感を確認することになる。
本日からのFOMCでは、FF金利誘導目標4.25-50%の据え置きはほぼ確実視されているが、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、今年の利下げは2回(※FF金利誘導目標:3.75-4.00%)と予想されている。
また、先週のダボス会議では、トランプ米大統領は「中東諸国への原油価格の値下げ要求が通れば、米連邦準備理事会(FRB)にただちに利下げを要求する」と表明していた。
以前にはパウエルFRB議長と「適切な時期」に話すつもりだとも述べていた。
第1次トランプ米政権で指名され、次期FRB議長の候補でもあるウォラーFRB理事は、先日「インフレの良好な数字が続けば、今年の前半に利下げがなされるのが妥当と考えるだろう。3月利下げの可能性も完全には排除しない」と述べていた。
本日からのFOMCではウォラーFRB理事が利下げに票を投じるのか否か、そして、パウエルFRB議長の記者会見でのトランプ米大統領発言に対する見解などに要注目となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、156.30円(日足一目均衡表・基準線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、154.08円(日足一目均衡表・雲の上限)
今晩はもみ合いか。昨日は中国のスタートアップ企業ディープシーク(DeepSeek)が低コストの大規模AIを構築したとのニュースを受けてエヌビディアなどのAIインフラ株が売られ、ハイテク株主体のナスダック総合が3.07%安と急落し、12月18日以来の下落率を記録した。S&P500も1.46%安となり、ともに大幅に2日続落した一方、ディフェンシブ株への資金シフトが追い風となりダウ平均が289.33ドル高(+0.65%)と反発した。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の14.85ポイントから17.90ポイントに上昇するなど、センチメントは大きく悪化した。
今晩の取引では前日のハイテク株の急落の反動高が期待されるものの、ディープシークのAIの性能やエヌビディアなど米国のAI関連株への影響を見極める展開が予想され、神経質な展開となりそうだ。発表が本格化した企業の第4四半期決算は、寄り前にゼネラル・モーターズ(GM)、ボーイングなどが発表予定で、決算やガイダンスに要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは12月耐久財受注、1月消費者信頼感指数など。決算発表は寄り前にゼネラル・モーターズ(GM)、ボーイング、RTX、引け後にF5ネットワークス、ボストン・プロパティーズなどが発表予定。
日経平均株価は3日続落。マド開けを伴う下方スタートから下げ幅を拡大する展開となった。25日移動平均線(39273円 1/28)や10日移動平均線(39151円 同)を下回り、後場を通じても軟調な動きが続いた。
RSI(9日)は前日の75.0%→60.6%(1/28)へ低下。昨年10月以降のもみ合い期間中と同様、直近高値からの下げがきつい。一目均衡表の雲下限(38984円 同)を意識して終えているが、1/27安値~1/24高値までの上昇幅に対する半値押し(39167円)前後で下げ止まれるかが、目先の焦点となる。
上値メドは、心理的節目の39500円や40000円、1/24高値(40279円)、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、100日移動平均線(38667円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円などがある。
米財務省によると、7年債入札(ダッチ方式)の落札結果は最高落札利回りが4.457%、応札倍率(カバー)が2.64倍となった。
(28日終値:29日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.60円(28日15時時点比▲0.10円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.26円(▲0.23円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0428ドル(▲0.0008ドル)
FTSE100種総合株価指数:8533.87(前営業日比△30.16)
ドイツ株式指数(DAX):21430.58(△148.40)
10年物英国債利回り:4.614%(△0.029%)
10年物独国債利回り:2.565%(△0.034%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月仏消費者信頼感指数
92 89
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.54%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。24時前に一時155.05円付近まで値を下げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し安値154.49円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。トランプ米政権による関税引き上げへの警戒感が根強い中、米10年債利回りが4.57%台まで上昇したこともドル買い戻しを誘った。1時過ぎには155.76円付近まで持ち直した。
なお、1月米消費者信頼感指数は予想を下回った一方、1月米リッチモンド連銀製造業指数は予想を上回るなど、強弱入り混じる結果となった。
・ユーロドルはもみ合い。欧米の金融イベントを控える中、様子見ムードが強く大きな方向感は出なかった。ロンドン時間の安値は1.0414ドル、高値は1.0444ドルで値幅は0.0030ドル程度だった。
なお、欧州中央銀行(ECB)は30日の定例理事会で利下げを決めるとの予想が多い一方、米連邦準備理事会(FRB)は28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で4会合ぶりに利下げを見送るとの見方が優勢だ。
・ユーロ円は下値が堅かった。日本時間夕刻に一時162.70円と本日高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値を切り下げ、24時前には161.76円付近まで値を下げた。ただ、アジア時間に付けた日通し安値161.58円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。0時30分前には162.45円付近まで下げ渋った。前日に急落した米ナスダック指数が反発すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ユーロ買いを誘った面もあった。
・ロンドン株式相場は続伸。前日に急落した米ナスダック指数先物が反発したことで、投資家心理が改善し買いが優勢となった。ただ、明日29日のFOMC結果公表を前に、様子見ムードも強かった。コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが買われたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値上がりした。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。前日に急落した米ナスダック指数の先物が反発すると投資家心理が改善し、独株にも買いが波及した。個別では好決算を公表したザルトリウスが11.47%の大幅高となったほか、シーメンス・エナジー(7.53%高)やドイツテレコム(3.22%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。米債安につれた。
28日の日経平均は大幅に3日続落。終値は548円安の39016円。ナスダックの大幅安を受けて、寄り付きから3桁の下落。米国でエヌビディアが急落したことから、半導体株や電線株などAI関連銘柄が前日に続いて強烈に売り込まれた。序盤に600円超下げて38800円台に突入したところで押し目買いが入り、いったん39300円近辺まで値を戻した。しかし、後場に入ると改めて売り直される展開。39000円は上回ったものの、500円を超える下落で取引を終えた。TOPIXはプラス圏とマイナス圏を行き来したが、小幅なマイナスで終了。グロース250指数が強く、小幅安スタートから早々にプラス転換して上げ幅を拡大。1%を超える上昇で高値引けとなった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆0400億円。業種別ではその他製品、銀行、不動産などが上昇した一方、非鉄金属、ガラス・土石、電気機器などが下落した。3Q累計では減益も市場の期待は上回り、決算と併せて増配も発表したLITALICO<7366.T>がストップ高。半面、アドバンテスト<6857.T>が11.1%安と急落し、1銘柄で日経平均を約269円押し下げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1093/値下がり511。きょうも日経平均が大きく下げる中で値上がり銘柄は多かった。上方修正を発表した日立建機が3.4%高。国内では利上げ基調が続く中、メガバンクの三井住友とみずほFGが昨年来高値を更新し、三菱UFJは上場来高値を更新した。一方で米国では長期金利が大きく低下しており、これを手がかりに三井不動産や住友不動産など不動産株に資金が向かった。任天堂やソニーGなどゲーム株の一角が大幅上昇。中国の春節休場が意識されたか、OLC、富士急行、エアトリなどレジャー関連が物色された。
一方、AIへの高い期待がはく落する中、ナスダックの大幅安や傘下アームの急落などを嫌気してソフトバンクGが5%を超える下落。フジクラや東京エレクトロンなど電線株や半導体株が前日に続いて軒並み安となった。本日は電力向けのガスタービンなどを手がけている三菱重工もAI関連との見方が強まり急落。売買代金上位銘柄の手がけづらさが強く意識された。
日経平均は連日の大幅安。きのうの続きといったような動きで、売買代金上位銘柄の多くが派手に下げた一方、プライム全体では値上がり銘柄が多かった。指数はさえないが、注目度の高い銘柄から資金が離散した結果、物色の裾野は広がっている。半導体株や電線株はAIに対する過度な警戒が和らいだ際には強烈な買い戻しが期待できそうでもあり、リスクオフというほどの弱さはなかった。
あすの引け後にはアドバンテストが3Q決算を発表予定。今年に入って10日に10430円まで上昇して上場来高値を更新した銘柄が、直近の下げで8100円台まで水準を切り下げている。決算発表を前にリスク回避で一段安となるのか、それとも決算期待から見直し買いが入るのか。あすの値動きは大きく注目される。強く買われるようなら他の半導体株や電線株を刺激する可能性もある。日経平均は取引時間中に39000円を割り込む場面があり、4万円は遠のいた。ただ、終値(39016円)は75日線(39029円、28日時点)に近い。この辺りで下げ止まることができれば、基調が上向く展開も期待できる。
28日08:10 トランプ米大統領
「減税によって低税率を維持することを目指す」
「予算プロセスに固執しないよう努める」
「減税について議会と協力する意向」
「米国で製造するなら税率を15%に引き下げる計画」
「半導体産業への関税導入を近く実施」
「鉄鋼とアルミ、銅にも関税を適用する」
「企業に対し、関税を避けるため米国内に工場建設を促す」
「法人税のさらなる引き下げを実施」
「関税の水準は念頭にあるがまだ設定していない」
「2.5%よりはるかに大きな関税を望んでいる」
28日09:49 赤沢経済再生相
「利上げが経済に与える影響を注視する」
「中国景気・米政策・景気下振れリスクに十分注意」
「実質金利は大幅なマイナスであり緩和的金融環境は維持されている」
28日15:04 櫻井眞・元日銀審議委員
「経済回復に伴い6月か7月の利上げを予想」
29日03:55 レビット米ホワイトハウス報道官
「カナダとメキシコへの関税発動の2月1日の期限は変更しない」
「大統領はすでに国境に関してカナダとメキシコに何を望むかについて声明を出している」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 12月18-19日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
○14:00 ◇ 1月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:36.5)
<海外>
○09:30 ◎ 12月豪消費者物価指数(CPI、予想:前年比2.5%)
○09:30 ◎ 10-12月期豪CPI(予想:前期比0.3%/前年同期比2.5%)
○16:00 ◇ 2月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲20.0)
○17:30 ◎ スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:2.25%に引き下げ)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◇ 12月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.60%)
○22:30 ◇ 12月米卸売在庫(予想:前月比0.2%)
○23:45 ☆ カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:3.00%に引き下げ)
○30日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○30日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:4.25-4.50%で据え置き)
○30日04:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○30日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:13.25%に引き上げ)
○香港、シンガポール、韓国、中国(旧正月)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(28日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.54円(前営業日比△1.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.24円(△0.12円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0430ドル(▲0.0062ドル)
ダウ工業株30種平均:44850.35ドル(△136.77ドル)
ナスダック総合株価指数:19733.59(△391.76)
10年物米国債利回り:4.53%(横ばい)
WTI原油先物3月限:1バレル=73.77ドル(△0.60ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2767.5ドル(△29.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米耐久財受注額
(前月比) ▲2.2% ▲2.0%・改
輸送用機器を除く
(前月比) 0.3% ▲0.2%
11月米住宅価格指数
(前月比) 0.3% 0.5%・改
11月米ケース・シラー住宅価格指数
(前年比) 4.3% 4.2%
1月米消費者信頼感指数
104.1 109.5・改
1月米リッチモンド連銀製造業景気指数
▲4 ▲10
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反発。24時前に一時155.05円付近まで下押しする場面もあったが、アジア時間に付けた日通し安値154.49円がサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。前日に急落した米ナスダック指数が反発すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いを誘った面もあった。1時過ぎには155.76円付近まで持ち直した。
もっとも、NY午後に入ると155円台半ばで値動きが鈍った。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に様子見ムードも強く、大きな方向感は出なかったようだ。
なお、1月米消費者信頼感指数は予想を下回った一方、1月米リッチモンド連銀製造業指数は予想を上回るなど、この日発表の米経済指標は強弱入り混じる結果となった。
・ユーロドルは続落。NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。欧米の金融イベントを控える中、様子見ムードが強く大きな方向感は出なかった。NY時間の安値は1.0414ドル、高値は1.0440ドルで値幅は0.0026ドル程度だった。
なお、欧州中央銀行(ECB)は30日の定例理事会で利下げを決めるとの予想が多い一方、米連邦準備理事会(FRB)は28-29日のFOMCで4会合ぶりに利下げを見送るとの見方が優勢だ。
・ユーロ円は小反発。24時前に一時161.76円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値161.58円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。0時30分前には162.45円付近まで持ち直した。NY午後に入ると、162円台前半で次第に値動きが細った。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。中国のAI台頭が警戒されて前日に急落したエヌビディアが反発したほか、ハイテク株が幅広く買われ相場を下支えした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発。メタ・プラットフォームズが買われたほか、前日急落したブロードコムが反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。明日のFOMC結果公表を前に様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。
・原油先物相場は反発。リビアの石油港で、「石油の積み出し作業が地元の抗議活動で妨げられている」との報道が伝わると、供給不安懸念が高まり買いが優勢になった。ドルが堅調に推移すると、ドルで取引される原油先物は割高感で一時弱含む場面もあったが、下落局面では買いが入り反発して引けた。
・金先物相場は反発。昨日大幅に反落したこともあり、明日発表のFOMCの結果を前に買い戻しが優勢になった。米経済の不透明感とインフレ懸念の高まりにより下押した水準では買いが入りやすかった。
28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は一時155.05円付近まで下押しする場面もあったが、アジア時間に付けた日通し安値154.49円がサポートとして意識されると155.76円付近まで持ち直した。前日に急落した米ナスダック指数が反発すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いを誘った面もあった。もっとも、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に様子見ムードも強く、155円台半ばで値動きが鈍った。ユーロドルはNY市場に限れば1.04ドル台前半の狭いレンジでのもみ合いに終始。欧米の金融イベントを控える中、様子見ムードが強く大きな方向感は出なかった。
本日は、NY時間の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前に、今週から神経質な動きとなっている株や米長期金利をながめながらの展開となるか。
昨日の欧米市場では株価が上昇しており、週初からの中国の新興企業ディープシーク(DeepSeek)の競争力に対する懸念を背景とする株安によるリスク回避の動きが一服している。本日も引き続き株式市場の動きに注目したい。株式市場が徐々に落ち着きを取り戻すようならば、市場の関心はFOMCに移ることが予想され、ドル円相場に様子見ムードが漂う展開も想定される。
また、昨日はレビット米ホワイトハウス報道官が「カナダとメキシコへの関税発動の2月1日の期限は変更しない」と発言している。昨日の米長期金利はFOMC前ということで様子見ムードが漂い小動きとなったが、米大統領の政策内容次第で神経質な展開は続くことが予想される。それを受けて米長期金利が動きを見せるようならば、ドル円相場にも影響を及ぼしそうだ。
ただ、本日は通貨の受け渡しが月末日となるスポット末日ということもあり、仲値公示などのタイミングでは通常以上に神経質な動きとなる恐れがある点には注意したい。そのほか、日銀・金融政策決定会合議事要旨(昨年12月18・19日分)も公表予定となっている。
他方、オーストラリアでは10-12月期と12月の消費者物価指数(CPI)が発表予定。豪中銀は四半期CPIのコアインフレ率(トリム平均値)に注目しており、市場予想は前年比+3.3%と前回の+3.5%より小幅低下の見通し。RBAのインフレ目標(2-3%)に一段と近づく場合は来月18日のRBA理事会での利下げも意識されるだけに注意が必要だろう。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39410 +340 (+0.87%)
TOPIX先物 2770.0 +18.0 (+0.65%)
シカゴ日経平均先物 39410 +340
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
28日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。中国の新興企業ディープシークが開発した生成AIの新モデルが米ハイテク企業の優位性を脅かすとの懸念から前日に急落したエヌビディア
半面、トランプ大統領が半導体や医薬品、鉄鋼製品などの関税を引き上げると表明するなど、トランプ政権による関税政策に対する警戒感が上値を抑える場面もみられた。関税引き上げによる他国との貿易摩擦や消費への影響などが懸念された。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディアのほか、AI開発コストの低下による恩恵が期待されてセールスフォース
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比340円高の3万9410円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比100円高の3万9170円始まり、その後は3万9070円~3万9250円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後に軟化し、一時3万8940円と下落に転じる場面もみられた。ただし、売り一巡後はリバウンド基調が強まり、終盤に3万9430円まで買われ、3万9410円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは75日移動平均線(3万9050円)を上回って始まり、同線を割り込む場面もみられたが、その後の切り返しによって25日線(3万9300円)を上回って終えた。前日の下落局面(ナイトセッションを含む)でボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)を割り込んだことで値幅調整としては一巡感が意識されており、自律反発が期待される。
エヌビディアの反発が安心感につながるなか、アドバンテスト<6857.T>[東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が日経平均型を牽引することになりそうだ。同社はきょう決算発表を控えていることもあり、ショートカバーを強めてくるようだと、センチメントを明るくさせる可能性がある。ハイテク株のリバウンド基調が強まる局面では、ショートカバーを誘う動きに向かわせよう。
日経225先物は25日線水準での攻防が見込まれ、同線での底堅さが意識されてくるようだと、+1σ(3万9810円)が射程に入ってくる。一方で、戻りの鈍さが警戒されたとしても、75日線水準では押し目待ち狙いのロング対応とみておきたい。そのため、オプション権利行使価格の3万9125円から3万9875円のレンジを想定する。
28日の米VIX指数は16.41(27日は17.90)に低下した。一時18.39まで切り上がる場面もみられたが、その後は低下傾向となり、75日線(16.85)、25日線(16.65)を割り込み、200日線(16.18)に接近してきた。パニック的な動きが落ち着きをみせてくるなか、リスク選好が強まりやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.16倍(前日は14.34倍)に急低下した。一時14.12倍まで下げており、昨年12月2日以来の水準まで低下。値がさハイテク株の弱さが目立つなか、連日でTOPIX型優位の状況だった。本日はハイテク株の買い戻しが意識されて、NTショートを巻き戻す動きが先行しよう。ただし、200日線(14.23倍)辺りで抑えられるようだと、NTショートに傾きやすくなりそうだ。
29日の香港株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月3日から再開される。
29日の中国株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月5日から再開される。
昨日の海外市場では、DeepSeekショックも一日の動揺で終わり、ナスダックは2%を超える大幅な上昇。ドル円はFOMCを控えていることもあってか、米長期金利の動向に左右されながらも全般大人しい動きに終始しました。欧州時間に155.98円まで値を上げたものの、その後は米長期金利が上昇幅を消す動きとなると155.05円まで下押し。その後は株価が回復するにつれて155.76円まで買戻されるといった方向感のない展開となりました。引けにかけては155.60円を挟んだもみ合いに終始しています。
アジア時間に入ってからも、香港、シンガポールが休場。スポ末とあって仲値に向けて本邦実需の買いが断続的に観測されるとNY時間の高値を上抜けて一時155.79円まで値を上げたものの、その後は155.48円まで下押すなど、「全くやる気のない展開」が続いているといったところです。
いずれにしても、今夜はFOMC。ただ、市場では「完全なノーイベントとなる可能性が高い」との声も聞かれているわけで、DeepSeekショック、一部では米国が旧ソ連に人類初の人工衛星打ち上げで先を越されたことにあやかって、スプートニクモメントなる呼び声も出てはいるものの、トランプ米大統領はイーロンマスクに宇宙ステーションに取り残されている宇宙飛行士を迎えにいくように指示するなか、市場では突然のリスクオフからの自浄的回復を進めているところです。
日経225先物は11時30分時点、前日比180円高の3万9250円(+0.46%)前後で推移。寄り付きは3万9410円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9410円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後には3万9460円まで買われたが、買い一巡後は25日移動平均線(3万9290円)辺りでの攻防となった。中盤にかけて同線を下抜け、一時3万9140円まで上げ幅を縮める場面もみられたが、下値は75日線(3万9040円)が支持線として意識され、終盤にかけて下げ渋る動きから25日線近辺での推移をみせている。
エヌビディア
NT倍率は先物中心限月で14.12倍に低下した。14.20倍と反発して始まり、一時14.22倍をつける場面もみられたが、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、テクニカル面からドル円について考察している。日足一目均衡表による現状分析に基づくと、ドル円は昨年9月以降のドル高・円安トレンドが1月27日時点で継続中。しかし、売りシグナル3つのうち既に2つが点灯しており、トレンドは辛うじて維持できている状態で正念場を迎えているとのこと。三菱UFJMSでは、一目均衡表の「雲」を割り込むと三役逆転で短期的に円高が進むリスクがあるとみており、その際は150円割れの可能性もあると指摘している。
本日のロンドン市場でのユーロドルは、本日から明日にかけて予定されている米・欧での金融政策発表を前に様子見ムードが漂いやすいと見る。
現時点での市場予想は、米は金利据え置き、欧は0.25%利下げとなっている。通常であれば声明で今後の金融政策の方向性が注目されるが、今回は20日にトランプ米大統領が就任した直後であり、声明で米大統領就任による経済への影響についてどのような見解を示すかも、注目点の一つとなっている。それらを見定めようとする動きが強まるようだと、商いが手控えられれやすくなると見る。そうなると、ユーロドルは東京市場に続き1.04ドル台前半でビッグイベント待ちとなる事もありえる。
また、主だった経済イベントは2月独GFK消費者信頼感調査くらいと少なめ。インパクトは小さく、相場への影響は限られそう。欧州金融当局者の発言も特に予定されておらず、手掛かり材料難の様相となっている。
他方、スウェーデン中銀(リスクバンク)が政策金利を発表予定。市場予想は0.25%引き下げて2.25%にすると見られている。もし引き下げられると5回連続となる。昨年12月の理事会の声明で「2025年前半にもう一度金利が引き下げられる可能性」との見方が示される中、8日の12月消費者物価指数(CPI)・前年比がヘッドライン・コア共に予想を下回る伸びに留まったことも、利下げ観測を後押しした模様。声明では今後の金融政策の方向性のほか、トランプ米大統領就任による影響などについても言及があるか気になるところだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル:27日高値1.0533ドル
・スウェーデン・クローナ円:200日移動平均線14.34円
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.0356ドル
・スウェーデン・クローナ円:日足一目均衡表・雲の上限14.00円
ドル円:1ドル=155.01円(前営業日NY終値比▲0.53円)
ユーロ円:1ユーロ=161.85円(▲0.39円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0441ドル(△0.0011ドル)
日経平均株価:39414.78円(前営業日比△397.91円)
東証株価指数(TOPIX):2775.59(△18.69)
債券先物3月物:141.15円(▲0.03円)
新発10年物国債利回り:1.190%(横ばい)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。仲値前後で155.79円まで上昇する場面があったものの、昨日高値の155.98円手前では上値の重さが意識された。豪ドル円など一部クロス円の下げにつれたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控える中で持ち高調整売りなども進み、一時155.00円まで下押しした。
・豪ドル円は弱含み。10-12月期豪消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る結果となり、豪準備銀行(RBA)が次回(2月17-18日)会合で利下げに動くとの思惑が意識された。昨日安値の96.84円を下抜けて、一時96.80円まで下押しした。
・ユーロ円は上値が重い。10時過ぎに162.49円まで上昇したが、一巡後はドル円や他のクロス円の下げにつれて161.83円まで押し戻された。
・ユーロドルは小高い。狭い値幅内での動きとなったが、対円などでドル売りが進んだ影響もあり、1.0444ドルまでやや買いが入った。
・日経平均株価は4営業日ぶりに反発。前日の米国株式市場でハイテク株を中心に買い戻しが入り、この日の東京市場でも買いが先行した。寄り付き後には一時430円超高まで上昇。ただ、半導体関連株への買いが続かなかったこともあり、その後はやや伸び悩む場面も見られた。
・債券先物相場は3営業日ぶりに反落。日経平均株価の上昇で安全資産とされる債券需要が弱まった一方、時間外の米長期金利低下を受けた買いが入り、前日終値を挟んだ水準でやや方向感を欠いた。
「ウクライナにおける危機は、ドナルド・トランプ氏が当時米大統領の職に就いていれば防げた可能性がある」(プーチン露大統領)
1月26日、ウクライナの『Strana』紙が、トランプ米大統領が100日間で「ウクライナ戦争を終結させるとする計画」(100 Day Ukraine Peace Plan)を検討している、と報じた。
ウクライナ大統領府は、100日間の和平計画は、現実には存在しない、と否定した。
トランプ米大統領の野望は、ノーベル平和賞だと言われている。
2025年1月、トランプ米大統領は、イスラエルとイスラム組織ハマスが6週間、停戦することなどで合意したことについて、尽力したと報じられている。
そして、ウクライナ戦争の終結案を作成中、だとも報じられている。
プーチン露大統領は、新たに米国の大統領に就任したトランプ氏と紛争について話し合う用意があると述べている。
■「ウクライナ戦争を終結させるための100日計画」
・1月下旬-2月上旬:トランプ米大統領とプーチン大統領が電話会談を行う
・2月-3月:プーチン露大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領が会談する
・4月20日の復活祭まで:停戦を宣言
・5月9日まで:合意された戦争終結の条件に関する宣言を発表
ウクライナ軍はロシア領のクルスクから撤退し、国連の国際平和会議(IPC)が戦争終結のための両国の仲介作業を開始する。ウクライナ政府には戒厳令の延長や動員を行わないよう要請する。
・ウクライナのNATO加盟を禁じ、中立を宣言すること
・2030年までにウクライナがEUの一員となること
・EUが戦後の復興を支援すること
・ウクライナは自国の軍隊の規模を維持し、アメリカから軍事支援を受け続けることができる
・ロシアによる占領地を奪還しようとする軍事的・外交的試みを放棄し、占領地に対するロシア連邦の主権を公式に承認する
・西側の対ロ制裁は、終戦協定の遵守状況によっては3年以内に解除される可能性
・ロシアの石油・ガスのEUへの輸出制限は解除される代わりに特別関税を課し、その収入はウクライナの復興に充てられる
大阪3月限
日経225先物 39590 +520 (+1.33%)
TOPIX先物 2779.5 +20.5 (+0.74%)
日経225先物(3月限)は前日比520円高の3万9590円で取引を終了。寄り付きは3万9410円とシカゴ日経平均先物清算値(3万9410円)にサヤ寄せする形で、買いが先行して始まった。現物の寄り付き直後に3万9460円まで買われたが、買い一巡後は25日移動平均線(3万9300円)辺りでの攻防となった。前場中盤にかけて同線を下抜け、一時3万9140円まで上げ幅を縮める場面もみられた。
ただし、下へのバイアスは強まらず、前場終盤にかけては25日線近辺での推移となった。ランチタイムで軟化し、現物の後場開始直後に再び3万9140円まで上げ幅を縮小したものの、底堅さが意識されてショートカバーを誘う格好となり、終盤に上げ幅を広げ、3万9590円と日中の高値で取引を終えた。
米国市場でのエヌビディア
だが、後場終盤にオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング
日経225先物は節目の3万9500円を回復してきた。同水準では強弱感が対立しやすいとみられるが、25日線辺りが支持線として機能すると、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9830円)とのレンジ推移になりそうだ。節目の3万9500円から25日線辺りでは押し目狙いのロング対応とし、3万9500円が支持線として意識されてくる局面では、+1σを目先のターゲットとしたロングが強まりそうだ。
なお、アドバンテストは引け後に、2025年3月期の業績予想を上方修正した。生成AI半導体向けの試験装置の需要が拡大し、関連製品や保守サービスも伸びたことで、営業利益を従来予想の1650億円から2260億円に引き上げた。PTS(私設取引システム)では6%を超える上昇で推移しており、ADR(米預託証券)でも強い基調が続くようだと、ナイトセッションでロングに傾きやすいだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇した。反発して始まったが、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で一時14.11倍まで下げるなど、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせた。ただし、後場終盤にかけて値がさハイテク株が買い戻されたことで、一気にNTショートを巻き戻す動きが強まった。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5674枚、ソシエテジェネラル証券が1万3089枚、SBI証券が4083枚、サスケハナ・ホンコンが3462枚、バークレイズ証券が2343枚、JPモルガン証券が1459枚、野村証券が1408枚、日産証券が1378枚、ゴールドマン証券が1301枚、モルガンMUFG証券が1237枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7342枚、ソシエテジェネラル証券が1万2378枚、バークレイズ証券が5066枚、JPモルガン証券が3230枚、モルガンMUFG証券が1923枚、ゴールドマン証券が1443枚、ビーオブエー証券が985枚、野村証券が849枚、みずほ証券が691枚、SBI証券が556枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領による突発的な発言に警戒しながらの取引は依然として変わらず。ただ最も重要なイベントは、明朝の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見。その前、ニューヨーク前半のカナダ中銀会合にも目を向けておきたい。
FOMCでは、FF金利誘導目標4.25-50%の据え置きはほぼ確実視されている。ポイントは、昨年12月のドット・プロット(金利予測分布図)やCME「フェドウオッチ」が示す今年の利下げ2回(※FF金利誘導目標3.75-4.00%)への言及となる。また、2022年半ばに開始した量的金融引締政策(QT、バランスシート圧縮)の終了時期が示されるのか否かも、市場参加者は気にかけているようだ。
先週のダボス会議でトランプ米大統領は「石油輸出国機構(OPEC)に引き下げを要請する」と述べ、「要求が通れば、FRBにただちに利下げを要請する」と表明。対内的にもエネルギー政策の転換を宣言し、原油と天然ガスの採掘の促進(ドリル・ベイビー・ドリル)とアピールしている。明朝のパウエルFRB議長の記者会見では、トランプ大統領の意図通りに原油価格が下落した場合、その利下げの余地に関する見解に気を付けておきたい。
なお、第1次トランプ米政権で指名され、次期FRB議長の候補でもあるウォラーFRB理事は、先日「インフレの良好な数字が続けば、今年の前半に利下げがなされるのが妥当と考えるだろう。3月利下げの可能性も完全には排除しない」と述べていた。FOMCでは、ウォラーFRB理事が利下げに票を投じるのか否かにも確認が必要だろう。
カナダ中銀(BOC)会合については、現行3.25%の政策金利を3.00%に引き下げ決定が大方の見立て。予想通りであれば、6会合連続の引き下げとなる。カナダでは、足もとのインフレが再び鈍化し、さえない経済データも目立ってきた。くわえて、トランプ関税がまもなく発動する可能性が高まっており、カナダ経済の先行き不透明感が深まっている。そういったなか、マックレムBOC総裁がどのような見解を示すか注目される。
想定レンジ上限
・ドル円の上値目処(めど)、156.30円(日足一目均衡表・基準線)
・ドル/カナダドル(CAD)、21日高値1.4516CAD
想定レンジ下限
・ドル円の下値目処(めど)は、154.24円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ドル/カナダドル、20日安値1.4261CAD
SMBC日興証券では、日本政府が3月に任期満了となる安達誠司日銀審議委員の後任に小枝淳子氏を充てる人事案を国会に提示したことを受けてリポートしている。小枝氏は過去の論考において金利上昇の必要性を指摘しているとのこと。ハト派の安達委員から中間派の小枝氏の交替が実現すれば、政策委員構成においてハト派色が薄れると指摘している。一方、安達審議委員の過去の投票行動まで踏まえれば、実質的に大きな差異は生じない可能性が高いともコメント。政策委員におけるスタンスの重心の変化を考える上では、ハト派色が最も濃く6月30日に任期切れを迎える中村委員の後任こそ重要とSMBC日興では考えている。
SMBC日興証券では、中国の1月製造業PMIを受けてリポートしている。1月は49.1と昨年12月の50.1から急低下した。過去のデータからは春節前の1月に製造業PMIは低下することが多いとのこと。2025年1月は春節前の月にも関わらず、主要産業の稼働率の低下幅はそれほど大きくない印象を受けたとSMBC日興ではコメントしている。ただし、受注の減速幅は大きいと指摘。特に新規輸出受注指数は46.4と、昨年12月の48.3からさらに低下した。輸出の先行指標である韓国の輸出額や港湾の貨物量もやや弱く、関税環境が不透明な中、消費や投資の刺激策がさらに重要になるとSMBC日興では考えている。
今晩は金融政策に注目。昨日はディープシーク・ショックで前日に急落したエヌビディアなどが大きく反発し、ナスダック総合が2.03%高と大幅反発した。S&P500も0.92%高と反発し、ダウ平均は136.77ドル高(+0.31%)と2日続伸した。週初からの2日間ではダウ平均が0.96%高となった一方、S&P500が0.55%安、ナスダック総合が1.11%安となった。センチメントは改善。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の17.90ポイントから16.41ポイントに低下した。
今晩の取引では先行きの金融政策の見通しを巡り取引時間午後に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まる。今会合ではCMEのフェドウォッチ・ツールの利下げ確率がほぼ0%と、政策金利の据え置きが確実視されているが、先行きの利下げ見通しを巡り会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長記者会見が注目される。トランプ米大統領は就任後のダボス会議で政策金利は直ちに引き下げられるべきだと発言しており、パウエルFRB議長の記者会見が利下げに前向きなハト派的な内容となるか否かが焦点となりそうだ。決算発表は引け後にメタ、IBM、マイクロソフト、テスラのマグニフィセント・セブンの一角が発表予定で、引け後の動きにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントはFOMC結果公表、パウエルFRB議長記者会見のほか、MBA住宅ローン申請指数、12月卸売在庫速報値など。決算発表は寄り前にスターバックス、TモバイルUS、ノーフォーク・サザン、引け後にメタ、IBM、マイクロソフト、テスラ、IBM、ウエスタン・デジタルなどが発表予定。
日経平均株価は反発。10日移動平均線(39248円 1/29)や25日移動平均線(39286円 同)上を回復する陽線を形成して終えた。
RSI(9日)は前日の60.6%→64.1%(1/28)へ上昇。あすも上昇しやすいタイミングとなる。前日からの見方に大きな変化はないが、一目均衡表の雲上限(39231円 同)の上を回復しており、1/27安値~1/24高値までの上昇幅に対する半値押し(39167円)前後で下げ止まった状態を維持できるかが重要。あすは一目均衡表の転換線(39167円 同)が上向くことで、株価に好影響を与えるかが注目される。
上値メドは、心理的節目の39500円や40000円、1/24高値(40279円)、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、心理的節目の39000円、100日移動平均線(38677円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円などがある。
(29日終値:30日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.05円(29日15時時点比△0.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.58円(▲0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0421ドル(▲0.0020ドル)
FTSE100種総合株価指数:8557.81(前営業日比△23.94)
ドイツ株式指数(DAX):21637.53(△206.95)
10年物英国債利回り:4.621%(△0.007%)
10年物独国債利回り:2.583%(△0.018%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
▲22.4 ▲21.4・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは下げ渋り。2月独消費者信頼感指数(Gfk調査)が予想を下回るとユーロ売り・ドル買いが先行。ドイツ政府が今年の成長率予測を1.1%から0.3%に下方修正したことも相場の重し。欧州中央銀行(ECB)が明日30日の定例理事会で利下げを決めるとの観測もユーロ売り・ドル買いを促し、22時30分前に一時1.0383ドルと日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり1.0429ドル付近まで下げ渋った。本日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前にポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入った。
・ドル円は小幅安。本日のFOMC結果公表を前に様子見ムードが強く、しばらくは大きな方向感が出なかった。ただ、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに向けて円買い・ドル売りのフローが観測されると一時154.94円と日通し安値を付けた。FOMC結果公表を前にポジション調整目的のドル売りも出た。
・ユーロ円は22時30分過ぎに一時161.31円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり161.82円付近まで下げ渋った。ユーロドルにつれた動きとなった。
・米ドルカナダドルは伸び悩み。カナダ中銀(BOC)による利下げ観測を背景に全般カナダドル売りが先行すると、23時過ぎに一時1.4472カナダドルまで値を上げたものの、買い一巡後は徐々に売りが優勢となり、1.4404カナダドル付近まで下押しした。
なお、BOCはこの日、政策金利を現行の3.25%から0.25%引き下げて3.00%にすることを決めたと発表。市場の予想通りとなった。声明では「米新政権による貿易関税の脅威により、通常よりも不確実性にさらされている」「経済は徐々に強まり、インフレは目標近辺で推移すると予想される」「しかし、広範囲にわたる大規模な関税が課された場合、カナダ経済の回復力が試されることになる」と指摘し、トランプ政権の通商に関する具体策がより明確になるまでは、金融政策のさらなる調整は行わない可能性を示唆した。
・ロンドン株式相場は3日続伸。FOMC結果公表を控えて様子見ムードが漂う中、小幅ながら上昇した。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値上がりした。
・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米国株相場や本日の日本株相場の上昇を受けて、独株にも買いが波及した。個別ではダイムラー・トラック・ホールディング(7.57%高)やシーメンス・エナジー(4.93%高)、ドイツテレコム(4.65%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。
29日の日経平均は4日ぶり大幅反発。終値は397円高の39414円。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり856/値下がり742。フジメディアが商いを伴って7%を超える上昇。ソニーGが上場来高値を更新した。直近で売り込まれた半導体・電線では、アドバンテストのほか、古河電工やSCREENの動きが良かった。3Q決算が好感された東光高岳が急伸。ジオコードがリリースを材料にストップ高まで買い進まれた。
一方、主力どころではIHIや任天堂が軟調。ローム、太陽誘電、京セラなどハイテク株の一角が売りに押された。日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社がそろって下落。3Q決算が失望を誘った日清製粉Gが大幅安となった。
日経平均は大幅高。序盤と終盤の動きが良く、大きく水準を切り上げた。寄った後に高く始まった半導体株や電線株が失速したが、そこで指数が大崩れしなかったことで、下値不安が大きく後退した。後場に一段高が見られたことで、終値(39414円)では25日線(39286円、29日時点)を上回った。
本日は米国でFOMCの結果が公表される。今回は政策金利の据え置きが濃厚で、その織り込みも進んでいる。注目はパウエルFRB議長の会見となるが、直前でエヌビディアなど半導体が急落しているだけに、マーケットを不安にさせるような発言は控えるだろう。引け後にはマイクロソフト、テスラ、メタなどが決算を発表予定で、あすの東京市場ではこれらの時間外の反応を消化することになる。国内では本日引け後にアドバンテストが上方修正や増配を発表している。
FOMCを波乱なく消化し、米主力グロース株の時間外の反応が強ければ、投資家のセンチメントは一気に強気に傾くと思われる。一方、FOMCが米国株の売り材料になってしまった場合や、米主力グロース株の時間外の反応が著しく悪かった場合には、リスク回避ムードが強まる展開も想定される。各種材料からは大型グロース株の動向が大きく注目される。あすは日経平均が改めて4万円より上を試しにいけるかどうかの分岐点となるかもしれない。
29日15:12 石破首相
「為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」
「デフレ脱却に向けた歩み着実に進んでいる、日銀と認識の相違ない」
「昨年来の日銀政策変更、賃金と物価の好循環などの広がりが背景」
29日16:43 加藤財務相
「ベッセント米財務長官と為替について緊密に協議することを確認した」
「地政学な諸課題についても議論した」
29日23:50 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「理事会は政策金利を0.25%引き下げ、バランスシートの正常化を完了し、量的引き締めを終了する計画を発表」
「3月初めに資産購入を再開する。バランスシートが安定し、その後経済成長にあわせて緩やかに増加するよう徐々に開始する」
「急速に変化する政策環境、特に米新政権による貿易関税の脅威により、通常よりも不確実性にさらされている」
「世界経済は今後2年間で約3%の成長を続けると見込む」
「米国の成長率は、主に消費の伸びにより上方修正された」
「米国の債券利回りは、力強い成長とより持続的なインフレにより上昇」
「カナダの利回りはわずかに低下している」
「カナダドルは、主に貿易の不確実性と米ドルの全般的な強さを反映して、米ドルに対して大幅に下落」
「カナダでは、過去の金利引き下げが経済を押し上げ始めている」
「労働市場は依然として軟調で、12月の失業率は6.7%である」
「雇用の伸びは、1年以上労働力の伸びに遅れをとった後、ここ数カ月で強まっている」
「GDPは2025年に強まると予測している」
「CPIインフレ率は2%近くで推移している」
「CPIインフレ率が今後2年間で2%の目標付近になると予測」
「米国の関税の脅威を除けば、見通しに関する上振れリスクと下振れリスクは十分にバランスが取れている」
「本日発表された見通しでは、経済は徐々に回復し、インフレは目標に近い水準にとどまると見込まれている」
「しかし、広範囲かつ大幅な関税が課された場合、カナダ経済の回復力が試されることになる」
「我々は動向を注意深く見守り、カナダの経済活動、インフレ、金融政策への影響を評価していく」
「国民の物価安定を維持することに尽力する」
30日01:04 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「関税の脅威がなければ、インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡」
「これまでのカナダドルの下落は貿易の不確実性によるところが大きい」
「カナダドルの下落は何らかの影響を及ぼし始めるだろう」
「関税の脅威が我々の決定に重くのしかかったことは間違いない」
30日01:16 ラトニック米商務長官候補
「関税は公平性を生み出すために利用できる 」
「一律関税の方が望ましい」
※時間は日本時間
2025/01/30 05:26
30日04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)声明
「最近の指標は、経済活動が引き続き堅調なペースで拡大していることを示している」
「失業率はここ数カ月、低水準で安定しており、労働市場の状況は引き続き堅調」
「インフレ率はやや高止まりしている」
「委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す」
「委員会は、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクがほぼ均衡していると判断」
「経済の見通しは不確実で、委員会は2つの使命の両面に対するリスクを注視している」
「目標を支援するため、委員会はFF金利の目標誘導レンジを4.25-4.50%で据え置くことを決定した」
「FF金利の目標誘導レンジに対する追加調整の程度と時期を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する」
「委員会は保有する米国債およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける」
「委員会は雇用最大化を支援し、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む」
「金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する」
「もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある」
「委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する」
「今回の金融政策決定は全会一致」
30日04:36 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長
「経済は全体的に堅調」
「インフレ率は2%の目標に近づいたが、依然としてやや高い」
「失業率は4.1%で低水準を維持」
「政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」
「インフレへのリスク、雇用目標はほぼ均衡」
「FRBは金融政策のフレームワーク見直しの議論を開始」
「FRBは夏の終わりまでに見直しを終える予定」
「インフレ目標は見直しの焦点にはならない」
「政策見直し後もFRBの2%インフレ目標は維持される」
「金利についてトランプ大統領と連絡を取っていない」
「金利に関するトランプ大統領の発言についてコメントを控える」
「FRBの政策は適切」
「労働市場は実に幅広く安定している」
「さらなる金利変更を検討するにはインフレの実質的な進展、または労働市場の弱さを確認する必要がある」
「インフレに関する文章を短縮することを選択しただけ」
「インフレに関する文言はシグナルを送るためのものではない」
「移民、関税、財政政策で何が起こるか分からない」
「FOMCはどのような政策が施行されるか見守っている」
「現状よりかなり多くのことが分かるまで行動しない」
「FRBは12カ月間のインフレの進展を確認する必要がある」
「政策金利は中立水準を有意に上回ると言える」
「追加利下げはインフレ2%達成を待つ必要ない」
「現在の資産価格は高水準にあると多くの指標が示している」
※時間は日本時間
日米両政府は2月7日に米ワシントンで石破茂首相とトランプ大統領が初めて会談する方向で最終調整に入ったと朝日新聞が伝えた。
(29日終値)
ドル・円相場:1ドル=155.22円(前営業日比▲0.32円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.76円(▲0.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0421ドル(▲0.0009ドル)
ダウ工業株30種平均:44713.52ドル(▲136.83ドル)
ナスダック総合株価指数:19632.32(▲101.27)
10年物米国債利回り:4.53%(横ばい)
WTI原油先物3月限:1バレル=72.62ドル(▲1.15ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2769.8ドル(△2.3ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) ▲2.0% 0.1%
12月米卸売在庫
(前月比) ▲0.5% ▲0.1%・改
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利
4.25-4.50%で据え置き 4.25-4.50%
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前にポジション調整目的の売りが先行。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りのフローが観測されると一時154.94円と日通し安値を付けた。
米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通り政策金利を4.25-4.50%で据え置くことを決めたと発表。声明では、労働市場についての認識を「概して緩みつつある」から「堅調」に修正。インフレに関しては前回と同様に「幾分高止まりしている」としたものの、「2%の目標に向けて進展してきた」との表現を削除した。FRBが今後の利下げに慎重な姿勢を示したとの受け止めから、米長期金利の上昇とともにドル買いが入ると155.61円付近まで値を上げる場面があった。
ただ、パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見で、インフレに関する文言削除について「特に何かを示唆するものではない」と説明すると再び上値が重くなった。なお、パウエル氏は「経済が堅調であるため、政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」とし、「追加利下げにはさらなるデータが必要だとの見方は変わっていない」と話した。
・ユーロドルは小幅ながら3日続落。欧州中央銀行(ECB)が明日30日の定例理事会で利下げを決めるとの観測を背景にユーロ売り・ドル買いが進行。22時30分前に一時1.0383ドルと日通し安値を付けた。
売り一巡後は買い戻しが優勢となり1.0429ドル付近まで下げ渋ったものの、大きな方向感は出ず。FOMCの結果やパウエルFRB議長の発言後も売買が交錯し、相場はもみ合いとなった。
・ユーロ円は反落。22時30分過ぎに一時161.31円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり161.84円付近まで下げ渋った。ユーロドルと似た動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。FRBがFOMC声明で「今後の利下げに慎重な姿勢を示した」との受け止めが広がると株売りが優勢となった。指数は一時270ドル超下落する場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落。「トランプ米政権はエヌビディアの中国販売抑制の厳格化を協議」との一部報道が伝わると、ハイテク株に売りが出た。
・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。FOMC結果公表後は売りが優勢となったものの、売り一巡後は一転買い戻しが入り持ち直した。
・原油先物相場は反落。リビアの石油港での抗議活動が協議後に解決したことを受けて、供給不安懸念が弱まったことで売りが先行した。また、米加墨の通商摩擦で、カナダやメキシコからの原油輸入に大幅な関税をかけると、米国の精製品の価格が上昇する可能性が高く、貿易戦争が世界経済の成長に打撃を与える可能性が高いため、エネルギー需要が落ち込む可能性があることも売り要因となっている。なお、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫はまちまちな結果だったことで、市場の反応は限られた。
・金先物相場は続伸。米経済の不透明感が支えとなり続伸して引けた。もっとも、FOMCの結果発表や、そのあとのパウエルFRB議長の会見を待つ展開になり、限られた値幅での取引となった。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39270 -320 (-0.80%)
TOPIX先物 2765.0 -14.5 (-0.52%)
シカゴ日経平均先物 39270 -320
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
29日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定した。声明文で今後の利下げに慎重な姿勢を示し、市場はタカ派的と受け止めた。FOMCの結果公表後には米長期金利が上昇する場面もみられ、NYダウの下げ幅は一時200ドルを超えた。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア
そのほか、セールスフォース
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比320円安の3万9270円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円安の3万9560円始まり、直後につけた3万9610円を高値に、3万9450円~3万9550円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後に下へのバイアスが強まり、中盤にかけて3万9130円まで下げ幅を広げる場面もみられた。ただし、終盤にかけて下げ幅を縮めており、3万9270円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。FRBはFOMCで政策金利を据え置き、声明文で利下げペースが鈍化するとの見方が広がったが、予想の範囲内と考えられ、影響は限られよう。ただし、エヌビディアの下落が指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷となる。
また、取引終了後に決算を発表したマイクロソフトが時間外取引で下落していることも神経質にさせそうだ。一方で、ラムリサーチ
日経225先物は25日移動平均線(3万9310円)をキープできなかったものの、75日線(3万9050円)が支持線として意識されており、本日も25日線辺りでの攻防になりそうだ。ディープシークによるパニック的な売りは落ち着いたとみられ、短期的なショートから75日線に接近する局面では押し目狙いのロング対応としたい。
そのため、オプション権利行使価格では3万9125円から3万9625円のレンジを想定する。売り一巡後に25日線回復から底堅さをみせてくる局面では、ロングを強めてくる可能性がありそうだ。
29日の米VIX指数は16.56(28日は16.41)に上昇した。一時18.08まで切り上がる場面もみられたが、その後は低下傾向となり、200日線(16.18)が支持線として機能したものの、75日線(16.81)、25日線(16.64)を下回って終えた。FOMC通過によるアク抜けも意識されてくると考えられ、リスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇した。反発して始まり、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で一時14.11倍まで下げるなど、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせた。ただし、ASMLホールディング
29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んで一時154.94円まで下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通り政策金利は4.25-4.50%で据え置かれた。声明でFRBが今後の利下げに慎重な姿勢を示したとの受け止めから、米長期金利の上昇とともに155.61円付近まで上昇。ただ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見で、インフレに関する文言削除について「特に何かを示唆するものではない」と説明すると再び上値が重くなった。ユーロドルは欧州中央銀行(ECB)が明日30日の理事会で利下げを決めるとの観測を背景に1.0383ドルまで下落。売り一巡後は買い戻しが優勢となり1.0429ドル付近まで戻すなど、大きな方向感は出なかった。
本日の東京市場でのドル円は、日米の金融イベントを通過したこともあり、米長期金利や株式市場の反応を見ながら方向感を探る展開が見込まれる。
昨日のFOMC声明は「今後の利下げに慎重な姿勢を示した」との受け止めが広がったことで、米国株の主要3指数はそろって反落する展開となった。米株安が東京市場でも意識されるようならば、クロス円主導でドル円の上値を重くする可能性がある。
また、米10年債利回りは声明を受けて上昇する場面が見られたが、上昇が一服すると押し戻されるなど方向感が定まらなかった。ただ、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループの「フェドウオッチ」が示す次回3月の金利据え置き観測は8割と前日の7割弱から上昇しており、早期利下げ観測は一段と後退している。このことを背景として米長期金利が上昇する場面では、ドル円を押し上げることも考えられる。
15時10分頃からになるが、氷見野日銀副総裁の講演が予定されている。前週末に日銀会合を消化したほか、28日に日銀が発表した12月の基調的なインフレ率を捕捉するための指標では、「刈込平均値」が+1.9%、「加重中央値」も+1.0%といずれも2カ月連続で前月を上回った。インフレ見通しを始め金融政策への言及があれば材料視されるかもしれない。
そのほか引き続き注意が必要なのは、トランプ米政権の政策だろう。昨日はトランプ政権当局者が「エヌビディアの中国販売抑制の厳格化を協議」との報道が伝わると、エヌビディア株とナスダック総合が一時急落し、クロス円も下押す場面が見られた。トランプ氏が「アメリカ・ファースト」を掲げている以上、関税を始めとした政策を受けて神経質な展開を迫られることには備えておきたい。
30日の香港株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月3日から再開される。
30日の中国株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月5日から再開される。
SMBC日興証券では、1月のFOMCを受けてリポートしている。FRBは金融政策運営を据え置いたが、当然の様子見とSMBC日興では捉えている。今後に関しては金融政策スタンスの調整を急ぐ必要はなく、3月会合で追加利下げに至る可能性は極めて低いとみている。ただし、インフレ率の低下を実績として確認した後にFRBは追加利下げに動くと予想。トランプ政権の経済政策がはらむ不確実性は高いとしながらも、基本シナリオとして4-6月期と7-9月期、10-12月期に25bpが1回ずつ、合計75bpの利下げをFRBが2025年に講じると見込んでいる。
ワシントンDCのレーガン・ナショナル空港(DCA)付近で航空機事故が発生したとの一部報道が伝わっている。商業用ジェット機がヘリコプターと衝突した模様で事故機はポトマック川に墜落したとされているが、詳細はまだ確認されていないとのこと。なお、民間航空局が離着陸を停止させる措置を行っているとも報じられている。
日経225先物は11時30分時点、前日比100円安の3万9490円(-0.25%)前後で推移。寄り付きは3万9260円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9270円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。現物の寄り付き直後には3万9210円まで売られたがナイトセッションでつけた安値(3万9130円)は下回らず、底堅さが意識された。中盤にかけて25日移動平均線(3万9320円)を上回っての推移が続くなか、終盤に一時3万9520円まで下げ幅を縮めている。
エヌビディア
NT倍率は先物中心限月で14.20倍に低下した。一時14.22倍をつける場面もみられたが、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせている。
昨日の海外市場では、市場の予想通り、FOMCはほぼ無風で終わったわけですが、市場が敢えて意識したことといえば、声明文から「インフレは2%の目標に向けて進展している」との文言が削除された点。声明文では通常、第一段落において経済情勢についての見解がまとめられているわけですが、インフレについての言及はかかる文言を削除した上で「インフレ率はやや高止まりしている」だけの表現となりました。
ドル円は一時155.61円まで買われたものの、その後にパウエルFRB議長が定例記者会見で「草稿上の変更であって見通し変更のシグナルを送る意図はない」ことを表明すると戻り売りといった反応。また、3月利下げは議論しているのか?との質問に対しては「広い意味での委員会の認識では政策調整を急ぐ必要はない」と答えています。
いずれにしても、想定内の動きではありますが、インフレに対する文言の削減は、変更のシグナルではないとはいえ、明らかに当局からのメッセージであって、それはまさに、「しばらくは変更を検討する必要がない」ということ。日銀とのコミュニケーションに絶望感を抱く市場にとっては、何とも安堵感を与える結果となりました。
そして、ゴトー日の東京市場では、香港、シンガポールが休場とあって流動性に問題を抱えるなか、本邦輸出の売りが目立つ動き。昨日安値の154.94円を下抜けたことから、目先は短期筋のSLも巻き込むかたちで下げ足を速め一時154.29円まで値を下げるなど、「意外と値幅を作る動き」となっていますが、月末絡みのフローが一巡した後は、一目雲上限が位置する154.49円付近を意識する動きとなっていきそうです。
トランプ米政権は、半導体大手エヌビディアの中国向け販売に追加的な規制の導入を検討しているもようだ。ただ、検討は初期段階にあるという。『AAストックス』が30日伝えた。
関係者によると、エヌビディアが現行規制に準拠して中国向けに設計した半導体「H20」にも規制を拡大する可能性がある。「H20」は人工知能(AI)ソフトウエアやサービスの開発、運用に使用できる。現時点では規制対象になっていない。
東海東京インテリジェンス・ラボではユーロ相場についてリポート。ユーロは対ドルで一時1ユーロ=1.0170ドル台まで下落後に1.05ドル台まで反発し、足元は1.04ドル台で推移。一方、対円では概ね1ユーロ=160~164円台でレンジ取引を形成しているとのこと。「DeepSeek」ショックを受けた米金利低下に伴うドル安により、ユーロはいったんパリティ(1ユーロ=1ドル)割れを免れた格好。ただし戻りは鈍く、パリティ割れの可能性は依然くすぶっていると東海東京ではコメントしている。
本日は欧州で多数の経済イベントが予定されているが、その中で最も注目されるのは、欧州中銀(ECB)理事会だろう。
今回のECB理事会について、市場予想は政策金利を0.25%引き下げて2.90%にすると見られている。金利先物市場では今年末のECBの政策金利について、0.25%の利下げが今回を除いて約3回織り込まれる水準となる中、声明やラガルドECB総裁会見でどのような見通しが示されるか注目したい。
また、ラガルドECB総裁は前回の会見でインフレ抑制について、中期的には2%の物価目標に向けて順調に進んでいるとの見方を示した。今回も緩和的な金融政策の継続を示唆することがあれば、当面の金利据え置き観測が浮上している米国との金融政策の方向性の違いが、ユーロドルの重しとなる事も考えられる。
ただし、前回の声明で「特定の金利経路を事前にコミットしない」としたように、今後の金融政策についての言質を与えないことも考えられる。そのほかトランプ米大統領が就任したことで、関税や政策を通した欧州経済への影響についての言及があるかも気になる。
ECB理事会の前に、仏・独・ユーロ圏で10-12月期国内総生産(GDP)速報値の発表も予定されている。今回はECB理事会の陰に隠れてしまいがちだが、ユーロ圏の景況感を推し量る上で結果は確認しておきたいところ。市場予想は前期比で仏が±0.0%、独は-0.1%、ユーロ圏は+0.1%と、いずれも6-9月期からの減速が見込まれている。
他方、南アフリカでも金融政策の発表を控えている。市場予想は政策金利を0.25%引き下げて7.50%にすると見られている。同国の消費者物価指数は、12月こそ+3.0%となったが、10・11月と南ア準備銀行(SARB)の目標レンジ(3-6%)を下回っていた。今後の金融政策の行方について言及があれば材料視されそうだ。そのほか、トランプ政権の政策による南ア経済への影響について言及があるか気になるところだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル:ピボット・レジスタンス2の1.0477ドル。超えると27日高値1.0533ドル
・ランド円:日足一目均衡表・雲の下限8.45円
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.0356ドル。割り込むと14日安値1.0239ドル
・ランド円:27日安値8.22円
ドル円:1ドル=154.48円(前営業日NY終値比▲0.74円)
ユーロ円:1ユーロ=161.00円(▲0.76円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0422ドル(△0.0001ドル)
日経平均株価:39513.97円(前営業日比△99.19円)
東証株価指数(TOPIX):2781.93(△6.34)
債券先物3月物:141.01円(▲0.14円)
新発10年物国債利回り:1.210%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
1780億円の取得超 8184億円の所得超・改
対内株式
7530億円の取得超 690億円の処分超・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。アジア時間を通じて目立った手掛かり材料はなかったものの、月末絡みのフロー主体の動きで売りに押された。昨日安値の154.94円を下抜けると下げ足を速め、一時154.29円まで下押し。その後は154.70円台まで買い戻しが入ったが、戻りは限られた。
なお、氷見野日銀副総裁からは「経済・物価見通し実現していけば、それに応じて金融緩和の度合い調整」「0.5%への利上げ後も実質金利は大幅なマイナス、緩和的な環境は維持される」などの見解が伝わった。
・ユーロ円も弱含み。全般に円買いが進んだ流れに沿って11時30分過ぎに160.84円まで下落し、その後もドル円と同様に戻りは限られた。
・ユーロドルは小動き。15時30分過ぎに1.0411ドルまで下落したものの、ここまでは1.04ドル台前半での狭いレンジ内推移が続いている。
・日経平均株価は続伸。前日の米国株式市場でハイテク株が下落した流れを引き継いで売り先行となったが、一巡後は半導体関連株が持ち直したことを手掛かりに下げ幅を縮小した。株価指数先物への買いが観測されたこともあって指数はプラス圏に浮上。一方で、上値では戻り待ちの売りや利益確定目的の売りに頭を押さえられた。
・債券先物相場は続落。米金利の先高観から日本国債も売りが強まった。日銀の年内利上げ観測が高まっていることも相場の重しとなった。
香港金融管理局(HKMA)は30日、米連邦準備制度理事会(FRB)の動きに合わせて、基準金利を4.75%に据え置いた。基本的に香港ドルが米ドルにペッグ制で連動しているため、香港の金融政策は米国に追随する。HKMAは今後の金利動向について不確実性を指摘し、当面は高水準が続く可能性を示唆。米国では、インフレと雇用データが適切な水準に達するまで金利引き下げを急がない方針が示された。
HKMAは香港の金融・通貨市場が引き続き安定していると述べ、市民に対して不動産購入やローン契約時の金利リスク管理を呼びかけている。トランプ政権の政策影響が不透明な中、米国と香港の金融政策は当面様子見の状態が続くと予想される。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
ブラジル中銀、ガリポロ体制下の初会合も大幅利上げで「タカ派」堅持
次回会合でも同程度(100bp)の利上げに含み、タカ派堅持の一方でレアル相場には不安要因が残る
ブラジル中銀は28~29日の定例会合で4会合連続の利上げを決定した。利上げ幅は2会合連続で100bpと大幅となり、政策金利は13.25%と1年5ヶ月ぶりの水準となる。中銀の金融引き締めや商品高の一巡を受けて、一時18年ぶりの水準に高進したインフレは頭打ちし、中銀は一昨年以降利下げに動いてきた。しかし、利下げによる景気回復や異常気象を受けて昨年後半以降のインフレは再び加速し、足下では中銀目標を上回る推移が続く。さらに、ルラ政権の財政運営への懸念が折からの米ドル高も相俟ってレアル相場の調整を加速させるなど、輸入インフレ懸念もくすぶる。こうしたなかで今月総裁に就任したガリポロ氏もタカ派姿勢を強めており、次回会合でも同程度(100bp)の利上げに含みを持たせる考えをみせる。足下のレアル相場は米ドル高の一服を受けて底打ちしており、実質金利の高さも投資妙味に繋がる一方、ルラ政権の財政運営に対する不透明感がくすぶることを勘案すれば、当面は一進一退の展開をみせる可能性がある。
「私は政策金利について、その決定を主に任されている人物よりはるかによく理解しているのは確かだ。パウエルFRB議長はインフレ問題解決に失敗した」(トランプ米大統領)
1月29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、インフレ率が目標に向けて「進展(progress)」しているとの文言が削除され、パウエルFRB議長が「利下げ急ぐ必要ない」と述べたことで、タカ派的な据え置きとなった。
1. FOMCの金融緩和(2024年~)
【FF金利誘導目標】 【CPI】 【PCE】
・2024年9月:4.75%~5.00%(第1次利下げ)▲0.50% +2.5% +2.5%
・2024年11月:4.50%~4.75%(第2次利下げ)▲0.25% +2.4% +2.1%
・2024年12月:4.25%~4.50%(第3次利下げ)▲0.25% +2.7% +2.3%
・2025年1月:4.25%~4.50%(据え置き)
2.FOMCの金融引締め(2022年~2023年)
【FF金利誘導目標】 【CPI】 【PCE】
・2023年11月;5.25%~5.50%(据え置き)
・2023年09月:5.25%~5.50%(据え置き) +3.7% +3.4%
・2023年07月:5.25%~5.50%(第11次利上げ) +3.2% +3.3%
・2023年06月:5.00%~5.25%(据え置き) +3.0% +3.0%
・2023年05月:5.00%~5.25%(第10次利上げ) +4.0% +3.8%
・2023年03月:4.75%~5.00%(第9次利上げ) +5.0% +4.2%
・2023年02月:4.50%~4.75%(第8次利上げ) +6.0% +5.0%
・2022年12月:4.25%~4.50%(第7次利上げ) +6.5% +5.3%
・2022年11月:3.75%~4.00%(第6次利上げ) +7.1% +5.5%
・2022年09月:3.00%~3.25%(第5次利上げ) +8.2% +6.2%
・2022年07月:2.25%~2.50%(第4次利上げ) +8.5% +6.4%
・2022年06月:1.50%~1.75%(第3次利上げ) +9.1% +6.8%
・2022年05月:0.75%~1.00%(第2次利上げ) +8.6% +6.3%
・2022年03月:0.25%~0.50%(第1次利上げ) +8.5% +6.6%
3. FOMC声明:程度とタイミング(extent and timing)
「雇用とインフレの目標達成に対するリスクはほぼ均衡していると判断している」
「FF金利誘導目標レンジに対する追加的調整の程度とタイミングを検討する上で、今後入手するデータや変化する見通し、リスクのバランスを慎重に見極める」
■インフレに関する表現:2%の目標に向けて「進展progress」したとの文言は削除
・1月「インフレは幾分高止まりしている」
・12月「インフレは委員会が目指す2%の目標に向けて進展を示したが、依然として幾分高い水準にある」
■労働市場に関する表現
・1月「失業率はここ数カ月低水準で安定しており、労働市場の状況は堅調を維持している」
・12月「労働市場の状況はおおむね緩和してきた。失業率は上昇したが低いままだ」
4.パウエルFRB議長:利下げ急ぐ必要ない
「金融政策スタンスが景気を抑制する度合いは以前より大幅に弱まっており、経済は強さを維持していることから、政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」
「委員会はどのような政策が実施されるかを見守る姿勢だ。そうした政策が経済にどのような影響を及ぼすのかについて、妥当と考えられる評価を下す前に、政策自体が明瞭になるのを待つ必要がある」
「声明ではインフレに関する部分を短くすると決めただけだ。シグナルを送ることを意図したわけではない」
「金融政策は有意に景気抑制的だが、非常に抑制的というわけではない」
「経済活動を促進も抑制もしない中立金利水準を政策金利は有意に上回っている」
「制約的な政策を過度に早急に、もしくは過度に大幅に緩和すれば、インフレを巡る進展が妨げられる可能性がある」
大阪3月限
日経225先物 39420 -170 (-0.42%)
TOPIX先物 2778.0 -1.5 (-0.05%)
日経225先物(3月限)は前日比170円安の3万9420円で取引を終了。寄り付きは3万9260円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9270円)にサヤ寄せする形で売りが先行した。現物の寄り付き直後には3万9210円まで売られたが、ナイトセッションでつけた安値(3万9130円)は下回らず、底堅さが意識された。前場中盤にかけて25日移動平均線(3万9320円)を上回って推移し、前場終盤には3万9520円まで下げ幅を縮めた。
ランチタイムでもリバウンド基調をみせ、現物の後場寄り付き後ほどなくして一時3万9610円とプラスに転じる局面もみられた。ただし、積極的なロングの動きは限られ、後場中盤に3万9400円まで下げると、終盤にかけては3万9400円~3万9500円辺りでの保ち合いが続いた。
エヌビディア
日経225先物は、売り一巡後は25日線を上回って推移し、ショートを仕掛けづらくさせた。また、上値追いのロングは限られたものの、一時プラス圏を回復するなかで、25日線とボリンジャーバンドの+1σ(3万9830円)によるレンジが意識されてきた。週間形状では+2σ(4万0460円)が抵抗線として機能している一方で、下値は13週線(3万9170円)が支持線となろう。
節目の3万9500円水準での底堅さがみられてくるようだと、ややロングに傾き、ショートカバーを誘う形になりそうだ。オプション権利行使価格では3万9500円を中心とした上下の権利行使価格である3万9375円から3万9875円のレンジを想定。
NT倍率は先物中心限月で14.19倍に低下した。一時14.22倍をつける場面もみられたが、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせている。ただし、昨年11月以来の14.15倍を下回る局面ではリバランスとみられる動きが入っており、NTロングへの転換も意識しておきたいところである。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3252枚、ソシエテジェネラル証券が1万1576枚、サスケハナ・ホンコンが2758枚、JPモルガン証券が2614枚、SBI証券が1968枚、日産証券が1456枚、バークレイズ証券が1410枚、ゴールドマン証券が1291枚、楽天証券が921枚、モルガンMUFG証券が637枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万4569枚、ソシエテジェネラル証券が1万1733枚、バークレイズ証券が4871枚、JPモルガン証券が2873枚、モルガンMUFG証券が2298枚、ゴールドマン証券が2224枚、ビーオブエー証券が1491枚、野村証券が1201枚、日産証券が729枚、みずほ証券が691枚だった。
本日のNY為替市場のドル円は、トランプ米大統領による米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的据え置きへの見解に警戒しながら、新規失業保険申請件数や米10-12月期国内総生産(GDP)速報値などに注目することになる。
タカ派的据え置きとなったFOMC声明やパウエルFRB議長の会見を受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の利下げは、6月(0.25%利下げ=4.00-25%)と12月(0.25%利下げ=3.75-4.00%)が優勢となっている。
また、先週のダボス会議では、トランプ米大統領は「中東諸国への原油価格の値下げ要求が通れば、FRBにただちに利下げを要求する」と表明し、パウエルFRB議長とは「適切な時期」に話すつもりだとも述べていた。トランプ米大統領は、昨日「FRBはインフレ問題解決に失敗した」と批判していたが、今後も利下げを要請する発言などに警戒しておきたい。
前週分の新規失業保険申請件数の予想は22.0万件で前回発表値22.3万件からの減少が見込まれ、前週分の失業保険継続受給者数の予想は189.0万人で前回発表値189.9万人からの減少が見込まれている。米1月の雇用統計の調査対象週(1月12日)の雇用情勢の改善は、プラス材料となるものの、2月7日には、大幅な下方修正が警戒されている年次ベンチマーク改定の確定値も予定されており、雇用情勢に関しては予断を許さない状況が続くことになる。
10-12月期米国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+2.6%と予想されており、前期の同比+3.1%からの減速が見込まれている。
米国経済の減速基調が続いた場合、トランプ米大統領からの利下げ圧力が強まることになり、ネガティブサプライズには警戒しておきたい。
ニューヨーク序盤の欧州中央銀行(ECB)理事会による政策金利発表は、0.25%の引き下げが予想されている。こちらは市場は織り込み済みであり、ラガルドECB総裁による今後の利下げへの言及に注目することになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、156.30円(日足一目均衡表・基準線)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.37円(日足一目均衡表・雲の下限)
今晩は底堅い展開か。昨日は時価総額上位でダウ平均採用銘柄でもあるエヌビディアが4%超下落したことで主要3指数がそろって下落。午後に結果が公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通りに政策金利が据え置かれ、声明文やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見で利下げに慎重な姿勢が示されたことも重しとなった。CMEのフェドウォッチ・ツールの3月FOMCでの0.25%の利下げ確率は前日の31%から17%に低下し、金利据え置き確率は83%に上昇した。ダウ平均は136.83ドル安(-0.31%)と3日ぶりに反落し、S&P500とナスダック総合はそれぞれ0.47%安、0.51%安とともに反落して終了した。
引け後の動きでは2025年の業績向上期待を背景にテスラが時間外で4%超上昇し、売上高と利益が市場予想を上回ったメタ・プラットフォームズも時間外で2%超上昇した。一方、マイクロソフトは売上高と利益が市場予想を上回ったが、クラウド事業の売上高が予想に届かず、時間外で4%超下落した。
今晩の取引では先行きの利下げ見通しの後退が引き続き上値の重しとなることが見込まれるものの、前日に3指数がそろって下落した反動や、ディープシーク・ショックへの過度な警戒感が和らいだこと、メタ・プラットフォームズやテスラの上昇が期待されることで底堅い展開か。引け後にはアップル、来週にはアマゾン・ドット・コムの決算発表も予定され、メガキャップの好決算期待も高まりそうだ。経済指標では10-12月期GDP速報値や新規失業保険申請件数が発表予定で足もとの景気動向にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは10-12月期GDP速報値、同個人消費速報値、新規失業保険申請件数、12月中古住宅販売仮契約指数など。決算発表は寄り前にキャタピラー、アルトリア・グループ、シャーウィン・ウィリアムズ、ノースロップ・グラマン、ユナイテッド・パーセル・サービズ(UPS)、サウスウェスト航空、引け後にアップル、ビザなどが発表予定。
日経平均株価は続伸。下向きの5日移動平均線(39488円 1/30)に戻りを抑えられる格好となったが、終値では同線を若干上回り、2日連続の陽線を形成した。
RSI(9日)は前日の64.1%→68.0%(1/30)へ上昇。あすは上昇継続のハードルは高くなるが、前日からの見方に大きな変化はない。1/27安値~1/24高値までの上昇幅に対する半値押し(39167円)前後で下げ止まった状態を維持できるかが重要。あすも5日移動平均線の下向きが続く可能性は高いが、1/28の大幅安で形成したマドを埋め戻しており、連続陽線で続伸できるかが注目される。
上値メドは、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、25日移動平均線(39314円 同)や心理的節目の39000円、100日移動平均線(38686円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
(30日終値:31日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.29円(30日15時時点比▲0.19円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.73円(▲0.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0417ドル(▲0.0005ドル)
FTSE100種総合株価指数:8646.88(前営業日比△89.07)
ドイツ株式指数(DAX):21727.20(△89.67)
10年物英国債利回り:4.560%(▲0.061%)
10年物独国債利回り:2.519%(▲0.064%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10-12月期仏国内総生産(GDP)速報値
(前期比) ▲0.1% 0.4%
10-12月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整済)
(前期比) ▲0.2% 0.1%
(前年同期比) ▲0.2% ▲0.3%
10-12月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整前)
(前年同期比) ▲0.4% 0.1%・改
10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値
(前期比) 0.0% 0.4%
(前年比) 0.9% 0.9%
欧州中央銀行(ECB)、政策金利
2.90%に引き下げ 3.15%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは下げ渋り。仏・独・ユーロ圏の10-12月期国内総生産(GDP)速報値が予想を下回ったことが分かるとユーロ売り・ドル買いが先行。欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果公表を前にポジション調整目的の売りも優勢になると一時1.0390ドルと日通し安値を付けた。
ただ、前日の安値1.0383ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。市場では「月末が近づく中、ユーロ買いのフローが観測された」との声も聞かれ、23時過ぎに1.0467ドルと日通し高値を更新した。
ECBはこの日、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。声明では「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」「理事会は特定の金利経路を事前にコミットしない」と表明した。ラガルドECB総裁が理事会後の会見で「インフレ目標への持続的な回帰に向けた指標が進展」「2025年のうちにインフレ率2%の達成に自信」と述べたこともユーロ買い戻しにつながった。
もっとも、ラガルド総裁が「利下げを止める議論は時期尚早」と述べ、利下げ継続を示唆するとユーロ買いの勢いは弱まった。2時30分前には1.0410ドル付近まで押し戻された。
・ドル円も下げ渋り。しばらくは154円台半ばでのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると売りが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで低下したことも相場の重しとなり、0時30分前に一時153.79円と日通し安値を付けた。
ただ、米10年債利回りが4.53%台まで低下幅を縮めるとドル円にも買い戻しが入った。2時前には154.48円付近まで下げ渋った。
なお、米商務省が発表した10-12月期米GDP速報値は年率換算で前期比2.3%増と予想の2.6%増を下回った一方、米経済活動の3分の2超を占める個人消費は4.2%増と予想の3.2%増を上回り、米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数は2.5%上昇と市場予想と一致した。また、米労働省が発表した前週分の米新規失業保険申請件数は20.7万件と予想の22.0万件より強い内容となった。
・ユーロ円は下値が堅かった。仏・独・ユーロ圏のGDPが予想より弱い内容となったことを受け円買い・ユーロ売りが先行。22時30分前に一時160.24円と本日安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり161.09円まで下値を切り上げた。ユーロドルにつれた動きとなった。
・ロンドン株式相場は4日続伸し、史上最高値を更新した。本日の日本株相場の上昇などを受けて投資家心理が改善すると英株にも買いが入った。BPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値上がりした。アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株も堅調だった。
・フランクフルト株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。ECBが本日開いた定例理事会で市場予想通り0.25%の利下げを決めたことが好感された。個別ではシーメンス・エナジー(4.04%高)やボノビア(3.13%高)、ブレンターク(3.04%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。
30日の日経平均は続伸。終値は99円高の39513円。米国株安を嫌気して、寄り付きは3桁の下落。開始早々に下げ止まり、売り一巡後は水準を切り上げたが、場中の値動きは方向感に欠けた。前場のうちにプラス圏に浮上し、後場のスタート直後には上を試しにいったが、39600円台に乗せたところで急失速。ただ、マイナス圏に沈むと改めての買いが入り、14時以降はプラス圏での小動きが続いた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4900億円。業種別ではゴム製品、その他製品、空運などが上昇した一方、精密機器、その他金融、不動産などが下落した。上方修正を発表したノジマ<7419.T>が後場急騰。半面、3Q累計が減収減益となったバルカー<7995.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1093/値下がり492。上方修正や増配を発表したアドバンテストが3.2%高。東京エレクトロンやディスコなど他の半導体株にも好影響が波及した。任天堂やDeNAなどゲーム株の動きが良く、決算が評価されたカプコンが買いを集めた。フジHDが全市場の売買代金3位となる大商いで大幅高。野村マイクロがリリースを材料に急伸した。
一方、三井住友は3Qの大幅最終増益が好感されず下落。ソフトバンクG、ソニーG、リクルートなどグロース株の一角が軟調となった。キーエンス、ファナック、安川電機などFA関連がやや大きめの下落。直近で派手に上昇していたレナサイエンスが大幅高スタートから急落してストップ安と乱高下した。
日経平均は続伸。米国株安を受けても上昇したという点では強かったが、動きが良くなりかけると値を崩すなど、つかみどころのない1日であった。決算を発表して上昇したアドバンテストも、下げて始まったり高くなったところで戻り売りに押されたりと、強気一辺倒ではなかった。
米国では本日引け後にアップルやインテルが決算を発表予定。アップルの時間外の反応は国内電子部品株の刺激材料となる。欧州ではECB理事会が開催される。利下げがあるとみられており、その織り込みも進んでいるが、欧州株や為替に大きな動きがあれば、米国を経由して日本株にも影響が及ぶ可能性がある。国内では決算発表が本格化してくる。中国ディープシークの影響がまだ読み切れないだけに、米国株、特にナスダックにしっかりとした動きが見られるかどうかが、投資家のリスク許容度を大きく左右しそう。ナスダックがパッとしない場合は、大型グロース株からはいったん距離を置いた方が良いかもしれない。
一部通信社が報じたところによると、「欧州中央銀行(ECB)関係者は3月にさらなる利下げがあると予想している」ようだ。その後はより幅広く、より深い議論が予想され、4月に利下げ休止が示唆される可能性があるという。
30日08:43 ジョリー・カナダ外相
「関税協議について慎重で楽観的」
30日15:15 氷見野・日銀副総裁
「経済・物価見通し実現していけば、それに応じて金融緩和の度合い調整」
「実質金利のある世界には距離がある」
「0.5%への利上げ後も実質金利は大幅なマイナス、緩和的な環境は維持される」
「今後もプラス成長続けることは可能ではないか」
「実質金利マイナスがずっと続くことはないという議論、日本についても成り立つ」
「ショックやデフレ的諸要因が解消された状態なら、実質金利がはっきりマイナスの状態が続くのは普通の姿とは言えない」
30日22:19 欧州中央銀行(ECB)声明
「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」
「インフレはスタッフの予測とほぼ一致した推移を継続。今年中に理事会の中期目標である 2%に戻る見込み」
「インフレは依然として高いままだが、これは主に特定のセクターの賃金と物価が過去のインフレの急上昇にかなり遅れて適応しているため」
「しかしながら、賃金の伸びは予想通り緩やかになっており、インフレへの影響を部分的に緩和している」
「最近の金利引き下げにより、企業や家計の新規借り入れコストは徐々に低下している」
「経済は依然として逆風に直面しているが、実質所得の増加と引き締め的な金融政策の影響が徐々に薄れつつあることから、時間の経過とともに需要が回復するだろう」
「理事会はインフレが中期目標の2%で持続的に安定することを確実にする決意」
「理事会は、データに依存し、会合ごとに適切な金融政策スタンスを決定するアプローチを採用」
「理事会の金利決定は入手する経済・金融データ、基調的なインフレの動向、金融政策の波及の強さを考慮したインフレ見通しの評価に基づいて行われる」
「理事会は、特定の金利経路を事前にコミットしない」
30日22:23 南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)声明
「第4四半期は経済成長の回復が見込まれる」
「インフレ率は2025年前半まで目標レンジの下半分にとどまるだろう」
「インフレ見通しに対するリスクは上方」
「貿易戦争シナリオは世界的なインフレと金利の上昇を示す」
30日22:56 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「経済は短期的に低迷が続く見通し」
「労働市場は依然として堅調」
「回復の条件は整っている」
「具体的な構造的措置を講じる必要がある」
「サービスインフレは高止まり」
「インフレ率の上昇は予想通り」
「賃金圧力は引き続き緩和される見込み」
「インフレ率は2%の目標で落ち着くだろう」
「経済見通しに対するリスクは下振れ方向」
「大半の長期的な物価指標は引き続き2%前後」
「関税は世界経済を弱める可能性がある」
「賃金上昇、利益上昇はインフレ上昇リスク」
「地政学、気候もインフレ上昇リスク」
「世界の貿易摩擦はインフレ見通しを不確実にする」
「利下げをどこで止めるかの議論は時期尚早」
「次の措置は今後のデータ次第」
「0.50%の利下げは全く議論されなかった」
「2025年のうちにインフレ率2%の達成に自信」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 12月完全失業率(予想:2.5%)
○08:30 ◎ 12月有効求人倍率(予想:1.25倍)
○08:30 ◎ 1月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合、予想:前年比2.5%)
○08:50 ◎ 12月鉱工業生産速報(予想:前月比0.3%/前年比▲2.2%)
○08:50 ◇ 12月商業販売統計速報(小売業販売額、予想:前年比3.2%)
○14:00 ◇ 12月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲3.9%)
○19:00 ◇ 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
<海外>
○09:30 ◎ 10-12月期豪卸売物価指数(PPI)
○16:00 ◎ 12月独小売売上高(予想:前月比横ばい/前年比2.6%)
○16:00 ◇ 1月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○16:00 ◇ 12月トルコ貿易収支(予想:88.0億ドルの赤字)
○16:30 ◇ 12月スイス小売売上高
○16:45 ◇ 1月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比横ばい/前年比1.5%)
○16:45 ◇ 12月仏PPI
○17:55 ◎ 1月独雇用統計(予想:失業率6.2%/失業者数変化1.40万人)
○21:00 ◎ 12月南アフリカ貿易収支(予想:304億ランドの黒字)
○22:00 ◎ 1月独CPI速報値(予想:前月比0.1%/前年比2.6%)
○22:30 ☆ 11月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比▲0.1%/前年比1.6%)
○22:30 ◎ 12月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.5%)
◎ 12月米個人所得(予想:前月比0.4%)
☆ 12月米PCEデフレーター(予想:前年比2.6%)
☆ 12月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比2.8%)
○22:30 ◇ 10-12月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比0.9%)
○22:30 ◎ ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○23:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○23:45 ◎ 1月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:40.0)
○香港、中国(旧正月)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(30日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.29円(前営業日比▲0.93円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.32円(▲1.44円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0391ドル(▲0.0030ドル)
ダウ工業株30種平均:44882.13ドル(△168.61ドル)
ナスダック総合株価指数:19681.75(△49.43)
10年物米国債利回り:4.51%(▲0.02%)
WTI原油先物3月限:1バレル=72.73ドル(△0.11ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2845.2ドル(△51.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
10-12月期米国内総生産(GDP)速報値
(前期比年率) 2.3% 3.1%
個人消費速報値
(前期比年率) 4.2% 3.7%
コアPCE速報値
(前期比年率) 2.5% 2.2%
前週分の米新規失業保険申請件数
20.7万件 22.3万件
12月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)
(前月比) ▲5.5% 1.6%・改
(前年比) ▲2.9% 4.9%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは4日続落。欧州時間発表の10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値が予想を下回ったことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行。欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果公表を前にポジション調整目的の売りも出ると一時1.0390ドルまで値を下げた。
ただ、前日の安値1.0383ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。市場では「月末が近づく中、ユーロ買いのフローが観測された」との声も聞かれ、23時過ぎには1.0467ドルと日通し高値を更新した。
ECBはこの日、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。声明では「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」「理事会は特定の金利経路を事前にコミットしない」と表明した。ラガルドECB総裁が理事会後の会見で「インフレ目標への持続的な回帰に向けた指標が進展」「2025年のうちにインフレ率2%の達成に自信」と述べたこともユーロ買い戻しにつながった。
もっとも、ラガルド総裁が「利下げを止める議論は時期尚早」と述べ、利下げ継続を示唆するとユーロ買いの勢いは弱まった。その後、トランプ米大統領が合成麻薬フェンタニルを含む複数の理由を挙げて、「カナダとメキシコに25%の関税措置を発動する」と再表明すると、米インフレ再加速への懸念が高まりドル買いが活発化。5時30分過ぎに一時1.0386ドルと日通し安値を更新した。
・トランプ米大統領の関税を巡る発言をきっかけに、米ドルカナダドルは一時1.4595カナダドル、ドルメキシコペソは20.7582ペソまで急伸した。
・ドル円は続落。もっとも、NY市場に限れば大きな方向感は出なかった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.48%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。0時30分前に一時153.79円と日通し安値を付けた。ただ、米10年債利回りが4.53%台まで低下幅を縮めるとドル円にも買い戻しが入り、4時前には154.50円付近まで下げ渋った。
5時30分前には154.00円まで下押ししたものの、トランプ米大統領が「2月1日にカナダとメキシコに25%の関税賦課」と改めて表明したことで154.46円付近まで強含んだ。
・ユーロ円も続落。22時30分前に一時160.24円まで下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり161.09円まで下値を切り上げた。もっとも、引けにかけては160.21円の本日安値まで押し戻された。ユーロドルにつれた動きとなった。
・ブラジルレアルは買い戻しが優勢。対ドルでは一時1ドル=5.8480レアルまでドル安・レアル高が進んだ。ブラジル中銀は29日、市場予想通り政策金利を1.00%引き上げて13.25%にすることを決めたと発表。声明では「次回の会合でも同規模の調整を実施することが見込まれる」と再利上げの必要性を示唆した。これを受けて、市場ではレアル買いの動きが広がった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。決算内容が嫌気されたマイクロソフトなどが売られるとダウ平均は続落して始まったものの、決算内容が好感されたIBMが大幅に上昇すると投資家心理が改善し、指数は上げに転じた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発。メタ・プラットフォームズやテスラが決算発表や説明会の内容を材料に買われた。
・米国債券相場で長期ゾーンは上昇。この日発表の米経済指標が強弱入り混じる結果となったため、相場は方向感が出なかった。
・原油先物相場は反発。先週の米国の天然ガスの減少量が、過去4番目に大きい3億2100万立方フィートとなったことで、一時73ドル半ばまで上昇する場面があった。もっとも、トランプ米大統領がカナダとメキシコに対して関税引き上げるとされている期限の2月1日が近づいていることで、今後の3カ国の通商政策の行方を確かめるまでは動きにくく、徐々に値動きは鈍った。なお、カナダは1日当たり米国の消費量の約20%を供給、メキシコもカナダに続き米国への供給量が多い。
・金先物相場は3日続伸。昨年10月につけた最高値を上抜け、3日続伸した。ドル売りが優勢になると、ドルで取引される金先物が割安感になったこと、ECBが市場予想通りとはいえ利下げを実行したことで金利のつかない金先物へ買いが集まった。また、依然としてトランプ政権による世界経済への懸念が拭いされないことで、避難通貨としても買われた面もあった。
30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は153.79円と日通し安値を付けたが、米10年債利回りが4.53%台まで低下幅を縮めると154.50円付近まで下げ渋った。その後154.00円まで下押ししたものの、トランプ米大統領が「2月1日にカナダとメキシコに25%の関税賦課」と改めて表明したことで154.46円付近まで強含んだ。ユーロドルはラガルド欧州中銀(ECB)総裁が理事会後の会見で「インフレ目標への持続的な回帰に向けた指標が進展」などと述べたことなどから1.0467ドルまで上昇して日通し高値を更新するも、同総裁が利下げ継続を示唆するとユーロ買いの勢いは弱まった。トランプ米大統領の関税に関する発言を受けて米インフレ再加速への懸念が高まりドル買いが活発化すると、1.0386ドルと日通し安値を更新した。
本日は本邦で多数の経済指標の発表を控えているが、その中で最も注目が集まりそうなのが、全国消費者物価指数(CPI)の先行指標とされる、1月東京都区部CPIだろう。市場予想はコアが前年比+2.5%と12月の+2.4%よりわずかに伸びが加速する見通し。予想よりも伸びが加速する結果となれば、日銀の早期利上げ期待が浮上して円が買われる展開もあり得る。結果と共に、本邦株式市場や長期金利の反応にも注目したい。
午後には植田日銀総裁が衆院予算委員会に出席し、立憲民主党の階猛委員の質問に答える予定となっている。自身のX(旧ツイッター)によると、円安物価高対策などについて質疑をするとのことである。昨日の氷見野副総裁の講演内容は想定されたほどタカ派的ではなかったことからドル円を押し上げる場面も見られた。答弁次第では相場に影響を与えることも考えられる。
また、本日は月末日につき、仲値公示やロンドンフィキシング(日本時間25時)などのタイミングでの実需主導の動きには注意が必要だろう。
そのほか、米大統領が発言している「2月1日にカナダとメキシコに25%の関税賦課」の期限が迫る中、引き続き関連報道には目を配らせておきたい。
他方、オーストラリアでは10-12月期四半期卸売物価指数(PPI)も発表予定。前回7-9月期は前期比+1.0%、前年比+3.9%であった。29日に発表された10-12月期消費者物価指数(CPI)の前年比が予想や前回を下回る伸びに留まっただけに、こちらの結果も気になるところである。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39580 +160 (+0.40%)
TOPIX先物 2789.5 +11.5 (+0.41%)
シカゴ日経平均先物 39585 +165
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
30日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。2024年10~12月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.3%増と、市場予想を下回ったが、個人消費は4.2%増加と大幅な伸びとなった。米連邦準備理事会(FRB)が今後の利下げに慎重になるデータと受け止められた。また、トランプ大統領は、2月1日にカナダとメキシコに対して25%の関税を課す考えを改めて示したとの報道も相場の重荷となった。ただし、決算発表が本格化するなかで、主要企業の予想を上回る決算を好感した買いが指数を押し上げる形となった。
NYダウ構成銘柄では、2024年10~12月期決算で一株利益が予想を上回ったIBM
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比165円高の3万9585円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比60円高の3万9480円始まり、その後は軟化し下落に転じると、米国市場の取引開始後には3万9350円まで下げる場面もみられた。ただし、売り一巡後はロングが強まる形で切り返しており、終盤にかけて一時3万9710円まで買われる場面もみられた。終了間際に軟化し、3万9580円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。日経225先物は3万9350円まで下げる場面もみられたが、同水準で推移する25日移動平均線(3万9350円)が支持線として機能する形での切り返しとなった。3万9710円まで買われた後は上げ幅を縮めたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9850円)を射程に入れた押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。
また、米国ではIBMのほか、決算を発表したメタプラットフォームズ、テスラ
前日には決算評価からアドバンテスト<6857.T>[東証P]は3%を超える上昇をみせた。ディープシークショックによる、半導体・AI関連銘柄への売りが落ち着くなか、ショートカバーを誘う展開が期待されてくる。そのため、日経225先物は25日線を支持線とした押し目狙いのロング対応としつつも、下限レンジを切り上げる形で、節目の3万9500円から+1σでのレンジが意識されやすいだろう。また、+1σを捉えてくる局面では、ショートカバーを強めてくると考えられ、4万円が射程に入ってくるとみておきたい。
30日の米VIX指数は15.84(29日は16.56)に低下した。小動きではあったが、200日線(16.18)を下回っての推移が目立っていた。27日に22.51まで急伸した調整が順調に進んでいることから、リスク選好に向かわせやすいだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.19倍に低下した。一時14.22倍をつける場面もみられたが、200日線(14.23倍)が抵抗となる形で、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせた。ただし、昨年11月以来の14.15倍を下回る局面ではリバランスとみられる動きが入っている。週末要因もあって、NTロングへの転換も意識しておきたいところである。
31日の香港株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月3日から再開される。
31日の中国株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月5日から再開される。
英国の企業信頼感は1月にさらに低下し、5カ月連続の下落となった。これは10月に発表された250億ポンドの増税の影響を受けたものだ。ロイズ銀行のビジネスバロメーターは2ポイント下落して37%となり、1年ぶりの低水準を記録した。
しかし、リーブス英財務相は今週、ヒースロー空港の拡張やその他の開発プロジェクトへの支持を表明し、企業のモラル向上を図ったほか、企業の取引見通しを示す指標が改善したことから、経済減速に対処する企業の自信が高まっていることが示唆された。
日経225先物は11時30分時点、前日比120円高の3万9540円(+0.30%)前後で推移。寄り付きは3万9630円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9585円)を上回る形で、買いが先行して始まった。ただし、ナイトセッションでつけた高値(3万9710円)を捉えることはできず、寄り付き直後につけた3万9660円を高値に軟化し、中盤にかけて一時3万9450円まで上げ幅を縮める場面もみられた。ただし、下へのバイアスは強まらず、その後は節目の3万9500円を支持線とした底堅い値動きを継続している。
アドバンテスト<6857.T>[東証P]は買い一巡後に下落に転じたものの、東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が日経平均型を牽引している。日経225先物は中盤にかけて軟化したが、韓国サムスン電子が2024年12月期の事業別業績を発表した後に2%を超える下落となったことで、短期的なショートに向かわせた形だろう。ただし、週前半の下げに対するリバランスの動きのなか、3万9500円を上回っての推移が続くようだと、ショートカバーを誘う流れが強まる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.21倍に上昇した。一時14.25倍をつける場面もみられたが、その後は200日移動平均線(14.23倍)を下回って推移している。リバランスの動きが目立つなか、再び200日線を上回ってくるようだと、NTショートを巻き戻す動きに向かわせよう。
昨日のドル円は、欧州時間は154.50円を挟んだもみ合い。NY勢が入ってくると米10年債利回りが一時4.4841%まで低下するにつれて153.79円まで値を下げました。米10年債利回りが4.5345%まで一転上昇すると154.50円まで買戻されたものの、その後は再び154.00円まで下押し。引けにかけてはトランプ米大統領がかねてから表明していたカナダとメキシコへの2月1日からの25%関税について今夜中にも発表されることがわかると154.46円まで再び買戻されたものの、反応も限定的となってNY市場を終えています。
月末のアジア市場では、香港が休場とあって投機筋の動きは限定的。月末絡みのフローで「ふらふらしているだけ」の相場展開といったところです。本邦実需の買いを受けて154.50円まで値を上げた後は153.92円まで下押し。その後は154.00円を挟んだ方向感のない動きが続いています。
いずれにしても、トランプ相場が続いているなか、トランプ米大統領の発言を起点に値動きを考えていくことになっていますが、本日もカナダやメキシコへの関税の他に、「BRICSがドルを代替しようとするならば100%関税」との極端な発言も見受けられています。ドル円は目先、一目雲を意識した展開となっていきそうです。
本日はユーロ圏で複数の指標発表が予定されているものの、昨日欧州中銀(ECB)理事会を通過した直後ということもあり、大きな動き出しは期待しづらいと見る。一通り発表された後は、NY時間に控えている12月米PCEデフレーターの発表を待つ展開か。
経済指標では、独で12月の小売売上高や雇用統計、仏で12月卸売物価指数(PPI)など、複数予定されている。また、1月消費者物価指数(CPI)速報値が仏・独で発表予定となっており、市場予想は前年比で仏が+1.5%と前月の+1.3%から伸び加速、独は+2.6%で前月並みとなっている。ECB理事会直後のため反応は限られそうだが、来月1日のユーロ圏12月消費者物価指数(HICP)を前に結果を確認しておきたい。
要人発言については、NY午前にビルロワドガロー仏中銀総裁の発言機会が予定されている。市場ではハト派とみなされる同氏であるが、ECB理事会直後ということもあり、今後の金利や経済見通しについて発言があれば材料視されるかもしれない。
また、本日は月末日につき、ロンドンフィキシング(日本時間25時)に絡んで実需主導の動きとなる恐れがある点には注意したい。
トランプ米大統領が就任以降、関税を始めとして「アメリカ・ファースト」の姿勢を示す中で大統領の政策に市場が振り回される展開が続いている。今のところ隣国のカナダやメキシコ、BRICs諸国が主な標的となるも、ユーロ圏も大統領就任前にNATO加盟国の防衛費用の負担増加を求められており、今後ユーロ圏に対してさらなる注文を付けてくる可能性は低くはないだろう。しばらくの間、関連報道に左右される展開となりやすい点は押さえておきたい。
テクニカル面では、ユーロドルは27日に高値1.0533ドルをつけた後は上値が重く、昨日は日足・一目均衡表の転換線を割り込んで終えた。目先は基準線1.0356ドルを明確に下抜けると20日以来となる1.03ドル割れに向けて流れが傾くことも予想される。仮に切り返しても昨日に続き雲の下限1.0461ドルは抵抗として意識されやすいだろう。
想定レンジ上限
・ユーロドル:5日移動平均線1.0425ドル。超えると日足・一目均衡表の雲の下限1.0461ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル:日足・一目均衡表の基準線1.0356ドル。割り込むと20日安値1.0266ドル
ドル円:1ドル=154.71円(前営業日NY終値比△0.42円)
ユーロ円:1ユーロ=160.73円(△0.41円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0389ドル(▲0.0002ドル)
日経平均株価:39572.49円(前営業日比△58.52円)
東証株価指数(TOPIX):2788.66(△6.73)
債券先物3月物:140.67円(▲0.34円)
新発10年物国債利回り:1.245%(△0.035%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月完全失業率
2.4% 2.5%
12月有効求人倍率
1.25 1.25倍
1月東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く総合)
前年同月比 2.5% 2.4%
12月鉱工業生産・速報値
前月比 0.3% ▲2.2%
前年同月比 ▲1.1% ▲2.7%
12月商業販売統計速報(小売業販売額)
前年同月比 3.7% 2.8%
12月新設住宅着工戸数
前年同月比 ▲2.5% ▲1.8%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。トランプ米政権の関税政策に対する警戒感などからリスク回避の売りに押され、一時153.92円まで値を下げた。もっとも、昨日安値の153.79円手前で下値の堅さを確認すると、その後は下値を切り上げる展開に。時間外の米10年債利回りが4.54%台まで上昇したことも相場を支え、15時過ぎには154.94円まで切り返した。
なお、トランプ米大統領は「BRICSがドルにとって代わる可能性はない」「BRICSがドルを代替しようとするなら100%の関税を課す」などと述べた。
・ユーロ円も下値が堅い。東京午前に159.92円まで弱含んだものの、その後はドル円の買い戻しにつれて160.94円まで反発。午後の日本株が底堅く推移したことなども買い材料視された。
・ユーロドルは小動き。前日終値を挟んだ水準でのもみ合いに終始し、相場は方向感を欠いた。
・日経平均株価は3日続伸。前日の米国株式市場でハイテク株の上昇が目立ったこともあり、この日の東京市場でも半導体関連株の一角に買いが入った。週末を控えた利益確定売りに押されて一時マイナス圏に転じる場面もあったが、総じて底堅く推移した。
・債券先物相場は3日続落。日銀の利上げ継続姿勢が相場の重しとなったほか、時間外の米10年債利回りが上昇したことを受けた売りも出た。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
ECBは中立金利の上限に接近 利下げの最終到達点はトランプ関税が左右
欧州中央銀行(ECB)は1月の理事会で25bpの追加利下げを決定。下限の政策金利は2.75%とラガルド総裁が想定する1.75~2.25%の中立金利の上限まで50bpのところにある。声明文では今回の利下げ後も政策金利が引き締め的な水準にあると説明しており、3月の追加利下げは既定路線。このまま25bp刻みの利下げを続ければ、4月には中立金利の上限に到達。先行きの利下げ継続の有無や利下げの最終到達点について、向こう数回の理事会で何らかの見解表明が必要となる。インフレ率の2%への持続的な復帰と緩やかな景気拡大を想定するECBの中心予想は、米トランプ政権による関税引き上げがあれば軌道修正を余儀なくされる。トランプ関税の発動有無が今後の利下げパスにも影響しそうだ。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
メキシコ経済は「トランプ2.0」を前にブレーキ、視界不良状態が続く
実体経済に深刻な悪影響の懸念も、政策対応は困難さが増すなど政権はいよいよ「荒波」に直面
メキシコは、米トランプ政権による追加関税賦課を警戒して金融市場で通貨ペソ、株式、債券に売り圧力が掛かる状況に直面する。なお、トリプル安の動きは昨年の大統領選、議会選直後から進んでおり、米トランプ政権がその動きに拍車を掛けている。同国経済は米国経済との連動性が強く、米国景気の堅調さが景気を下支えすると期待されたが、昨年10-12月の実質GDP成長率は前期比年率▲2.19%とブレーキが掛かっていることが確認された。足下のインフレは頭打ちしており、中銀も利下げに動いているが、実質金利は依然高水準で推移するなど金融市場は引き締まっている。他方、金融市場はトリプル安に直面するなかで中銀は難しい対応を迫られる局面が続く。シェインバウム政権は新たな経済計画を公表し、トランプ関税への備えをみせるが、その行方は不透明であり、仮に実施されれば実体経済に深刻な悪影響が出ることは必至と見込まれる。政府は今年の経済成長率見通しを+2~3%とするが、極めて楽観に過ぎるとみられるなか、発足から丸4ヶ月を迎えるシェインバウム政権にいよいよ「荒波」が直撃する可能性が高まっている。
「次回3月6日の理事会でさらなる利下げを行い、中銀預金金利を2.5%にする合意が得られた」(政策担当者)
2025年1月30日に開催された欧州中央銀行(ECB)理事会では、予想通りに中銀預金金利の0.25%の利下げが全会一で決定された。
2024年10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は、前期比変わらず、ドイツとフランスはマイナス成長に転落した。
1.欧州中央銀行(ECB)の金融政策正常化(※中銀預金金利)
■2025年1月30日: 2.75%(第5次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.15%(3.40%)▲0.25%
・リファイナンス金利:2.90%(3.15%)▲0.25%
・中銀預金金利 :2.75%(3.00%)▲0.25%
■2024年12月12日: 3.00%(第4次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.40%(3.65%)▲0.25%
・リファイナンス金利:3.15%(3.40%)▲0.25%
・中銀預金金利 :3.00%(3.25%)▲0.25%
■2024年10月17日: 3.25%(第3次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.65%(3.90%)▲0.25%
・リファイナンス金利:3.40%(3.65%)▲0.25%
・中銀預金金利 :3.25%(3.50%)▲0.25%
■2024年9月12日: 3.50%(第2次利下げ)▲0.25%
・限界貸出金利 :3.90%(4.50%)▲0.60%
・リファイナンス金利:3.65%(4.25%)▲0.60%
・中銀預金金利 :3.50%(3.75%)▲0.25%
■2024年7月18日: 3.75%(据え置き)
■2024年6月6日:▲0.25%=3.75%(第1次利下げ)
■2024年4月11日:4.00%(据え置き)
■2024年3月7日:4.00%(据え置き)
■2024年1月25日:4.00%(据え置き)
■2023年12月14日:4.00%(据え置き)
■2023年10月26日:4.00%(据え置き)
■2023年9月14日:+0.25%=4.00%(第10次追加利上げ)
■2023年7月27日:+0.25%=3.75%(第9次追加利上げ)
■2023年6月15日:+0.25%=3.50%(第8次追加利上げ)
■2023年5月4日:+0.25%=3.25%(第7次追加利上げ)
■2023年3月16日:+0.50%=3.00%(第6次追加利上げ)
■2023年2月2日:+0.50%=2.50%(第5次追加利上げ)
■2022年12月15日:+0.50%=2.00%(第4次追加利上げ)
■2022年10月27日:+0.75%=1.50%(第3次追加利上げ)
■2022年9月8日:+0.75%=0.75%(第2次追加利上げ)
■2022年7月21日:+0.50%=ゼロ(第1次利上げ)
2.声明文
「特定の金利の道筋を事前に約束することはしない」
「現在の金融政策は依然として景気抑制的」(※追加利下げを示唆)
「ディスインフレプロセスは極めて順調に進行している」
3.ラガルドECB総裁
「インフレ率は、2025年を通してわれわれの目標に持続的に到達していくと確信している」
「経済成長に対するリスクは依然として下向きに傾いている」
「世界的な貿易摩擦の増大が輸出の抑制と世界経済の弱体化につながり、ユーロ圏の経済成長が押し下げられる可能性がある」
「貿易摩擦の増大でインフレ見通しが変化し、すでに低迷しているユーロ圏経済に対する一段の重しになる恐れがある」
大阪3月限
日経225先物 39630 +210 (+0.53%)
TOPIX先物 2791.0 +13.0 (+0.46%)
日経225先物(3月限)は前日比210円高の3万9630円で取引を終了。寄り付きは3万9630円と、シシカゴ日経平均先物清算値(3万9585円)を上回る形で買いが先行した。寄り付き直後につけた3万9660円を高値に軟化し、前場中盤にかけて3万9450円まで上げ幅を縮める場面もみられた。ただし、下へのバイアスは強まらず、その後は節目の3万9500円を支持線とした底堅い値動きを継続。
ランチタイムでリバウンドをみせ、3万9670円と朝方につけた高値を更新したが、中盤には3万9550円まで軟化。終盤にかけて再びロングの動きが強まり3万9680円と日中高値を更新したものの、ナイトセッションでつけた高値(3万9710円)には届かなかった。
アドバンテスト <6857.T> [東証P]は買い一巡後に下落に転じたものの、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が日経平均型を牽引している。また、日経225先物は前場中盤にかけて軟化したが、韓国サムスン電子が2024年12月期の事業別業績を発表した後に2%を超す下落となったことで、短期的なショートに向かわせた形だろう。ただし、ショートが強まる流れにはならなかった。
日経225先物は3万9500円処で底堅さがみられており、前場中盤に軟化する局面でも25日移動平均線(3万9350円)は割り込まず、同線とボリンジャーバンドの+1σ(3万9860円)によるレンジ内での推移だった。28日に3万8660円まで売られ、-1σ(3万8770円)を割り込んだ後は、下値切り上げのトレンドを継続している。
週間形状では+1σ(3万9830円)を上回って終えることはできなかったが、同水準を挟んだ3万9500円から4万円辺りでの推移が意識されそうだ。+1σを支持線に変えてくると、+2σ(4万0480円)が射程に入ってくる可能性がありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.19倍と横ばいだった。一時14.25倍をつける場面もみられたが、その後は200日線(14.23倍)を下回っての推移となった。東京エレクトロンが日経平均株価を牽引するなかでリバランスの動きが目立っていたが、アドバンテストがマイナス圏で推移したこともあり、NTショートを巻き戻す動きは限られた。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4820枚、ソシエテジェネラル証券が1万3277枚、サスケハナ・ホンコンが3788枚、日産証券が3000枚、バークレイズ証券が1613枚、ドイツ証券が1606枚、JPモルガン証券が1365枚、ゴールドマン証券が963枚、SBI証券が898枚、楽天証券が787枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8606枚、ソシエテジェネラル証券が1万4167枚、バークレイズ証券が6169枚、JPモルガン証券が5314枚、モルガンMUFG証券が3993枚、ゴールドマン証券が3160枚、日産証券が2169枚、ビーオブエー証券が1252枚、野村証券が838枚、大和証券が830枚だった。
本日のNY為替市場のドル円はまず、序盤に発表される12月米PCEデフレーターを見極める展開。もちろん、トランプ米大統領による突発的な発言への警戒は怠らないようにしたい。
米連邦公開市場委員会(FOMC)でのタカ派的据え置きを受けて、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」が示している今年の0.25%の利下げ確率は、6月(※4.00-25%)が47%程度、12月(※3.75-4.00%)が33%程度となっている。
本日は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの12月分が発表されるが、予想は前年比+2.6%で、11月の同比+2.4%からの上昇が見込まれている。予想通りだった場合の利下げ確率の変化、そして米中長期債利回りの動向などに注目しておきたい。
また、先週のダボス会議では、トランプ米大統領は「中東諸国への原油価格の値下げ要求が通れば、FRBにただちに利下げを要求する」と表明し、パウエルFRB議長とは「適切な時期」に話すつもりだとも述べていた。トランプ米大統領による利下げを要請する発言、そしてドル相場に対する発言などには引き続き警戒しておきたい。
トランプ米大統領は、明日2月1日からカナダとメキシコに対して25%の関税を課す、さらにBRICS諸国が米ドルに代わる通貨を求めるなら100%の関税を課す、と表明している。これまでの為替市場の反応は、トランプ関税による米国の物価上昇圧力からドル買いだったが、現状は、米国の物価上昇や報復関税などによる景況感悪化懸念から、リスク回避の円買い要因になりつつある。
一方で、ベッセント米財務長官は、先日の米議会上院の公聴会で、ドル相場は関税引き上げによる貿易赤字の減少で上昇する可能性を指摘していた。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、155.98円(1/28高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.37円(日足一目均衡表・雲の下限)
今晩は底堅い展開か。
昨日は主要3指数がそろって反発した。前日引け後に決算を発表したテスラとメタ・プラットフォームズが上昇したことや、弱い経済指標を受けて米10年債利回りが一時4.48%台まで低下したことが株式相場の支援となった。ただ、トランプ米大統領がカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課す方針をあらためて表明したことが上値の重しとなった。ダウ平均は一時295ドル高まで上昇し、取引時間中の史上最高値に接近し、168.61ドル高(+0.38%)で終了。S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.53%高、0.25%高で終了した。
引け後の動きでは、アップルが時間外で3%高。売上高と利益が予想を上回ったものの、iPhone販売が市場予想を下回ったことで一時、時間外で売りが優勢となった。しかし、その後は決算が評価されて買い直された。利益が予想を上回った半導体のインテルとKLAもともに時間外で3%超上昇した。
今晩の取引では大幅高が見込まれるアップルやインテルなどが相場をけん引する堅調な展開か。金融政策の見通しを巡っては、CMEのフェドウォッチ・ツールで3月米連邦公開市場委員会(FOMC)と5月FOMCでも政策金利の据え置きが予想され、6月FOMCでは67%の確率で0.25%の利下げが見込まれている。今晩は寄り前に12月個人消費支出(PCE)価格指数が発表予定で、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視するコアPCE価格指数に要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは12月個人所得・個人消費支出・個人消費支出(PCE)価格指数のほか、10-12月期雇用コスト指数、1月シカゴ地区購買部協会景気指数(PMI)など。決算発表は寄り前にエクソン・モービル、シェブロン、アッヴィ、引け後にクラウン・キャッスルなどが発表予定。
日経平均株価は3日続伸。寄り付き水準から上値を伸ばす場面があったが、下向きの5日移動平均線(39416円 1/31)が重荷となった。ただ、下値は上向きの10日移動平均線(39455円 同)に支えられ、ほぼ寄り引け同時の十字足となった。
RSI(9日)は前日の68.0%→63.1%(1/31)へ低下。週明けも上昇継続のハードルは高くなるが、前日からの見方に大きな変化はない。1/27安値~1/24高値までの上昇幅に対する半値押し(39167円)前後で下げ止まった状態を維持できるかが重要。一目均衡表の転換線(39461円 同)の上昇に加え、5日移動平均線が横ばいに変化する可能性がある中、上値を試せるかが焦点となる。一方、十字足が分岐を示唆している可能性もあり、1/24高値からの二段下げ目に入る展開も想定しておきたい。
上値メドは、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)、12/27高値(40398円)、7/17安値(41054円)などがある。下値メドは、25日移動平均線(39349円 同)や心理的節目の39000円、100日移動平均線(38695円 同)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円などがある。
(31日終値:1日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.76円(31日15時時点比△0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.26円(△0.53円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0420ドル(△0.0031ドル)
FTSE100種総合株価指数:8673.96(前営業日比△27.08)
ドイツ株式指数(DAX):21732.05(△4.85)
10年物英国債利回り:4.538%(▲0.022%)
10年物独国債利回り:2.460%(▲0.059%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) ▲0.1% 0.2%
1月独雇用統計
失業率 6.2% 6.1%
失業者数変化 1.10万人 1.00万人
1月独消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比) ▲0.2% 0.5%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは持ち直した。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は前日の定例理事会後の会見で「利下げ停止についての議論は時期尚早」と述べ、利下げ継続を示唆。ECBの利下げ継続観測を背景に、この日もユーロ売りが出やすい地合いとなった。また、トランプ米大統領は前日に「カナダとメキシコに25%の関税措置を発動する」と再表明しており、米インフレ再燃への警戒感とともにドル買いが入りやすかった。24時過ぎには一時1.0360ドルと日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されたほか、「米国の対カナダ・メキシコ関税は3月1日開始へ」との一部報道をきっかに一転ドル売りが優勢になった。2時過ぎには一時1.0434ドルと日通し高値を更新した。
・ドル円は売買が交錯し、もみ合いの展開となった。米国でのインフレ再燃や米関税政策への警戒感が高まる中、全般ドル買いが優勢になると22時30分過ぎに一時155.02円と日通し高値を更新した。ただ、一目均衡表転換線が位置する155.24円や前日の高値155.25円がレジスタンスとして働くと失速し、154.53円付近まで下押しした。
2時前には再び155円台まで上昇したものの、米国の対カナダ・メキシコ関税開始が1カ月先延ばしになる可能性が伝わると全般ドル売りが優勢に。2時30分前には154.67円付近まで押し戻された。
なお、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している12月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で、変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは前月比0.2%/前年比2.8%と市場予想に一致。また、10-12月期米雇用コスト指数も前期比0.9%上昇と市場予想通りの結果となった。
・ユーロ円は底堅い動き。独各州の1月消費者物価指数(CPI)が前月からのインフレ鈍化傾向を示し、22時発表の1月独CPI速報値を前に思惑的なユーロ売りが先行すると、18時過ぎに160.18円付近まで値を下げた。ただ、アジア時間に付けた日通し安値159.92円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢となり、22時30分前に161.01円付近まで持ち直した。
そのあとは160.21円付近まで下押しする場面もあったが、月末のロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買いが入ると再び強含んだ。米国の対カナダ・メキシコ関税発動が1カ月先延ばしになるとの一部報道をきっかけにユーロドルが上昇するとユーロ円にも買いが波及。2時過ぎに一時161.50円の本日高値を更新した。
・ロンドン株式相場は5日続伸し、史上最高値を更新した。時間外の米株価指数先物が上昇すると、英株にも買いが入った。ただ、週末を控えたポジション調整目的の売りも出たため、上値は限定的だった。BAEシステムズやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が買われたほか、ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は小幅ながら4日続伸し、史上最高値を更新した。ECBの利下げ継続観測を背景に買いが先行したものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなり伸び悩んだ。週末を控えたポジション調整目的の売りなどが出た。個別ではシーメンス・エナジー(1.97%高)やインフィニオン・テクノロジーズ(1.97%高)、コメルツ銀行(1.72%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は上昇。ECBの利下げ継続観測を背景に買いが入った。
(31日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.19円(前営業日比△0.90円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.78円(△0.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0362ドル(▲0.0029ドル)
ダウ工業株30種平均:44544.66ドル(▲337.47ドル)
ナスダック総合株価指数:19627.44(▲54.31)
10年物米国債利回り:4.54%(△0.03%)
WTI原油先物3月限:1バレル=72.53ドル(▲0.20ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2835.0ドル(▲10.2ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米個人所得
(前月比) 0.4% 0.3%
12月米個人消費支出(PCE)
(前月比) 0.7% 0.4%
12月PCEデフレーター
(前年比) 2.6% 2.4%
12月PCEコアデフレーター
(前月比) 0.2% 0.1%
(前年比) 2.8% 2.8%
10-12月期米雇用コスト指数
(前期比) 0.9% 0.8%
1月米シカゴ購買部協会景気指数
39.5 36.9
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反発。米国でのインフレ再燃や米関税政策への警戒感が高まる中、全般ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時155.02円まで値を上げた。
ただ、一目均衡表転換線が位置する155.24円や前日の高値155.25円がレジスタンスとして働くと失速し、154.53円付近まで下押しした。2時前には再び155円台まで上昇したものの、「トランプ米大統領は2月1日の発動を警告していたカナダとメキシコに対する25%の関税措置を3月1日に延期する見通し」との一部報道が伝わると154.67円付近まで押し戻された。
もっとも、レビット米ホワイトハウス報道官が「カナダとメキシコに25%、中国に10%の追加関税を2月1日から課す」と改めて表明すると再びドル買いが優勢に。3時30分過ぎには155.22円と日通し高値を更新した。
・ユーロドルは5日続落。欧州中央銀行(ECB)の利下げ継続観測を背景にユーロ売り・ドル買いが先行すると、24時過ぎに一時1.0360ドルまで値を下げた。
ただ、月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると持ち直した。一部通信社が「米国の関税発動は3月1日になる見通し」と報じると全般ドル売りが活発化し、2時過ぎには1.0434ドルと日通し高値を更新した。
もっとも、レビット報道官が「カナダ・メキシコ・中国への関税は2月1日発動。延期の報道は誤り」と発言すると再びユーロ売り・ドル買いが優勢に。6時過ぎには一時1.0350ドルと日通し安値を更新した。
・ユーロ円は3日ぶりに反発。24時過ぎに160.21円付近まで下押しする場面もあったが、月末のロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買いが入ると強含んだ。2時過ぎには一時161.50円と日通し高値を更新した。
・米ドルカナダドルは米政権による関税を巡る報道を受けて荒い値動きとなった。23時過ぎに1.4550カナダドルまで上げたものの、2時過ぎに1.4373カナダドルの本日安値まで下落。ただ、引けにかけては1.4559カナダドルの本日高値まで一転上昇した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。アップルやインテルなど、前日に発表された四半期決算が好感された銘柄中心に買いが先行するとダウ平均は続伸して始まった。ただ、米政権が2月からカナダやメキシコなどに対して新たな関税を課すと改めて伝わると、米経済やインフレへの影響を懸念した売りが優勢に。指数は一時370ドル超下落した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米政権による関税を巡る報道を受けて売買が交錯した。結局はレビット米ホワイトハウス報道官が「カナダとメキシコに25%、中国に10%の追加関税を2月1日から課す」と改めて発言したことで、終盤売りが優勢となった。
・原油先物相場は反落。本日もトランプ政権による関税策の報道に右往左往する展開になった。一部報道で「加墨への関税は3月1日から」と報じられると、原油価格は一時72ドルを割り込んだ。ただ、レビット米ホワイトハウス報道官が誤報であると会見で発し、「カナダとメキシコへの25%関税、中国には10%課税は2月1日からということに変更はない」ことに言及し、原油価格も小幅に上昇する場面もあった。しかし、結局は売りの流れが強かったことで、小幅ながら反落して引けた。
・金先物相場は4日ぶりに反落。一時昨日高値を上回り史上最高値を更新した。しかし、レビット米ホワイトハウス報道官が「加墨の関税発動が3月1日というのは誤報である」と会見で発し、「カナダとメキシコへの25%関税、中国には10%課税は2月1日からということに変更はない」と言及すると、米金利の上昇でドルが買われたことを嫌気し軟調に動き、4日ぶりに反落して引けた。なお、1カ月を通すとこの13年間で最も上昇した月になった。
一部通信社が関係者の話として報じたとこによると、「トランプ米大統領は3月1日からカナダとメキシコに関税を課す予定」だという。これまでは2月1日にカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税措置を発動すると表明していた。
ホワイトハウスで報道官が「3月1日からカナダとメキシコに関税を課す」というのは誤報で、2月1日からカナダ・メキシコ・中国に関税課す予定であることに改めて言及した。
31日05:44 トランプ米大統領
「フェンタニル巡り対カナダとメキシコ関税発表へ」
「カナダとメキシコに25%の関税賦課」
「BRICSがドルにとって代わる可能性はない」
「BRICSがドルを代替しようとするなら100%の関税を課す」
31日14:44 植田日銀総裁
「基調的な物価は2%をまだ下回っている」
「基調的物価2%に向けて徐々に高まるよう緩和環境を維持」
「コストプッシュによる物価上昇、国民に多大な負担と認識」
「為替レートを特定水準に誘導する政策はしていない」
「為替変動がインフレ率に様々な影響を与えることは十分認識」
「経済・物価見通しが実現していけば金利引き上げ緩和度合いを調整」
「見通し実現なら利上げで緩和調整の考え、市場に伝わっている」
「財政の健全性に留意しつつ適切な政策運営に努める」
31日19:21 ロンバール仏財務相
「予算協議は正しい方向に進んでいるが、不信任案可決の可能性残る」
31日19:55 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁
「インフレは2%に向かって一段と安定している」
「金融政策の方向性は明確」
「金利引き下げのペースと規模は各会合ごとに決定される」
31日20:49 マクルーフ・アイルランド中央銀行総裁
「政策金利の方向は決まっているが、前もってコミットはしない」
※時間は日本時間
2月3日
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(1月23-24日分)
4日
○08:50 ◇ 1月マネタリーベース
5日
○08:30 ◇ 12月毎月勤労統計(現金給与総額)
6日
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○10:30 ◇ 田村直樹日銀審議委員、あいさつ
7日
○08:30 ◇ 12月家計調査(消費支出)
○08:50 ◇ 1月外貨準備高
○14:00 ◇ 12月景気動向指数速報値
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
2月3日
○09:30 ◎ 12月豪小売売上高
○09:30 ◎ 12月豪住宅建設許可件数
○10:45 ◎ 1月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
○16:00 ◇ 1月トルコ製造業PMI
○16:00 ◎ 1月トルコ消費者物価指数(CPI)
○17:30 ◎ 10-12月期香港域内総生産(GDP)速報値
○17:30 ◇ 1月スイス製造業PMI
○17:50 ◎ 1月仏製造業PMI改定値
○17:55 ◎ 1月独製造業PMI改定値
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏製造業PMI改定値
○18:30 ◎ 1月英製造業PMI改定値
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏HICPコア速報値
○23:45 ◎ 1月米製造業PMI改定値
○24:00 ◇ 12月米建設支出
○24:00 ☆ 1月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
○4日02:30 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○中国(旧正月)、メキシコ(憲法記念日)、休場
4日
○06:45 ◎ 12月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○08:30 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、あいさつ
○24:00 ◎ 12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
○24:00 ◎ 12月米製造業新規受注
○24:00 ◇ 1月メキシコ製造業PMI
○5日04:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○中国(旧正月)、休場
5日
○06:45 ◎ 10-12月期NZ失業率/就業者数増減
○10:45 ◎ 1月Caixin中国サービス部門PMI
○16:45 ◇ 12月仏鉱工業生産
○17:50 ◎ 1月仏サービス部門PMI改定値
○17:55 ◎ 1月独サービス部門PMI改定値
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
○18:30 ◎ 1月英サービス部門PMI改定値
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 1月ADP全米雇用報告
○22:30 ◇ 12月カナダ貿易収支
○22:30 ◎ 12月米貿易収支
○23:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、イベントに参加
○23:45 ◎ 1月米サービス部門PMI改定値
○23:45 ◎ 1月米総?⑰MI改定値
○24:00 ☆ 1月米ISM非製造業指数
○6日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○6日01:00 ◎ 12月ロシア失業率
○6日03:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○09:30 ◇ 12月豪貿易収支
○15:45 ◇ 1月スイス失業率(季節調整前)
○16:00 ◎ 12月独製造業新規受注
○16:00 ◎ 1月スウェーデンCPI
○16:30 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
○18:30 ◎ 1月英建設業PMI
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏小売売上高
○21:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表
○21:00 ☆ 英中銀MPC議事要旨
○21:30 ◇ 1月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30 ◇ 10-12月期米非農業部門労働生産性・速報値
○22:30 ◇ 10-12月期米単位労働コスト・速報値
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
○24:00 ◇ 1月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日04:00 ◎ メキシコ中銀、政策金利発表
○ニュージーランド(ワイタンギ・デー)、休場
7日
○13:30 ☆ インド中銀、金融政策決定会合
○16:00 ◎ 12月独鉱工業生産
○16:00 ◇ 12月独貿易収支
○16:45 ◇ 12月仏貿易収支
○16:45 ◇ 12月仏経常収支
○17:00 ◇ 1月スイスSECO消費者信頼感指数
○17:45 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○21:00 ◎ 1月メキシコCPI
○21:15 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○22:30 ☆ 1月カナダ雇用統計
○22:30 ☆ 1月米雇用統計
○24:00 ◎ 2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
○24:00 ◇ 12月米卸売売上高
○8日03:00 ◎ 1月ブラジル貿易収支
○8日05:00 ◇ 12月米消費者信用残高
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
◆豪ドル、インフレ鈍化で利下げ観測高まる
◆豪ドル、米国との金利先安観の違いが重しに
◆ZAR、SARBは米関税政策によるインフレリスクを警戒
予想レンジ
豪ドル円 93.50-98.50円
南ア・ランド円 8.15-8.60円
2月3日週の展望
豪ドルは上値の重い動きとなりそうだ。今週発表された10-12月期消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%と前期の2.8%から鈍化。価格変動の大きい品目を除いたトリム平均も同様に前期の前年比3.6%から3.2%へと低下し、豪州のインフレ鈍化傾向が改めて確認された。
この結果を受けて豪州の主要銀行が利下げ予想時期を5月から2月へと前倒ししたほか、金利先物市場では豪準備銀行(RBA)の次回理事会(2月17-18日)における利下げを90%以上織り込んだ。また、年内で合計3-4回の利下げも織り込み始めており、豪金利の先安観が高まってきている。
一方、今週開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では4会合ぶりに政策金利が据え置かれたほか、声明文でもインフレ再燃への警戒感が示されており、米国の金利先安観は後退しつつある。目先は豪米の金利先安観の違いが意識されることで豪ドルの上値は重くなるだろう。
もっとも、トランプ米大統領の言動には引き続き注意が必要だ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はFOMC後の会見で「大統領の発言について一切コメントするつもりはない」としたが、利下げを求める米大統領からの圧力が強まれば市場にも動揺が走り、米金利やドル相場などが振らされる可能性もありそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な展開が予想される。南アフリカ準備銀行(中央銀行、SARB)は金融政策決定委員会(MPC)で市場予想通りに政策金利を7.75%から7.50%へと引き下げたものの、6人のメンバーのうち2人は金利据え置きを主張していたことが明らかになった。また、インフレ見通しに関しては「今年上半期を通じて目標レンジの下限に留まる可能性が高い」としながらも、MPCでは今後の世界的な貿易戦争の検討に時間を費やし、世界的なインフレ上昇とZAR安が進むことで、国内インフレの上昇と政策金利がベースラインの予測と比較して上昇するシナリオについても言及した。なお、このリスクシナリオではZARが対ドルで現在の18ZAR台から21ZAR付近までドル高・ZAR安が進むとしており、今後の米政権の関税政策次第でZARの下値余地が大きく拡大する可能性には警戒しておきたい。
1月27日週の回顧
豪ドルは軟調に推移。米ハイテク株の下落などで週初からリスク回避目的の売りが強まったほか、豪CPIの公表後にはRBAの利下げ観測を手掛かりにした売りも出た。豪ドル米ドルは一時0.62米ドル割れ、豪ドル円は95円台までそれぞれ上値を切り下げた。
ZARも週初はリスク回避の動きから対ドル・対円でともに売りが先行。もっとも、一巡後は下げ渋る動きとなった。南ア国民統一政府(GNU)内の対立に関して過度な懸念が後退したこともZARの買い戻しを誘ったようだ。
◆ポンド、英中銀は利下げ見込み MPC委員の投票行動がポイントに
◆加ドル、トランプ関税の影響に警戒
◆加ドル、追加利下げもガイダンスは撤回
予想レンジ
ポンド円 188.50-194.50円
加ドル円 104.50-108.50円
2月3日週の展望
ポンドは、2月6日にイングランド銀行(英中銀、BOE)が発表する政策金利や金融政策報告書に注目。市場は、英金融政策委員会(MPC)が現行4.75%の政策金利を4.50%に引き下げると見ている。予想通りであれば2会合ぶりの利下げとなり、2023年5月以来の金利水準となる。英国では、12月消費者物価指数(CPI)が総合・コアともに市場予想より鈍化し、サービス部門のインフレも減速基調。経済データも鉱工業生産や小売売上高などが予想から下振れているほか、雇用状況も悪化しつつある。そういったなかでの利下げは妥当と言えるだろう。
英金融イベントで留意すべき点は、MPC委員9人の投票行動。金利据え置きの前回12月の会合でも、ラムスデン副総裁とディングラ、テイラー両委員が0.25%の利下げを主張した。今回はこの3人に何人追随するかがポイントになる。一部通信社の調べでは、利下げ7人/据え置き2人と見る向きが多いもよう。このバランスが崩れた方にポンド相場は反応するのではないか。
今回、政策金利と同時に公表されるのが金融政策報告書。四半期に一度のレポートでは、インフレ見通しに注目が集まる。昨年11月の前回報告では、2025年半ばにかけて約2.75%まで上昇し、26年は目標2%よりも高めの水準で推移。その後27年末に1.8%まで低下するとの予想が示された。これは8月の従来予測よりもインフレ目標達成時期を1年後ろにずらした形だった。
加ドルは、米国の関税政策がやはり警戒すべき材料だ。米ホワイトハウスは今週、カナダとメキシコからの輸入品に関税を課す時期について、トランプ大統領が当初言及した2月1日で検討していると述べた。米商務長官候補がその後、2カ国が違法薬物対策を強化すれば関税回避の可能性を示唆したものの、加ドル買いは盛り上がらず。カナダ側も、関税が発動された場合の報復措置は「米国により大きな打撃となる製品に重点を置く」と完全に身構えている。トランプ米大統領の決定次第では、加ドル相場は週明けのオセアニア市場からかなり荒い値動きとなりそうだ。
なおカナダ中銀(BOC)は29日の会合で、市場予想通りに政策金利を0.25ポイント引き下げて3.00%とした。声明では「米新政権による貿易関税の脅威により、通常よりも不確実性に晒されている」とし、政策金利調整のガイダンスを撤回した。ただ、トランプ関税の影響を考慮しなくても、カナダ成長見通しは下方修正されており、その上で先行き不安定さが増すようだと加ドルの買いづらさは続いてしまうだろう。
1月27日週の回顧
ポンドは対円で週明け194.60円台から192円前半まで売り先行。米ハイテク株の大幅下落からリスク回避の動きが強まった。一旦下げ渋るも、週後半には191円前半まで下げ幅を広げた。対ドルでは1.25ドル前半から1.24ドル割れまで水準を下げた。
加ドルは対円では108円後半から105円後半、対ドルでは1.43加ドル前半から一時1.45加ドル後半まで加ドル安が進行。トランプ関税への警戒感が高まると加ドル売り圧力が強まった。
◆ドル円、雇用統計始め米重要指標に注目
◆ドル円、引き続き米関税政策の行方には警戒
◆ユーロドル、景気悪化懸念や追加利下げ観測から上値重い
予想レンジ
ドル円 152.50-157.00円
ユーロドル 1.0000-1.0500ドル
2月3日週の展望
ドル円は、米経済指標に一喜一憂する展開が想定される。日米金融イベントを通過したが、日銀・米連邦準備理事会(FRB)ともに今後の金融政策については慎重な姿勢を示しており、現時点では方向性をつかめないといった状況だ。日銀は23-24日の会合で0.50%への利上げを決定したものの、植田日銀総裁は記者会見で「利上げのペースや時期については予断を持たず、そのときの経済・物価情勢を慎重に見て判断」との見解を示した。また、FRBは28-29日のFOMCで利下げの休止を発表し、「インフレは2%の目標に向けて進展してきた」との文言を削除したことでタカ派的と見られたが、パウエルFRB議長が会見で「追加利下げにはさらなるデータが必要だとの見方は変わっていない」と述べた。今後の手掛かりを得られなかったことで市場では手詰まり感が出ているが、日米ともに共通するのは今後のデータ次第であるという点であり、目先の経済指標に対して敏感に反応しそうだ。
来週は2月に入って3日に1月ISM製造業景況指数、4日に12月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、5日に1月ADP雇用統計や1月ISM非製造業景況指数、6日には10-12月期四半期非農業部門労働生産性・速報値、7日は1月雇用統計が予定されている。
また、引き続き米政権の関税政策には注意したい。トランプ米大統領は、30日には予定通りカナダとメキシコに対して2月1日から関税を課す考えを改めて表明し、為替市場では一時ドル高が進んだ。週末に3国間の協議次第では撤回される可能性も残されているが、週明けのオセアニア市場の動きには警戒が必要だろう。
ユーロドルは、頭の重い展開が想定される。欧州中央銀行(ECB)は30日の定例理事会で4会合連続での利下げを決定し、声明では「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」との見解が示された。ただ、ラガルドECB総裁は記者会見で追加利下げの可能性を排除しなかった。同日発表の仏・独・ユーロ圏の10-12月期国内総生産(GDP)速報値がいずれも弱い内容となるなど、欧州の景気悪化懸念が一段と高まるなかでユーロ売りが再び強まる可能性はあるだろう。
1月27日週の回顧
ドル円は一進一退。中国の新興企業の最新AIモデルを巡ってハイテク株中心に米株価指数先物が急落すると一時153.72円と昨年12月18日以来の安値を付けた。ただ、米政権の関税政策に対する警戒感からドル買いが優勢になると一転して反発。一時155.98円まで切り返した。一方、週末にかけては月末絡みの売りも観測されて再び153.79円まで失速した。
ユーロドルは上値が重い。週明けこそ1.0533ドルまで上昇したが、米関税政策への懸念でドル高が加速すると1.0383ドルまで一転下落した。
31日の日経平均は3日続伸。終値は58円高の39572円。
今週はAIに対する警戒が高まったことを機に、売買代金上位銘柄とそれ以外が対象的な動きをすることが多かった。週間では日経平均が0.9%安となった一方、TOPIXは1.4%高とプラスで終えており、パフォーマンスには開きがあった。動きが良かったTOPIXはきょうの高値が2795.21pまであり、節目の2800pや昨年大納会の高値2811.71pに接近している。日経平均の方は節目の4万円まではもう少し距離がある上に、この近辺では戻り売りも出やすくなる。来週はTOPIXが直近の高値を上回ることができるかに注目しておきたい。
【来週の見通し】
一進一退か。2月相場に入り、週末7日には米国で1月雇用統計が発表される。注目の指標を前に、指数は方向感が定まらないと予想する。日本は決算発表ラッシュに突入し、東京エレクトロンなど指数寄与度の大きい銘柄の発表も予定されている。米国でもアルファベットやアマゾンなど注目度の高い銘柄が決算を発表予定で、日々の指数の振れ幅は大きくなる可能性がある。ただ、急騰する銘柄も急落する銘柄も多くなるであろうから、投資家のセンチメントは強気にも弱気にも傾きづらい。週間では水準が大きく変化しないと予想する。
【今週を振り返る】
軟調となった。中国新興企業DeepSeek(ディープシーク)の開発するAIが米国テック企業に脅威になるとの見方が浮上し、日経平均は27日、28日と連日で大幅安。半導体株や電線株が強烈に売り込まれた。27日の米国市場ではエヌビディアが1日で17%近い下落となった。そのエヌビディアが切り返したことから、29日は大幅上昇。30日は業績好調が確認できたアドバンテストに買いが入り、AI関連に対する過度な警戒は後退した。31日は方向感に欠ける動きとなったものの、プラスを確保。前半の下げが大きく、週間では下落した。日経平均は週間では約359円の下落となり、週足では陰線を形成した。
【来週の予定】
国内では、日銀金融政策決定会合の主な意見(1/23~24開催分)、1月新車販売台数、1月軽自動車販売台数(2/3)、1月マネタリーベース、10年国債入札(2/4)、12月毎月勤労統計調査(2/5)、1月都心オフィス空室率、30年国債入札(2/6)、12月家計調査、12月景気動向指数(2/7)などがある。
海外の経済指標の発表やイベントでは、中国1月財新製造業PMI、米1月ISM製造業景況指数(2/3)、米12月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、米12月製造業新規受注(2/4)、米1月ADP雇用統計、米12月貿易収支、米1月ISM非製造業景況指数(2/5)、イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表(2/6)、米1月雇用統計、米2月ミシガン大学消費者マインド指数、米12月消費者信用残高(2/7)などがある。
今週の日経225先物は、トランプ米政権の関税政策や米雇用統計などの重要な経済指標、さらには日米決算発表を睨んでの相場展開になりそうだ。1月31日の米国市場では、主要な株価指数が下落した。12月の米個人消費支出(PCE)では、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視しているPCEコア指数が前月比0.2%上昇、前年比では2.8%上昇した。いずれも予想と一致し、追加利下げを後押しする内容と受け止められて、NYダウは一時12月4日につけた終値ベースの最高値(4万5014ドル)を上回る場面もみられた。
ただし、トランプ政権がカナダとメキシコに25%、中国には10%の関税を課すと改めて伝わるなか、関税発動は米国にも経済的な影響を及ぼす可能性があることが警戒されて、その後は売りが優勢となった。また、中国のディープシークが開発した低コスト・高性能の人工知能(AI)「DeepSeek」に対する警戒も燻り、エヌビディア
今週もこうした要因に振られやすい状況が続きそうだ。日経225先物は1月31日の取引終了後のナイトセッションで、日中比270円安の3万9360円で終えた。ロング優勢で始まり、米国市場の取引開始後に上へのバイアスが強まると、一時3万9820円まで買われる場面もみられた。ただし、買い一巡後は終盤にかけてロング解消の動きが強まった。
なお、トランプ米大統領は2月1日、カナダとメキシコ、中国からの輸入品への関税賦課について大統領令に署名した。今後、対象国による対抗措置、さらにそれを受けた米国の報復措置が警戒されてくる可能性もあろう。関連する報道によっては、短期的にショートを仕掛けてくる動きがありそうだ。
また、米国の経済指標では、3日に1月ISM製造業景気指数、5日にADP雇用統計、ISM非製造業景気指数、7日に雇用統計などの発表が控える。これらの結果の見極めで慎重姿勢が強まる可能性もあるが、米連邦公開市場(FOMC)が通過したことで、市場に与える影響はそれほど大きくはないとみておきたい。
日経225先物は、25日移動平均線(3万9360円)水準が支持線として意識されやすい。同線を割り込んでくるようだと75日線(3万9060円)が意識されてくるが、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9375円処では押し目狙いのロング対応を想定する。一方、3万9820円まで買われ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9860円)に接近する場面もみられた。+1σを捉えてくると、4万円の大台のほか+2σ(4万0360円)とのレンジに移行する可能性があろう。その場合にはオプション権利行使価格の3万9375円から4万0375円での推移が意識されてくる。
また、週間形状では13週線(3万9170円)と+1σ(3万9820円)によるレンジである。13週線を上回って推移する局面では、ショートを仕掛けづらくさせそうだ。半面、日足・週足いずれも同水準で推移する+1σを捉えてくるようだと、ショートカバーを誘うことになるだろう。
そのほか、決算発表が本格化するなか、積極的にポジションを傾けにくい需給状況であるが、先週はアドバンテスト <6857.T> [東証P]やNEC <6701.T> [東証P]、日立製作所 <6501.T> [東証P]などハイテク株の決算を受けた上昇によって、センチメントを明るくさせる場面もみられた。1月31日の大引け後に決算を発表したこところでは、アルプスアルパイン <6770.T> [東証P]、SCREENホールディングス <7735.T> [東証P]の決算が好感される可能性があろう。
ハイテク企業の良好な決算が目立っていることも、押し目狙いのロング対応に向かわせやすい。今週は東京エレクトロン <8035.T> [東証P]が6日に2025年3月期第3四半期決算の発表を予定しており、市場の関心が集まることになるだろう。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.19倍となり、前週末(1月24日)の14.52倍から低下している。これもディープシーク・ショックの影響が大きく、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げが目立つ一方で、内需系などTOPIX型へのシフトが強まった影響である。週前半の低下で200日線(14.23倍)を割り込んでおり、その後は同線が抵抗線として意識されていた。昨年11月の直近安値水準まで低下したことで、いったんはリバランスが入りやすいとみられるが、まずは明確に200日線を上抜けてくるかを見極めたいところである。
1月第3週(1月20日-24日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では4週ぶりの買い越しであり、買い越し額は9300億円(1月第2週は9729億円の売り越し)だった。なお、現物は3911億円の買い越し(同46億円の売り越し)と2週ぶりの買い越しであり、先物は5389億円の買い越し(同9682億円の売り越し)と4週ぶりの買い越し。個人は現物と先物の合算で7491億円の売り越しと4週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で3776億円の売り越しとなり、2週ぶりに売り越した。
主要スケジュールでは、3日に日銀金融政策決定会合の主な意見(1月23~24日分)、米国1月ISM製造業景気指数、4日に米国12月製造業新規受注、5日に12月毎月勤労統計、中国1月財新サービス業PMI、米国1月ADP雇用統計、米国12月貿易収支、米国1月ISM非製造業景気指数、6日にイングランド銀行(BOE)政策金利、7日に12月景気動向指数、米国1月雇用統計、米国2月ミシガン大学消費者信頼感指数などが予定されている。
<国内>
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(1月23-24日分)
<海外>
○09:30 ◎ 12月豪小売売上高(予想:前月比▲0.7%)
○09:30 ◎ 12月豪住宅建設許可件数(予想:前月比1.0%)
○10:45 ◎ 1月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.5)
○16:00 ◎ 1月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月4.35%/前年比41.25%)
○16:00 ◇ 1月トルコ製造業PMI
○17:00 ◎ シムカス・リトアニア中銀総裁、記者会見
○17:30 ◇ 1月スイス製造業PMI(予想:49.1)
○17:30 ◎ 10-12月期香港域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比なし/前年比2.7%)
○17:50 ◎ 1月仏製造業PMI改定値(予想:45.3)
○17:55 ◎ 1月独製造業PMI改定値(予想:44.1)
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:46.1)
○18:30 ◎ 1月英製造業PMI改定値(予想:48.2)
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.4%)
○19:00 ☆ 1月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.6%)
○23:45 ◎ 1月米製造業PMI改定値(予想:50.1)
○24:00 ☆ 1月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:49.6)
○24:00 ◇ 12月米建設支出(予想:前月比0.2%)
○4日02:30 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○中国(旧正月)、メキシコ(憲法記念日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39360 -270 (-0.68%)
TOPIX先物 2771.5 -19.5 (-0.69%)
シカゴ日経平均先物 39355 -275
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
31日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。2024年12月の米個人消費支出(PCE)統計では、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視しているPCEコア指数は前月比0.2%上昇となり、予想と一致した。FRBの追加利下げを後押しする内容と受け止められ、NYダウは買いが先行して始まった。ただし、トランプ米政権がカナダとメキシコに25%、中国には10%の追加関税を課すと改めて伝わるなか、米経済やインフレへの影響を懸念した売りが優勢となり下げに転じた。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比275円安の3万9355円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比20円高の3万9650円で始まり、3万9720円まで買われた後に3万9550円まで売られたが、米国市場の取引開始後にリバウンド基調が強まり、中盤にかけて3万9820円まで上げ幅を広げる場面もみられた。ただし、終盤にかけて下へのバイアスが強まり下落に転じると、一時3万9340円まで下げ、3万9360円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時3万9820円まで買われ、ボリンジャーバンドの+1σ(3万9860円)に接近する場面もみられたが、終盤にかけてロング解消の動きが強まった。25日移動平均線(3万9360円)まで下げており、同線が支持線として機能するかを見極めたいところだろう。
米国市場ではトランプ政権による関税政策の警戒から売られており、対象国による対抗措置、さらにそれを受けた米国による報復措置の動きが警戒される可能性もある。これらに関連する報道によっては、短期的なショートを仕掛けてくる動きがありそうだ。
ただし、決算発表が本格化するなか、積極的にポジションを傾けにくい需給状況である。先週はアドバンテスト<6857.T>[東証P]の上方修正が材料視される場面がみられたほか、ハイテク企業には良好な決算が目立った。今週は指数インパクトの大きい東京エレクトロン<8035.T>[東証P]が、6日に2025年3月期第3四半期決算の発表を予定しており、ショートを仕掛けづらくさせよう。
日経225先物は25日線水準での底堅さを見極めつつ、同線を割り込んでくると75日線が位置する3万9060円が意識されてくるが、このレンジでは押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。一方で、25日線水準での底堅さがみられる局面では、+1σとのレンジ推移が継続することになる。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9875円でのレンジを想定する。
31日の米VIX指数は16.43(30日は15.84)に上昇した。前日に割り込んだ200日線(16.19)を突破して終えており、一時75日線(16.71)、25日線(16.78)を上抜ける場面もあった。ただし、終値で20.00を上回ってくるまでは、過度なリスク警戒にはつながらないとみておきたい。
先週末のNT倍率は先物中心限月で14.19倍と横ばいだった。一時14.25倍に上昇する場面もみられたが、ディープシークショックで割り込んだ200日線(14.23倍)水準では戻りの鈍さがみられている。昨年11月の直近安値水準まで低下したことで、いったんはリバランスが入りやすいとみられるが、まずは明確に200日線を上抜けてくるかを見極めたいところである。
31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米国でのインフレ再燃や米関税政策への警戒感から155.22円まで上昇した。ユーロドルは1.0350ドルまで下落した。ユーロ円は161.50円まで上昇した。米ドルカナダドルはトランプ関税が2月1日に発動されることで1.4559カナダドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している12月のPCEデフレーターが前年比+2.6%となり、11月の+2.4%、10月の+2.3%、9月の+2.1%から上昇基調にあることやトランプ関税の発動を受けて底堅い展開が予想される。
しかし、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ確率は、6月FOMCが46%台(-0.25%=4.00-25%)、12月FOMCが33%前後(-0.25%=3.75-4.00%)とほぼ変わらずとなっており、上値は限定的だと思われる。
トランプ関税がカナダとメキシコに対して発動されたが、トランプ米大統領は「欧州連合(EU)に対しても何らかの非常に重要な関税を賦課する意向」と述べている。
EUも報復関税を示唆しており、米国を軸にした貿易戦争が勃発しつつある。
米国のピーターソン国際経済研究所によれば、トランプ関税のコストは米国内総生産(GDP)の1.8%となり、第1次トランプ米政権での米中貿易戦争でのコスト0.4%を大幅に上回るとのことで、貿易戦争での勝者はいない。すなわち、貿易戦争はリスク回避要因となる可能性があることに警戒しておきたい。
今週は、7日に日米首脳会談が予定されている。これまでトランプ米大統領は、日本に対する関税やドル高・円安に関する言及はなかった。しかし、昨年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べており、同様の見解が示される可能性があることで、ドル円の上値は限定的だと思われる。
8時50分に発表される日銀金融政策決定会合における主な意見(1月23-24日分)では、ターミナルレート(利上げの最終到達点)が議論されたのか否かに注目したい。
9時30分に発表される12月豪小売売上高の予想は前月比▲0.7%となっている。先週発表された10-12月期豪消費者物価指数(CPI)は前年比+2.4%と前期の+2.8%から鈍化し、価格変動の大きい品目を除いたトリム平均も同様に前期の前年比+3.6%から+3.2%へと低下し、豪州のインフレ鈍化傾向が改めて確認された。
金利先物市場では17-18日に開催される豪準備銀行(RBA)理事会での利下げ確率が90%程度まで上昇しているが、小売売上高が予想通りに悪化していた場合、利下げ確率がさらに上昇すると思われる。
3日の中国株式市場は春節(旧正月)の連休につき休場。取引は2月5日から再開される。
日経225先物は11時30分時点、前日比1050円安の3万8580円(-2.64%)前後で推移。寄り付きは3万8610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9355円)を大きく割り込み、ギャップダウンで始まった。現物の寄り付き時には3万8410円まで売られ、売り一巡後は中盤にかけて3万8870円まで下落幅を縮めた。ただし、急落によって需給状況は悪化しており、終盤にかけては3万8600円を挟んでの推移を継続している。
トランプ米大統領が1日にメキシコ、カナダ、中国への追加関税を課す大統領令に署名したことを受け、リスクオフの展開となった。これまで報道によって、ある程度は織り込まれていたとみられたが、ギャップダウンによってヘッジ対応のショートが強まったようだ。日経225先物は75日移動平均線(3万9050円)を一気に下抜け、一時200日線(3万8490円)を割り込む場面もあった。200日線を割り込み、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8270円)に接近したことで、やや下げ渋る動きをみせているが、再び200日線を割り込んでくるようだと、ショートの動きが強まりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.15倍に低下した。一時14.23倍に上昇する場面もみられたが、200日線(14.23倍)に抑えられる形となった。その後は一時14.09倍まで低下しており、NTショート向かわせよう。
2月に入ってもトランプ相場が続いています。先週末も月末要因などのフローは主人公とはなれず、ひたすらトランプ関税に関する報道や言動に振らされることになったわけですが、一部で「カナダ、メキシコ、中国への関税は予定の2月1日より1カ月発動が延期される」と報じられるとドル売りで反応。ただ、ホワイトハウスがこの報道を否定して「予定通り」との見解を表明すると一転してドル買いが強まる展開となりました。
ドル円は154.67円まで下押しした後、ホワイトハウスの否定を受けて155.22円まで買戻されています。ユーロドルは1.0434ドルまで上昇した後、引けにかけては1.0350ドルの安値まで値を下げて週末の取引を終えました。カナダドルやメキシコペソはいわずもがなと言った乱高下となりました。
そして、週末にはトランプ米大統領が2月4日からの関税賦課に関する大統領令にサインすると、週明けのオセアニア市場から再び荒れた展開に。ドル円は一時155.79円まで急伸した後、クロス円の急落から154.67円まで下落。東京勢参入後は本邦実需の買いが断続的に観測されたほか、再びドル買いの流れとなるなか155.89円まで買戻されているといったところです。今後の関税賦課の可能性が強まっているユーロドルは1月13日の安値1.0178ドルを下抜けて一時1.0141ドルまで急落。新たに米国からの資金拠出の打ち切りが表明された南アランドも急落。カナダ円やメキシコペソ円も安値を更に更新したのは言うまでもありません。
いずれにしても、2月に入ってトランプ関税が本格的に始動。日経平均は海外勢のヘッジ売りが先行していることもあり、不必要に1100円を超える急落を演じているわけですが、こういった反応こそが米新政権の政策に対する市場の反応であって、日銀のトランプ政権発足直後の、しかも、日本でも石破首相の通常国会冒頭での施政方針演説当日という、最もタイミングの悪い不可解な利上げが悪い意味で際立ってしまっています。
ドル円は、先週末に一目雲を意識しつつ153円台後半で下値を固めたようなかたちとなっていますが、トランプ関税が基本的にはドル高の要因となるという方向性をしっかりと認識しておくことが重要となってきています。
2022年10月に亡くなった東京大学名誉教授の小宮隆太郎氏は、白川第30代日銀総裁や植田第32代日銀総裁の指導教官として知られているが、日銀の経済政策を批判してきた。
日銀は、2024年12月19日、1990年代後半から25年間にわたる金融緩和政策の効果と副作用をまとめた検証結果「多角的レビュー」を公表したが、非デフレ化には貢献したものの、想定ほど効果なし、と結論付けた。
植田日銀総裁は、2024年3月、異次元緩和の一環としてマイナス金利政策を撤廃し、短期金利を操作する普通の金融政策に回帰し、2025年1月には、政策金利を0.5%まで引き上げている。
1. 多角的レビュー
■非伝統的な異次元緩和政策の効果
・短期金利の操作による伝統的な政策手段に比べ不確実
・今後、採用を検討する際は、副作用を抑制しながら制度を設計していく必要がある
■政策運営への教訓
・景気悪化時に実質金利を引き下げることができるよう、小幅のプラスの物価上昇率を安定して実現していくことが重要
・利上げを進めて不況時に利下げできる余地を確保しておく必要性
■異次元緩和の効果
・実質GDP(国内総生産):+1.3~1.8%程度
・消費者物価(生鮮食品とエネルギー除く):+0.5~0.7%程度
■副作用
・国債増発や財政規律の緩みを招いたとの批判
・『財政ファイナンス』ではないと明確に示していくことが極めて重要
2. 2014年下半期(7~12月)の金融政策決定会合の議事録
2014年4月の消費税増税により物価目標実現が危ぶまれる事態を受けて、10月31日の日銀金融政策決定会合で、マネタリーベース(資金供給量)を80兆円(従来60兆~70兆円)へ拡大する追加緩和策が、賛成5対反対4で決定された。
■賛成:5
・岩田副総裁「経済・物価情勢の下方リスクに対応して追加緩和すべき時だ」
・中曽副総裁「国債の買い入れ額増でマネタリーベースの増加ペース拡大を提案」
・黒田総裁「デフレマインド転換が遅延するリスクを防ぎ、期待形成のモメンタムを維持」
・宮尾委員、白井委員
■反対:4:森本委員、石田委員、佐藤委員、木内委員
3.日銀審議委員の正常化
植田日銀総裁は、金融政策の正常化を進めているが、日銀審議委員の正常化も進みつつある。次期日銀審議委員候補の小枝早大教授は、金融やマクロ経済を専門とする経済学者であり、2024年4月の日経経済教室では「マイナス金利解除後の展望 財政の持続性確保が大前提」とのタイトルで、国債購入額を減らして、肥大化したバランスシートを縮小していくことが必要だと指摘していた。
2022年12月の経済教室では「超低金利脱却へ環境整えよ あるべき金融政策」とのタイトルで、超低金利によるマイナス面を指摘していた。
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値を見極めつつ、欧米貿易戦争勃発の可能性に警戒していく展開となる。
1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値の予想は前年比+2.4%、ユーロ圏HICPコア速報値の予想は同比+2.6%となっている。
1月の欧州中央銀行(ECB)理事会で政策金利が0.25%引き下げられた後、3月理事会でも0.25%引き下げて、中立金利(1.75%~2.50%)の上限付近まで追加利下げすることが示唆されており、1月のユーロ圏HICPへの注目度は従来ほどではないのかもしれない。
トランプ米大統領は、先週、「欧州連合(EU)に対しても何らかの非常に重要な関税を賦課する意向」と述べ、EUサイドも報復関税を示唆したことで、欧米貿易戦争の様相を呈し始めている。
米国のピーターソン国際経済研究所によれば、トランプ関税のコストは米国内総生産(GDP)の1.8%となり、第1次トランプ米政権での米中貿易戦争でのコスト0.4%を大幅に上回るとのことで、貿易戦争での勝者はいない。
欧米貿易戦争は、米国とユーロ圏にとってマイナス要因となり、ECBに対して更なる利下げが求められるのかもしれない。
ユーロ圏の景況感悪化とECBによる追加利下げの思惑は、ユーロドルの2022年以来のパリティー(1ユーロ=1ドル)割れを射程に入れつつある。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0457ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:161.80円(1/30高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:0.9936ドル(2022/11/10安値)
・ユーロ円:156.99円(2024/12/4安値)
みずほ証券のテクニカルリポートでは、日経平均やTOPIXの1月の騰落率が欧米株を下回っていることに注目している。独DAX、ユーロストックス600、英FT100は史上最高値を更新していた。モメンタム重視の海外投資家の欧州株への関心は高く、出遅れが目立つ日本株への関心は低いとみている。2月は日米欧株とも下落に注意が必要とみずほでは指摘しているが、その中で日本株は欧米株に出遅れ、短期筋の売買が中心となる動きが続くと予想。買い戻し以外には積極的な買い手が不在となり、手じまい売りに押されやすくなると考えている。
ドル円:1ドル=155.57円(前営業日NY終値比△0.38円)
ユーロ円:1ユーロ=159.31円(▲1.47円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0240ドル(▲0.0122ドル)
日経平均株価:38520.09円(前営業日比▲1052.40円)
東証株価指数(TOPIX):2720.39(▲68.27)
債券先物3月物:140.75円(△0.08円)
新発10年物国債利回り:1.245%(△0.005%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は荒い値動き。トランプ米大統領が1日にカナダとメキシコからの輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の追加関税を課す大統領令に署名したことを受け、米インフレ再燃リスクを意識したドル買いが先行した。週明けの早朝取引では一時155.79円まで上昇。その後はクロス円が全面安となった影響から154.67円まで押し戻されたが、本邦勢の参入後は再び買い戻しが入り、155.89円まで反発した。
・ユーロ円は売りが優勢。トランプ米大統領がカナダやメキシコ、中国に追加関税を発動したことを受けて、当該国の通貨を中心にクロス円が軒並み安となるなか、ユーロ円も一時158.00円まで下押しした。一巡後は159.70円台まで買い戻しが入る場面も見られたが、週明け早朝からの下げ幅を取り戻すには至っていない。
なお、カナダドル円は一時104.92円、メキシコペソ円は7.29円まで大幅に下落した。両国はそれぞれトランプ関税に対して対抗措置を講じる方針を表明している。
・ユーロドルは軟調。トランプ関税によるドル高の流れに沿ったほか、関税対象が欧州へと向けられる懸念もあり、週明けの早朝取引では2022年11月以来の安値となる1.0141ドルまで値を下げた。その後の戻りも1.02ドル台後半までにとどまった。
・日経平均株価は4営業日ぶりに大幅反落。トランプ関税による世界経済への影響が懸念され、幅広い銘柄が売りに押された。特に関税の影響を受けやすいとされる自動車株などの下げが目立ち、指数は約1週間ぶりに節目の3万9000円を下回り、下げ幅は1100円を超える場面も見られた。
・債券先物相場は4営業日ぶりに反発。日銀の利上げ継続姿勢などを材料に売り先行で始まったが、寄り付きでの売り一巡後は買い戻しが優勢となった。トランプ米政権の関税政策による貿易紛争への懸念から週初の日本株が大幅安となり、安全資産としての債券需要が意識されると、相場はプラス圏に浮上した。
大阪3月限
日経225先物 38600 -1030 (-2.59%)
TOPIX先物 2730.5 -60.5 (-2.16%)
日経225先物(3月限)は前日比1030円安の3万8600円で取引を終了。寄り付きは3万8610円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9355円)を大きく割り込み、ギャップダウンで始まった。現物の寄り付き時には3万8410円まで売られ、売り一巡後は前場中盤にかけて3万8870円まで下げ幅を縮めた。だが、急落によって需給状況は悪化し、前場終盤には3万8600円を挟んでの推移が続くなか、ランチタイムで一時3万8380円まで下げ幅を広げた。後場は3万8380円から3万8600円辺りでのボトム圏での推移が続いた。
トランプ米大統領が1日にメキシコ、カナダ、中国への追加関税を課す大統領令に署名したことを受け、リスクオフの展開となった。これまでの報道によって、ある程度は織り込まれていたとみられたが、ギャップダウンによってヘッジ対応のショートが強まったようだ。日経225先物は75日移動平均線(3万9050円)を一気に下抜け、一時3万8380円まで下げており、200日線(3万8490円)を割り込む場面もあった。
ただし、200日線を割り込み、ボリンジャーバンドの-2σ(3万8270円)に接近したことで、急ピッチの下げに対する売られ過ぎが意識されやすい。また、1月半ばと昨年12月半ばの調整局面では200日線辺りで目先底を形成したこともあり、押し目待ち狙いのロングやショートカバーも入りやすい水準だろう。
まずは200日線水準での底堅さを見極めたいところであり、週明けの米国市場の動向が注目される。グローベックスの主要な株価指数先物は、NYダウ先物が570ドル安、ナスダック100先物は370ptほど下落して推移している。週明けの弱い値動きはある程度織り込まれているため、下げが限定的だった場合には、本日の大幅下落によっていったんはリバウンドが意識されやすい。
また、東証プライムの騰落銘柄は値下がり数が9割近くを占め、売買高は24億株超と昨年12月20日(27億株超)以来の水準に膨らんだ。一気に持ち高を圧縮したほか、ギャップダウンからの一段安でヘッジ対応の動きが強まったとみられる。200日線水準でのボトム意識が高まるようだと、ショートカバーによるリバウンドが強まる可能性がある。
一方で、米国市場の下げが強まる局面では、需給が一段と悪化する可能性がある。ボリンジャーバンドの-2σを割り込んでくると、瞬間的に-3σ(3万7720円)辺りが射程に入ってきそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.13倍に低下した。一時14.23倍に上昇する場面もみられたが、200日線(14.23倍)に抑えられる形となった。その後は一時14.09倍まで低下し、昨年9月以来の水準をつけた。同月の安値13.93倍が意識されやすく、NTショート向かわせよう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が3万4159枚、ソシエテジェネラル証券が2万5666枚、サスケハナ・ホンコンが7896枚、JPモルガン証券が6368枚、SBI証券が4525枚、バークレイズ証券が4199枚、日産証券が4060枚、モルガンMUFG証券が2656枚、ゴールドマン証券が2490枚、野村証券が2362枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が4万1154枚、ソシエテジェネラル証券が3万0428枚、バークレイズ証券が9701枚、JPモルガン証券が8518枚、モルガンMUFG証券が5771枚、ゴールドマン証券が5116枚、みずほ証券が5051枚、ビーオブエー証券が3422枚、BNPパリバ証券が2459枚、野村証券が2207枚だった。
本日のNY時間のドル円は、引き続きトランプ政権の動向を見定めて、他通貨の動きや株価に連れて動くことになりそうだ。
本日は早朝からトランプ政権による、カナダとメキシコへの追加関税発動で、米インフレ高進による米金利上昇・ドル高が市場を先導した。時間外の米長期金利は、その後アジア時間には低下したものの、ドルの売り戻しへの反応は限定的となった。
追加関税はカナダとメキシコへの影響は大きいものの、市場では米国市場への悪影響は必至と捉え、米株先物市場が大幅安で反応している。ポピュリストなトランプ米大統領であることで、米株安などを懸念して、関税発動を4日から再び延期する言い訳を探す可能性もあり、再びSNSなどでの関税策についての発表の有無には注目したい。
なお、第1次トランプ政権とは違い、他国が米国依存型の経済から徐々に抜け出そうとする傾向にあることで、トランプ政権の圧力をかければかけるほど、脱米国の動きが加速するリスクもある。このことの無視して圧力をかけ続けた場合には、米国のインフレ圧力が増し、米経済が袋小路に陥るリスクにも警戒していきたい。
市場の注目は追加関税が決定したカナダ、メキシコ、今後の課税強化が予想される中国、ユーロ圏などの通貨に集まっている。円に関して言えば、米国のインフレ懸念が高まればドル買いに反応する反面、株価の下落による円買いが重なることで、他通貨と比較して値動きは限定的になるか。
なお、本日米国からの経済指標は1月米製造業PMI改定値、1月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数、12月米建設支出などが発表される。ISM製造業景気指数は通常は市場の反応が敏感になる経済指標だが、先週は米連邦公開市場委員(FOMC)翌日に発表された、12月のPCEデフレーターなどへの市場の反応が限られたように、市場の目がトランプ政権の通商政策に目が移っていることで、ISMも通常よりは反応は限られるかもしれない。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、日足一目均衡表・基準線156.30円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、先週末31日NY時間での安値154.53円。
今週のNY市場は関税問題や決算発表、雇用統計などの経済指標に注目。先週はダウ平均が120.41ドル高(+0.27%)と3週続伸した一方、S&P500は1.00%安、ナスダック総合が1.64%安とともに3週ぶりに反落した。中国のスタートアップ企業ディープシーク(DeepSeek)が低コストの大規模AIを構築したとのニュースを受けて週明け月曜日にエヌビディアなどのAIインフラ株や関連の電力会社株が急落し、ナスダック総合が3%安でスタートしたほか、水曜日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が据え置かれ、声明文が利下げに消極的なややタカ派的内容と受けとめられたことも相場の重しとなった。ただ、好決算を発表したIBM、アップルが大幅高となったほか、ナイキ、アムジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどの上昇も追い風となりダウ平均は週間で上昇を維持した。週末の動きではトランプ大統領がカナダ、メキシコ、中国に追加関税をかける大統領令に署名し、関税発動が正式に決定された。
今週はトランプ関税による貿易摩擦や輸入物価上昇が相場の重しとなることが懸念されるほか、発表が集中する第4四半期決算や、雇用統計などの経済指標が焦点となりそうだ。決算発表はS&P500採用の120社以上が発表予定でアルファベット、アマゾンなどのメガキャップのほか、ウォルト・ディズニー、ペプシコ、モンデリーズ、チポトレ・メキシカン・グリルなどの決算やガイダンスが注目される。経済指標では週末金曜日に1月雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均賃金)が発表されるほか、1月ISM製造業・非製造業PMI、12月JOLTS 求人件数、1月ADP民間部門雇用者数、2月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・5年先期待インフレ率速報値などにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは1月S&Pグローバル製造業PMI確定値、12月建設支出、1月ISM製造業PMIなど。企業決算は寄り前にマクドナルド、タイソン・フーズ、引け後にパランティア・テクノロジーズなどが発表予定。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・田中 理氏
フランスは再び内閣不信任投票へ 政治安定と財政悪化のトレードオフ
2025年予算の早期成立を目指すフランスのバイル首相は1日、議会採決を迂回する特別な立法手続きを用いる方針を固めた。極左政党が内閣不信任案を提出する方針で、不信任案が通れば、バルニエ前首相と同様に退陣に追い込まれる。バイル首相は、政権発足直後の内閣不信任案で投票を棄権した社会党に協力を求めるが、同党は移民を巡る最近の首相の発言で態度を硬化しており、不信任投票の行方は予断を許さない。
今回の不信任案を乗り切った場合も、年金改革の見直し協議が大きな関門となる。バイル首相は社会党の協力の見返りに、マクロン大統領の年金改革の見直し是非を関係者が協議する場を設けることを約束。首相は財政悪化につながらない形の年金改革の見直しに応じる構えを示唆しているが、社会党の要求する年金支給開始年齢の引き上げ撤回は巨額の財政悪化につながる。
年後半に入ると議会の前倒し解散が解禁されるが、左派会派を離脱した社会党は、別の左派勢に対立候補を立てられる恐れがあり、早期の議会選挙を望んでいない。予算案や年金改革の見直しで何らかの譲歩が得られれば、消極的な形にせよ政権を支持するインセンティブがある。このことは、フランスの政治安定につながる一方、財政再建が計画通りに進まない可能性を高める。
日経平均株価は急反落。大きなマドを開けて大幅安で寄り付いた後も下値模索が続いた。終値ベースで200日移動平均線(38635円 2/3)を下回る長い陰線を形成した。
RSI(9日)は前日の63.1%→42.7%(2/3)へ低下。あすも低下が続きやすいタイミングとなる。1/28安値(38886円)を下回ったことで、1/24高値(40279円)からの二段下げ目に入った。先週末のほぼ寄り引け同時の「十字足」が分岐を示していたことになり、短期的には1月安値を保った状態で反転上昇につながるかが焦点となる。
上値メドは、75日移動平均線(39030円 同)、25日移動平均線(39323円 同)、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円などがある。
(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.65円(3日15時時点比▲0.92円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.96円(▲0.35円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0279ドル(△0.0039ドル)
FTSE100種総合株価指数:8583.56(前営業日比▲90.40)
ドイツ株式指数(DAX):21428.24(▲303.81)
10年物英国債利回り:4.487%(▲0.051%)
10年物独国債利回り:2.385%(▲0.075%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月スイス製造業PMI
47.5 47.0・改
1月仏製造業PMI改定値
45.0 45.3
1月独製造業PMI改定値
45.0 44.1
1月ユーロ圏製造業PMI改定値
46.6 46.1
1月英製造業PMI改定値
48.3 48.2
1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比) 2.5% 2.4%
1月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比) 2.7% 2.7%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは持ち直した。トランプ政権によるカナダ、メキシコ、中国に対する関税や、各国の報復関税など対抗措置による貿易戦争激化への懸念を背景に、アジア市場では一時1.0141ドルと2022年11月以来の安値を付けた。
ただ、欧米市場に入ると下げ渋る展開に。急ピッチで下落した反動でショートカバーが先行。メキシコのシェインバウム大統領が「同国に対して米国が表明した25%の関税の発動が1カ月延期される」と明らかにすると、トランプ関税による貿易戦争激化への懸念が和らぎユーロ買い・ドル売りがさらに進んだ。0時30分過ぎには一時1.0335ドルと日通し高値を更新した。
・メキシコペソは買い戻しが優勢。ドルペソは一時20.4070ペソ、ペソ円は7.58円までペソ高に振れた。トランプ米政権によるメキシコへの関税が1カ月延期になったことが分かるとペソ買いで反応した。
・ドル円は下げ渋り。トランプ米政権による関税発動が世界経済に悪影響を与えるとの懸念が高まると、欧米株価が下落。リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となり、0時30分前に一時154.02円と日通し安値を更新した。
ただ、前週末の安値153.92円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米政府による対メキシコ関税が1カ月先送りになったことが伝わると、株価の下げ渋りとともにドル円にも買い戻しが入り、154.86円付近まで下げ幅を縮めた。
なお、この日発表の1月米ISM製造業景況指数は50.9と予想の49.6を上回り、12月米建設支出は前月比0.5%増と予想の0.2%増より強い内容となった。
・ユーロ円は底堅い動き。0時30分前に一時157.97円と昨年12月9日以来の安値を付けたものの、米国の対メキシコ関税延期をきっかけに買い戻しが強まると159.81円付近まで急速に値を戻した。ただ、週明け早朝取引で付けた日通し高値159.98円を上抜けることは出来なかった。
・ロンドン株式相場は6日ぶりに反落。トランプ米政権による中国やカナダなどへの追加関税が世界経済に影響を及ぼすとの懸念から、本日のアジア株式相場が軟調に推移。英株にも売りが波及した。HSBCやバークレイズなど金融株が売られたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は5日ぶりに反落。トランプ米政権による関税発動が世界経済に悪影響を与えるとの懸念が高まると、独株にも売りが広がった。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。個別ではフォルクスワーゲン(4.10%安)やシーメンス・エナジー(4.08%安)、BASF(3.81%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。トランプ米政権の関税政策に不透明感が強い中、相対的に安全な資産とされる独国債が買われた。
2月に入り3日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は1052円安の38520円。トランプ大統領が1日にカナダなどに関税を課す大統領令に署名したことが嫌気され、600円超下落して始まった。トヨタ<7203.T>など自動車株が下げを先導して全面安の展開。1100円超下げて38500円を割り込んだところでいったん切り返したが、10時台半ば辺りからは改めての売りに押された。後場は前場同様に38500円より下では下げ渋ったものの、安値圏でのもみ合いが継続。4桁の下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で5兆5600億円。大きな動きが出てきたことで商いも膨らんだ。業種別ではプラスは情報・通信1業種のみで、海運や空運の下げが相対的に軽微となった。一方、輸送用機器、精密機器、パルプ・紙などが大幅な下落となった。上方修正や増配を発表したコナミグループ<9766.T>が急騰。半面、下方修正を発表したエンプラス<6961.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり154/値下がり1470。トヨタが5.0%安、ホンダが7.2%安、マツダが7.5%安と自動車株が軒並み大幅安。デンソーが8.3%安と部品関連も厳しい下げとなった。ファーストリテイリング、キーエンス、ディスコなど値がさ株が全般軟調。「バッドトランプ」が意識される中、メタプラネットやリミックスポイントなど暗号資産関連が値を崩した。決算失望銘柄は派手に売られており、下方修正を発表したソシオネクストや日本ハムが急落。SMSは場中に値が付かずストップ安比例配分となった。
全面安となる中で好決算を発表した銘柄には資金が集中しており、今期最終黒字を達成できる見込みとなった住友ファーマがストップ高。上方修正を発表した明電舎が急騰した。フジHDが人気化して14.4%高。全体では「トランプリスク」が警戒される中でもソフトバンクGがプラスで終えたほか、SBやKDDIなど通信株の一角が逆行高となった。
本日は名証ネクスト市場にバルコスが新規上場。初値は公開価格をわずかに上回ったが、終値は初値や公開価格を下回った。
2月初日の日経平均は大幅安。大幅ギャップダウンで始まり、場中も下げ幅を広げた。目先は上でも下でも振れ幅が大きくなる可能性がある。きょうの安値は38401円。昨年後半以降は38000円~40000円レベルでのレンジ相場が続いており、38000円辺りまでで売りが一巡するかどうかが焦点となる。1月後半に4万円乗せを達成した後は失速しているだけに、きょうの下げはレンジ下限に向けての動きに勢いがついただけとも考えられる。ただし、きょうレベルの下げが間を置かず続いて38000円を明確に割り込んでしまうと底抜けに対する警戒が高まる。週初からなすすべなく4桁の下落となったが、あすは仮に下げたとしても下値で買いが入るかどうかに注意を払っておきたい。
SMBC日興証券では、1月の東京都区部コアCPI(生鮮食品を除くCPI)が前年同月比+2.5%となったことを受けて、2月21日公表予定の1月の全国コアCPIを同+3.2%と予想している。今年前半は家計の実感と基調的なインフレの差は大きいままとみているが、その後は輸入物価の押し上げが減衰することで、コアCPIは内生的なインフレ率に近い水準になってくるとSMBC日興では予想。2025年末のコアCPIは前年比+1.4%程度まで減速すると予想している。
3日08:50 日銀金融政策決定会合における主な意見(1月23-24日分)
「『物価安定の目標』の持続的・安定的な実現という観点から、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適切である」
「利上げ後も、実質金利は大幅なマイナスであり、経済・物価がオントラックであれば、それに応じて、引き続き利上げをしていくことで、そのマイナス幅を縮小していく必要がある」
「今後、過度な緩和継続期待の醸成による円安進行や金融の過熱を避ける観点から、金融緩和度合いの調整を行うことも必要である」
「昨年前半までのような急激な円安の進行は決して望ましいものではない。一方で、円安是正が過度に進むといった逆のリスクにも相応に注意が必要と考える」
「上下双方向のリスクがかなり大きいことを考えると、利上げのペースやターミナル・レートを示唆することには極めて慎重であるべきである」
3日17:00 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「ECB、追加利下げの可能性はある」
「トランプ関税は懸念材料」
4日00:29 シェインバウム・メキシコ大統領
「関税は1カ月先送り」
「トランプ米大統領と良い会話、一定の合意に至る」
4日00:49 トランプ米大統領
「メキシコへの関税の1カ月先送りを確認」
「メキシコとの交渉はこの1カ月の間で行われる」
4日03:04
「まだメキシコと関税巡り合意していない」
「中国と恐らく今後24時間のうちに話すだろう」
4日01:15 コリンズ米ボストン連銀総裁
「大規模な関税は物価水準を押し上げ、二次的な影響を及ぼす可能性」
「米国経済は総じて好調だと見ている」
「労働市場は好調で、完全雇用に近い」
「金利を再度引き下げる緊急性はない」
4日01:31 カナダ政府高官
「メキシコのような関税延期、カナダは楽観視していない」
4日02:52 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「現在、不確実性は大幅に拡大している」
「FRBは依然としてインフレに重点を置いている」
「インフレは引き続き低下するとの見通し」
「雇用市場は引き続き堅調であるとの見通し」
※時間は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 1月マネタリーベース
<海外>
○06:45 ◎ 12月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
○08:30 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、あいさつ
○22:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○24:00 ◎ 12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:800.0万件)
○24:00 ◎ 12月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.7%)
○24:00 ◇ 1月メキシコ製造業PMI
○5日01:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○5日04:00 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○中国(旧正月)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.73円(前営業日比▲0.46円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.06円(▲0.72円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0344ドル(▲0.0018ドル)
ダウ工業株30種平均:44421.91ドル(▲122.75ドル)
ナスダック総合株価指数:19391.96(▲235.48)
10年物米国債利回り:4.56%(△0.02%)
WTI原油先物3月限:1バレル=73.16ドル(△0.63ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2857.1ドル(△22.1ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月米製造業PMI改定値
51.2 50.1
1月米ISM製造業景況指数
50.9 49.2・改
12月米建設支出
(前月比) 0.5% 0.2%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは6日続落。トランプ米政権によるカナダ、メキシコ、中国に対する関税や、各国の報復関税など対抗措置による貿易戦争激化への懸念を背景に、アジア市場では一時1.0141ドルと2022年11月以来の安値を付けた。
ただ、NY市場に入ると急ピッチで下落した反動でショートカバーが進んだ。シェインバウム・メキシコ大統領が「同国に対して米国が表明した25%の関税の発動が1カ月延期される」と明らかにしたほか、トルドー・カナダ首相が「米国の関税は少なくとも30日間停止」と発言すると、トランプ関税による貿易戦争激化への懸念が和らぎユーロ買い・ドル売りが広がった。取引終了間際には一時1.0350ドルと日通し高値を更新した。
なお、米政権の対メキシコ・カナダ関税延期を受けて、メキシコペソとカナダドルは急伸。ドルペソは一時20.3078ペソ、ペソ円は7.62円までペソ高に振れたほか、米ドルカナダドルは一時1.4390カナダドル、カナダドル円は107.51円までカナダドル高に振れた。
・ドル円は反落。トランプ米政権による関税発動が米経済や企業収益に悪影響を与えるとの懸念が高まると、ダウ平均が一時660ドル超下落。リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となり、0時30分前には一時154.02円と日通し安値を更新した。
ただ、前週末の安値153.92円が目先サポートとして意識されると下げ渋る展開に。米政府による対メキシコ関税が1カ月先送りになったことが伝わると、株価の下げ渋りとともにドル円にも買い戻しが入り、155.01円付近まで下げ幅を縮めた。
なお、この日発表の1月米ISM製造業景況指数は50.9と予想の49.6を上回り、12月米建設支出は前月比0.5%増と予想の0.2%増より強い内容となった。
・ユーロ円も反落。0時30分前に一時157.97円と昨年12月9日以来の安値を付けたものの、米国の対メキシコ・カナダ関税延期をきっかけに買い戻しが強まると、週明け早朝取引で付けた159.98円を上抜けて一時160.15円まで値を上げた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。トランプ米政権による関税発動が米経済や企業収益に悪影響を与えるとの懸念が高まると、ダウ平均は一時660ドル超下落した。ただ、メキシコに対する関税発動が1カ月延期されることが伝わると買い戻しが優勢となり、上げに転じる場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは続落。トランプ米政権による関税発動が米経済に悪影響を与えるとの懸念が高まると、相対的に安全資産とされる米国債には買いが先行した。ただ、メキシコやカナダに対する関税発動が1カ月延期されることが伝わると一転売りが優勢となり下げに転じた。
・原油先物相場は反発。トランプ政権によるカナダ、メキシコ、中国に対する輸入関税が世界経済に悪影響を及ぼし、原油などエネルギー関連品目を含む現物の流通を停滞させるとの見方が買いを先行させた。ただ、産油国の1つでもあるメキシコのシェインバウム大統領による「関税は1カ月先送り」「トランプ米大統領と良い会話、一定の合意に至る」などの発言が伝わると安心感が広がり、原油買い圧力が緩和。上昇幅を縮小した。
・金先物相場は反発。トランプ政権によるカナダ、メキシコ、中国に対する関税や、各国の報復関税など対抗措置による貿易戦争激化への懸念を受け、リスク回避資産である金を買う動きが先行。2870ドル台まで高値を更新した。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38900 +300 (+0.77%)
TOPIX先物 2742.5 +12.0 (+0.43%)
シカゴ日経平均先物 38895 +295
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。トランプ米大統領は2月1日、カナダとメキシコ、中国からの輸入品への関税の賦課に関する大統領命令に署名した。関税発動が米経済や企業収益に与える悪影響が懸念されて、NYダウは一時650ドル超下落する場面もみられた。ただし、トランプ大統領とメキシコのシェインバウム大統領が会談を行い、関税発動を1カ月先送りすることで合意したと伝わると、上昇に転じる場面もみられた。経済指標では1月の米ISM製造業景況指数が50.9に上昇し、2022年10月以来となる景気の拡大と縮小の分かれ目である50を上回った。
NYダウ構成銘柄では、アップル
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比295円高の3万8895円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円高の3万8630円始まり、その後はショート優勢となりマイナス圏での推移が続くなか、米国市場の取引開始直後に3万8460円まで売られた。ただし、売り一巡後は急速に切り返しプラスに転じると、一時3万9150円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は終盤にかけて3万8800円から3万9100円辺りでの推移となり、3万8900円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、自律反発が意識されそうである。ナイトセッションで一時3万3万8460円まで売られたが、200日移動平均線(3万8490円)水準を支持線として切り返す形となった。75日線(3万9040円)水準では抵抗線として強弱感が対立する可能性はあるものの、同水準を捉えてくる局面では25日線(3万9320円)が射程に入ってきそうだ。
また、トランプ大統領はカナダのトルドー首相と関税実施を30日遅らせることで合意したほか、中国の習近平国家主席と数日中に関税措置などを巡り会談を行う可能性があると報じられている。期待感が高まる中で押し目待ち狙いのロングが強まりやすく、ショートカバーを誘う形になろう。そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9500円のレンジを想定する。25日線を明確に上回ってくるようだと、前日の下落分を吸収してくる展開も意識されてくるだろう。
一方で75日線水準での攻防が続くようだとショートが積み上がる可能性はありそうだが、ボリンジャーバンドの-1σが位置する3万8790円辺りでの押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
3日の米VIX指数は18.62(31日は16.43)に上昇した。75日線(16.70)、25日線(16.88)を上抜けた。一時20.42まで上昇した後に低下しているため、終値で20.00を上回ってくるまでは、過度なリスク警戒にはつながらないとみておきたい。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.13倍に低下した。一時14.23倍に上昇する場面もみられたが、200日線(14.23倍)に抑えられる形となった。その後は一時14.09倍まで低下しており、昨年9月以来の水準をつけた。同月の安値13.93倍が意識されやすく、方向性としてはNTショートに向かわせよう。ただし、自律反発の可能性があるなか、200日線水準へのリバランスはありそうだ。
3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は一時154.02円まで下落した。トランプ関税が米経済や企業収益に悪影響を与えるとの懸念が高まり、ダウ平均が一時660ドル超下落し、リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となった。その後、米政府による対メキシコ関税が1カ月先送りになったことや株価の下げ渋りとともに155.01円付近まで下げ幅を縮めた。ユーロドルは米政権の対メキシコ・カナダ関税延期を受けて1.0350ドルまで上昇した。ユーロ円は157.97円まで下落した後、160.15円まで反発した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ米大統領によるトランプ関税に関する発言を見極めながらの相場展開が予想される。
昨日は、トランプ米政権の対メキシコ・カナダに対する関税延期が報じられ、メキシコとカナダは国境に1万人の警備隊を配置することで合意した。
今回のカナダとメキシコへの関税発動の先送り決定は、トランプ米大統領が関税をあくまで交渉の材料と考えており、米国経済への痛みを伴うトランプ関税には消極的との見方を強めるものとなっている。
トランプ米大統領は、中国に対する10%の追加関税をさらに引き上げる可能性があると警告し、24時間以内に中国と協議する可能性があると述べたが、協議内容次第では、関税先送りの可能性があることで、関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
トランプ関税による相場への影響は、ベッセント米財務長官は「貿易赤字が減少することでドル高要因」と述べているが、米国のコストや株価下落懸念によるリスク回避要因とも捉えられる。第1次トランプ米政権(2017年~2020年)のドル円は、2017年1月の高値118.60円が全期間中の高値となっていた。ドル・人民元(オフショア)は、米中貿易不均衡の是正により、最終年の2020年5月に7.1965元まで上昇していた。
米国のピーターソン国際経済研究所によれば、トランプ関税のコストは米国内総生産(GDP)の1.8%となり、第1次トランプ米政権での米中貿易戦争でのコスト0.4%を大幅に上回るとのことで、貿易戦争での勝者はいない。米国の2024年10-12月期の国内総生産(GDP)は29.7兆ドルだったので、コストは5300億ドル程度となる。
トランプ関税の負担者は米国の消費者だが、トランプ政権の高官は、ドルが上昇すれば、輸出国が負担することになるとのことである。
7日予定されている日米首脳会談では、日本に対するトランプ関税の有無、ドル高・円安への牽制などに要注目となる。昨年4月に、ドル円が34年ぶりの高値を更新して154円台に乗せた際に、トランプ氏は「アメリカの製造業にとって大惨事」と述べていた。
米国の貿易赤字は以下の通りとなっている。
【日本】 【中国】 【カナダ】 【メキシコ】
トランプ関税: 10% 25% 25%
2024年1-11月:625億ドル 2704億ドル 549億ドル 1572億ドル
2023年:715億ドル 2791億ドル 642億ドル 1524億ドル
2022年:677億ドル 3821億ドル 781億ドル 1278億ドル
【第1次トランプ米政権】
2020年: 3079億ドル
2019年: 3426億ドル
2018年: 4182億ドル
2017年: 3751億ドル
4日の中国株式市場は春節(旧正月)の連休につき本日まで休場。取引は明日5日から再開される。
日経225先物は11時30分時点、前日比560円高の3万9160円(+1.45%)前後で推移。寄り付きは3万9280円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8895円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き時には3万9310円まで上げ幅を広げる場面もみられ、買い一巡後は中盤にかけて3万9070円まで軟化した。中盤以降は3万9100円を挟んでの底堅い値動きを継続している。
トランプ政権がカナダとメキシコへの関税の発動を1カ月延期することを決めたと報じられるなか、関税による世界経済への影響に対する警戒感が和らぐ形となった。日経225先物は75日移動平均線(3万9040円)を上回って始まり、その後25日線(3万9330円)に接近する場面もみられた。同線が抵抗となる形でその後は軟化したが、75日線を上回っての推移によってショートを仕掛けづらくさせよう。同線がサポートとして機能するようだと、再び25日線水準を捉えてくる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.19倍に上昇した。自律反発の流れとなるなか、NTショートを巻き戻す動きが入ったようである。ただし、14.22倍と上昇して始まったものの、寄り付きを高値にその後は低下しており、200日線(14.22倍)に抑えられる形となった。
昨日の海外市場では、引き続きトランプ関税を巡る動きに左右されることになりました。アジアでは日経平均が4桁の急落を演じるなか、ドル円は意外と値持ちがよかったものの、欧州時間に入って、欧州株やダウ先物が大幅な下落となるとリスクオフを強める展開に。NY時間に入って米10年債利回りが4.4601%まで急低下する場面では154.02円まで売り込まれたわけですが、1月下旬に既に154円割れの底堅さを痛いほど経験している市場にとっては、メキシコのシェインバウム大統領が「トランプ米大統領とはよい会話が出来た。関税は1カ月先送りされる」と発言すると一気に買戻しの動きに。155.00円まで値を戻してNY市場を終えています。
そして、引け間際にはカナダのトルドー首相が同じくトランプ米大統領と会談して、関税の1カ月先送りを表明。そのままアジア時間に突入すると155.41円まで値を上げたといったところです。ランチタイムには155.05円まで下押ししたものの、下値も限定的となっています。
いずれにしても、ドル円は終値ベースで一目転換線が位置する155.24円が意識されているほか、HFなどが重要視している50日MAの155.02円付近がポイント。日経平均の買い戻しを見ても明らかですが、週明け最初のマーケットとなった東京の、ある意味、ライブ時間帯としての避けようがない試練とはなったものの、昨日からの行き過ぎた、そして必要以上に行われてしまった海外勢によるヘッジを外す動きが今も続いています。
「私は政策金利について、その決定を主に任されている人物よりはるかによく理解しているのは確かだ」(トランプ第47代米大統領)
1.トランプ第45代米大統領 対 パウエル第16代FRB議長
トランプ第45代米大統領は、同じ1946年にニューヨークの隣接地区で生まれ育ったイエレン第15代FRB議長(民主党員)を、異例の1期限りで続投を見送り、「ミスター平凡」と揶揄されていたパウエル第16代FRB議長(共和党員)を任命した。FRB理事としてFOMCで反対したことがなかったことが任命の理由だと思われるが、意に反して利上げ路線を踏襲したことで、トランプ米大統領の逆鱗に触れて、衝突を繰り返していた。
トランプ米大統領は、パウエルFRB議長が7回も追加利上げを継続したことで、利上げ停止の圧力をかけ、議長が利上げ停止を決定した後は、利下げ圧力をかけ続けている。そして、7名のFRB理事の内、オバマ第44代米大統領が指名したブレイナードFRB理事以外の6名を自身の指名で固めようとしたが、ウォラーFRB理事とボウマンFRB理事の2名に留まり失敗した。
2. トランプ第47代米大統領 対 パウエル第16代FRB議長
パウエル第16代FRB議長の任期は、2026年5月までだが、ウォラーFRB理事は、第17代FRB議長の候補となっている。
昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのドット・プロット(金利予測分布図)では、2025年のFF金利誘導目標は2回の利下げ(0.25%x2=▲0.50%)が示されており、年末のFF金利は3.75-00%と見込まれている。
トランプ米大統領は「金利はかなり高すぎる」と金融緩和路線の継続を要請し、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)では、「原油価格が下落している今、金利の即時引き下げを要求する」と述べた。
ウォラーFRB理事は、「インフレ率は2025年も引き続き低下し、不確実なペースではあるもののFRBは追加利下げが可能になるはずだ」との見解を示した。
また、第2次トランプ米政権での関税引き上げにより「インフレに対する新たな上昇圧力の源泉が出現する可能性が高まる」としながらも、物価上昇圧力の持続的な上昇は引き起こさないとし、「適切な金融政策に関する私の見解に影響を与える可能性は低い」と述べた。
原油価格に関しては、対外的には、「石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の引き下げを要請する」と述べ、対内的には、エネルギー政策の転換を宣言して、原油と天然ガスの採掘の促進(ドリル・ベイビー・ドリル(石油を掘りまくれ))とアピールしている。
しかし、トランプ関税政策は、国内物価を押し上げることになり、移民政策は、労働者不足や賃金上昇によりインフレ圧力を高め、減税策も、企業収益や家計の可処分所得を押し上げることで消費支出を積極化して物価の上昇に寄与することになる。
本日のロンドン為替市場でも、トランプ・リスクの強弱を探りながらの取引か。昨日ニューヨーク午後からリスク回避の巻き戻す動きが見られたものの、先行き不透明感は漂ったままだ。欧州午後(NY早朝)、米大統領の起きがけに気が変わるかもしれず、暫くはトランプ発言に振り回される相場が続きそうだ。
昨日は「米国のメキシコとカナダに対する25%関税」を巡る動きや、「南アフリカへの資金援助を全面停止」とのトランプ大統領の表明に相場は右往左往させられた。週明けユーロドルは下サイドに窓を開けて始まり、一時は先週引け水準から200ポイント以上も下落。2022年11月以来の安値1.0141ドルをつけた。しかしながら、メキシコとカナダへの関税延期が報じられると、先週末の安値水準1.03ドル半ばまで切り返している。
欧州連合(EU)に対してもトランプ大統領は、新たな関税を課すことを強調。具体的な税率や時期などは明らかにされていないものの、米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)内で関税の掛け合いに発展しそうな状況のなかで、EUが次なる標的にされても致し方ないか。いずれにせよ、米大統領が取り憑かれたように他国・地域に圧力をかける姿勢が落ち着くのはまだ先だろう。
なおトランプ米大統領は中国にも10%の追加関税を課すことを表明しているが、中国の出方次第では回避される可能性も残されているもよう。米中トップ会談が実施されるとの報道もあり、経済規模で世界1位と2位の両国がもし歩み寄るようであれば、リスクセンチメントも大きく改善することになりそうだ。
本日はユーロ圏から重要な経済指標は予定されていない。金融当局者の講演は、欧州午後にビルロワドガロー仏中銀総裁が予定されている程度。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.0444ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、3日レンジの半値1.0246ドル
米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(WSJ)は3日、中国政府はトランプ米政権による追加の関税引き上げとハイテク規制の導入を未然に防ぐため、米政府への初期提案を準備していると報じた。トランプ大統領は1日に中国とカナダ、メキシコに追加関税を課す大統領令に署名したが、4日の発動前にカナダとメキシコについて1カ月延期することで合意。3日にはホワイトハウスで記者団に対し「おそらく24時間以内に中国と話をすることになる」と述べている。
WSJは米中の消息筋の話として、中国が用意している提示は、2020年1月に合意したものの未だに達成できていない貿易協議への回帰を主軸としており、中国との交渉戦略を巡って米政府内の議論がいっそう激化する見通しだとした。
トランプ米政権は4日、中国が合成麻薬「フェンタニル」の原料の取り締まりをしていないとして、同国からの輸入品に10%の追加関税を課す。しかし、両国政府とも全面的な貿易戦争に踏み込む構えは見せていない。中国の習近平国家主席は国内景気が低迷するなか、トランプ大統領との交渉に前向きとされている。一方、トランプ氏は以前に公言していたような中国に対する高率の追加関税を一気には導入しないことで、対話の余地を示したようだ。
事情に詳しい関係者によれば、中国側は今回の10%関税をトランプ氏流の交渉戦術と受け止め、当初の動きは中国指導部が容認できない「最大限の圧力」ではないとみている。ただ、トランプ氏は関税率を最高で60%まで引き上げると表明していた。
東海東京インテリジェンス・ラボでは、2023、24年とグローバル市場ではハイテク主導での株高が続いてきたが、足元ではハイテク株に高値警戒感や「生成AI相場」の継続を巡る不透明感などが広がっていると指摘。こうした状況下、先進国の中で相対的な安定感を発揮し得るのが欧州株と考えている。欧州株市場全体を反映するストックス・ヨーロッパ600指数の「情報技術(ハイテク)」セクターの構成比率は、全体の7.8%とかなり低い水準にあるとのこと。相対的に「ハイテク株波乱」の相場に強く、かつ欧州では利下げ継続が期待できるだけに、25年は欧州株の再評価がさらに進む可能性もあると東海東京では考えている。
ドル円:1ドル=155.25円(前営業日NY終値比△0.52円)
ユーロ円:1ユーロ=159.79円(▲0.27円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0293ドル(▲0.0051ドル)
日経平均株価:38798.37円(前営業日比△278.28円)
東証株価指数(TOPIX):2738.02(△17.63)
債券先物3月物:140.45円(▲0.30円)
新発10年物国債利回り:1.270%(△0.025)
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月マネタリーベース
前年同月比 ▲2.5% ▲1.0%
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。昨日のNY引け間際に米国によるカナダへの関税が30日間停止されると伝わり、貿易戦争激化への懸念が後退すると、日経平均が上げ幅を拡大する中で155.41円まで上昇。その後、トランプ米政権による中国からの輸入品に課す10%追加関税が予定通り発動されると、貿易戦争の激化懸念からリスク回避ムードが強まり、155.80円台まで下押し。もっとも朝方の安値を割り込めずに下げ渋ると、15時過ぎに155.30円台に切り返した。
・ユーロ円は売りが一服。ドル円が上昇したほか、日経平均の上げ幅拡大もあり、一時160.48円まで上昇。その後、米政権が中国への追加関税を発動したことでリスク回避の流れとなる中で159.19円まで下落したが、香港株や日経平均が下げ渋ったこともあり、159.90円付近まで持ち直した。
・ユーロドルは弱含み。朝方に前日高値に並ぶ1.0350ドルまで上昇するも、買いの勢いは強まらず。その後はドル円でドル買いが強まった影響を受けたほか、米中の2大国による貿易戦争への懸念からリスク回避ムードとなる中で1.0272ドルまで下落。売り一巡後は1.0290ドル台まで持ち直している。
・日経平均株価は上昇幅を縮小。トランプ大統領が関税発動を延期する方針を示したことでリスクオンの流れとなる中、高く始まると上げ幅は一時670円超となった。しかし、対中関税の発動が伝わると上げ幅を縮小する動きとなるも、その後は下げ渋る動きとなった。
・債券先物相場は反落。トランプ関税を巡る過度な警戒感が和らぎ、リスク回避の動きが和らぐ中で日経平均が上げ幅を拡大したことで、安全資産とされる債券は売り優勢となった。植田日銀総裁が「現在はデフレではなくインフレの状態にある」などと発言したことを受け、日銀の追加利上げが想起されたことも重しとなったもよう。新発10年物国債利回りは一時1.270%と、2011年4月以来の水準に上昇した。
中国の国務院関税税則委員会は4日、米国原産の輸入品の一部に追加関税を課すと発表した。10日に発動する。税率は石炭や液化天然ガス(LNG)など8品目が15%、原油、農業機械、大排気量の自動車、ピックアップトラックなど72品目が10%。
同委員会は、米政府がフェンタニル問題などを理由に中国からの輸入品に10%の追加関税を課すと発表したと指摘。「米国側の一方的な関税措置は世界貿易機関(WTO)ルールに違反している。米国自身の問題の解決に無益なだけでなく、中国と米国の正常な事業・貿易の協力を破壊する」と批判した。
米ホワイトハウスは、トランプ米大統領が今週中にも中国の習近平国家主席と会談する見通しを明らかにした。ロイター通信によると、レビット報道官は3日、会談が「数日以内に行われる予定だ」と述べた。トランプ氏は1月20日の就任前に習氏と電話協議しているが、就任後では初会談となる。
トランプ氏は1日、メキシコ、カナダ、中国からの輸入品に対して追加関税を課す大統領令に署名した。発動時刻は米東部時間4日午前0時1分(日本時間午後2時1分)。メキシコとカナダとは3日に発動の1カ月延期で合意したが、中国については予定通りに追加関税を発動した。
大統領令に基づいて中国からの輸入品に課す追加関税率は10%で、トランプ氏が大統領選挙の運動期間中に公言していた60%より低い。ただ、トランプ氏は大統領令を「最初の一手」と位置づけ、税率をさらに引き上げる可能性を3日に示唆した。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、中国における春節休暇(1月28日~2月4日)の時期にあたり、インバウンド関連に注目が集まっていると指摘している。訪日外客数は24年12月に単月で過去最高を記録し、24年合計でも過去最多を記録した。また、1月7日にNYタイムズが発表した「2025年に行くべき52カ所」には、日本からは富山市と大阪市がランクインしたとのこと。 三菱UFJMSでは、今後のインバウンド消費は地方も含めた盛り上がりに期待できるとみており、関連銘柄として阪急百貨店を運営するH2Oリテイル<8242.T>などに注目している。
みずほ証券では、1月の米ISM製造業指数を受けてリポートしている。1月は50.9となり、景況感の改善・悪化の分かれ目となる50を27カ月ぶりに上回った。みずほでは1月は良好な結果であったと捉えている。新規受注が5カ月連続、生産指数が3カ月連続で上昇しており、継続的な需要の回復とそれに伴う生産活動の底入れが確認される内容であったと指摘。指数は昨年11月からはっきりとした改善基調をみせており、大統領選挙通過後の不透明感払しょくにより、保留されていた投資計画が動き始めた可能性があると考えている。
大阪3月限
日経225先物 38770 +170 (+0.44%)
TOPIX先物 2736.0 +5.5 (+0.20%)
日経225先物(3月限)は前日比170円高の3万8770円で取引を終了。寄り付きは3万9280円とシカゴ日経平均先物清算値(3万8895円)を上回り、買い先行で始まった。現物の寄り付き時には3万9310円まで上げ幅を広げる場面もあり、買い一巡後は前場中盤に3万9070円まで軟化したが、前場終盤にかけては3万9100円処で底堅い値動きを継続していた。
ただし、ランチタイムで弱含むと、現物の後場開始直後には節目の3万9000円を割り込み、75日移動平均線(3万9050円)を下抜けた。後場中盤にはトランプ政権が予定通り中国に対し関税を発動したことがトリガーとなり、一気に3万8580円まで売られ、一時下落に転じる場面もみられた。200日線(3万8490円)が支持線として意識されるなかで持ち直すと、終盤にかけては3万8800円を挟んでの推移が続いた。
トランプ政権がカナダとメキシコへの関税の発動を1カ月延期することを決めたと報じられるなか、世界経済への影響に対する警戒感が和らぐ形で買い先行で始まった。日経225先物は75日線を上回って始まり、25日線(3万9330円)に接近する場面もみられた。同線が抵抗となる形でその後は軟化したが、中国への関税発動も延期されるとの期待感もあり、75日線近辺での底堅さが意識されていた。
関税発効は日本時間で2月4日午後2時1分からだった。予定通りに関税を発動したことがトリガーとなった。日経225先物は3万8960円辺りから5分ほどで一気に3万8580円まで下押しており、一時下落に転じた。もっとも、トランプ大統領は中国の習近平国家主席と数日中に会談を行う可能性があると報じられており、中国とのディールを成立させられるかが注目される。
日経225先物はトランプ政権の関税政策に振らされやすい状況が続きそうだが、まずは200日線と25日線でのレンジが意識されやすいだろう。そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9375円辺りでの推移になりそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.17倍に上昇した。自律反発の流れとなるなか、NTショートを巻き戻す動きが入ったようである。ただし、14.22倍と上昇して始まったものの、寄り付きを高値にその後は低下し、200日線(14.22倍)に抑えられる形となった。一時14.13倍と前日と同水準まで軟化する場面もみられるなど、方向性としてはNTショートでのスプレッド狙いに振れやすいだろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万3222枚、ソシエテジェネラル証券が1万7103枚、サスケハナ・ホンコンが6136枚、SBI証券が3636枚、バークレイズ証券が3157枚、JPモルガン証券が3113枚、モルガンMUFG証券が2094枚、ゴールドマン証券が1734枚、楽天証券が1405枚、野村証券が1208枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券2万8216枚、ソシエテジェネラル証券が2万0825枚、バークレイズ証券が6538枚、JPモルガン証券が5395枚、ゴールドマン証券が3874枚、BNPパリバ証券が1684枚、ビーオブエー証券が1609枚、ドイツ証券が1572枚、シティグループ証券が1026枚だった。
本日のNY時間のドル円は、155円台を挟んで方向感がなさそうだ。市場の注目が、通商問題でトランプ米大統領に標的にされている国の通貨に目が向いている。ドル円は通商摩擦悪化による米金利上昇のドル買いと、金利高を嫌気した株安による円買いに挟まれて、方向感が当面は出にくいだろう。
4日発動予定だったカナダとメキシコに対する25%の関税発動は、案の定発動が延期された。延期された理由は複数あるだろうが、関税強化を打ち出すと米株が大幅に売られ、米長期金利も上昇するなど、トランプ米大統領が求めているような結果が導き出せないことが大きな要因。更に第1次トランプ政権時はトランプ米大統領の脅し(ブラフ)が、多くの国に有効に使われたが、隣国(カナダ、メキシコ)ですら対抗策を打ち、脅しの効果が薄くなっている。トルドー・カナダ首相は、「カナダはフェンタニル担当の長官を任命する」という新たな約束をしたことで、トランプ米大統領にも一定の花を持たせたが、そもそも通商問題と全く関係のないフェンタニルを絡ませた交渉自体、トランプ米大統領に一定の成果を持たせる(関税強化を行わない逃げ道を作る)ためとの話も出ている。米国のエネルギー政策を見ても、原油輸入の6割をカナダ、1割をメキシコが担っていることを考えると、米国と両国との関係悪化が進んだ場合は、米国にも大きな痛手しか返ってこない。
本日も自己に注目が集まることを求めているトランプ米大統領が、欧州圏や中国に対して通商問題で過激な発言を発するかもしれない。ただ、本日は週末の米雇用統計の発表の前哨戦となる、12月の米雇用動態調査(JOLTS)求人件数の結果にも注目したい。市場予想では800.0万件の求人件数という予想になっている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、日足一目均衡表・基準線156.30円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値は、昨日安値154.02円。
今晩は神経質な展開か。昨日はカナダ、メキシコなどに対するトランプ関税の発動表明を受けて急落したが、その後メキシコへの関税発動を1カ月間猶予すると発表したことで下落幅を縮小して終了した。ダウ平均は一時665ドル安まで下落後、122.75ドル安(-0.28%)で終了し、S&P500も1.93%安まで下落後、0.76%安で終了。ナスダック総合は2.48%安まで下落後、1.20%安で終了した。引け後にはカナダに対する関税発動も30日間延期された。アジア時間では米政権が中国からの輸入品に対する10%の追加関税を予定通りに発動し、中国は米国からの輸入品の一部について2月10日から15%の関税を課すと発表した。
今晩の取引ではメキシコ、カナダへの関税発動の延期が追い風となることが期待されるものの、米中間の関税問題が上値の圧迫要因となりそうだ。トランプ政権の関税は取引の材料とみられているものの、実際に追加の対中関税が発動されたことでセンチメントの悪化が予想される。経済指標では週末発表の1月雇用統計が最大の焦点となるが、今晩も12月耐久財受注改定値、12月製造業新規受注、12月JOLTS求人件数などが発表予定で、指標結果を受けた利下げ見通しや米10年債利回りの動向にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは12月耐久財受注改定値、12月製造業新規受注、12月JOLTS求人件数など。決算発表はS&P500採用の40銘柄強が発表予定で、寄り前のメルク、ペプシコ、フォックス、ファイザー、エスティ・ローダー、引け後のAMD、アルファベット、サイモン・プロパティーなどが注目される。(執筆:2月4日、14:00)
3日のNY株式相場は続落。トランプ米大統領が週末にメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を、中国からの輸入品に10%の追加関税を課すと発表したことで世界的景気悪化懸念や米国内の物価上昇懸念で急落したが、メキシコに対する関税発動を1カ月停止するとしたことで過度な警戒感が後退し下落幅を縮小した。ダウ平均は下落してスタート後、665ドル安まで下げ幅を拡大したが、関税発動停止のニュースを受けて一時49ドル高まで反発し、122.75ドル安(-0.28%)で終了。S&P500も1.93%安まで下落後、0.76%安で終了し、ナスダック総合は2.48%安まで下落後、1.20%安で終了。主要3指数はそろって2日続落したが、下落幅を縮小して終了した。S&P500の11セクターは生活必需品、公益、エネルギーなど5セクターが上昇し、IT、一般消費財、資本財、金融など6セクターが下落。メキシコの主要銘柄で構成されるiシェアーズMSCIメキシコETFは2.49%高で終了した。
メキシコ、カナダなどへのトランプ関税表明を受けて急落したが、メキシコが米国への移民防止対策のために1万人規模の軍隊を派遣するなどの合意を受けてメキシコへの関税発動が延期されたことで、トランプ関税は取引のためのツールと改めて受け止められた。投資家の不安心理を示すVIX指数は先週末の16.43ポイントから一時20.42ポイントまで上昇したが、18.62ポイントで終了した。
引け後の動きでは、カナダに対する関税発動も30日間延期されると報じられた。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
メキシコ・シェインバウム政権、土壇場で「トランプ関税」延期を勝取る
最悪の事態は回避も、実体経済の弱さやトランプ関税の脅威がペソ相場の足かせとなる展開は続くか
米トランプ大統領は「関税男」を自称し、関税を材料に外交面で「ディール」を仕掛ける動きをみせる。就任直後から政権公約実現へ関税賦課を辞さない動きをみせるなか、不法移民と合成麻薬対策を目的にカナダとメキシコ、中国に追加関税を課すことを決定した。なお、メキシコ経済は米国経済と密接な関係があり、仮に関税合戦となれば実体経済に深刻な悪影響が出ることは避けられない。他方、シェインバウム政権はトランプ政権発足前からトランプ氏の懸念に対応して先回りする対応をみせてきた。また、シェインバウム氏はトランプ氏と電話協議を行い、発動直前に1ヶ月延期を勝取った。仮に関税が発動されればメキシコ経済は景気後退局面入りが確実となる上、景気の深刻な下振れが懸念されたため、猶予が得られた格好だ。しかし、今回の対応は一時的なものに留まるほか、今後も引き続きトランプ関税の脅威に晒される懸念は残る。よって、当面のペソ相場も実体経済の弱さも含め、不透明な展開が続く可能性に留意する必要がある。
日経平均株価は反発。前日陰線の高値を超えるスタートとなったが、5日移動平均線(39163円 2/4)や一目均衡表の基準線(39226円 同)を上値で意識して買いが一巡した。後場は急速に上げ幅を縮小する場面があったが、若干持ち直して200日移動平均線(38631円 同)上を回復して終えた。
RSI(9日)は前日の42.7%→36.5%(2/4)へ低下。あすも低下が続きやすいタイミングとなり、きょうの動きだけで前日から大きな変化はない。1/28安値(38886円)を下回ったことで、1/24高値(40279円)からの二段下げ目に入っている。短期的には1月安値を保った状態で1/31高値(39681円)を超えられるかが焦点となる。
上値メドは、75日移動平均線(39020円 同)、25日移動平均線(39314円 同)、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)、心理的節目の40000円、1/24高値(40279円)などがある。下値メドは、2/3安値(38401円)、1/14安値(38305円)、心理的節目の38000円、11/28安値(37801円)、心理的節目の37500円などがある。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
「トランプ2.0」でも南アフリカの土地政策にふたたび関心か
今回は「マスク氏」の存在が政策に影響の可能性も、ランド相場の新たなリスク要因となるか
米トランプ大統領は「関税男」を自称し、外交政策を巡って関税賦課を材料に取引を持ち掛ける動きをみせる。こうしたなか、突如SNSで南アフリカの土地政策を巡る懸念を理由にすべての資金援助を停止する考えを明らかにした。なお、トランプ氏が同国の土地政策に関心を抱くのは2度目であり、第1次政権の際にも調査を指示した経緯がある。ただし、今回は同国にルーツを持つマスク氏が政権内に居るため、何らかの政策に具現化する可能性も考えられる。南ア政府は米政府に理解を求める考えを示す一方、近年は中国と接近する動きをみせるなかで米中摩擦の動きが「飛び火」する可能性もくすぶる。また、米トランプ政権の関税政策をきっかけに金融市場に不透明感が強まるなか、両国関係が悪化すればランド相場が調整の動きを強めるなど、金融政策の手足を縛る懸念もある。当面は具体的な動きに注意を払う必要があろう。
第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト・西?M 徹氏
OPECプラス、4月からの有志国による段階的増産で合意
米トランプ大統領が求める大幅増産には距離、価格と存在感の維持を図るべく漸進的な増産に舵へ
主要産油国の枠組であるOPECプラスは、3日に開催した合同閣僚監視委員会(JMMC)において、4月以降に有志国8ヶ国による自主減産を段階的に縮小する方針で合意した。昨年末の閣僚会合では原油価格の低迷が続くなか、有志国の自主減産を3ヶ月延長するとともに、枠組全体としての協調減産を1年間延長することで強いメッセージを打ち出した。他方、その後は米トランプ大統領が原油価格の下落へOPECプラスに増産を求める考えを示していた。JMMCではトランプ氏の増産要求についても協議がなされた模様だが、価格維持の一方で存在感低下を避けるべく減産縮小のタイミングを探るなか、昨年末に合意した4月からの有志国による自主減産の段階的縮小の方針を維持した格好である。その意味では、米トランプ政権とOPECプラスの間に「温度差」があることは間違いないと捉えられる。なお、当面は米トランプ政権の通商政策の行方に加え、需給の緩みが意識されやすい時期も重なり、原油相場は上値の重い展開が続こう。
(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.27円(4日15時時点比▲0.98円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.07円(△0.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0376ドル(△0.0083ドル)
FTSE100種総合株価指数:8570.77(前営業日比▲12.79)
ドイツ株式指数(DAX):21505.70(△77.46)
10年物英国債利回り:4.522%(△0.035%)
10年物独国債利回り:2.396%(△0.011%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。米長期金利の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行すると、17時30分前に一時155.52円と日通し高値を付けたものの、前日の高値155.89円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。
NYの取引時間帯に入ると、12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や12月米製造業新規受注が予想より弱い内容となり、全般ドル売りが活発化。米長期金利が低下に転じたことも相場の重しとなり、3時前に154.25円と日通し安値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.94まで低下した。
・ユーロドルは底堅い動き。アジア市場では一時1.0272ドルまで値を下げたものの、欧米市場では底堅く推移した。前日には米政権の対メキシコ・カナダ関税の発動がひとまず延期された。投資家のリスク回避の動きに一服感が出て、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。NY市場では米長期金利の低下に加え、低調な米雇用指標を受けて全般ドル売りが加速。2時前に一時1.0387ドルと日通し高値を更新した。
・ユーロ円も底堅い動き。アジア時間に一時159.19円まで売り込まれたあとは買い戻しが優勢となり、23時30分前に160.70円と日通し高値を付けた。そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。トランプ米政権が中国からの輸入品に対する追加関税を発動すると、中国当局も米国産の一部製品に対して報復関税を課すと表明。米中貿易摩擦の激化懸念から売りが優勢となった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、コンパス・グループなど一般消費財サービスが値下がりした。
・フランクフルト株式相場は反発。米中貿易摩擦の激化懸念から売りが先行したものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。本日の米国株相場の上昇などが投資家心理の改善につながった。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(10.37%高)やSAP(1.58%高)、ブレンターク(1.53%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。
4日の日経平均は反発。終値は278円高の38798円。トランプ政権がメキシコとカナダへの関税発動を延期すると伝わったことから、500円超上昇して始まった。すぐに上げ幅を600円超に広げたが、39200円近辺では上値が重くなった。前場では39000円より上での推移が続いたが、後場に入ると失速。14時近辺では米国の中国に対する10%の追加関税が予定通り発動されたと伝わったことで、急速に値を消す場面もあった。ただ、上げ幅を2桁に縮めたところでは間を置かず盛り返しており、終盤にかけては200円程度高い水準で値動きが落ち着いた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆8900億円。業種別では非鉄金属、繊維、電気機器などが上昇した一方、空運、水産・農林、石油・石炭などが下落した。上方修正や増配を発表したSANKYO<6417.T>が後場急伸。半面、ちゅうぎんフィナンシャルグループ<5832.T>は3Q決算が物足りないと受け止められ、後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり858/値下がり721。米国の関税リスクがやや後退したことから、トヨタやマツダなど前日売り込まれた自動車関連に見直し買いが入った。メタプラネット、リミックスポイント、セレスなど暗号資産関連も前日大幅安の反動で急伸。上方修正を発表した住友電工が後場に入って跳ねており、同業の古河電工やフジクラが連れ高した。3Qの業績好調が確認できた寿スピリッツが上場来高値を更新。通期の利益見通しを引き上げたメンバーズがストップ高となった。
一方、下方修正を発表した三菱自動車は、自動車関連が買われる中でも14.7%安と派手に下げた。三菱重工は前場では大きく上昇していたが、後場に3Q決算を消化してマイナス圏に沈んだ。値がさのキーエンスやファーストリテイリングがきのうに続いて大きめの下落。前日ストップ安で場中に値が付かなかったバリューコマースは、きょうも売りが続いて連日のストップ安となった。
日経平均は反発したものの、高く始まった後の上値は重かった。前引けは620円高で大引けは278円高。前日の1052円安に対する戻りが6割と3割では印象も大きく変わる。きのうの大幅安で売りが出尽くしたと判断するのは早計だ。まだ不安定な動きが続きそうで、きのう3日の安値38401円を下回ることなく推移できるかが目先の注目点となる。下回った場合には押し目買いは38000円近辺まで待った方が良い。
あすはトヨタが3Q決算を発表予定。きのう3日には「トランプリスク」の象徴的な業種として自動車関連が軒並み安となっており、きょうは下方修正を発表した三菱自動車が2桁の下落率となった。トヨタの決算が失望材料となった場合には、自動車関連はバリュエーション面で割安感があっても手を出しづらくなる。業界の雄から悪い流れを食い止めるリリースが出てくることに期待したい。
中国の在米大使館報道官は4日、米国がフェンタニル問題を理由に中国製品への10%の追加関税を課したことに対し、強い不満と断固とした反対を表明。その上で中国による米国への対抗措置の正当性を主張した。『AAストックス』の報道によると、報道官の発言の要旨は次の通り。
中国は関連する法律や国際法の基本原則に基づき、必要な対抗措置を講じた。その対応は完全に正当かつ合理的なものだ。また、中国は世界貿易機関(WTO)への提訴を通じ、自国の合法的権益を断固として守る。
中国は世界で最も厳格かつ徹底した麻薬対策を実施している国の一つであり、フェンタニル問題は米国側の課題だ。本来、人道的立場から米国の対策を支援しており、2019年には米国の要請に応じ、フェンタニル類物質を包括的に規制することを発表した。これは世界で初めての試みであり、近年では、両国は麻薬取り締まり分野で実務協力を進め、物質規制、情報共有、個別案件の協力、オンライン広告の監視、薬物検査技術の交流、多国間協力などで具体的な進展を遂げた。
米国は自国のフェンタニル問題を客観的かつ理性的に対処すべきであり、中国の善意を評価し、関税を武器にした威圧的な対応をやめるべきだ。米国の一方的な関税引き上げは、WTOルールに著しく違反しており、典型的な単独主義と貿易保護主義の行為だ。これにより中米経済貿易協力の基盤が損なわれ、将来的な麻薬取り締まり協力にも影響を及ぼす。
中国側は、米国に対し誤った対応を改め、中米間の麻薬取り締まり協力の貴重な成果を維持し、両国関係の安定・健全かつ持続可能な発展を促進するよう強く求める。
一部通信社が報じたところによると、「本日4日に米中首脳会談は実施されない」ようだ。
4日06:39 トルドー・カナダ首相
「米国の関税は30日間先送り」
「約1万人の兵士が国境を警備する」
4日08:52 赤沢経済再生相
「今後とも物価動向に細心の注意を払う」
「物価動向を注視し、物価高対策の進捗管理を内閣府で始める」
4日11:53 植田日銀総裁
「消費者物価総合が安定的に2%に行くことを目指している」
「現在はデフレではなくインフレの状態にある」
4日14:20 中国財務省
「トランプ米政権の10%追加関税に対抗するため関税を課す」
「米国への新たな関税は10日に発行」
「米国産石炭とLNGに15%の関税課す」
「米国の原油や農機具、一部自動車に10%の追加関税」
5日04:19 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「経済は非常に好調」
「不確実性はあるものの、経済は引き続き勢いを増している」
「FRBはデータや政策変更をじっくり検討できる」
※時間は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 12月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比3.7%)
<海外>
○06:45 ◎ 10-12月期ニュージーランド(NZ)失業率(予想:5.1%)
◎ 就業者数増減(予想:前期比▲0.2%/前年比▲0.9%)
○09:30 ◎ ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○10:45 ◎ 1月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:52.4)
○16:45 ◇ 12月仏鉱工業生産(予想:前月比▲0.1%)
○17:50 ◎ 1月仏サービス部門PMI改定値(予想:48.9)
○17:55 ◎ 1月独サービス部門PMI改定値(予想:52.5)
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○18:30 ◎ 1月英サービス部門PMI改定値(予想:51.2)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比▲0.1%)
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:15 ☆ 1月ADP全米雇用報告(予想:15.0万人)
○22:30 ◇ 12月カナダ貿易収支(予想:7.5億カナダドルの黒字)
○22:30 ◎ 12月米貿易収支(予想:966億ドルの赤字)
○23:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○23:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、イベントに参加
○23:45 ◎ 1月米サービス部門PMI改定値(予想:52.9)
○23:45 ◎ 1月米総?⑰MI改定値(予想:52.5)
○24:00 ☆ 1月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:54.3)
○6日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○6日01:00 ◎ 12月ロシア失業率(予想:2.4%)
○6日04:30 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○6日05:00 ◎ ボウマンFRB理事、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
(4日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.34円(前営業日比▲0.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.20円(△0.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0379ドル(△0.0035ドル)
ダウ工業株30種平均:44556.04ドル(△134.13ドル)
ナスダック総合株価指数:19654.02(△262.06)
10年物米国債利回り:4.51%(▲0.04%)
WTI原油先物3月限:1バレル=72.70ドル(▲0.46ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2875.8ドル(△18.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
760.0万件 815.6万件・改
12月米製造業新規受注
(前月比) ▲0.9% ▲0.8%・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は続落。欧州市場では一時155.52円まで上昇する場面もあったが、前日の高値155.89円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。
NY市場に入ると、12月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や12月米製造業新規受注が予想より弱い内容となったことが分かり、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化。3時30分前に一時154.17円と日通し安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時107.92まで低下した。
・ユーロドルは7日ぶりに反発。前日にはトランプ米政権の対メキシコ・カナダ関税の発動がひとまず延期された。投資家のリスク回避の動きに一服感が出て、ユーロ買い・ドル売りが入りやすい地合いとなった。米長期金利の低下に加え、低調な米雇用指標を受けて全般ドル売りが優勢になると、6時過ぎに一時1.0388ドルと日通し高値を更新した。
なお、本日4日には「トランプ米大統領と習近平中国国家主席による電話会談が行われる予定」と伝わっていたが、結局米中首脳電話会談は実施されない見通しとなった。
・ユーロ円は小反発。アジア時間に一時159.19円まで売り込まれたあとは買い戻しが優勢となり、23時30分前に160.70円と日通し高値を付けた。そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。エヌビディアやアマゾン・ドット・コム、アップルなど、主力ハイテク株が買われたことで、投資家心理が改善。相場の押し上げ要因となった。半面、米中貿易摩擦の激化への懸念から、ダウ平均は下げる場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発した。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。低調な米経済指標を受けて債券買いが優勢となった。
・原油先物相場は反落。産油国でもあるメキシコ・カナダから米国への輸入品に対する関税発動が取りあえず1カ月延期されたことが売り先行要因となった。昨年末12月31日以来の安値70.67ドルまで一時下落した。しかし中国に対する追加関税は発動され、中国も報復関税を課すと表明。貿易戦争激化が現物の流通を阻害するとの見方から買い戻しが入り、下落幅を縮小した。
・金先物相場は続伸。トランプ政権による輸入品への関税のうち、メキシコ・カナダへの関税発動は1カ月延期となった。しかし中国への追加関税は現地東部時間4日午前0時1分に発動。中国が対抗措置として報復関税を課すと表明して状況が緊迫するなか、リスク回避資産として金を買う動きが進み、2853ドル台まで高値を更新した。
4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米長期金利の低下とともに154.17円まで下落した。12月米JOLTS求人件数や同月米製造業新規受注が予想より弱い内容となったことを受けた動き。ユーロドルは低調な米雇用指標を受けて全般ドル売りが優勢になると、1.0388ドルと日通し高値を更新した。
本日の東京市場では、ドル円は株価動向や日米の長期金利をながめて方向感を模索する展開か。
前日の弱い米雇用指標を受けて米長期金利が低下した一方、米株は主要3指数そろって上昇した。東京市場では株価や金利の動きに左右される展開が見込まれるものの、注意したいのはドル円の立ち位置。今月に入り2日連続で156円を前に頭が重く、昨日は154.34円付近で引けた。先月下旬から下値支持となっている153.70円台が近いため、株安や米長期金利低下などの局面では下値が意識されやすいと見る。本日はゴトー(5・10)日であり、東京仲値の値決めにかけても気が抜けなさそうだ。
なお、昨日米国は中国に対する追加関税を発動したほか、中国も報復関税を発表した。米中貿易摩擦の激化懸念からリスクオフとなる場面が見られるも、ドル円は売り一巡後は日通し高値を更新する場面もあった。これまでのところ、トランプ政権による関税などの交渉について、カナダやメキシコ、中国などが対象となっていたが、材料としては一服感が漂っている。そうした中で新たな貿易戦争を予感させる材料が出た場合は、市場が過敏に反応する展開も想定される。引き続き関連報道への警戒は怠らないようにしたい。
経済指標は、12月毎月勤労統計調査が発表予定。11月の実質賃金は確報値で前年比+0.5%と速報値(-0.3%)から上方修正されて4カ月ぶりのプラスとなった。先月24日に日銀が利上げを行った直後であるほか、市場の関心がトランプ米大統領の関税を始めとする政策に集まる中では、指標に対する反応は限定的となりそうだが、賃上げの動向を見るうえで押さえておきたい。
昨日は、植田日銀総裁が衆院予算委員会で「デフレではなくインフレの状態にある」などと述べた。一方、石破首相は「日本経済はデフレの状況にはないが、脱却できていない。今インフレと決めつけることはしない」などと発言しており、政府と日銀の日本経済に対する認識の違いが見られた。デフレ脱却が明確となれば日銀の追加利上げが意識されやすくなるため、引き続き発言内容には注意したい。
他方、中国では1月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。市場予想は52.4と前月の52.2をわずかに上回る見通しとなっている。本日は春節明けで上海株の取引が再開されることもあり、こちらの動向も留意したい。
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 39110 +340 (+0.87%)
TOPIX先物 2756.0 +20.0 (+0.73%)
シカゴ日経平均先物 39110 +340
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
4日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ米政権は4日から中国に対して10%の追加関税を発動。中国政府はこれに対抗し10日から米国に追加関税を課すと発表した。米中貿易戦争の再燃が警戒されて、NYダウは一時100ドル近く下げる場面もみられた。ただし、決算発表が本格化するなか、パランティア・テクノロジーズ
他のハイテク株にも買いが広がり、NYダウ構成銘柄では、エヌビディア
また、12月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数が760万件と、市場予想を下回った。週末に発表される1月米雇用統計に対する上振れ懸念が和らいだほか、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ休止が長期化するとの見方も後退し、買いにつながった。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比340円高の3万9110円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比50円高の3万8820円始まり、その後は軟化し3万8700円と下落に転じる場面もみられた。ただし、売り一巡後はリバウンド基調を継続し、米国市場の取引開始後に節目の3万9000円を回復。中盤にかけて3万9130円まで上げ幅を広げた。終盤にかけては3万9000円~3万9100円辺りで保ち合い、3万9110円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ナイトセッションでは開始直後に3万8700円まで売られたが、その後はボリンジャーバンドの-1σ(3万8780円)を上回って推移し、同水準が支持線として意識される形となった。その後のリバウンドで75日移動平均線(3万9030円)を上回ってきており、同線が支持線として機能するかを見極めたいところであろう。
75日線水準での底堅さがみられるようだと、前日に上値を抑えられていた25日線(3万9310円)突破を試してくる可能性がありそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心に、上下の権利行使価格である3万8625円から3万9375円辺りのレンジを想定する。3万9000円での攻防から軟化する局面では、-1σ水準を支持線とした押し目狙いのロング対応としたい。
4日の米VIX指数は17.21(3日は18.62)に低下した。一時16.78まで下がり、25日線(16.87)を下回る場面もみられた。米中貿易摩擦の悪化懸念から楽観視はできないものの、再びボトム圏に接近してきたことで、ややリスク選好に向かわせそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.17倍に上昇した。自律反発の流れとなるなか、NTショートを巻き戻す動きが入り、14.22倍と上昇して始まった。ただし、寄り付きを高値にその後は低下しており、200日線(14.22倍)に抑えられる形となった。一時14.13倍と前日比変わらずの水準まで軟化する場面もみられており、200日線を明確に突破してくるまでは、NTショートでのスプレッド狙いに振れやすいだろう。
昨日の海外市場では、トランプ関税に振り回されるなかにあって、久し振りに米指標に素直に反応したといったところ。12月米JOLTS求人件数や12月米製造業新規受注が予想を大幅に下回る弱い数字となったことを受けて米10年債利回りが4.5957%から4.5065%まで急低下。ドル全般に売られる展開となると一時154.17円まで値を下げました。
アジア時間に入ってからは、ゴトー日ということもあり朝方こそ154.46円まで買戻される場面もみられましたが、12月毎月勤労統計が予想を上回る強い結果となったほか、赤沢経済再生担当相が「足元はインフレとの認識。植田日銀総裁と齟齬ない」と発言したことを受けて下落。1月27日の安値153.72円を下抜けると目先のSLを巻き込むかたちで下げ足を速め、一時153.47円まで売り込まれたといったところです。
いずれにしても、昨日の植田日銀総裁の国会での「日本はデフレではなくインフレ」とのかなり乱暴な発言に端を発した動きとはなっていますが、先週末の日銀会合後の記者会見からは「次の利上げは7月の展望レポートあたり」とのコンセンサスを形成しつつあった市場にとっては、もう毎会合のことではありますが、常にこういった常識的な判断が覆させられる結果が続いているわけで、その先を読むのなら、次のミスコミュニケーションは、当然、「追加利上げが早まる」との認識からの「やっぱりしばらく利上げは見送られる」とのコンセンサスへの回帰となるのかもしれません。
ドル円は目先、一目雲下限が位置する153.37円や200日MAの152.81円付近を意識しつつ、その場しのぎの対応で付き合っていくしかない状況となっています。
日経225先物は11時30分時点、前日比80円安の3万8690円(-0.20%)前後で推移。寄り付きは3万9000円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9110円)にサヤ寄せする形から、買い先行で始まった。ただし、現物の寄り付き直後につけた3万9110円を高値に軟化し、中盤には支持線として意識された75日移動平均線(3万9020円)を割り込んだ。終盤にかけて下落に転じると、一時3万8680円まで下げ幅を広げる場面もみられた。
日経225先物は3万9110円まで買われたが、ナイトセッションの終値水準であり、一段高でロングが強まる流れにはならなかった。一方で、朝方に突破した75日線をキープできず、持ち高調整に伴うロング解消に向かわせたようだ。また、為替市場ではドル円が1ドル=153円30銭台と円高に振れて推移していることも、ロング解消に向かわせたようだ。ただし、売り一巡後はボリンジャーバンドの-1σ(3万8750円)辺りでの底堅さがみられている。-1σを上回っての推移となるようだと、再び75日線辺りを捉えてくる可能性はありそうだ。
NT倍率は先物中心限月で14.15倍に低下した。14.19倍と上昇して始まったが、その後は一時14.11倍まで下げる場面もみられた。抵抗線として意識されている200日線(14.22倍)から放れつつあり、NTショートに振れやすい状況である。
「トランプ関税が発動されれば、米国の貿易赤字が減少するためドル高要因となる」
(ベッセント米財務長官)
1. トランプ関税の負担者
ベッセント米財務長官は、「仮に10%の関税を発動した場合、ドルが4%上昇し、10%が消費者に転嫁されるわけではない」と述べていた。
また、トランプ政権の高官は、トランプ関税が発動された場合、当初は、米国の消費者の負担になるが、ドルが上昇することで、負担は輸出業者に転嫁される、と述べていた。
日米の通商取引とドル円相場に置き換えて検証してみたい。
ドル円が150円で10%の輸入関税が賦課された場合、1万ドル(@150円=150万円)の米国への輸出品は、11000ドルで販売されるが、10%分の1000ドルは米国の消費者が負担する。
ドル円が10%上昇して165円に上昇した場合も、1万ドルの米国への輸出品は、11000ドルで販売され、10%分の1000ドルは同じく米国の消費者が負担するはずだが、トランプ政権の高官は、ドル高になった場合は、日本の輸出業者が負担することになるらしい。
日本の輸出業者は、150円で採算が取れるため、10%の為替益を割引いて9100ドル(@165=150.15万円)で輸出し、米国の消費者は10%の関税を支払っても、10010ドルとなるため、輸出業者が負担しているようになる。
米国のピーターソン国際経済研究所によれば、トランプ関税のコストは米国内総生産(GDP)の1.8%となり、第1次トランプ米政権での米中貿易戦争でのコスト0.4%を大幅に上回るとのことで、貿易戦争での勝者はいない。米国の2024年10-12月期の国内総生産(GDP)は29.7兆ドルだったので、コストは5300億ドル程度となる。
2.米国の貿易赤字
第1次トランプ米政権(2017年~2020年)のドル・人民元(オフショア)は、米中貿易戦争により、最終年の2020年5月に7.1965元まで上昇していた。そして、ドル・人民元の上昇により、米国の輸入物価指数はマイナスに転じていた。
【日本】 【中国】 【カナダ】 【メキシコ】
トランプ関税: 10% 25% 25%
2024年1-11月:625億ドル 2704億ドル 549億ドル 1572億ドル
2023年:715億ドル 2791億ドル 642億ドル 1524億ドル
2022年:677億ドル 3821億ドル 781億ドル 1278億ドル
【第1次トランプ米政権】 【ドル・人民元(オフショア)】
2020年: 3079億ドル 6.5028
2019年: 3426億ドル 6.9617
2018年: 4182億ドル 6.8706
2017年: 3751億ドル 6.5143
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、昨日ニューヨーク市場からの流れが引き継がれて上値余地を試す展開か。ただ序盤は、東京朝から動意付いた円相場中心の値動きとなりそうだ。欧州午後(NY序盤)には1月米雇用統計の前哨戦とされる同月ADP全米雇用報告が発表され、結果を受けてレンジを広げる可能性もあるだろう。
東京朝に発表された日本の賃金統計が総じて強い結果となり、本邦金利の先高観が高まると為替は円買いが優勢となった。政府高官のインフレ認識発言もドル円やクロス円の重しとなったもよう。欧州中央銀行(ECB)が依然として利下げモードの中で日銀の追加利上げ観測がでると、ユーロ円はどうしても敏感に反応せざるを得ないようだ。
ただ、次の日銀金融政策決定会合までは1カ月以上あり、金利のみで一方的に相場が動くとも考えづらい。一巡後は、経済指標を見極めながら欧州通貨は上下することになりそうだ。
本日は改定値ではあるが、独・仏・ユーロ圏の1月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。独・ユーロ圏は速報値でしっかりと景況感判断の境目50を超えていた。そうなると注目は仏の結果。速報値では48.9と予想を下回るさえない結果だったが、これがもし上振れるようであれば、ユーロドルも上値を試しやすくなるかもしれない。
昨日のユーロドルは1.02ドル後半まで下落したところから切り返し、1.03ドル後半まで上昇して週明け3日にできたギャップを完全に埋めた。3日のロウソク足は長い下ヒゲを伴う陽線であり、単純ではあるが同日につけた2022年11月以来の安値1.0141ドルが暫く底となる可能性はある。ユーロ高ドル安には米長期金利の更なる低下は必要だろうが、目先は日足一目均衡表・雲を巡る攻防が注目される。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.0444ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、4日安値1.0272ドル
SMBC日興証券では、2024年12月の毎月勤労統計を受けてリポートしている。12月の名目賃金は、本系列で前年比+4.8%、共通事業所系列で同+5.2%の大幅上昇を記録した。冬季賞与増加の効果が表れたとSMBC日興では捉えており、経済活動正常化や価格転嫁による収益改善のほか、人手不足に対応した待遇改善も賞与増につながっているとみている。実質賃金は小幅ながら2カ月連続でプラスとなった。SMBC日興では、先行きの実質賃金は前年比ゼロ近傍で推移し、プラスとマイナスを行ったり来たりすると予想している。
ドル円:1ドル=153.43円(前営業日NY終値比▲0.91円)
ユーロ円:1ユーロ=159.22円(▲0.98円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0377ドル(▲0.0002ドル)
日経平均株価:38831.48円(前営業日比△33.11円)
東証株価指数(TOPIX):2745.41(△7.39)
債券先物3月物:140.37円(▲0.08円)
新発10年物国債利回り:1.285%(△0.010%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
12月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比 4.8% 3.9%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は売り優勢。朝方に154.46円まで値を上げたものの、12月の毎月勤労統計(現金給与総額、前年比)や実質賃金がいずれも予想より強い結果となったことで、日銀の早期利上げ観測から一転して売られる展開に。赤沢経済再生相が「足もとはインフレの状態という認識、植田総裁と齟齬ない」と発言すると売りに拍車がかかり、目先のサポートとして意識されていた1月27日安値の153.72円を下抜けるとストップロスを誘発。一時153.10円と昨年12月13日以来の安値を付けた。
・ユーロ円も売り優勢。良好な本邦賃金の伸びを受けて日銀の早期利上げ観測が高まると円が全面高に。一時158.94円まで値を下げた。その後はユーロドルが上昇した影響もあり159.30円台まで下げ渋っている。
・ユーロドルは強含み。1.0380ドル前後でのもみ合いが続いていたが、トランプ政権の関税政策に対する過度な警戒感がいったん和らぐ中で15時過ぎからドル売りに傾くと一時1.0394ドルまで上昇している。
・日経平均株価は小幅に続伸。前日の米ハイテク株高の流れを引き継いで朝方には300円超上昇した。トヨタなど決算が良好だったことも支えとなった。ただ、外国為替市場での円高を受けて一転して売りが強まると下げに転じる場面もあった。
・債券先物相場は続落。良好な毎月勤労統計で日銀の利上げ観測が高まり140.15円まで下落する場面があった。ただ、一巡後は押し目買いから140.40円まで反発した。
シティグループは最新リポートで、トランプ米大統領が就任した後の米中関係について、当初の想定より良いスタートとなったとの見方を示した一方、トランプ氏が2月1日に中国からの輸入品の10%の追加関税を課す大統領令に署名したことに言及。同追加関税措置が発動した4日に中国は一連の対抗措置を発表し、総額140億米ドルの米国からの輸入品に対する報復関税や、レアメタルの輸出規制、米企業2社の「信頼できない企業リスト」への掲載、米グーグルに対する独占禁止報違法の調査が含まれていると指摘した。『AAストックス』が5日伝えた。
シティは、今回の追加関税を巡る米中の協議が今後の試金石になるとの見方を示した。米国による10%の追加関税と中国の対抗措置がともに先送りになり、米中が違法薬物などの問題での協力に合意した場合、貿易交渉は新たな扉が開くと予想。一方、逆の結果となった場合は米中対立がエスカレートするとみている。
また、米国による10%の追加関税は輸出伸び率を1.9ポイント、国内総生産(GDP)成長率を0.3ポイントそれぞれ押し下げるとの試算を示した。
みずほ証券では原油市場の見通しについて考察している。トランプ大統領はOPECに対して原油価格の引き下げを要求。OPECプラスは自主減産を4月以降に段階的に縮小する計画を2月の合同委員会で確認した。中東産油国の財政健全化には高い価格が望ましく、相応の見返りがない限り、OPECが原油価格の引き下げ要求に応える可能性は低いとみずほでは考えている。また、これらの点を踏まえて25年の原油価格の予想レンジを、年前半が1バレル=65ドル~85ドル、後半が同60ドル~80ドルとしている。
大阪3月限
日経225先物 38740 -30 (-0.07%)
TOPIX先物 2740.5 +4.5 (+0.16%)
日経225先物(3月限)は前日比30円安の3万8740円で取引を終了。寄り付きは3万9000円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9110円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。だが、現物の寄り付き直後につけた3万9110円を高値に軟化し、前場中盤には支持線として意識された75日移動平均線(3万9020円)を割り込んだ。前場終盤に下落に転じると、一時3万8680円まで下げ幅を広げる場面もみられた。
ランチタイムでは3万8750円~3万8800円辺りで推移し、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8750円)水準での底堅さが意識されて、後場中盤にかけてはショートカバーにより3万8910円まで戻した。ただし、75日線水準を意識したリバウンドには向かわず、終盤にかけては再び-1σ水準での攻防となった。
日経225先物は3万9110円まで買われたが、ナイトセッションの終値水準であり、一段高でロングが強まる流れにはならなかった。一方で、朝方に突破した75日線をキープできず、持ち高調整に伴うロング解消に向かわせたようだ。また、為替市場で1ドル=153円前半と円高に振れて推移したことも、前場終盤にかけてのロング解消につながったようだ。ただし、積極的にショートを仕掛けてくる流れにはならず、-1σが支持線として機能している。
日中では3万9000円を回復する場面もみられたが、昨日同様、結局は日中の安値圏で終えており、週初の急落に対する自律反発狙いのロングも入りにくい状況である。-1σや200日線(3万8490円)が支持線として意識されるなか、押し目狙いのロング対応による自律反発のタイミングを見極めたいところであろう。
明日は指数インパクトの大きい、東京エレクトロン <8035.T> [東証P]の決算発表が予定されている。短期的にはショートが積み上がっているとみられ、決算発表を前にリバランスの動きをみせてくるかが注目されそうだ。足もとでは日米ともにハイテク企業の良好な決算が目立っており、思惑も高まりやすい。
NT倍率は先物中心限月で14.13倍に低下した。14.19倍と上昇して始まったが、その後は一時14.11倍まで下げる場面もみられた。抵抗線として意識されている200日線(14.22倍)から放れつつあり、昨年9月以来の14.00倍割れの可能性もありそうだ。200日線を明確に上抜けてくるまでは、NTショートに振れやすい状況だろう。
手口面(3月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万5354枚、ソシエテジェネラル証券が1万4242枚、サスケハナ・ホンコンが4410枚、SBI証券が3590枚、JPモルガン証券が2059枚、バークレイズ証券が1834枚、モルガンMUFG証券が1652枚、日産証券が1132枚、ゴールドマン証券が812枚、楽天証券が765枚だった。
TOPIX先物は、ABNクリアリン証券2万4724枚、ソシエテジェネラル証券が1万7526枚、バークレイズ証券が6326枚、JPモルガン証券が5109枚、ゴールドマン証券が4310枚、モルガンMUFG証券が3205枚、ビーオブエー証券が2515枚、SBI証券が1621枚、日産証券が1025枚、UBS証券が900枚だった。